へそまがりの読書日記

へそまがりの読書日記

2015年02月26日
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忘却の首と姫(7)


今まで読んだ少女マンガの中で、“文句なしに好きな女性キャラは誰?”ともし聞かれたら、真っ先に『はいからさんが通る』の花村紅緒と、『忘却の首と姫』のリリアだと答えます。

そして、“すりすりモフモフしたいほど可愛いと思う男性キャラは?”と聞かれたら、『花より男子』の道明寺司と『忘却の首と姫』の王様だと即答します。

私の中で王様とリリアは、圧倒的に大好きで魅力的なキャラなんです。

近い将来子供に恵まれ、二人で立派に国を治め、慈しみ合って幸せに暮らしていくんだろう、そんなお話を読めるんだろうと、とても楽しみにしていました。

ですが残念なことに、この7巻で完結となってしまいました。



惣司ろうさんは、「リリアが正式な王妃として新たにスタートすること、やがて子供を授かり希望に満ちたエンディングを迎えること」などを構想されていたそうです。

それを描くことができず、惣司さんご自身もとても無念だったろうと思います。

心よりご冥福をお祈り致します。





7巻には本編の他に、リリアの両親の結婚話、リリア誕生の頃のエピ、3つ子が主役の特別編、そして惣司さんの原点『ガンジス川でさようなら』が収録されています。





それはアネルケーナの王女・ソフィアを、トリティア王・テオに嫁がせることから始まりました。

しかしダヴィトの意に反して、ソフィアはテオを愛してしまいます。

(あのリリアのお父さんだもの、惚れない方がおかしいんだけどね…)

ソフィアがアネルケーナと絶縁しちゃったものだから、ダヴィトの計画は狂ってしまったんですね。

そこでソフィアに王子が生まれたのを機にトリティア王を暗殺、国力が衰えたところでトリティアを乗っ取るつもりでした。

ところが、ヴァンフォーリエ王(我らの王様!!)が現れて強力な魔力をこめた城壁を造ったことで、またまたダヴィトの計画は失敗。

彼にとって王様は目の上のたんこぶですね。

正面切って戦っても勝ち目がないものだから(ざまぁごらん)、ダヴィトはリリアを利用することを企てますが、王様はとっくにご存知ですよ。

怒った王様によってダヴィトは国へ送り返されるんですけど、腹黒・ダヴィトは負けてなかった。

    お前はまだ本当の王妃ではない まだお前は儀式を受けちゃいないのだから」と、リリアに言い捨てて去って行きました。





ダヴィトが言っていた儀式って何?

それは「王の魔力により 王と同じ寿命を王妃に与える」ものなんです。



王様はえらく長生きでずっと若いままなのに、リリアは着々と歳をとっていくんだったら、将来不釣り合いになっちゃうのにな~~、どうするんだろうな~~、やっぱり王様の魔力で解決するのかな~~、なんて漠然と考えていたんですよ。

なるほど。そういうことですか。

        どんな悲しみの中でも死ぬことは許されない 化け物として生きる覚悟はあるか?」

リリアはとっくに覚悟してますよ、王様。

踏み切れないのはあなただけなんですけど。

リリアのことを心底大事に思うから躊躇する王様。 ほんと可愛いったらありゃしない!



特別編は3つ子が主人公のとても素敵なお話です。

城で生まれた3人(これがまた可愛い)は、王様の役に立つのがお仕事なんだとラバさんに言われて育ちます。

妖精族を守って下さる王様に、労働で恩を返すのです。

ペリドットさんはお勉強、ガーネットさんは武術、アクアマリンさんは愛嬌pppで。

それから忘れていけないのが、“王様の花嫁探し!”

これが一番大変ですわ。。。



首がないという超個性的な王様ですが、その生活は至って規則正しいのです。

朝5時起床(早っ)、ずーっと仕事、夜9時終身(早っ)、ただ黙々と働くだけの毎日。

「人間は醜い」

深い深い闇を抱えている王様。

ここでペリドットさんが冴えたことを言ってます。

「それでも陛下は人間に愛されたがっているわ 人間から受けた傷は人間でしか埋まらないのよ」

そして、傷を埋めてくれるリリアが登場、王様の日常は劇的に変わります。



「我が国に来た姫君は思った以上に可愛くて 思った以上に強情で

思った以上にがんばり屋で 思った以上に美しい人だった



    そして陛下はどんどん人間らしくなっていく

私達はそれが楽しくて とっても幸せ」




『忘却の首と姫』の最後を飾ったのがこの言葉で本当に良かった。

私もこの作品と出会えてとっても幸せです。

惣司ろうさん、ありがとうございました。







リリアの白き想いを黒く染めていくダヴィト。

さらにリリアに恐ろしい脅迫を持ちかけるがその内容とは…!?

そしてその果てに二人を待っているのは!?

心優しきファンタジー完結巻!

さらに惣司ろうの原点である受賞作「ガンジス川でさようなら」を収録。

2015年2月刊。







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最終更新日  2015年02月26日 17時23分26秒


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