へそまがりの読書日記

へそまがりの読書日記

2012年03月12日
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ヴァーリアの花婿

ファンタジー+ラブロマンス読み切りを4編収録。

あきづき空太さん初の読み切り集です!





『ヴァーリアの花婿』

許嫁だったジルが行方不明になって、その弟・ルセルの許嫁になったヴァーリア。

納得がいかないヴァーリアは、ルセルと共にジルを捜す為旅に出ます。



「兄さんとの婚約とり戻したいんでしょ」というルセル。

“ジルと再会したらヴァーリアはどうするんだろう?”と思わせる序盤の展開。



話が進むにつれて、ヴァーリアの真意がわかってきます。

そして偶然の再会!



…こうなるとジルの立場って一体?



ジルがどうして家を出たのか、ちょっと説明不足の感ありありですが

そんなことはどうでもいいくらいです。

改めてじっくり読むと、登場人物の衣装がやたら凝っているのがわかります。

中国風のようでもあり、中東風でもあり。。。

不思議なテイストです。

それと、ジルとルセルの顔の模様(?)がなんともステキ…







『龍の守唄』

4編の中で一番好きな作品です。

龍の一族の島の神殿に住む一人の「龍の子」と一人の「巫女」のお話。

「龍の子」キトは、時が来ると大儀式により新たな守護天龍となってしまいます。



いつか必ず来る“別れ”を恐れる「巫女」のシュエン。



このシュエン、あきづき作品のこれまでのヒロインとは違って

よく泣きます…  よく転ぶドジっ子さんです…

眉毛もちょっと太め。 

いじらしくって可愛い女の子です。





やっぱり来てしまいましたね、悲しい別れが…

最後の数ページは圧巻!

空を泳ぐ天龍に「キト」と呼びかけるシュエンの笑顔が切ない…







『銀世界の証明』

生まれながらにして魔力を持つ“魔導種”が住む魔法街から

遠いく離れたところに住むアルザ。

ある日、彼は雪の中に倒れていた魔導種の女の子・リアを助けます。

自分の傷を魔法で治そうとするリアに向かって、

アルザは「俺の前で魔法を使うな…っ 大っ嫌いなんだよ」と言います。

魔導種の人は、魔力が尽きてしまうと体が結晶になって

砕けるように消えてしまうことをアルザは知っていたんですね。

(以前、彼のお父さんの助手という人(=魔導種)が

 消えてしまうのを目の当たりにしているんです。)



魔法局の人間がリアを連れ戻しにくるまでのずかな時間が、

二人にとってかけがえのないものになるのですが、

結局リアは魔法街に帰っていきます。



リアが戻ってくる時のために、雪をかいて水を流し、道を作るアルザ。

魔法を使えば簡単なのに、アルザから言われたことを守って使わないリア。

そして、感動の再会!!

バックの大きな月と満天の星空が美しいです。







『おとぎばなしの筆』

乾いた荒野に残る緑の地。 

そこにあるご神木には、この地と神を結ぶ契約の陣が敷かれ、

日毎薄れていくその陣を書きなぞるのが湧渓(ゆうけい)の仕事。

その湧渓(ゆうけい)と、ご神木に宿る(本当は封じ込められている)

水の神・洛緋(らくひ)とのお話なんですが…



洛緋(らくひ)をご神木に封じ込めたのが、花吹という大昔の村長で、

湧渓(ゆうけい)はその血をひいています。



花吹に対する洛緋(らくひ)の恋情を知った湧渓(ゆうけい)は、

その封印を解こうとしますが…





どれもファンタジーなんですが、4編ともまったく趣が違ってます。

さすがあきづき空太さん、引き出し多いぞっ!

『赤髪』もいいけれど、今回のような読み切りもいいですね。







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最終更新日  2012年03月12日 19時20分42秒


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