メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Feb 8, 2006
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ウチのお店ではミルクティーのミルクは温めて提供しています。

お客様には喜ばれています。

「あら、わざわざ温めてくださってるのね~」

とは言って頂けるのですが、正直、ちょっと微妙なのです。

というのも、ミルクティーの本来の目的から言うと、ミルクは温めない方が良いのです。

 とは言え、冷蔵庫から出した直後では、ミルクティーが冷めてしまいますので、ほぼ常温に近い温度のものが良いといわれます。

 紅茶にミルクを加えるのは、紅茶の渋味成分タンニンを、ミルクのタンパク質で包んでまろやかにする目的があるのですが、あらかじめ加熱してしまうと、例えばミルクを鍋に入れて温め続けると表面に膜が張ることからも明らかなように、タンパク質は固まってしまうのです。そのため本来の目的であった「ミルクのタンパク質で紅茶のタンニン分を包む」という効果は薄れてしまいます。

 フランスのパリ、三ツ星レストランの「アルページュ」シェフのアラン・パッサールが毎朝飲むミルクティーの作り方はきっちりと決められているそうです。



ぬるくならないの?と考えるのも日本人独特のようです。

 もう何年も昔ののニュースですが、アメリカのマクドナルドのコーヒーが熱すぎて火傷をした、との訴訟の話題がありました。訴訟を起こした「お客様」側の勝訴に終り、以降80何度か以上を越えないようにマニュアルで定められたそうです。

現代でも旅行や仕事で欧米を訪れる方から良く聞くのは、「西洋人は猫舌が多い」という話。

 そもそもヨーロッパの人々は熱いものを口に運ぶという習慣がありませんでした。これは手づかみの習慣が長かった以上、手で掴める温度以上に熱いものは口に運ぶことが無かったからです。

 ティーカップが、常にソーサーとセットになっているのは、もともと紅茶は一旦皿の上にこぼして、冷ましてから皿から口に運んでいたからなのです。

 器を手で掴んで、箸で口に運ぶという仕草、あるいは、あつあつの飲食物を器の縁からすする、という行為は日本を含む東洋の一部の得意な習慣だったのです。








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Last updated  Feb 9, 2006 04:04:03 AM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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