メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Feb 7, 2006
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 昨夜のテレビ番組、仕事が終わって何気なくつけたテレビなのですが画面に登場しているのは歌舞伎役者の「中村雁治郎」さん。

 実は何年も前に勤めていたお店にお客様としてご来店頂いたことがあった方なのですが、この度「坂田藤十郎」を襲名されてたとの話題でした。

で、「坂田藤十郎」とは上方歌舞伎の創始者です。歌舞伎には江戸で栄えた「江戸歌舞伎」と大阪・上方で栄えた「上方歌舞伎」があったんですね。

 そもそも「歌舞伎」とは天正元年(1573年)頃に生まれたとされる、「出雲のお国」が始めたとされる当時の風俗演劇です。

江戸歌舞伎と上方歌舞伎は日本の東西の中心地である江戸と大阪を中心に演出や型の違いを持ちながらそれぞれに発展してきました。

江戸は当時、徳川幕府が切り開いたばかりの新興都市でした。やはり武士を中心とした町ですので、歌舞伎にかけられる題材も喧嘩や勧善懲悪の話が多く、一方の上方は町人が中心のあきんどの町、色恋の話や心中物が人気を集めた様子です。

 それぞれの町の嗜好の違いを背景に江戸の「荒事(あらごと)」、上方の「和事(わごと)」というまったく異なった演出・型が形成されていきました。

 「荒事」芸は、凛とした正義の味方が悪人どもをやっつけると言うのが、大方の筋書きです。赤い隈取りのメイクやド派手な衣装、大見得を切る仕草と言うのは「江戸歌舞伎」の仕様です。



 それで、この番組を見ていて思ったのですが、我々の業界でも「江戸文化」と「上方文化」の違いってあるんですよね。

 他の業種を詳しく知っているわけでは無いので、乱暴な比較かもしませんが、「東京のメートル・ド・テル(サーヴィスマン)」と「大阪のメートル・ド・テル(サーヴィスマン)」や「東京のソムリエ」と「大阪のソムリエ」とは雰囲気が全然違うんですよね。

思い出すだけでも、あの人と、あの人と。あの人…名前は出せませんが、少なくとも私は「上方歌舞伎」系。
「江戸歌舞伎」系の東京のサーヴィスマンとかシュッとしててかっこいいなぁ、、、と思いながら、でも、オモロないわぁ、、と思ったり。

 お客さまの気質によって、求められるサーヴィスマンの像も違って来る。それも、まぁ文化じゃ無いかと。

 私は常々、雑誌なんかに取上げて頂く度「レストランのホールはサーヴィスマンにとって『舞台』なんですよ~。」とか訴えたりしてるわけなんですけれども、こういった日本の東西の文化の違いって歌舞伎の始まった何百年も前からあったんじゃないかと深く考えてしまいました。


そんな事考えてるのって、私だけでしょうかね~







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Last updated  Feb 8, 2006 12:18:36 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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