メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

エルネスト1969

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Jul 4, 2005
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 お客様のご来店。
 恰幅のよい方で、気さくな感じ。どっかの企業の社長さんか、重役の方か、、、

 ワインをサーヴィスしていると、いろいろとお話が弾む。

「そおかぁ、君もソムリエかぁ。そしたら神戸のPホテルにおった、Kさん、っちゅうソムリエ知っとるやろう?」

「ハイ、その方ってあれですよねぇ、ソムリエコンクールの世界大会にも出場された。私はもちろん存じ上げてます。全国的にもカリスマ的な存在の方ですものね。」

「そおなんか!?。そやけどあいつ面白いヤツちゃで。ワシがあそこのホテルのレストランに行ったら、ワシの顔見てツカツカって近付いて来よってな、ほんで一言

『まいどぉ』

って言いよんねん。」

「へぇー、ホンマですかぁ。」




正直、私は驚いた。一流ソムリエの方が『まいどぉ』って言うかぁ!?

…と、言うようなことでは無い。

 高級ホテルの一流ソムリエの方である。誰にも彼にもそんな風な接し方をしているはずが無い。ある時は斜に構え、ある時は慇懃無礼にお客様に接する。いや、普段の営業のほとんどはそのような形の接客であったに違い無い。

 誰しもに好まれるサーヴィススタイルというのは、ある意味それぞれのお客様に合わせて変化させられるものでは無いだろうか?「臨機応変」とは時に臨んでから方法を産み出す事では無く、幾多の引き出しを用意しながらも、いづれの手法を用いるか「選択」することでもある。

 ソムリエのK氏は、このお客様の性格を見抜き、「意外性という驚き」をもってこのお客様に接した。ツボを得た接客、いわゆる心の琴線に触れるサーヴィスを行ったのではなかったか。

 それがゆえに、もうすでにそのホテルを離れられて何年も経っている。にも関わらず、しかも他所のフランス料理店でお客様の口からそのようなエピソードが語られるとは、ある意味、絶大な宣伝効果である。

 K氏は現在もワインの知識、技術面では日本トップクラスの方として活躍されている方だ。しかし、加えてお客様の心を掴むことにも「超一流」であったのだと私は思う。












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Last updated  Jul 5, 2005 01:46:50 AM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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