メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Sep 28, 2005
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 一昨日、「関西メートル・ド・テル連盟」は「食材探究旅行」と題しての小旅行を催しました。「食材探究旅行」は過去5回程開催され、近江牛の里、丹波の猪、淡路島の魚介、明石の漁港などなど、関西各地で食材を見て生産者の方々の話を聞いたりもしています。

 今回の行き先は、「神戸ワイナリーと弓削牧場にてチーズ作成」

 しかぁし!…私は仕事が抜けられず、残念ながら参加できませんでした。

 で、先の「食材探究旅行」で赴いたとあるワイナリーでのお話。
 このワイナリーは滋賀県にあり、私の住まいの近くにあります。かなり有機栽培、無農薬にこだわられて、それもそのはず、もともと荒れ地だったトコロを2メートル程掘って竹の炭を埋め、その上をブドウ畑にしたような場所です。まぁ、昭和初期の話ですからそんな事も出来たんでしょうが。

 見学にいくと大変「無防備」なワイナリーとも言えます。他のワイナリーでは発酵層に他の菌が入る事を嫌がるので、普通の人が見学に来て槽を上から覗き込むような事はなかなかさせてくれません。面白がって覗き込んでいると、だんだん気が遠くなるような気がしてきます。そういえば発酵途中の槽は酵母の出す炭酸ガスと揮発するアルコールで充満しています。軽い二酸化炭素中毒の寸前?

 このワイナリーは、アランビックの蒸留器も1器兼ね備えていますのでそちらも見せて貰えました。親会社が日本酒の会社らしく寝かせてあるワインは一升瓶に詰められています。古いものでは1970年代前半のもの、それも「マスカット・ベーリーA」100%。さすがに味は保証出来かねますが、、、

 収穫は毎年8月の末に行われています。毎年その季節に一人で見学に行ったりするのですが、昨年のことです。ワイナリーに向かうと、葉っぱが全部茶色く変色して枯れたようになっていました。
 ワイナリーのマダムに聞いてみると(マダムというか、ホンマにいい感じの農家の奥さんなんですが、農薬の事とか、ワインの病気のこととかメチャメチャ詳しいです!)なんでもこれが、ソムリエ教本などで見る「ベト病」なんだとか。



「ボルドー液なんて今時使いまへんよぉ。来年の事もあるンで使わないでいたら、逆にブドウの房は良いものが出来ちゃって。今年は思いの他いいワインに仕上がるかも知れまへんなぁ。」

とのお答え。実際、葉っぱは枯れ枯れだったのですが、実はちゃんとなっていました。

 ずっと「食」に携わって仕事をしてきていますが、本当の事って、結構知らない事って多いですよね。






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Last updated  Sep 29, 2005 03:19:58 AM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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