へそまがりの読書日記

へそまがりの読書日記

2013年01月04日
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カテゴリ: 読書記録

片桐酒店の副業


片桐酒店の二代目店主・片桐章が、(なぜか)スーツ姿でワケありなモノを配達します。

「アイドルに手作りケーキを手渡して欲しい」(第一章 短期バイトの憂鬱)、

「会えないママに工作物を届けてほしい」(第二章 電車のような宇宙船のような何か)、

「意地悪な上司に悪意を」(第三章 悪意)など、

通常ならお断りするようなモノも、片桐章は引き受けます。

  特に「悪意」って・・・

  何を届けるつもり?



酒店を継ぐ前、片桐は会社員でした。

ある日の夕方、「自分の代わりに書類を届けてほしい」と同僚に頼みます。



届け物の最中、同僚が事故で亡くなってしまったことで、

“ちょっとした悪意”がとても大きな悔恨になってしまうのです。



まるで贖罪のように、今度は自分が届け物をする側に…

先代が始めた「困ったときのまごころ便」。

どんなモノでも引き受ける(法に触れない限り)のがモットー。

クールに、完璧に依頼をこなしながらも、

片桐は心に重い荷物を抱えているのです。



プロローグに出てくる少女の依頼が、

第五章 朝の訪問者、そしてエピローグへと繋がっていき、

それとともに片桐の心にも光が射していきます。



各章のページ数が少ないせいか、掘り下げ方が足りないような・・・



(「第三章 悪意」は、もっともっと怖くなるんじゃないかなぁ。)

「法に触れない限り」とあるので、どんなモノか興味津々だったんですが、

意表を突かれたのは「悪意」くらい。

もっと「これはっ!!」というものを配達して欲しかったです。

でも、読後感は爽やかです(今さら言っても遅い?)。







【内容情報】(「BOOK」データベースより)

法に触れない限り、何でもお届けします。

冴えない酒店の片手間仕事のはずが、最近、ワケあり注文が多い。

「アイドルに贈り物を手渡して欲しい」「上司に悪意を」などの難題に直面する

無愛想な若き二代目店主、片桐章。

彼もまた胸の奥に大きな遺失物を抱えていた…。

ボイルドエッグズ新人賞作家が放つ、可笑しく、ほろ苦く、心温まる感動長篇。



【目次】

プロローグ

第一章 短期バイトの憂鬱

第二章 電車のような宇宙船のような何か

第三章 悪意

第四章 海と傷跡

第五章 朝の訪問者

エピローグ






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最終更新日  2013年01月04日 21時59分12秒


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