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2004年08月25日
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テーマ: 法律(494)
カテゴリ: 刑法

昨日 は自分の持っていた犯罪の意思と実際に起きた犯罪の意思が同じでした。
蒲原は清水君に殺人罪を犯す意思で、草薙氏に対する殺人罪を犯していました。

では、自分の持っていた犯罪の意思と実際に起きた犯罪の意思が違っていたら
どうなるのでしょうか。

例えば、
「蒲原は清水君を殺そうと思って清水君を殺害した。
 しかし、清水君は世の中に絶望しており、自殺したかったので
 むしろ蒲原に感謝しているくらいだった」
この場合、蒲原は殺人罪を犯すつもりでしたが、清水君は死にたかったので同意殺人罪を犯したことになります。
ということは、そもそも適用される法律が違います。
つまり 構成要件 が違うことになります。

昨日 は、同じ 構成要件 で被害者が違うだけですから、
故意 があるといえました。しかし、今度は構成要件が違います。
とすると、蒲原は「殺人罪の意思で殺人罪を犯したら処罰されるのもやむを得ない。しかし、今回は殺人罪の意思で同意殺人罪が発生している。私は同意殺人の故意なんか持っていなかった。だから無罪だ」と言い逃れることができそうな気もします。

でもそれは変ですね。
そこでこう考えてみましょう。
原則として構成要件が違う以上、故意があるとは言えません。
しかし、その違う構成要件を実質的にみて重なりがあれば
重なっている部分について 故意 があると見てよいでしょう。
なので、
「蒲原は清水君を殺そうと思って清水君を殺害した。
 しかし、清水君は世の中に絶望しており、自殺したかったので
 むしろ蒲原に感謝しているくらいだった」という例では、
殺人罪=人を殺すこと
同意殺人罪=死にたいと思っている人を殺すこと
であり、死にたいと思っている人を殺すことは、人を殺すことに含まれます。
論理記号で書くと、「死にたいと思っている人を殺すこと ⊆ 人を殺すこと」となります。よって、殺人罪と同意殺人罪は死にたいと思っている人を殺すことについて重なりがあることになります。
そこで、殺人罪の故意であったとしても、同意殺人の故意があったと考えることも許されることになります。
よって蒲原には同意殺人の故意があるということになります。

では、重なり合いがない場合とはどんな場合か考えてみましょう。
例えばこんな場合です。
「蒲原は清水君を殺害しようと思って拳銃を発射した。
 しかし、弾丸はそれてたまたま通りかかった野原さんの家の犬シロに 当たってシロが死亡してしまった」
まず、シロの死亡は刑法上「器物損壊罪」といって物を壊した罪となります。
と言うことは、
殺人罪=人を殺すこと
器物損壊罪=物を壊すこと
となり、何も重なり合うところがありません。
そこで、シロ死亡については 故意 が無いことになります。
これが重なり合いのない場合です。

今日はかなり難しかったでしょう。お疲れ様でした。





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最終更新日  2004年08月25日 00時03分39秒
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