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2007.09.05
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63.呪怨パンデミック

■製作年・国:2006年、アメリカ
■上映時間:102分
■鑑賞日:8月22日、新宿グランドオデヲン座(歌舞伎町)
■公式HP: ここをクリックしてください
呪怨2.jpg
□監督:清水崇
□脚本:スティーブン・サスコ
□製作:サム・ライミ、ロブ・タパート、一瀬隆重
□製作総指揮:ジョー・ドレイク、ネイサン・カへイン、ロイ・リー、ダグ・デヴィソン
□音楽:クリストファー・ヤング
□編集:ジェフ・ベタンコート
□撮影:柳島克己
□美術:斎藤岩男
キャスト

◆アンバー・タンブリン(オーブリー)事件に巻き込まれた姉カレンを見舞いに日本に来るが...
◆アリエル・ケベル(アリソン)クラスメイトと東京の呪われた幽霊屋敷にやって来て...
◆ジェニファー・ビールス(トリッシュ)小学生ジェイクの継母としてビルと結婚しシカゴに引っ越す
◆エディソン・チャン(イーソン)香港の記者で東京の幽霊屋敷の事件に興味を持ち取材するのだったが...
◆宇野実彩子(ミユキ)ヴァネッサとアリソンを連れて「幽霊屋敷」に行くのだったが...
◆サラ・ローマー(レイシー)ジェイクの姉で仲が良く相談相手でもあった
◆サラ・ミシェル・ゲラー(カレン)東京の大学で学んでいたが事件に巻き込まれて入院する

【この映画について】
『THE JUON/呪怨』でハリウッドでも注目の清水崇監督が再びメガホンをとって制作された、ハリウッド版『呪怨』(英題:The Grudge) の第2弾。
タイトルにある「パンデミック」とは世界的な流行病に対する医学用語で、ある感染症が世界的に流行することを指す。その名の通り、今回はインターナショナルスクールに通うアリソン、事故にあった姉を見舞いに日本にやってきたオーブリー、そしてシカゴのアパートに住む男の子・ジェイクの3人を中心に、恐怖は日本だけに留まらず海を越えて次々と広がっていく“呪いと怨念”を、日本独特の精神的に追い詰めてゆく映像で描いていく。
緩急をつけながら徐々にピークへと達する恐怖の演出は、さすが清水監督といったところ。おどろおどろしい幽霊屋敷や病院といった閉鎖的な空間の恐怖がスクリーンいっぱいに広がる。
【ストーリー】(ネタばれなし)
東京のインターナショナルスクールに通うアリソンは、クラスメイトのヴァネッサとミユキに連れられ、幽霊屋敷として有名なある一軒家にやってきた。そこはかつて 佐伯伽椰子という女性が夫に惨殺され、その息子の俊雄も父親に惨殺される事件が起きた場所だ。
家に入ったアリソンは、ふざけたヴァネッサたちに押入れに閉じ込められてしまう。すると本当に戸が開かなくなり、押入れの暗闇で怯えるアリソンの目の前に何かが現れた…!
東京の大学で福祉を学んでいた姉のカレンが事件に巻き込まれて入院したことを知らされたオーブリーは、体調の優れない母に頼まれて姉を見舞いに日本へと飛んだ。カレンは病院で放火の容疑者として24時間警察の監視下にあり、精神状態が不安定なことを理由にベッドに縛られている。オーブリーが見舞いに到着した際にも姉は興奮して手に負えない状態に。
オーブリーは病院で香港から来ているイーソンという記者と会い、彼は3年前の無理心中事件を追っているうちに偶然に姉を燃え盛る家から救ったことを話した。所が カレンから目を離していた隙に、カレンは何かに呪われたように屋上へ駆け上がり身を投げて亡くなった。
一方でシカゴでは小学生のジェイクは亡き母のことが忘れられず、父ビルの再婚相手トリッシュが引っ越してきても心は複雑だった。そのジェイク一家の住むシカゴのアパートでも、隣家のフレミング家の不審な行動が気になっていた。フレミング家は日本から戻ってきて、一家にはある霊が憑りついていたのだった。
幽霊屋敷に立ち入ったミユキとヴァネッサは精神的なバランスを崩して行方不明になった。オーブリーはイーソンを誘い伽椰子の母を訪ねることにしたが、イーソンは伽椰子の霊により絶命する。オーブリーは単身伽椰子の母を訪ねそこで伽椰子の秘められた少女時代の話を聞かされる。そして母親にも伽椰子の霊が忍び寄り...
さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。

2.カレンは一体何に怯えて飛び降りする羽目に陥ったのか?
3.シカゴのフレミング家に憑りついている霊の正体とは?
4.ミユキとヴァネッサが行方不明になった経緯とは?
5.オーブリーが伽椰子の母を訪ねて知った彼女の秘められた過去とは?


【鑑賞後の感想】
日本ホラーがハリウッド映画界に進出しスマッシュヒットを連発しているようだが、国内では殆ど話題に上ることはない。そんな中でも清水崇監督がアメリカでも監督を務める「呪怨」(英題:The Grudge)は日本ホラー独特の、文字通り「呪いと怨念」のドロドロとした部分がじわじわと精神的に追い詰めてゆくのが特徴。
その点アメリカのホラーは「13金シリーズのジェイソン」のようにひたすら殺戮を繰り返すのが特徴。精神的に追い詰めるこのスタイルがアメリカでも受け入れられているのだろうか?
伽椰子が夫に惨殺される理由などは映画では描かれていないのだが、その悲惨な殺戮現場となったあの幽霊屋敷に興味本位で立ち入ったのが全ての始まりというのはオーソドックスなスタート。
その一方でシカゴにまで飛び火したのはストーリー的に飛躍しすぎではないか?この辺はやはりアメリカ映画であり日本映画ではないのも理由だろうが、日本とシカゴを結びつけるにはその間の説明が無さ過ぎた。もっともホラー映画に細かいストーリーを追わせるのは無理な話だが、今回に関して言えば工夫が足りなかった。
「リング」「呪怨」でブームを呼んだJホラーだが、果たしてこれに続くヒット作は現れるだろうか?
【自己採点】(100点満点)
68点。 それなりに楽しめたが細かい点で詰めの甘さを感じた。

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Last updated  2007.09.23 17:32:01
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