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吹上って何度か下車していて、このブログをご覧いただいているとあるお方から紹介いただいた酒場「若松屋」(オオバコで実に素晴らしかった、今回も立ち寄るつもりだったのですが、外見から余りの客の少なさに気持ちが萎えて素通りしてしまいました)にも以前お邪魔しています。で訪れるのはいつも夜間なので、民家の目立つ町並みはかなり暗いのです。高い建物はないけれど、とにかく建物はけっこうびっしりと立ち並んでいて、しかし照明が灯されている気配がないものだからとにかく駅前といえど暗闇に包まれた町という印象があるのです。でも勘違いかもしれないのですが、ヤバそうな奴が徘徊していたり、睨みを利かせていたりといった危険性が希薄で、暗いけれど安心して散策できるような気がするんですね。本当はそうウロウロせずにさっさと目指すべき酒場に向かうつもりだったのですが、結局は真っ直ぐに向かわなかったのです。というのが、今改めて地図を眺めてもそう迷路状に道が張り巡らされているわけじゃないのに、どうしたものかすんなりと目的地に辿り着けないのです。そういえば「若松屋」に伺った際もしばし迷ったことを思い出しました。今回の事、改めて思い返してもどうして「アリス絵画教室・画廊喫茶」なんて全く見当外れの場所に行き着いたのかその理由がよく分からないのです。でもこれだけの狭いエリアで安全に迷えるのなら大歓迎なのです。それというのも夜にしか歩いたことがないからなのかもしれません。日中迷うことなく町を散策してみたい気もしますが、そうすることでこの町への愛着が失せてしまうのは残念にも思えるのです。 目指す店を目前にして急に浮気の虫が蠢いたのでした。表通りから一歩入り込んだ呑み屋横丁(というほどの規模ではないけれど)の目当ての酒場の手前に「あなたの居酒屋」というちょっとおふざけた店名の居酒屋がありました。ネーミングそのもののセンスもハテナマークですが、看板のフォント遣いもなんというか困惑してしまうような微妙なセンスに思えるのです。そんなに懸念するならスルーすべきところかもしれませんが、つい立ち寄ってしまう悪癖がここでもいかんなく発揮されたのです。入ってみると中は案外小奇麗で椅子なども真新しい感じです。しかもママさんが品定めするような不躾な視線を隠そうともしないからこの時点で後悔こそないけれどすでに興味は失せていました。それでも先客3名とママさん一人で相手するにはちょうどいい程度の客の入りです。キンピラなどのお通しで呑んでいると、お次のお客さんが登場。年明け初めての来店らしく、振舞い酒などがサービスされていますね。いやまあ常連さんだけの特権なのかもしれないけど、そういうのこっそりやってくれないかなあ。さらにしばらくすると鯖寿司だったか何かぼくは食べていないから忘れたけどちょっと気になる肴が振舞われたのです。何度も言うけど分かってるからせめて最低限の気付かい位してくれたっていいんじゃないのなんて思うのです。彼らは「あなた」かもしれないけど、ぼくはどうやら「あなた」としては認めてもらえなかったようです。
2024/01/31
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18歳の若さで作家デビュー、日本の左翼文学・民主主義文学を代表する作家のひとりと目される宮本百合子の『日記』が残されています。今回引用するのは1930年11月3日(月)の記録です。彼女は一時期、チェーホフなどのロシア文学の翻訳者として知られる湯浅芳子と共同生活を送っていたのですが、1927年12月、ソ連に渡りました。1930年11月帰国となる直前の記録であります(映画監督のセルゲイ・エイゼンシュテインらと交流するなど興味深い内容となっています)。11月3日は滞在を終えた2人がシベリア鉄道で帰国の途にあり、ちょうどチタを通過した辺りの出来事になります。十一月三日 月 ○夜食堂に居たら、となりに坐った男がバリバリ骨の音をさせてクロバートカ〔鶏料理〕を食い、非常によくよく自分を眺めた後、――シベリアにはもう雪がありましたか?ときいた。――成程もうシベリアではない。ここは極東だ。 断るまでもないと思いますが、気になったのはこのクロバートカなるシロモノが何を意味しているかということです。当然ながら怠惰なぼくでもググる程度の手間は惜しみません。「ロシア」と「クロバートカ」をキーワードに検索します。が、芳しい結果は表示されません。ならばと「ロシア」と「鶏料理」にキーワードに変更してみますこれまた求めるような結果は得られませんでした。ならばとダメもとでDeepLで「クロバートカ」をキーワードに検索すると"чернохвостый олень"という結果が帰ってきました。これをコピペしてググってみるとなんじゃこりゃ。鹿らしき画像が表示されます。逆にこれを検索して日本語にすると「尾白鹿」と変換されます。どういうことよ。もういいかなんて思いながら「鶏料理」をキーワードに検索し、"блюдо из курицы"という変換結果をbab.laというサイトで単語ごとに分解して発音させてみるのですが、どうしたって「クロバートカ」とは聞き取れなかったのです。ああ、「クロバートカ」って一体全体どんな食いもんなんだろうなあ。鶏肉のロマーナ【材料】鶏肉(もも/塩、胡椒、小麦粉をまぶす) 2枚/塩・胡椒・小麦粉 適宜/【A】オリーブ油 大さじ2/にんにく 1片/赤唐辛子 1本/【B】玉ねぎ(1cm角) 1/2個/ピーマン(1cm角) 2個/白ワイン・水 50ml/塩 小さじ1/2/イタリアンパセリ 3枝/【トマトクリュ(混ぜて一晩漬ける)】トマト(1cm角) 2個/塩 小さじ1/砂糖 適宜【作り方】1. フライパンに【A】を入れて弱火で加熱する。鶏肉を焼く。【B】を加えて蓋をし、20分蒸し煮する。塩を加えてイタリアンパセリを散らす。【備考】dancyu 「旨味たっぷりの自家製調味料を使った"鶏肉のロマーナ風"」https://dancyu.jp/recipe/2023_00007538.html トマトクリュなる調味料?!をソース代わりにした料理であります。無論、この材料で不味いはずもないのですが、普段食べているトマトソースより飛び切りに美味しいかというとそこまでではなかったかな。三杯鶏(サンペイジー)[台湾]【材料】鶏手羽元 12本/生姜(千切り)・にんにく 1片/赤唐辛子(小口切り) 2本/ごま油 大さじ2/醤油・酒 大さじ3/砂糖 大さじ1/バジル 10枚【作り方】1. フライパンにごま油を熱してにんにく、生姜、赤唐辛子を炒める。鶏手羽元を加える。醤油、酒、砂糖を加える。バジルを加える。 タイ料理なんかでもバジルはよく使われますが、中華料理を日本料理のシンプルな味付けに近寄らせた印象のある台湾でもちょくちょくバジルが使われるようです。でもスーパーで手に入るバジルとはまた違った風味なんだろうな。タイと同様にいわゆるホーリーバジルっていうのに近い物を使うのでしょうか。日本は容易に入手できる野菜の種類が少なすぎる気がします。ガイヤーン[タイ](なんか写真が違う感じが…)【材料】鶏肉(【調味料】に一晩漬ける) 1羽分/スイートチリソース 適宜/【調味料】白胡椒・塩・コリアンダーパウダー 小さじ1/2/ターメリック 大さじ1/レモングラス(乾燥) 4本/にんにく 2片/砂糖・オイスターソース・醤油 大さじ2/ココナッツミルク 大さじ1【作り方】1. 鶏肉をグリルで焼く。スイートチリソースを添える。 スパイシーないかにもタイって感じの料理です。先のバジルもそうですが、例え輸入食材であってもスパイスや調味料も現地のものとは違ったりするんでしょうね。鶏胸肉のチーズ焼き【材料】鶏肉(胸/一口大/【調味料】に漬ける/片栗粉をまぶす) 1枚/溶けるチーズ 100g/片栗粉 大さじ1/【調味料】醤油・酒 小さじ1/砂糖 小さじ1/2/胡椒 小さじ1/4【作り方】1. フライパンに溶けるチーズを広げて鶏肉をのせて両面を焼く。 アホみたいな単純な料理ですが、焼いたチーズの風味がなかなか楽しいのです。トーストなんかもそうですが、パンにチーズをのせて焼くのではなく、焼いたチーズにパンをのせて焼くと全く別物のようになる、といった発想を持てるとシンプルな食材しか手元になくともそれなりにヴァリエーションが増やせそうです。
2024/01/30
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郊外だったり地方都市なんかの商店街の凋落には常々痛ましい気分を味合わされています。商店街の立体展開された形態が百貨店だとすると、合理化された百貨店が各地から消えていく現代にあっては、合理化以前の混沌含みの商店街なる集合体は相互の物件同士の繋がりの曖昧さゆえにより危うい状況にあるのだと考えることもできそうです。そもそも経産省中小企業庁によると、商店街という組織には明確な定義はないということらしいから、よほど組織に熱心な旗振り役がいるとか地元自治体などが支援をするなどが取られぬ限りは、ジリ貧にならざるを得ないことは織り込み積みな極めて軟弱地盤の組織といえなくはないだろうか。などと思い付きを書き進めているとすぐに反対意見が念頭に浮かんでくるものだからここまでの文章は振り返らぬことが肝要になるのです。さて、今回は偶然辿り着いた駅遠商店街で遭遇した酒場のことを書くことにするのです。場所は足立区。かつての足立区は鉄道路線の通らぬ広大なエリア故に鉄道沿線からは孤立した商店街がちらほら存在したようであるけれど、ここは最寄り駅の梅島駅から徒歩10分ばかりの距離だから駅前商店街とは呼べぬけれど、孤立商店街とまではいえないはず。にしても梅島駅の開業は1924年ということだからそこそこの歴史を有しているのにどうして孤立はしていないけれど駅遠の場所に成立したのか不可解なのでありました。 辿り着いた商店街は、ゆめろーど千代田商店街と幾分アナクロではあるけれど、歴史あるとはとてもいえぬ緩いネーミングが付いていました。しかしつい「夢一夜」なる居酒屋の戸を開けるとお達者クラブの面々が店狭しとカラオケに興じていて、思わずそっと戸を閉めてしまったのですが、とにかく疎らながらも行き交う人々はこぞってご高齢者なのでした。カナ=>かな変換されたネーミングを好む世代の人たちそのものなんじゃないか。ちなみに以下が商店街のHPです。インターネット黎明期のような渋いセンスのサイトになっています。ゆめろーど千代田商店街https://www.yume-road.com/ 実はこの通り以前も歩いた覚えがありますが、恐らく日中だったので通り過ぎただけで済ましてしまったんだと思います。でも八百屋さんに併設された「酒処 はまちゃん」を見逃していなかったら開店を待っていたかもしれません。ちなみに先のHPでこの酒場を見ると八百屋さんの営業している光景がアップされているので、昼は青果店、夜がお隣で酒場を営業なさっているのかもしれません。写真の店の女性、そういえば「はまちゃん」の女性のようにも思えます。ちなみに点枚になっているはまちゃんは恐らく終始腰を掛けて店の様子を見守っておられる方なんじゃないか。店の調理などなどは全て女性(奥さん?)にまかせっきりでしたが。ここまでで長くなってしまいましたが、狭い店内はこちらもお客さんでぎっしい埋まっています。しかも窮屈ながら卓上には旨そうな肴がずらり並んで目移りしてしまいます。それだけ品揃えが充実しているのです。ボリュームもたっぷりなので、予め持ち帰りを決め込んでいる方もおられるし、なんとここでは鰻丼まで用意があるので、腰を下ろして最初の注文で鰻丼を予約して安心したように呑み始める方もいたのです。なんとなんと実によい酒場ではないか。こりゃ確かにここに通うべき理由がよく分かります。今でなくてもいいから、隠居したらここの傍に住めたらいいのになあ。
2024/01/29
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すっかりお馴染みの北大路魯山人でありますが、「白菜のスープ煮」という文章があります。そこにこんな一文があります。 白菜の料理は、魚や肉には軽い調節になってよいものだ。白菜は純日本のものではないから、いわゆる日本料理として扱いにくいものの部類に属している。 「純日本のものではない」とは一体どういう意味なのだろう。外来の食品(ここでは野菜)、つまり日本原産の野菜以外は「純日本のものではない」という意味でありましょうか。ご存じのとおり(以前ここでも書いたことがありますが)日本原産の野菜は以下のサイトでも書かれているように「独活(うど)や、芹(せり)、三つ葉、蕗(ふき)、山葵、自然薯など」ごく限られます。https://www.washokukentei.jp/trivia/word/na/20180305.php 「白菜が日本で栽培されるようになったのは明治時代以降」とありますが、今食べられている野菜のかなり多くが幕末以降に渡来しているのだから、魯山人の日本料理というのは極めて限定されたものにならざるを得ないんじゃないかなあ。ということで今回は白菜であります。白菜と豚こまカレー【材料】ごはん 1膳分/白菜(2cm幅) 2枚/豚肉 50g/水 150ml/生姜 大さじ1/カレールー 1片/トマト水煮 大さじ3/サラダ油 小さじ1【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して生姜を炒める。豚肉を加える。白菜を加える。トマト水煮を加える。水を加える。カレールーを加える。皿にごはんを盛ってかける。 ネットで見つけたレシピで、材料を見たら容易に味の想像がついちゃいますが、一応作ってみることにしました。と思ったらなんと2度目だったみたい。それだけ印象が薄いってことだと思っておくことにします。実際、トマトの風味が強くてぼくの口にはこのままでは合わなかったのです。白菜グラタン【材料】白菜(電子レンジで600W5分加熱/絞る) 1/4個/玉ねぎ(みじん切り) 1個/鶏肉(胸/一口大) 1/2枚/オリーブ油 小さじ2/塩・胡椒 適宜/溶けるチーズ 大さじ4/【ホワイトソース】バター 大さじ1.5/小麦粉 大さじ3/牛乳 300ml/塩・胡椒 小さじ2/3/ナツメグ 適宜【作り方】1. 鍋にバターを熱して小麦粉を痛める。牛乳を加える。2. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎを痛める。鶏肉を加える。白菜を加える。塩、胡椒を加える。1.に加える。3. 耐熱皿に1.を注いで溶けるチーズを散らし、オーブンで180℃10分焼く。 白菜グラタンも定番のレシピ。あちこちで見掛けるけど、どうもこれぞっていう味に仕上がったことがありません。白菜の淡泊さとベシャメルの濃厚さのバランスが実は結構難しいんじゃないかなあ。白菜グラタンの焼きスパゲッティ【材料】スパゲッティ(茹でる)・白菜グラタン(焼く前)・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. 耐熱皿にオリーブ油を塗って和えたスパゲッティ、白菜グラタンをのせ、溶けるチーズを散らしてオーブンで180℃10分焼く。 そのままだと淡泊過ぎるので焼きスパゲッティに展開しました。多少はコクが感じられるような気がしますが、まだ物足りないかなあ。レシピが悪いんじゃなくて、もしかするとぼくが濃い味付けに慣れ過ぎてしまってるのかなあ。白菜グラタン入り白菜と豚こまカレー【材料】ごはん・白菜と豚こまカレー・白菜グラタン(焼く前) 適宜【作り方】1. 鍋に白菜と豚こまカレー、白菜グラタンを入れて加熱する。皿にごはんを盛ってかける。 元の2つを合体してみました。そしたら大分食べやすくはなりましたが、ここまで手間を掛けずとも美味しくなりそうなものだけど。白菜グラタン入り白菜と豚こまカレーのパスタ【材料】パスタ(茹でる) 100g/白菜グラタン入り白菜と豚こまカレー・粉チーズ 適宜【作り方】1. 皿にパスタを盛って白菜グラタン入り白菜と豚こまカレーをのせ、粉チーズを散らす。 ごはんに掛けるよりはパスタのソース代わりにするのがぼくの口には合いました。でも白菜をカレーなりグラタンなりに調理するなら、下手なレシピに頼らず、自分のセンスで作った方が上手くいきそうな気がします。
2024/01/28
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イングリッシュ・ラビット(English rabbit)なるパン料理があるらしい。いつか作ってみたいレシピ名としてメモが残っています。身近なツールであるネットで調べてみようと思うと、これがなかなかうまくいきません。なぜか検索結果には、以前、作ったことがあウェルシュ・ラビット(Welsh rarebit)ばかりがヒットするのです。これを字面から素直に比較すると"English"(イングランド人)と"Welsh"(ウェールズ人)の"rabbit"または"rarebit"であるということになりそうです。ご存じのとおりいわゆるイギリス(英国)という国は、グレートブリテン島、アイルランド島北東部及び付近の島々で構成された立憲君主制の国家であり、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国による同君連合型単一主権国家であります(Wikipediaの受け売り)。ならばメジャーな"Welsh rarebit"をWikipediaの検索に掛けてみると疑問の大部分があっさり解消されました。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88 きっとこれを見て"English rabbit"の存在を知ったのですね。それと関連があるようです。"rabit"と"rarebit"の綴りの変遷についても事実上同じものであることが判明します。肝心の"English rabbit"については、バリエーションとして記載があり、こうあります。イングリッシュ・ラビット (English rabbit)両面をトーストしたパンを赤ワインに浸す。薄く切ったチーズを何枚もパンの上に置き、加熱して焦げ目をつける。 加えて、スコットランド人の"rabbit"もやはりあるようです。スコッチ・ラビット (Scotch rabbit)両面をトーストしたパンに、パンより大きいサイズのスライスチーズを加熱して乗せる。 後者は単なるチーズパンにしか思えないけれど、前者はパンを赤ワインに浸したチーズパンのようです。これはいかにもそそられません。実際よくよく調べると実際に作った人による以下の文章があります。https://neilcooksgrigson.com/2010/03/08/230-english-rabbit-1747/ なんとも自虐的な文章であります。"just like polishing a turd, as we say in England"だって。ちなみにこの方、"Scotch rabbit"もレシピ通り作って大いに憤慨しておられるので、興味のある方はご覧になってはいかがか。https://neilcooksgrigson.com/2009/09/06/183-scotch-rabbit-rarebit-1749/グリルドチーズサンドイッチ【材料】食パン 2枚/バター 大さじ1/ナチュラルチーズ(薄切り) 30g【作り方】1. フライパンにバターを熱して食パン(1枚)を焼く。チーズを並べる。食パン(1枚)をかぶせて裏返す。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「Grilled Cheese Sandwich グリルドチーズサンドイッチ」https://southern-kitchen.com/grilled-cheese-sandwich/ 無茶苦茶普通ですけど間違いがありませんね。でもこれだけだとちょっと単調に過ぎると思ったのですが、参考にさせていただいたサイトに以下の記載がありました。「とてもポピュラーなサンドウイッチで、これにトマトスープをつけるのが、アメリカのランチの定番です。」トマトスープ【材料】トマト水煮 1缶/オリーブ油 大さじ2/にんにく 大さじ1/ローリエ 1枚/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/ドライタイム・ドライオレガノ 小さじ2/塩・胡椒 小さじ1/2/ベジタブルブロス or チキンブロス 550ml/生クリーム 60ml/バター 大さじ2/バジル・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。にんにくを加える。トマト水煮、ブロス、ローリエ、塩、胡椒、ドライタイム、ドライオレガノを加えて弱火で15分煮る。ローリエを取り除いてミキサーにかける。鍋に戻して生クリーム、バターを加える。塩、胡椒を加える。器に盛ってパルミジャーノ、バジルを散らす。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「Tomato Soup トマトスープ」https://southern-kitchen.com/tomato-soup/ ということで、このシンプルなスープを添えたのですが、これがばっちりとても美味しいのです。先のサンドイッチを浸して食べても非常によろし。これならつい意識低い系(やむを得ない人は除く)のアメリカ人に抱きがちなカロリー過剰摂取も無縁なんじゃないかなあ。どちらも色々工夫が利きそうですが、あえてシンプルにするのがいいかも。マサラ・オムレツトースト【材料】食パン 1枚/バター・トマトケチャップ 適宜/【卵液(混ぜる)】卵 1個/塩・ターメリック・赤唐辛子(砕く)・玉ねぎ(みじん切り)・トマト(みじん切り)・香菜 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱して【卵液】を注ぐ。食パンの両面に【卵液】を染み込ませて焼く。皿に盛ってトマトケチャップを添える。2023/12/2 ラヴィットで放映されたというインド式の食パンの食べ方だそうです。とても美味しくできましたが、もう少しスパイスを効かせるとよりインドらしくなりそうです。これは工夫のし甲斐がありそうです。ガーリックトースト【材料】食パン(混ぜたバター、にんにくを塗る/ハーブソルトを散らす) 1枚/バター 10g/にんにく 小さじ2/ハーブソルト・ドライパセリ 適宜【作り方】1. トースターで食パンを焼いてドライパセリを散らす。 すっごい簡単なレシピですが、意外やこれが美味しかったのです。美味しいけれど、これだけだと物足りないし、栄養面にも問題ありなので、トマトスープを併せるのが良さそうですs。
2024/01/27
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熊谷駅から東南東方向に中山道を進みます。JR高崎線も並走しています。大宮駅を出て宮原駅付近から高崎駅の手前の倉賀野駅を過ぎる辺りまでそれは変わらず、ここら辺で迷子になることはなさそうだなあと思っていたのですが、実際に歩いていると途中秩父鉄道秩父本線や北陸新幹線を跨いだり潜り抜けたりします。前者では単線を越えるにはやや大袈裟すぎるように思える佐谷田陸橋を渡る必要がありますが、新幹線は潜り抜ければいいので苦労はありませんが、全く面白味もなかったりします。目を楽しませてくれるという意味では前者が勝りますが、利便性の面では後者が圧倒的に勝っています。双方のメリットとデメリットを比較すると明らかに後者が歩行者にとっては有難い存在です。そんな地図の見掛け上の罠にまんまと騙されつつ辿り着いたのが次なるフライのお店です。食べログでは秩父本線のソシオ流通センター駅が最寄り駅となっていますが、ほぼ熊谷駅と同距離の20分程度の道程となり、まあ1枚目のフライを消化するにはちょうど良かろうと思える距離感でした。 やって来たのは、中山道と新幹線の交わる地点からすぐにある「フライ・焼きそば こやの」です。看板には大衆割烹の文字もありますが、今では専らフライと焼きそばをメインにした昼間の営業に特化しているようです。外観を眺めただけでもここはいい店だとつい確認を抱いてしまうのはどういった点なのかちょっと説明に窮するのですが、その予感は間違いありませんでした。店内の造作も非常に落ち着けるし、独りでやっている女将さんも穏やかそうでサービスもいい方でした。昼営業のみにしてはお客さんは1組のみなのはさすがに立地の関係もあるのでしょうか。駐車場でもあればもう少し入るのかなあ。瓶ビールを頼むと2人にはやや多過ぎる位のお新香がサービスされます。せっかくなのでフライと焼きそばを1個づつ注文します。そうそうこの日はS氏と一緒でしたが、2人だと違った品をシェアできるからいいですね。どこの国かは知りませんが、グループで訪れて1杯のラーメンなんかをシェアするといった人たちもいるみたいですが、呑みに来ても少なくとも一人一品は取るのがマナーだとぼくは思います。食い物屋だから一人一品に呑み物でちゃんとクリアしています。ちなみに呑み屋の場合は一人一品二杯をベースにしています、ぼくの場合は。さて味噌汁のサービスも受けられるようですが、汁物はここでは自体。もらったらきっちり食べ(飲み)切ってしまいます。塩分過多になりますから。さて、フライは一軒目とは見た目から全く違っていて、具材も海鮮系を中心に細かく刻んだのがあれこれ混ぜ混まれています。これはムッチリはなくて案外ぽそっとしていて腹には溜まりにくそうに思えます。それよりも焼きそばがかなり旨くて麺が太目でもっちりしていて、焼きそばはへろへろな麺派のぼくですが、これは良かったなあ。皆さん、ここでは焼きそばの方が定番らしく続いてこられた1人客2組ともに焼きそばの大盛を注文されていました。やっぱり埼玉の粉物は旨いなあ。と満足しつつもここでかつて夜も呑めたのだろうと思うと昼間に呑んでることを残念にも思うのでした。
2024/01/26
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種田山頭火の「其中日記」(十五)に以下のような文章があります。昨夜の残肴冷酒をいたゞく、残り物によろこびあり! これすごい実感籠ってますねエ。ぼくも共感するところがあります。真正の呑兵衛には、酒肴をほぼ必要としない方も少なからず存在するようで、ぼくの知人にも焼鳥屋に行ってもレバーだけ焼いてもらって一串食べたら後はひたすら呑むばかりなんて人もいたし、お新香のみ頼んで時折糠漬けのきゅうりなど箸で弄ぶばかりで口にすることのない人もいました。そうした人たちの一部には胃癌なんかで胃の大部分若しくは全部を摘出してしまったような人もいますが、健診結果がまずまず良好であるのが不思議な位に酒ばかりひたすら呑む人も存在します。若い頃はそういう呑み方をする人をカッコいいなんて思ったりしたこともありますが、あいにくとぼくはそこまでの豪傑ではなかったし、今にしてみると大分量は減ってきたといってもそれなりに肴をつまみつつ呑むことができるのは幸福なんじゃないかとも思うに至ったのでした。でもぐったりと疲れはてて帰宅し、シャワーなんぞ浴びて缶ビールなど呑み出してようやく一息ついたとする。テレビのニュース番組など眺めはじめ、やっとひとごこち付いた気分になり急に小腹が空いていることに気付いたとする。しかし翌日の仕事のことを思うと何か拵えるのも躊躇われる。そんな時の冷蔵庫の残り物には大変なよろこびあり!なのです。うちの冷蔵庫にはカレーが残っている可能性がかなりの確率であったりするが、なくなっている場合も想定されます。運よく残っていたら、そのまま食べるかというとそうはしない。レトルトカレーを温めないで食べる人もいるみたいだけれど、そういう状況は緊急事態時以外は避けたいのです。ガスコンロで温めるのも面倒だけれど、さすがに冷たいままは避けたい。結果レンチンして食べる事になるのですが、こういう時に食べるカレーは普段以上に美味しいのであります。残り物って当日とは違った食べ物に思えるのですね。加えると当日より美味しいと思えるものと不味いと思えるものがあるのですが、それはまあまたいつか書くことにします。とん汁トースト【材料】食パン(トースト)・とん汁(具)・溶けるチーズ・バター・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 食パンにバターを塗ってとん汁(具)、溶けるチーズをのせ、トースターで焼く。一味唐辛子を散らす。 とん汁って近頃全然作らなくなりました。大好きなんですけどね。とん汁で呑むこともやろうと思えば全然イケちゃいますが、汁物で酒を呑むとすぐにお腹がガポガポになっちゃうので敬遠するようになったと思います。新潟県妙高市にあるとん汁の店「たちばな」のものは玉ねぎたっぷりで汁気少な目で気に入ってます。具が豆腐、豚バラ肉、たっぷりの玉ねぎって潔さもいいです。だからパンにのせてもべちゃっとならず美味しく頂けたのでした。とん汁パスタ【材料】パスタ(茹でる)・とん汁・小松菜(4cm幅/茹でる)・オリーブ油・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋にとん汁を沸かしてパスタを加える。皿に盛って小松菜を添え、オリーブ油をかけてカイエンペッパーを散らす。 味噌味のパスタは比較的珍しいかも。味噌汁となるとほとんどレシピを見たことがありません。まあ、滅多にないだけで実際に味噌汁にパスタ入れて食べる人はいそうです。これも普通に美味しく頂けました。とん汁丼【材料】ごはん・とん汁・卵・小松菜(4cm幅/茹でる)・紅生姜・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋にとん汁を沸かして溶き卵を加える。丼にごはんを盛ってかけ、小松菜、紅生姜を添えて一味唐辛子を散らす。 これはちょっとだけ手を加えて卵とじにして丼化しました。味噌の入った卵とじってどんなもんかなと思ったけれど、今回のとん汁が醤油と味噌の合わせだったこともあり違和感なく食べられました。ってちょっと味噌が入っているし、豆腐も普通は使わないけどほとんど他人丼と変わんないですね。 一応とん汁の店たちばな風のとん汁レシピをのせておきます。【参考】とん汁【材料】豚肉(バラ) 500g/玉ねぎ(薄切り) 5個/木綿豆腐(一口大) 2丁/酒・みりん 100ml/醤油 50ml/塩・顆粒だし 10g/味噌 100g【作り方】1. 鍋に酒、みりん、醤油、塩、顆粒だしを入れて沸かす。味噌を加える。火を止めて豚肉、玉ねぎ、木綿豆腐の順にのせる。蓋をして中火で15分煮る。芋煮そば【材料】そば(茹でる) 1人前/めんつゆ 100ml/かまぼこ(8mm幅) 1枚/【芋煮】里芋(茹でる/皮を剥く/一口大) 2個/牛肉(薄切り/一口大) 30g/長ねぎ(斜め切り) 5cm/だし 大さじ3/醤油 大さじ1/酒 小さじ2/みりん・砂糖 小さじ1【作り方】1. 鍋にだし、醤油、酒、みりん、酒、砂糖を沸かして里芋、牛肉を煮る。2. 丼にそばを盛ってめんつゆ、【芋煮】を注ぎ、かまぼこをのせる。2023/1/4 芋煮っていうのもシンプルな食材に味付けだから応用可能性が広い料理ですね。定番はカレーですかね。ラーメンもあるみたいだし、炭水化物と普通に調和しそうです。今回は山形市にあった「佐藤屋」というそば屋さんの写真を参考に作ってみました。当然に美味しいのです。芋煮にトーストした食パンでもそれなりにイケそう。試してみたらよかったなあ。次回の課題にします。
2024/01/25
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近頃になってまたも足立区の酒場巡りを再開したい気持ちが盛り上がってきました。一度ハマると集中的にその町に通うことがあってもそのうち熱が冷めると当分気がのらなくなる。それでも巡り巡って結局はかつて訪れた町に戻ってくる。それは酒場巡りに限ったことでもないぼくの性癖、いやもっと切実な持って生まれた本能に近いもののような気がしています。回遊魚が一定周期で各地を転々しながらもやがては生まれた場所に帰ってくるのにどことなく似ている感じもしますが、回遊魚には元いた場所に戻って散乱した後生命を終えてしまう種類もいたりするので、そういう一生に一度というのとは明らかに異なっています。むしろ渡り鳥に近いのかも。高級役人だったり政治家を渡り鳥なんて評することがあるけれど、それはさすがに本物の渡り鳥には申し訳ないのだ。彼らは予めお膳立てされたレールだったり、単に欲得に促されるままに移動するだけなのだかから比較するのが失礼なほどであります。それはともかく久し振りの町というのはどこだってそれなりには以前と違って見えるもので、今回改めて歩いた梅島は案外面白く思えたのです。なので、きっと近いうちにまた参上することになります。 ということで、今回訪れたのは駅前の横断歩道を渡ってすぐの「もつ焼き専門店 もつよし」であります。こりゃ便利な場所にありますねえ。しかも都心部とは異なり駅前といってもそうは賑やかな訳でもないから人混みにまみれてくたびれてしまうようなことはありません。しかもこちらネットの情報では15時に開店し,しかも金土日は24時間営業とのこと。立地と営業時間に関しては合格というよりも「優」を進呈してもおかしくはないのだ。にしては、店内は閑散としています。というかたった一人お客さんがいるばかりなのです(この方は店の方とも近くてオーダーの通りやすいばかりでなく、吊り下げ式のテレビの真正面という独り客にとっての最上席を把握しておられるようです)。中央にコの字のカウンターが設けられていますが、周囲には卓席も多くここが満席になることがあれば相当に賑やかになるはずです。さて、もつ焼き専門店とある割には今時の酒場にありそうな定番からちょっとしたアレンジ料理まで幅広く揃っていますが、優柔不断なぼくには珍しく迷うこともなくオーダー完了。お値段もそれなりにお手頃で価格にムラがないのも選びやすい理由ではあります。大抵の居酒屋では肴ごとの値段設定にムラがあるもので、それなりに食材の底値を知っているぼくとしてはどうにも納得のいきがたい品が混じっているものですが、こちらはそんなことはないのです。にしてもこれだけのキャパのお店をこれだけ多様な肴を用意しながら切り回すのはいくら空いているとはいえ大変なことだと思うのですが、店主らしき方は全くの平静な表情を浮かべたままなのだから確かにすごい。逆の意味ではこれだけ空いているからワンオペ体制に切り替わったのかもしれません。何にせよ特別どうということのない店ですが、マイナスよりもプラスの要因が上回ってはいるように思えるのでもう少し繁盛していてもおかしくはないと思うのですが、なかなかうまくはいかないのでしょうかねえ。
2024/01/24
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青空文庫で「残り物」をキーワードに検索してみると、坂口安吾、山本周五郎、岡本綺堂なんて作家の作品が引っ掛かってきました。こう言っては失礼に当たるかもしれないけれど、さもありなんといったところです。よく言えば庶民目線を持ち続けることができた作家といえなくもないのかもしれませんが、そもそもが市井の人々を「庶民」と捉える視線というのはどうしても上から目線的に感じられるのです。あくまでも青空文庫での検索結果に依拠するのみでありますが、山本、岡本両大家の文章に「庶民」なる言葉は登場しないけれど、安吾はしばしばこの語を用いているようです。 例えば、「風流」というエッセイを眺めるだけでも以下のような記述があります。 多くの庶民の気風がそうで、各人各様に風流をたのしみ、間に合せて満足するうちは結構であるが、そこからお説教が現れ、風流や美についての論議や奥儀のみならず、生き方や道徳の深遠な理窟や規定も現れてくると、曰く不可解の謎となり、神仏の霊感や悟道に通じて天上地下の迷路を駈けめぐり、人の素直な気風からは手に負えないもの、煮ても焼いても食えないものになってしまう。 日本の庶民住宅は貧寒である。昔の大工は手をぬかなかったとか、仕事がシッカリしていると云う。なるほど、昔から火事の少い長崎などでは、百年、百五十年前の建築という庶民住宅がザラである。しかし、要するに戦災都市のバラックと異るのは耐久力の点だけで、その本質はバラックと変りがない。 何がどうあろうと仕方なしと諦めて、与えられたワク内でツギハギだらけの生活も気持だけで間に合い、運を人まかせにしてしまった悲しく暗い日本庶民。ホラ穴生活に逆行しても、風流だけは変りなくたのしめる日本の庶民。 しかし、庶民生活の悲しく暗い諦めは日本だけのものではないが、文明開化の今日、原子バクダンの今日この時に至っても、風流という足なしのノッペラボーの畸型児をムリヤリに合理化し信念化する複雑奇怪な弁証作業や情熱のフットウ的な高まりというものは、世界の奇観の一ツであろう。 焼けてから六年目のバラック都市よりも焼け残った都市の庶民住宅がもっと暗く貧寒だという発見は、それほど異様きわまる狼狽を与えるものであった。 ねえ、これを読むだけでも安吾って人には、どこか高踏的な印象がある気がしてしまうのですね。ロールしないキャベツトースト【材料】食パン(トースト)・ロールしないキャベツ・バター・粉チーズ 適宜【作り方】1. 食パンにバターを塗ってロールしないキャベツ、粉チーズをのせ、焼く。 平野レミ先生の紹介する料理のひとつの傾向に手抜きがあると思っています。手間が半バーグ、春巻かず。ごっくん水餃子、食べれば焼き餃子。けして否定的なことを申したい訳じゃなく、ぼくも似たようなことをしてますから。食べればロールキャベツなんて、ほぼぼくの作ってるのと一緒です。しかもその手抜き料理を再利用しようっていうのだから、もしかしてぼくは平野氏以上に横着なのかもしれません,ちゃんと美味しく頂けました。これ作る時には冷蔵庫の残り物を入れたりして定まったレシピの用意がないので、ここでは食べればロールキャベツを引用します。食べればロールキャベツのレシピはこちらから。https://remy.jp/recipe/item/181ロールしないキャベツパスタ【材料】パスタ(茹でる)・ロールしないキャベツ 適宜【作り方】1. 皿にパスタを盛ってロールしないキャベツをのせる。 やっぱりやるだろうなあのパスタ展開です。これまた普通に美味しく頂けます。しかしいかにも工夫が足りなさすぎますねえ。 以下の2つは中華麺に添付されているタレの残りの使い回しになります。減塩のために残す人もいるでしょうし、ぼくなんかは中華麺を使ったレシピを作ってみる場合なんかによく残ってしまうのです。でラーメンのスープのタレの味は大好きなものだからよく取っておいて色んな料理の味付けに回すことになるのです。今回のは定番で新味に欠ける使い方ですが、追々もっといいアイデアをお示しできればと思ってます。ラーメンスープのおじや【材料】ごはん 1膳分/ラーメンスープ(醤油)・卵・揚げ玉・青ねぎ(小口切り)・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にラーメンスープを沸かしてごはんを煮る。溶き卵を加える。器に盛って揚げ玉、青ねぎ、胡椒を散らす。 下手な和風だしのおじやよりコクがあって美味しいです。卵かけスパゲッティ 醤油ラーメン味【材料】スパゲッティ(茹でる) 80g/卵 1個/小松菜(3cm幅/茹でる) 適宜/中華麺(醤油)のタレ 1/2個/胡椒 適宜【作り方】1. 丼に卵を入れてスパゲッティと和える。小松菜をのせてタレをかけ、胡椒を散らす。 醤油ラーメン風味のカルボナーラみたいなものですが、これは今一つの出来でした。パスタにラーメンのタレ組合せは、ちっとも意外じゃないばかりじゃなく容易に活用できそうなんですが、正直余り成功した事例がなかったりするのでした。
2024/01/23
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粉物系の食品って思い出したように食べたくなることがあるもので、このブログにもごく稀にではあるけれど、お好み焼き屋やたこ焼き屋などが登場することがあります。粉物の食べ物ってどことなく貧乏臭いし、味付けだってチープな感じがあるけれど、それを肴に酒を吞むのがこの上なく幸せと感じたりすることがあるんですね。簡単な料理なんだから自分で作ればいいじゃんって意見もあろうかと思うのですが、なぜか自宅で食べてもさほど旨く思えないのです。フライパンで焼いて冷めたものを食べることが多いからってな気がしてホットプレートなんぞで試したことがありますが、それで事態が変わりはしなかったのです。店でだって焼きあがったのを皿に盛って出す店だってある訳で、それだって自分ちでホットプレートを使って食べるより随分美味しいと思えてしまうのだから不思議なものです。それはまあ居酒屋で出されるちょっとしたお通しなんかが、自宅じゃ手を伸ばしたくもならないようなものであってもそれなりに美味しく思えるのとほぼ同じ感情なのだと推測されるのです。さて、思い付いたはいいけれど、粉物を堪能するとなるとどこに行くべきか。都内近郊でもいくつかの候補地が想起されるのでありますが、体力が持ちさえするならできれば夜の酒場巡りも兼ねられる土地が良かろうと考えて、熊谷を選択しました。埼玉県北部地域ではご存じのように行田のゼリーフライを代表とするフライと呼ばれる粉物料理が知られています。行田市では、お好み焼きとクレープの中間として地元の名物として売り出そうとしていますが、どことなく餅のようなもっちりむっちりとした食感が特徴の粉物軽食であります。これまで何度か食べていますが、サイズもそう大きくないから食べ回りすることもできるかなってことで選定に至った次第なのです。 自宅から熊谷まではうまくすれば1時間程度で辿り着けるので気楽な休日の散歩コースにしてもいい場所ですが、運賃は往復でちょっと一杯呑める程度の金額となるので、そうそうふらふら行くのは躊躇われるのです。居酒屋で落とす金銭はあっさりと割り切るくせにこういうところのケチ臭さはいつまで経っても変わらないのだ。さて、感慨が湧くほどには久し振りって感じのしない熊谷駅に降り立って最初に向かったのは、「石井フライ店」であります。もうちょい雰囲気のある店と思っていたのが、案外そこらのカフェ風の内装だったので,一瞬鼻白んでしまったのですが、他にお客さんもおらず席に着くのでした。フライとハイボールを注文します。かなり濃い目になってしまったといって出されたハイボールはちょうどいい加減でありました。その後も濃いようなら炭酸足しましょうかっていうお申し出を丁重にお断りするのでした。さてしばらくして出てきたフライは見るからにむっちりとしていて旨そうです。サイズ感はまずまずありますが、厚みはさほどないので、これなら食べ回りの一軒目としては上出来だろうと早速かぶりつくのです。うんうん、ムニムニ、いやモニュモニュという土山しげる風の擬音が似合うような食感が楽しく、豚バラ肉をたっぷり入っています。粉物なんてソースの味じゃんって言う人もいますが、確かに小麦の旨味が感じられるような気がします。久し振りに食べたけどやっぱり美味しいなあ。さて、この後、何枚食べられるのだろうという勇ましい考えはこの後、そう遠からず打ち砕かれるのであります。
2024/01/22
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今回のお題はまたも「鰊」なんですけど、ネタ探しにお決まりの青空文庫を眺めていたら「寺坂吉右衛門の逃亡」という時代小説が引っ掛かりました。作家は、作品はもう忘れ去られつつありますが文学賞としての名声を誇っている直木三十五による文章です。「鰯」はわずかに出てくるのみですが、不思議と強い印象をもたらすのです。--「爺つぁん、寒いの」 吉右衛門は、煮売屋へ入った。薄暗い土間に立って、竈の火に、顔を照らしている老人が「これは、お寒いのに、お早くから」「何んでもいいから、一本つけて――」 吉右衛門は、鍋の下から、運び出してきた火に手をかざしてから、濡れた草鞋を、脱いで、店の間へ上った。「奴さん、お一人かえ」「うむ――葛西まで、お使の、戻りだ」「この雪にのう」 吉右衛門は、鰊と、味噌汁と、酒とを前にして(うまい――ああうまい。久し振りで、しみじみと、打解けて味わえる。酒を飲んでいても仇討。飯を食っていても仇討――一体、仇討をして、何んに成るんだ。士ならとにかく、こんな下郎が?――人の真似をした、猿の物真似だ、と、そういわれたって仕方がない。実際、物の役にも、何んにも立たないんだから――附人に斬られてしまうか、吉良の小者と、囓りっこをして、鼻の頭でも、食いちぎられるか?――下郎は、下郎らしく――) 快く、胃へ通って、血の中へめぐっている酒を、微笑して、首を傾けて「うめえ」-- なんかいいですねえ。無駄に改行が多いとか文章がぶつ切りになっているとか個人的な文章の好みとは相容れぬはずなんですけど、いかにも「うまい」の実感が籠っているように思えるのです。「鰊」「味噌汁」「酒」とは幾分奇妙な組合せに思えるけれど、確かにしんしんと冷える冬には最高の晩酌となりそうに思えてきます。以下のような料理を拵えはしたけれど、余計なことはせず、鰊の甘露煮を余計な手を加えることなく食べたくなりました。身欠き鰊の炊き込みごはん【材料】米 1合/身欠き鰊甘露煮(そぎ切り[2枚取り置く]) 1枚/生姜(薄切り/千切り)・大根(葉/小口切り)・めんつゆ・水 適宜【作り方】1. 炊飯器(内窯)に米、身欠き鰊、生姜(薄切り)、めんつゆ、水を入れて炊く。大根(葉)を混ぜる。茶碗に盛って身欠き鰊、生姜(千切り)をのせる。 と書いた傍から裏切るのですが、当然ながらこの炊き込みごはんは旨いに決まっているのでした。生姜をばっちりと利かせるのがいいです。青物としては本当なら三つ葉とかセリがあればよかったのですが。身欠き鰊の卵丼【材料】ごはん 1膳分/身欠き鰊甘露煮(そぎ切り) 1/2枚/卵 1個/揚げ玉 大さじ1/青ねぎ(斜め切り) 2本分/だし 30ml/みりん・砂糖・醤油 小さじ1/2/三つ葉(3cm幅)・山椒 適宜【作り方】1. 鍋にだし、みりん、砂糖、醤油を沸かして身欠き鰊を加える。揚げ玉、青ねぎ(斜め切り)を加える。溶き卵を加える。三つ葉を加える。丼にごはんを盛ってのせ、山椒を散らす。 これまた旨いですねえ。この日には三つ葉があったみたいですが、コックリと濃い味付けの甘露煮には三つ葉のような香りの強い野菜が合うようです。山椒もよく合います。身欠き鰊トースト【材料】食パン(トースト/マヨネーズを塗る) 1枚/身欠き鰊甘露煮(そぎ切り) 1/2枚/マヨネーズ・青ねぎ(斜め切り)・揚げ玉・溶けるチーズ・山椒 適宜【作り方】1. 食パンに身欠き鰊、青ねぎ、揚げ玉、溶けるチーズをのせてトースターで焼く。山椒を散らす。 案の定、トーストにもトッピングしたのです。味付けが濃いので控えめにトッピングしただけですが、それでも鰊の旨味がはっきりと感じられました。チーズにも負けてません。
2024/01/21
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読まなきゃいいのにうっかり北大路魯山人「雑煮」を読んでしまったのです。-- さて、いちばん肝要なのは、餅の焼き方である。昔から狐きつね色に焼くのを最上としておったようだが、ところどころ濃く、ところどころ狐色に丁度鼈甲べっこうの斑ふを思わせるように焼くのが理想的である。そして、餅の堅い、やわらかいの程度によって、火の加減をしないと、中身が堅いのに表面ばかり焦げたり、白くしなしなしてしまったりする。 雑煮のコツは、餅の焼き方にあるといってよいと思う。また、不細工に大きな餅のはいっているのはおもしろくない。ことに朝から屠蘇とそ機嫌でいるところへ大きいのを出すのは気が利かない。 料理屋で出す小型マッチ箱ぐらいの大きさが、見た目の感じがよい。でも、客次第で餅の大きさも加減したらよい。若い者たちには多少体裁が不格好でも、大きいのを入れた方が歓迎されよう。出す相手と場合に応じて、それ相応のもてなしをすることは、単に雑煮だけにかぎらず、何事においても必須条件である。-- 喧しいのだ。全くもって余計なお世話である。そりゃもちろん焼いた餅が芳ばしくて、表面の焦げ目と中身の辛み突くような淡泊さの醸す風味の差異も知っている。表面のパリパリと中身のトロリの対比も愉快に決まっている。だけどねえ、餅ひとつのために費やせる時間などそうそう確保できないのですよ。だからぼくは食通ぶることは諦めてレンチン後の魚焼きグリルの併用で納得するのでありました。無論、作るレシピ次第ではレンチンのみの横着に堕することも辞さないのです。う~ん、手抜きの言い訳にすらなっていないなあ。ここはもう耳が痛いけれど魯山人の語ることに理があると認めざるをえませんね。相変わらずの尊大な物言いには辟易させられるんですけどね。とろろ昆布巻もち【材料】切り餅(溶けるチーズをのせる/焼く) 1個/溶けるチーズ 大さじ1/とろろ昆布・めんつゆ・のり(2cm幅) 適宜【作り方】1. 切り餅をとろろ昆布をのせてのりを巻く。めんつゆをかける。 餅とチーズととろろ昆布のびろーんの三種使いがポイントなのですが、とろろ昆布はほとんど霞んでしまいます。なくてもさほど変わんないっていう消極的な仕上がりになりました。キャベツ餅【材料】切り餅(焼く) 2個/キャベツ(ざく切り) 200g/サラダ油 小さじ1/顆粒だし・砂糖 小さじ1/2/醤油 大さじ1/ごま油 小さじ1【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してキャベツを炒める。顆粒だし、砂糖、醤油を加える。餅を加える。ごま油を加える。 福島県郡山市の地元料理のようです。ちょっと意外な組合せのようにも思えますが、餅もキャベツも大概の食材と折り合いが付けられる便利食材だから合わないはずがないのです。栄養バランスも良さそうです。長ねぎベーコン餅【材料】餅 1個/のり 適宜/【具(混ぜる)】長ねぎ(みじん切り)・ベーコン(みじん切り) 大さじ1/塩 適宜/サラダ油 小さじ1【作り方】1. 耐熱皿に【具】をのせて電子レンジで600W50秒加熱する。餅をのせて600W50秒加熱する。のりにのせる。【備考】remy 「ベーコン香る「長ねぎベーコン餅」」https://remy.jp/recipe/item/022 平野レミさんレシピです。悪くはないですけどねえ。案外面倒だからそこまでする必要があるのかと思ってしまいます。辛チーズ餅【材料】切り餅 1個/砂糖 小さじ1/醤油 小さじ2/3/溶けるチーズ 適宜【備考】1. 器に砂糖、醤油を入れて混ぜ、切り餅をのせて電子レンジで600W50秒加熱する。裏返して溶けるチーズをのせ、電子レンジで600W40秒加熱する。 どっかのレシピで見たので作ってみました。あまり期待していなかったのですが、案外美味しかったのです。手間が掛からないのも魅力。力そば【材料】そば(茹でる) 1人前/切り餅(焼く) 1個/小松菜(4cm幅/茹でる)・揚げ玉・そばつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、切り餅、小松菜、揚げ玉をのせる。 ぼくのかつての職場の上司に力うどんや力そばが大好きな人がいました。昼食に店屋物を頼むことがあったのですが、その人は決まってどちらかを食べていました。今は退職してしまい会うこともなくなったのですが、彼は餅が好きだったのか単にそばやうどんだけではボリュームが不足したからなのか聞いてみたい気がします。でもそばと餅を代わる代わる食べるとボリュームも感じるし、餅の粘りが残った口中には米とそばの風味が交わってまた別な風味に変化するようで、量だけが理由じゃなかったんだろうなと思いたいです。
2024/01/20
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年も明けて早くも半月が過ぎ去ってしまったけれど、実際にはこれが年明け最初の作文なのです。結局のところ、年末年始に慌ただしく物書きなどしたくないという身も蓋もない理由でしかないのですが……。だったらこんなのやめちゃえばいいじゃんという誠にごもっともな意見もあろうことは容易に想像できることで、実は今年は投稿のペースを減らすつもりでいたのです。このブログを始めた当初はそれこそ元気だったから、ハシゴの勧めじゃないけれど毎日2軒づつの酒場に登場いただいていました。今でもハシゴすることは当然あるけれど、かつてのように毎晩それを続けて書き残すのは気力体力が持たなくなってきました。それより何より、当たり前のことではありますが、仕事を終えてから訪れることのできる範囲内に訪れたいと思えるような未訪の酒場が減るばかりなのです。さらには古酒場自体が減少しているのだから、どうしたって以前登場願った酒場に繰り返し出てもらうことになります。何度でも書きたくなるような酒場などそうそうあるはずもないのです。そりゃそもそも酒場なんて文章として綴る場所などではないのだから仕方のないことだと思うのです。書けるとすれば季節ごとの酒や肴のことやそこに蔓延る人々の人間模様なんてことになるのでしょうが、ぼくにはそれらについてはほとんど興味がないものだから、どうにも筆の進みが鈍るばかりなのです。と愚図愚図ボヤいてみたけれど、まあ常々語っているようにこのブログは自身の文章修業及び備忘録のつもりで始めたものだから続けられる範囲で続けることにします。その内、週1回とか2回なんてことになるかもしれませんが、不定期ってのは避けようと思っています。そうしたらズルズルと活動中止となりかねないですから。 今回お邪魔したのは、環七と旧日光街道が交錯する交差点に佇む「そば久」でありました。以前(東武伊勢崎線がスカイツリーラインと呼ばれるようになる直前頃だっただろうか)は、ちょくちょくこの沿線での呑みを楽しんだものですが、近頃はめっきり訪れる機会も減っていました。そんな酒場好きの落後者であるぼくがそれでも訪れたいと思ったのは、知人の車に同乗させてもらった際に偶然見掛けてしまったのです。こういう遭遇があるからたまに車に乗せてもらうのは楽しいのだ。歩きだと目に留まらない物件が車窓からだと鮮明に存在を露わにすることがあるのです。そのまま車を降ろしてもらいたいところですがさすがにそれは身勝手だし、それ以前に店の方がシャッターを下ろし始めました。18:30には店を閉めてしまうようです。これはこれでいい情報です。ということで、職場を早めに飛び出して17時過ぎには現地へと到着しました。想像はしていましたが、やはり他に客はなくそれどころか店の方の気配すらない。オオバコなためかやけに声の響く店内で声を掛けてみると奥から返事が返ってきます。にしてもこのひっそりとした空間のなんと風情のあることだろう。綺麗に手入れの行き届いた小上がりは果たして普段使われることがあるのでしょうか。お新香を肴にビールを呑みつつおかめそばを待ちます。同行者は鴨南蛮そば。いずれもぼくには贅沢品で余り頼むこともありませんが、ここなら安心プライスです。さて、味はというと、う~ん、ちょっとコメントは差し控えておくことにしようかな。シンプルにかけそばとかたぬきそばなんかにしておけばよかったかな。それでもここの雰囲気にはすっかり気分良くさせてもらえたからそれでもう納得なのです。
2024/01/19
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島木健作という作家がいました。転向作家の代表的な人とのことでありますが、高見順や中野重治といった同系列の小説などはそれなりに読んでいるのに、不可解なことに島木健作はほとんど接した覚えがないのです。同氏の生まれ故郷が北海道であることを知ったのも「鰊漁場」という小説の存在を知ったことがきっかけで、有り体に言うとさっき初めて知ったのでした。その小説には、ニシン漁が盛んだった時代の情景が描写されています。-- 漁舎に陸あげされた鰊の山は一刻も早く加工されねばならない。粒鰊を箱へ詰めおわると、出面と漁夫との鰊ツブシの作業がはじまる。その間にまじって学校を休んで働く子供たちの姿も見える。人手はいくらあっても足りはしないのだ。出刃を器用にひとまわしまわすと、鰊はたちまち脊鰊と胴鰊とに引きさかれる。さかれた鰊は鰓をつらねて干場で乾燥される。適度に乾燥したものはさらに二つに引裂かれて身欠き鰊となる。――一方には大釜が据えつけてあり、腐敗しかけてきた鰊がそのなかに投げこまれ、ぐつぐつと煮られている。いいかげん煮熟すると螺旋圧搾器にかけて油をしぼり、鰊粕をとる。その他数の子の製造、白子の乾燥、等々。――漁舎のなかは戦場のような興奮と喧噪のうずまきだった。生臭い魚の血のにおいと腐敗臭が、漁舎ばかりではなく浜全体にびまんして、慣れない百姓や子供のなかには吐気をもよおすものさえあった。-- 今回は身欠き鰊の甘露煮を使った料理なんですが、これを読んでしまうと腐臭が鼻について、とても口にする気にはなれなかったかもしれません。そうそう、もう随分以前のことになりますが、おせち料理をそれなりに自作していた頃、身欠き鰊や棒鱈を数日掛けて水で戻したのですが、それが臭って辛かったことを久し振りに思い出しました。わずかの量でもそれだけ臭うのだからこの小説の現場に置かれたらとても耐えられなかったはずです。ともあれ軟弱なぼくは今では出来合いの見栄えも麗しい調理済み食品にて喜んで妥協するのです。鰊蕎麦【材料】そば(茹でる) 1人前/めんつゆ 適宜/身欠き鰊甘露煮 1枚/小松菜(4cm幅/茹でる)・青ねぎ(小口切り)・七味唐辛子 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、身欠き鰊甘露煮、小松菜、青ねぎをのせて七味唐辛子を散らす。 鰊蕎麦って北海道や京都でよく食べられているってことらしいのですが、ぼくはこれ、大好きなんですよね。大好きな割には大晦日位にしか食べず、しかもうっかり出掛けて叩き売りになった天麩羅など目にするとついつい買い求めてしまって食べそこなったりしちゃうんですけど。実は今回食べた分は昨年の残り。賞味期限については聞かないでください。なのにまた買い足しちゃったから、まだしばらくは楽しめそうです。身欠き鰊とじゃがいもの煮付け【材料】身欠き鰊甘露煮(3cm幅そぎ切り) 2枚/じゃがいも(皮を剥く/一口大) 2個/酒 50ml/だし 200ml/生姜 適宜【作り方】1. 鍋に酒を沸かしてだし、身欠き鰊、生姜を加えて弱火で3分煮る。身欠き鰊を取り出してじゃがいもを加える。身欠き鰊を戻す。 鰊との煮付けではナスが定番ですが、じゃがいもも合うんですよね。正月料理は雑煮以外は冷たいものが多くて具合が悪くなることもあるので、こうした温かい料理ってほっとするんですね。身欠き鰊のだし巻き卵【材料】身欠き鰊甘露煮 1枚/サラダ油 適宜/【卵液(混ぜる)】卵 2個/だし 30ml/醤油・みりん 小さじ1/塩 適宜【作り方】1. フライパンにサラダ油を塗って【卵液】(半量)を注ぎ、身欠き鰊をのせる。巻きながら【卵液】(半量)を加える。 これまた定番のだし巻きです。久し振りに作ったら分量の下限が分からずちょっと見苦しい仕上がりとなってしまいました。鰊のサイズが目分量より大きくて玉子焼き用のフライパンの横にはのせられなかったのですね。慌てて縦において無理矢理包んだ奮闘の成れの果てになります。それでもまあ美味しかったから満足です。
2024/01/18
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前回、「ほとんど呑みに訪れていない町」と書いたということは、訪れたことがあるのかという疑問を持たれた方がいらしたかもしれません。実はあるのです。しかも約10年前と約5年前の2回訪れているようなのです。ようなのですとはまたあやふやなことだと思われるかもしれませんが、実際訪れた記憶がまるでなかったりするのだ、恥ずかしながら。そのどちらかは北池袋駅界隈で呑んだ後に流れで立ち寄っただけなのです。位置関係を考慮するとどうやら今でも現役らしい「居酒屋 助さん」と思われます。わずか5年前のことなのに覚えていないとはねえ。もう一軒が「ことぶき」というお店のようで、今では寒々しくも更地と化しています。メモには住所の記載もないので、当時の記憶の呼び水にしようとGoogleで検索すると食べログに登録されていることが判明しました。しかしすっかりお馴染みの[掲載保留]表記があるのみでコメントすら残っていません。でも住所が残っているのでGoogle Mapで調べてみるとその住所のある場所はどうも更地になってしまったようです。最近知ったGoogle Mapの機能があって過去の様子をプレビューできるのですね。ホントこれ、恥ずかしながら最近まで知らなかったのですね。2020年11月にはすでに更地となっていますが、同年2月にはまだ建物が残っていました。飾り気のない簡素な構えが味わい深いです。 この間のいずれかに閉店をしたってことなんでしょうけど、コロナをきっかけに閉店したのかしらと気になって移動してみるとどうも貼り紙らしきものが見えます。拡大してみます。「東京都道路拡張」により「立ち退きの為本年2月末日にて閉店」ということなのです。現在のプレビューをよくよく見ると「木造住宅密集地域を改善する、命を守るみち」なる看板が設置されています。単なる空き地を「みち」とは何ともお粗末に思えるのですが、現状を「ことぶき」の店主さんはどう思っておられるのでしょうか。 それはともかくとして、とある夜お邪魔したのは「ホルモン・海鮮焼 すえきち」です。夕方5時過ぎに店の前を通るとテレビ画面から漏れ出した灯りが見えますが、営業を始めるといった気配は感じられませんでした。そんな訳で先に書いた「点心」で時間調整したんですが、後ろ髪をひかれつつ店を出たもののやってなかったらどうしようと店の方を見ても営業してる気配はやはり稀薄。でもさっきとどこか違っているようでよくよく見ると袖看板の照明が灯っています。どうやら営業時間となったようです。店内は薄暗くしばし大丈夫なんだろうかってムードでありましたが、こういううらびれ感はぼくにはむしろ心地いいので当然店を出ようなんてことは微塵も思わないのです。カウンターにも卓席にも焼き台も七輪もないので、ゆっくりメニューを眺めて決めればいいことと思い、ホッピーと牛すじ煮込みなどを注文。これがお通しのスパサラとともに実によい味でしかも量もたっぷりなので結局最初に頼んだ品だけで満足してしまいました。我々の後を追うように訪れた初老の客はキープのいいちこを受け取ると猛然と呑みだすのです。恐らく注文せずに当たり前のように出された刺し盛はとんでもないボリュームです。遠目でそこまでじっくりとは眺められなかったのですが、5種類程度は盛り付けられていて、鮪だけでも8切れ近くはあったんじゃないか。しかも大振りに切り身ですよ。こりゃ我々じゃあ2人で掛かっても持て余してしまうんじゃないか。さらに嬉しいのがホッピーのナカの価格です。セットは450円と平均的でありますが、ナカは150円でしかもそこそこの量が注がれています。これは大したお店じゃないか。さすがは板橋区。と書いてはみたけれど実はこちらも豊島区だったりするんですよね。 開店待ちで立ち寄った「点心」前を通ると、カウンターには5名ほどのお客さんが入っておられました。下板橋駅前になくてはならないと感じられている方は少なくなさそうです。それを思うと将来、それも近い将来にも暗澹たる気持ちを抱かざるを得ないのでした。
2024/01/17
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岡本かの子氏に「餅」という掌編があります。新婚夫婦が二人がカリで雑煮を作りながら、婚前にお嬢様育ちの妻に生焼けの餅を食べさせられたという話題を交わします。生焼けの餅を出すような娘さんは純な娘だろうと思ったてなことを夫が言うと妻はテレてしまうという何ともバカバカしいお話でありますが、ここで取り上げたいのは、「生焼けの餅」であります。「生焼け」というのは焼き加減が不十分であることを意味する言葉ですが、ぼくはこの言葉を口にした後、いつも不安を覚えます。というのは生と焼けという対極する状態が同居していることに違和感があるからです。別な言い回しに【半焼け】というのがありますが、まだしも馴染みがいい。それにしても餅に不十分にしか火が通っていないというのは誠に残念なことで、元旦にお屠蘇を用意して雑煮を口にしたら中は硬いままだったというのは相当に落胆するのではないか。それだけでこの一年が上手くいかないんじゃないかとか拡大解釈しかねません。そういえば近頃滅多になくなりましたが、料理における失敗の最たるものが焼き過ぎて真っ黒こげにしてしまうこと以上に半焼け、半煮え、半茹でだった場合じゃないかとも思えるのです。焼き魚を食べて中が生だったなんていうのは酷くゾっとする経験です。そういえば、昨年、川口の某そば屋で頼んだアジフライが外観は酷く焦げていたのに中は生どころか冷たかったなんて経験をしましたが、ああいうのは二度と御免なのであります。北海道風雑煮【材料】切り餅(焼く) 1個/鶏肉(もも) 20g/里芋(下茹で/皮を剥く/8mm幅) 1個/ニンジン(銀杏切り) 1cm/干し椎茸(水で戻す) 1枚/三つ葉(3cm幅)・水・醤油・みりん 適宜【作り方】1. 鍋に湯を沸かして鶏肉、干し椎茸(戻し汁)を加える。里芋、ニンジン、醤油、みりんを加える。お椀に切り餅を入れて注ぐ。 この数年来、正月であっても餅を食べることがありませんでした。嫌いじゃないけどすぐ満腹になって食えなかったり、カロリーオーバーを気にしたりでどうも遠ざけてしまっていました。実はこの年末年始に食べた餅は前年用に購入したものですが、問題なく食べる事ができそうだったので、餅レシピをあれこれ試してみることにしました。元旦位は雑煮を食いたいけど突如思い付いたので、どこぞやのレシピサイトで見た北海道風の雑煮とやらを作ることにしたのです。北海道は大多数の人は移住者だから出身地ごとに家次第で全く異なるような気もするのですが。それはともかく、これは鶏のだしを活かすのがポイントらしい。出来上がったのは特段代わり映えせぬ雑煮でありました。チーズねぎ餅【材料】切り餅 1個/小ねぎ(小口切り) 2本/溶けるチーズ 適宜/めんつゆ 小さじ1/3/焼きのり 適宜【作り方】1. 皿に焼きのりを敷いて切り餅、小ねぎ、溶けるチーズをのせ、電子レンジで600W1分加熱する。めんつゆをかける。 ネットで流布される餅レシピの多くでチーズが使われています。分かり易いしちっともオリジナリティが感じられませんが、まあ相性がいいからついつい多用しちゃうのでしょうね。餅トースト【材料】食パン 1枚/切り餅(薄切り) 1個/ピザソース・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. 食パンにピザソースを塗って餅を並べ、溶けるチーズをのせてトースターで焼く。 食パンと餅の組合せも餅をチーズの代わりと考えたらちっとも意外性がありません。だったらいつだって冷蔵庫に入ってるチーズでいいんじゃないかなんて思ったりもしますが、まあ美味しいことは確かでありました。松茸の味お雑煮【材料】切り餅(焼く) 1個/松茸の味お吸いもの 1袋/カマボコ(1cm幅) 1切/三つ葉(4cm幅) 適宜/湯 180ml【作り方】1. お椀に松茸の味お吸いものを入れて湯を注ぐ。切り餅、カマボコを盛って三つ葉を散らす。【備考】永谷園 「アレンジレシピ 松茸の味お雑煮」https://www.nagatanien.co.jp/recipe/190/detail.html 永谷園の定番インスタントお吸い物を用いたレシピです。誰だって思い付きそうですが、実際に試す人は案外少ないのかも。お馴染みのお吸い物に単に餅が入っているだけで、双方を組み合わせたことにより相乗効果は感じられませんでした。とろろ餅【材料】切り餅(焼く) 1個/長芋(おろす) 3cm/青ねぎ(小口切り)・鰹節・めんつゆ 適宜【作り方】1. 器に餅を盛って長芋をかける。青ねぎ、鰹節をのせてめんつゆをかける。 チーズ同様にとろろも餅とのトロトロ一体感が狙いということになりますが、さすがにさっぱりしていてチーズと比較するとかなり淡泊な印象でした。そばにのせてとろろ力そばとする方が、相乗効果が期待できそうです。
2024/01/16
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板橋駅の旧中山道を歩いているとハラール食材店が姿を見せました。簡単にハラールって書いちゃいましたけど、その言葉が意味する中身については正直なところ十分な理解はできていないのです。ぼくが知っているのはハラールっていうのは、神とムハンマドがイスラム教徒(ムスリム)に認めた食べ物や飲み物を始めとした日常生活のあらゆる物事を意味します(逆にハラームは、禁じられた物事)。つまりは、ムスリムが食べていい物を売ってる店が目に留まったということですね。以前は中国の食材店やインド食材店を見掛ける程度だったのが、近頃は、ハラール食材店も都内各地で見掛けるようになりました。レストランも併設されているっぽいですね。にしても看板がごちゃついて分かりにくいですねエ。ハラール料理っぽいのは、自分でもちょくちょく作って食べたりしますが、外食として食べるのは随分久し振りなので目に入った途端に食べたいって気持ちが湧き出しました。さっきそこここに出来ているって書いたからそこここの店で食べればいいじゃんってことになりそうですが、何せここは都内における物価の底値を死守する(という割には驚愕の100円均一酒場「SHOWA」が閉店して久しいですけど)町ですから(江戸川区不動産屋さんの見立てに基づく)。路地を入ったところに店舗があるようです。居酒屋ってありますが、イスラム教徒って禁酒なんじゃなかったっけ。ってな疑問もすぐに浮かんだにも拘わらず、なぜかその時には迷いなくその路地裏の店舗に向かったのでした。 やって来たのは、「いざかや げんさん」。「いざかや」ってかなに開いた標記に日本の人がやってる酒場とは違うんじゃないかなあって無意識のうちに思ってしまったんじゃないだろうと、今になって自省してみたりする。嘘っぽいけどもうそこそこ酒が入っていたからなくもないかなあなんて思ったりもするのです。店の前に立てば素面であればやはりここは紛れもなく典型的なジャパニーズ居酒屋であろうことは気付かされたはずですが、そこは酔っ払いらしく迷うことなく店内へ転がり込むのでした。5席ばかりのカウンターの奥には狭い小上がりがあるだけの狭小な店舗でありましてその小上がりには店主らしき男性とその関係性は不明の女性の方もおられました。もっぱら女性が応対してくれます。さすがにこの時点になるとここが極めて日本的な酒場であることを知りますが、思わずこちらはハラール料理を扱っているのか伺ってしまうのです。なぜかお二人には強く否定されたのですが、どうしたんでしょうねえ。と余り面倒事に介入するのもよろしくなかろうと1串90円の焼鳥メニューを見ると、そのさすが板橋って価格帯に思わずニンマリしてしまうのです。品書きにカシラなど豚肉の標記のあるからハラール料理店であるはずがないですね。すっかり日本人に戻って、カシラなど豚肉を食べる事が禁じられていない日本人である喜びを嚙み締めた訳なのです。結局ここではホッピーから焼酎のロックへと長々と呑んでしまいましたが、やってきたのはお客さんは常連の女性お一人だけで普段もこんなに静かなのかなあとちょっと心配になったりもしたのでした。
2024/01/15
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いもというのは美味しいものです。ひと言でいもといっても様々な種類があります。日本人に馴染みのあるのは、じゃがいも、里芋、山芋、サツマイモといった辺りでありましょうか。他にも様々ないもがありますが、何にせよどれも非常に美味しい。そして何より頼もしいのが、最低限の調理(茹でる、焼く、蒸すなど)に最低限の調味料(塩、醤油、バター、マヨネーズなど)を添えただけで立派な酒の肴になってしまうところにあります。じゃがバターや衣被、ポテトフライがあればいくらでも呑めるし、飽きてきても明太子やら塩辛なんかで安直に味変できてしまうのだから大した便利食材であります。なのにどうしたものかいも料理には面倒なイメージが付きまとうのです。特に里芋には苦手意識があって、よほど思い切らないと料理する機会がなかったのですが、この年末年始に雑煮用に処理してみたら思った以上にどうってことはなかったのです。切込み入れてレンチンしてプルンと皮を矧ぐっていうワザがcookpadなどなどでしたり顔が目に浮かぶようなドヤ投稿が目に付きましたが、そんな衣被で分かり切った小技を用いるまでもなく手で剥いちゃった方がよほど簡単だったのでした。いも類の中では里芋はカロリーも低くてヘルシーなので、積極的に家呑みのアテに取り入れようと思ってはいたのですが、どうも例年よりかなり割高な感じがして結局買ったのは先の1度きりとなっているのでした。3種の芋のカレー【材料】ごはん 1膳分/じゃがいも(皮を剥く/一口大/蒸す)・里芋(皮を剥く/一口大/蒸す)・長芋(皮を剥く/一口大/蒸す) 適宜/豚ひき肉 30g/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ニンジン(銀杏切り) 2cm/にんにく・生姜 小さじ1/12/だし 150ml/醤油・みりん・酒 小さじ2/カレー粉・サラダ油 小さじ1/ 片栗粉・水 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して豚ひき肉、にんにく、生姜を炒める。玉ねぎ、ニンジンを加える。だし、醤油、みりん、酒、カレー粉を加える。芋を加える。水溶き片栗粉を加える。皿にごはんを盛ってかける。 いくつかの種類のいもでカレーを作ってみようかなと思ったのですが、面倒だから冷蔵庫にあった3種のいもを入れてみました。そりゃ旨いだろうと思ったら想像していた程の仕上がりとはなりませんでした。カレーの場合、多少の食感に差は出るものの味とか風味はどれもこれもカレー味でしかなかったのです。3種の芋入りキムチ鍋【材料】じゃがいも(皮を剥く/一口大/蒸す)・里芋(皮を剥く/一口大/蒸す)・長芋(皮を剥く/一口大/蒸す) 適宜/鶏肉(胸) 1枚/アサリ 50g/キムチ(白菜) 100g/キャベツ(一口大) 3枚/白菜(そぎ切り) 2枚/豆腐 1/2丁/もやし 1/2袋/長ねぎ(斜め切り) 1本/えのき 1/2袋/春雨(戻す) 30g/キクラゲ(戻す) 5枚/【スープ】水 200ml/昆布・干し椎茸(水で戻す) 適宜/ダシダ・豆板醤・にんにく 小さじ1/味噌・醤油・コチュジャン 大さじ2/みりん・酒・砂糖 大さじ1/赤唐辛子 2本【作り方】1. 鍋に【スープ】の材料を入れて沸かし、具を加えて煮る。 だったらキムチ鍋にしても似たような結果になりそうなものですが、不思議なことにカレーよりはずっと種類の差異が際立って感じられてなかかなよいのです。日本の鍋にはあまりいも類は使われないような気がしますが、もっと活躍させることも可能に思えます。3種の芋入りキムチ鍋雑炊【材料】ごはん 1膳分/3種の芋入りキムチ鍋(残り) 適宜【作り方】1. 鍋に3種の芋入りキムチ鍋(残り)を沸かしてごはんを煮る。 このところ、鍋物を作っても〆の雑炊を始めとする炭水化物まで辿り着けなくなりました。しかも、腹に溜まるいもが入っているのに普段通りの量を用意したら結構な分量の余りが出てしまいました。なので翌日残りにごはんを入れて雑炊にしました。当然のように美味しかったのでした。3種の芋入りキムチ鍋カレー【材料】ごはん 1膳分/3種の芋入りキムチ鍋(残り)・カレーフレーク 適宜【作り方】1. 鍋に3種の芋入りキムチ鍋(残り)を入れて沸かし、カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 まだまだ余りがあります。そのまま食べるのもつまらないので(というかぼくは鍋物の連チャンは飽きっぽくて無理なのです)、カレーにしてみました。全く違和感なく美味しく頂けました。冒頭の3種の芋のカレーより美味しかったなあ。
2024/01/14
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昔からどうにも読もう読もうと思ってもどうにも脳が理解してくれない文章があります。個々のセンテンスを切り離して読む限りはちゃんと理解できるのだけれど、通して読むとどうにも描写される対象が不鮮明になってしまうのです。その対象はそれ自体は極めて具体的なイメージを伴っているからちっとも想像するのに困難はないのですが、通して読むとイメージが脳内で氾濫を起こしてしまうのです。その作家の文章は例えば以下のような感じ。片岡義男著『頬よせてホノルル』 調理場のドアが開いた。この店の日系の店主が、客のために調理した朝食を両手に持って、出てきた。右手に持っている皿には、スクランブルド・エッグスにベーコン、そして一個のジャガイモを五つに切ってフライしてそえたものが、盛り合わせてあった。左手の皿には、トーストが二枚、おたがいに斜めにかさなっていた。トーストのうえには、薄く四角に切ったバターが乗せてあった。 黒いスラックスに白い長袖のビジネス・シャツを着て蝶ネクタイをしめた店主は、小柄な日系の老人におだやかな口調で語りかけながら、彼のまえにふたつの皿を置いた。スクランブルド・エッグスとベーコン、そしてジャガイモの皿を老人の手前に置き、トーストの皿をその奥に置いた。 コーヒーのブリューイング・マシーンのわきにつみかさねてある紙ナプキンを一枚とり、スクランブルド・エッグスの皿のわきに置いた。カトレリーのトレイからナイフとフォークをとり、ナプキンのうえにならべた。 コーヒーがいりますねと言い、ニクロ・デュオブリュー・オートマティックのうえにかけて保温してあったガラスの容器から、コーヒー・マグにコーヒーを注ぎ、スプーンを一本、マグのなかに入れ、トーストの皿のわきに置いた。 片岡氏の文章に対するぼくの感じ方って、やっぱり変なのでしょうか。認知能力が大いに劣っていると言われたらそれまでですが、今また何度か読み直してみたのだけれどどうもよく分からない。というかそもそもこのトーストやらコーヒーを巡る冗長な描写に一体どうした意味があるのかが理解できかねるのです。ハワイのカフェの朝の風景を描写するのにトーストとコーヒーが欠かせないということなのかもしれないけれど、ここまで執拗に同一の単語を繰り返す理由としては弱い気がする。呪いのように文字を追う視線を幻惑することで迷宮に迷い込むことを狙うにしてはハワイの日差しは強過ぎるように思えます。しかも悲しいことにここで頻出する食べ物だったり飲み物をちっとも食べたくなったり飲みたくなったりしないのです。ぼくには一生片岡氏の文章は読めないのだろうなあ。ランチパック グリルドチーズ【材料】ランチパック(ツナマヨネーズ) 2枚/スライスチェダーチーズ 3枚/バター・胡椒 適宜【作り方】1. チェダーチーズを重ねて胡椒をちらし、ランチパックで挟む。フライパンにバターを熱して焼く。【備考】ヤマザキッチン 「ランチパック グリルドチーズ」https://recipe.yamazakipan.co.jp/recipe.html?id=346 見切り品のランチパックだったからこういうアレンジレシピを試してみようと思った訳ではないのです。単にこれを食べた日が寒かったので温めて食べたかったまでなのです。まあ悪くはなかったけれど、ちょっとしょっぱかったかな。のりたまトースト【材料】食パン(トースト) 1枚/バター・丸美屋「のりたま」 適宜【作り方】1. 食パンにバターを塗ってのりたまを散らす。 こういう風に塩味を重ねる場合はもっと分厚い食パンを用いるべきなんだろうけれど、お腹をこれ以上膨らましてまで食べたいものではなかったかな。キャベツナッツトースト【材料】食パン(6枚切)・キャベツ(細切り)・マヨネーズ(練り辛子と混ぜる)・練り辛子・アーモンド(刻む)・くるみ(刻む) 適宜【作り方】1. 食パンに辛子マヨネーズを塗る。アーモンド、くるみを散らす。キャベツをのせる。トーストする。【備考】料理リレー レシピ集 「【キャベツナッツトースト】」http://cookingrelay2020.jp/2021/01/07/post-14657/ これをレシピとして紹介するのはどうなのって位のものなのですが、思ったよりは美味しかったです。でもトーストとキャベツの組合せならぼくはお浸しにして鰹節、醤油、マヨネーズで食べるのが大好きなのです。野菜炒めに醤油を垂らしたのもいいな。ってな訳で、ぼくにはぼくのレシピがずっと上です。キャベツマヨトースト カレー風味【材料】食パン 1枚/キャベツ(千切り) 2枚/マヨネーズ・カレー粉・醤油・溶けるチーズ 適宜【作り方】1. 食パンに混ぜたマヨネーズ、カレー粉、醤油を塗ってキャベツ、溶けるチーズをのせてトースターで焼く。 カレー粉をちらちら散らすレシピってよく見掛けるけど、ぼくはどうも単にカレー粉をまぶすって使い方が好きになれません。カレー粉を使うならちゃんと炒めたり煮たりと火を通して食べたいと思ってしまうのです。トースターで焼いた程度じゃなんか十分にカレー粉の魅力を活かしきれない気がするのです。
2024/01/13
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場末っぽい町で呑むのが年齢とともに益々好きになっています。好きになっているというよりは、非常に落ち着くといった方が適当でしょうか。繁華街の雑踏の穴場の目立たない酒場ってのも魅力ではありますが、そこに至るまでの雑踏を思うと二の足を踏んでしまうのでした。だからハナから場末っぽい町であれば人混みに辟易するまでもなく目的の酒場へと至れるから、どうしてもそうした町を目当てに向かうことになります。ネット上では、酒場巡りをテーマ(テーマなんていうとさも崇高なことについて語らねばならないようで気が引けるのですが、どうも適当な言葉が浮かんできません。話題という語が少しは近いかな)に据えた記事(記事ってのも新聞記者かお前はと突っ込まれそうな高邁な言い方に思えてその使用を躊躇ってしまいます。といって雑感なんてのも作家ぽくてカッコつけすぎかな)では、町と酒場との結び付きについてあまり配慮していない内容が多いように思えます。一部、陸の孤島(という呼び方をぼくは非常に嫌悪しているのですが)へ至る道中をやけに大袈裟に描写してみせるものなども合ったりする訳ですが、それは町と酒場の関係を見つめようという気持ちとはかけ離れた内容であることが多いようです。むしろいくつかある酒場巡り番組の日中の散歩だったりに可能性を見出せるように思えるのです。片っぽは自身の趣味的欲求を満たすため、一方は単なる尺稼ぎのためにも思えますが、まあ酒場のみひたすら撮影した番組作りよりは好意的な印象を抱かせてくれます。となると今回訪れた北松戸が場末っぽい町かってことになりそうですが、ぼくにとっては北松戸はちっとも場末っぽい町ではなくて、単に工場団地と競輪場と住宅街を従えただけの発展し損なった残念な町でしかないのです。 そんな残念な町にもしっかり町に根付いた酒場があります。チェーン系の酒場はこの町にも数軒はあるけれど、独立した個人店でそこそこのオオバコとして確固たる存在となっている「た古八」は、大いに気に入っているとまではいかずとも好感が持ててたまには訪れたくなる酒場なのです。ぼくは大概のそこそこ通っている酒場に決まって頼む肴があります。ここでもそれは同じことで、大概決まったばかりの肴を頼んでしまうのです。ここだとネギちくわ、マカロニサラダはその日の200円のサービス品になっていたらまず間違いなく頼むし、この店の一番人気の品らしい焼鳥4種盛合せもほぼ3回に2回程度の割合で頼んでしまうのです。呑みも終盤になってもう1杯、いや2杯ってタイミングになるとフレンチポテトはほとんどマストオーダー品となっています。それは酒の種類が変わったとて揺るがないのです。熱燗の松竹梅豪快にフレンチポテトはおかしいと言われようともそこは曲げられないし、今回のように初オーダーの鶏の唐揚げを食べた後であってもきっちり頼んでしまうのです。特段、この店でしか食べられない品ではないのだからさぞ好きなんだろうねって思われたら、そうではないと声を高くして言いたい。単なるコスパを考慮しただけのことなのです。以前頼んで失敗したなと思ったものは二度と頼まない。今となってはその失敗が冷静な判断に基づいた結果であるとは判じかねるけれど、そう思いこんでしまったら頑ななのです。ならばその他数ある注文をしたことのない品々はどうなのだ。そうした未経験の品で頼まないのは単なる先入観でしかないのです。だから他人と訪れるとこちらがまず頼まない品を頼んでしまって、勝手なことをするんじゃないと思ったりするけれど、それが実は当たりッてなこともあったりして、だから日増しに狭くなる視野を広げるためにも他者との交流はやっぱり必要なんだなあ。
2024/01/12
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失敗を巡る言説はとかく凡庸になるものです。ネットで検索すればいくらでも失敗について語られた言葉を見出すことができます。例えば以下にも10の発言(実際には11の発言だと思われます)が挙げられています。https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ae42af0f46f89c7634962ccab993dde12125dab0「粘り強さは失敗を偉業へと変える)」「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」「失敗は成功の味を引き立てる調味料である」「大失敗を恐れぬ者だけが大成功を手にできるのである」「成功を祝うのもいいですが、もっと大切なのは失敗から学ぶことです」「成功とは意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである」「成功で私を判断しないでほしい。失敗から何度はい上がったかで判断してほしい」「失敗したことのない人間というのは、挑戦をしたことのない人間である」「人生における最大の栄光は、決して転ばないことにあるのではない。何度転んでも起き上がることにあるのだ」「傷を知恵に変えなさい」「私はキャリアを通じて9000回以上シュートを外し、300試合に敗れ、決勝シュートを任されて26回も外しています。人生で何度も何度も失敗したからこそ、今の成功があるんです」 ちなみに上記は翻訳家・鈴木隆矢氏の翻訳によるものです。と一応のお断りを記した上で凡庸の理由を紐解くことにしよう。なんて一読してお分かりかと思いますが、ここで失敗を語る人たちが揃って成功者であることが最大の凡庸さの原因となっていると思われます。そもそもが格言めいた言葉が後世に残るのは、それが基本的に成功者の言葉なのだからどうしたってその発言は紋切り型になるのです。それとこのこれらの言葉には成功か失敗かの二択しかないのも言葉を薄っぺらなものとしているように思えます。世の中には失敗とも成功とも言えないようなどっちつかずの結果というものが大多数を占めているのです。ぼくなんかもそうかもしれないけれど、身の回りを見渡してみると多くの場合に失敗する人はとにかく失敗を繰り返し続けてけして成功には至らないものなのです。でもその場合の失敗はさしたる失敗と呼ぶのは酷なまあもうちょっとマシな結果にできたかもしれないなってことがほとんどだと思うのです。料理だってそう。失敗したといってもとても食えなくて丸ごと捨ててしまうような失敗を犯すのはなかなかに容易なことではないと思うのです。マンガで描かれるようなとても食えたものではないといった状態に至るほどの失敗料理を作るの相当に難しいことに思えます。そもそも食材が腐ってるとか、真っ黒に焦がしてしまうとか、極端なまでに強烈な味付けがなされているといったところでしょうか。鮭そば【材料】そば(茹でる/水で洗う) 1人前/鮭ほぐし・揚げ玉・そばつゆ・わさび 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛ってそばつゆを注ぐ。鮭ほぐし、揚げ玉を散らしてわさびを添える。 そばと生臭い食材の組合せはあんまり組合せとしてよくないかも。麺類一般にそれは言えそうです。魚介でも天ぷらとか鰊そばなどは相性がいいし、刺身だって麺類に併せられなくもない。無論焼き魚だって滋賀名物の鯖そうめんなどの例がある訳です。この鮭ほぐしのそばだって別にちゃんと食べられはするのだ。ただ、そばよりもごはんと併せた方がいいという程度に残念なだけなのです。キムチミートソーススパゲッティ【材料】スパゲッティ(茹でる)・ミートソース・キムチ 適宜【作り方】1. 皿にスパゲッティを盛ってミートソース、キムチをのせる。 これだって好きな人はいるかもしれません。でもせっかくのミートソースやキムチを合わせる必要は必ずしもなくて、例えばそれぞれをミートソーススパゲッティときむちそのものとして食べた方がより美味しかったんじゃないかってところです。キャベラーそば【材料】そば(茹でる) 1人前/キャベツ(1cm幅/茹でる)・揚げ玉・ラー油・めんつゆ 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛ってキャベツ、揚げ玉をのせる。ラー油をかけてめんつゆを注ぐ。 これは一見するとちっとも不味くなさそうに思えるのだけれど、不思議な位に美味しくなかったのです。どうやらめんつゆの辛みが余りよくなかったのかもしれません。いっそのことよりジャンクにマヨネーズをかけるときっと美味しかったんだろうなあ。千切り大根カレー【材料】ごはん 1膳分/大根(千切り/電子レンジで600W1分30秒加熱) 2cm/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/豚肉 50g/水 150ml/カレールー 1片/トマト水煮 大さじ3/サラダ油 小さじ1【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して玉ねぎ、豚肉を炒める。トマト水煮を加える。水を加える。カレールーを加える。皿にごはんを盛ってかけ、大根をのせる。 カレーと半生の野菜はイマイチの相性かもしれない。金沢カレーなど生のキャベツの千切りを添える場合もあるけれど、ぼくはそれもどうかなって思うのだ。無論、食えるには食えるけれど、それが美味しいかどうかは別問題です。ごはんに具ナシのカレールーをかけてそこに例えば半生大根もしくは生キャベツをのせただけのものはきっと余り旨くないと感じる人が多いはずです。大根もキャベツもある程度ルーで煮込んでいたらきっともっと普通に食べられるはずです。
2024/01/11
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下板橋駅は池袋駅から東武東上線の各駅停車で2駅目と極めて都心からも近いのですが、にも拘わらずほとんど呑みに訪れていない町なのです。こういう近すぎて行ったつもりになって実はほとんど知らない町がまだ残されているんじゃなかろうか、ここ数年で横着さが染み付いたぼくでも近場なら足を運ぶことにさほどの抵抗はありません。ということで下板橋駅にやってきました。来てみて思ったのがこの下板橋駅ってのはJR埼京線の板橋駅から至近なんですよね。距離として500m程度でしょうか。なるほど板橋駅に目が奪われて下板橋駅は霞んでしまっていたのかもしれません。でもこの下板橋的って数奇な運命を辿っていることが知ってる人には良く知られています(当たり前だ)。というのが、当初東上線は大塚辻町を起点とする予定だったのですが、東京市から許可がでなかったため、当駅と川越町駅(現在の川越市駅)間を結ぶ列車として開業したそうなのです。当時の駅舎は板橋区にあったけれど、後に移設されて豊島区なのに下板橋駅という混乱が生じたということです。そんな訳で当初の東武鉄道の目論見はともかくとしてここ下板橋駅は東上線の起点駅であった訳ですが、こう言ってはなんですが、現在の駅や駅周辺の様子を見るととても上りの終着駅とは思えない寂れ方が身につまされるのです。駅前の商店街を歩いても辛うじて肉屋を始め何軒かの古いお店が営業を続けて涙ぐましい検討を讃えたくはありますが、それでももう町は役目を終えようとしているように感じてしまうのです。 さて、そんな古いお店の一軒に中華屋さんもあります。東上線の線路に面してある「点心」です。線路に面しているといっても視界はほぼ駐輪場に阻まれていて、かつては毎日のように乗車していた東上線の車窓から見えなかったとしても不思議ではない気がします。赤いテント看板はピカピカですが、相当な年季のお店と一目で見て取れます。店に入ると真っ直ぐ伸びるカウンターの奥は小上がりになっているようです。そこには高齢のご夫婦が食事をなさっています。カウンターの一番奥の席はそこが指定席となっているかのような大ベテランの老女が餃子とチャーシューでビールをやっています。ベテランに倣って我々も同じ品を注文します(ホントは順番が逆で偶然一緒の注文だったのですけど)。お通しのお新香がジューシーで美味しいです。チャーシューは脂っ気のないみっしり見詰まりのいいロース肉で見掛けよりきっちりと塩気が利いて酒の肴にはバッチリです。でも6枚は独りだといかにも多過ぎるように思えましたが、彼女はきっちり食べ切っていました。餃子はむっちりみっちりと具がパンパンでよくも皮が破けぬものだと思ったらこの川がすごく弾力があって独特な食感なのです。これまた大変結構でした。しかもこれらは平均的なお値段ですが、飯物が相当にお手頃なのです。ラーメン・半チャーハンが650円とかね。これはもう仕事帰りに食事がてらで一杯には最高に嬉しいですね。さすがは板橋区。江戸川区の不動産屋が板橋区に住んだら他区には移れないと評する訳だ。と書いたけれど実はこちらは豊島区だったりするんですよね。追伸 書き終えて知ったのですが、中華屋での呑みの様子を放映する例の番組にこのお店、登場していたのですね。なんか追っかけしてるみたいで気恥ずかしい。うっかり看板を見過ごしましたが生姜焼きがお勧めのようですね。生姜焼きを食べにもう一度行ってみるかな。
2024/01/10
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知人から牛タン仙台ラー油をもらいました。仙台ではよく知られた「伊達の牛たん本舗」が発売する人気商品だそう。実家が仙台なのに「だそう」とはモノを知らぬ奴だと思われかねませんが、以前も書いたことがありますが、ぼくが仙台に暮らしたのは子供の頃のわずかな期間でありまして、しかも当時、牛タンなんてそれ程メジャーな食べ物ではなかったはずなのです。だから今年(いやこれがアップされる頃には昨年ですね)は、これまでになかった位に牛タンを食べた一年でありました。牛タン、確かに美味いんですよねえ、立て続けに食べたいとまでは思わないけれど、月に一回程度であれば存分に堪能できそうです。存分にって簡単に書いたけれどそれだけ満足するまで食べるとなると予算もそれなりに確保せねばならないというのが現実です。そういった意味では昨年は恵まれた一念だったのだなあ。こうして頂き物として牛タン仙台ラー油まで食べる機会が得られたのだから。と大事にし過ぎているうちに賞味期限が迫っていたことに気付きます。いやいや何となく分かってはいたけれど、そのまま食べたり、ごはんや奴にのっけるだけじゃつまらんと思っていたのです。ネットで検索すると「相場マナブ」なるテレビ番組で日本各地の名物を用いたレシピが紹介されたらしく、そこで牛タン仙台ラー油が登場したらしいのです。こりゃいいや、早速試そうかと思い材料を眺めると、いやはや面倒なことだ、2種あるレシピのいずれにも笹かまぼこが用いられているのでした。仙台だから笹かまも使ってるんですねえ。極めて安直ですが、一応可能な限りはレシピを遵守した方がこのレポートの趣旨には沿っていると思ってしまったのです。デパ地下や池袋のみやぎふるさとプラザ(宮城県のアンテナショップですね)なんかで扱っているのは知っていますが、笹かまを買うためだけに足を運ぶのも面倒です。といった次第で結局ズルズルと年末も差し迫っていたのでした。そしたら「まいばすけっと」で4枚128円かつ30%オフで売られていました。食パンも30%オフになっています。ということでまとめて作ってみることにしたのです。牛タン仙台ラー油笹釜飯(相場マナブ)【材料】米 1.5合/水 200ml/氷 60g/牛タン仙台ラー油 1瓶/笹かまぼこ(角切り) 2枚/めんつゆ(3倍濃縮)・塩 小さじ1/2/韓国のり 適宜【作り方】1. 炊飯器(内釜)に米、水、塩、めんつゆ、牛タン仙台ラー油、笹かまぼこ、氷を入れて炊く。茶碗に盛って韓国のりを散らす。 悪くはないのですが、少しも想像を裏切らない仕上がりです。これために炊き込みごはんを調理と笹かまの入手という手間を掛ける必要があるかは疑問でした。笹かまラー油トースト(相場マナブ)【材料】食パン(6枚切) 1枚/笹かまぼこ(上下2等分) 2枚/牛タンラー油・溶けるチーズ・バター 適宜【作り方】1. 食パンにバターを塗って笹かまぼこ、牛タンラー油、溶けるチーズをのせ、トースターで焼く。 こりゃまあ美味しいですよね。でも笹かまは必要かなあ。なくてもいいと思うんですけど。ちょっと味が濃くなり過ぎなんですよね。笹かまラーたまトースト【材料】食パン(6枚切/トースト) 1枚/笹かまぼこ(角切り) 1枚/牛タンラー油・卵・バター 適宜【作り方】1. フライパンで笹かまぼこ、牛タンラー油を炒めて溶き卵を加え、バターを塗った食パンを被せて焼く。 せっかくだからアレンジを。卵で塩味を抑え込む作戦です。個人的には作戦成功。こっちが美味しいと思うんですけどね。花椒など散らしても合いそうです。牛タン仙台ラー油カレー【材料】ごはん 1膳分/カレールー(和風)・牛タン仙台ラー油 適宜【作り方】1. 皿にごはんを盛って温めたカレールーをかけ、牛タン仙台ラー油を散らす。 単にカレーにトッピングしてみました。悪くないけど、カレー自体が強いからやはり白飯にのせるだけの方が美味しいですね。牛タン仙台ラー油そば【材料】そば(茹でる) 1膳分/めんつゆ・揚げ玉・長ねぎ(小口切り)・牛タン仙台ラー油 適宜【作り方】1. 丼にごはんを盛ってめんつゆを注ぎ、揚げ玉、長ねぎ、牛タン仙台ラー油をのせる。 そばにラー油の組合せが人気らしいけど、そんなの昔から普通にやってる身としてはこれまた馴染みの味になるのでした。 総評として、このラー油、味が結構濃い目だから玉子焼きに混ぜたり茹でキャベツと和えたりなどの味を薄める方向に調理するのが良さそうです。
2024/01/09
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慣れてしまえばそうでもないことが分かるけれど、立ち呑みってそれこそ若い頃にはかったるいシステムだと思っていました。仕事を終えて疲れているのに立ったまま呑むなんて絶対嫌だと思っていたのです。立ち仕事とはとてもいえぬむしろ明らかにデスクワークをもっぱらとしているのに立ち呑みを嫌がるのはいかにも不健康でありますが、ぼくはガキの頃から歩くのはいくらだって平気だったけど(とはいえせいぜい1日1万歩位でいいかな)、立っている姿勢を維持するのが大いに苦手だったのです。学校の集会なんかが典型ですね。単に立っているというのが苦痛で5分も経たぬうちに上半身が揺れ始めるのです。と書きながら思い出してきたのですが、そうだ、ぼくは立ったままでも眠くなる体質だったのです。授業時間中は喋ってるか読書してるか寝てるかだったじゃないか。今はただ呑むことで感覚がマヒして立っているのが苦痛と感じなくなっているだけなんじゃないだろうか。なんてことを思ったりもするけれど、やっぱり若い頃に戻ったらきっと座って呑みたかったんだろうなあと思うのです。 池袋は呑み屋の総数に対して立ち呑み屋の占める割合が他の都内の繁華街より低いように思うのですが、どうなんでしょうか。そのエビデンスもないのに立ち呑みの少ない理由に埼玉という郊外への起点的な町であるからではないかと推測するのはやはり焦燥に過ぎるのではないか。でもそんな池袋にも近頃新たなお店が登場しました。「立呑み アーニー」です。なんだかねえって店名ですがひとまずそれには触れぬことにします。見てみてシャレオツでしょっていう開放的な雰囲気もぼくが居場所とするには不適格であるように思えますが、一度位は訪れておいても良いと思います。まだ開店祝いの花輪も置かれていて、近頃運に見放されたような気分に陥ることの多いぼくには不釣り合いな印象がもたらされます。ほぼ目一杯に埋まっていますが、店の若い二人が他のお客さんたちを上手にコントロールしてくれて居場所を用意してくれるのです。店の雰囲気はチャラい感じですが、実は案外経験値は高そうです。そんな雰囲気と見合うように価格帯は立ち吞みとしては強気となっています。お客の大半は若い方たちでパッと見には女性の占める割合が男性のそれを上回っているようです。一部おっさんグループも混じっていて、華やいで雰囲気がそうさせるのかそういう連中に限ってやけに声高に盛り上がってオラオラ的オーラをかましていて不愉快極まりないのです。そういう具合だからぱっと見で一人客はぼくだけで孤独感が際立ってくるようです。店の方はそれでも分け隔てない応対で非常に感じがいいのです。玉子春巻きなる一品を頂きましたがこれが実に旨い。周りの客たちは刺身などを食べていたがそちらも実に旨そうであります。これで座れるようならきっとまた来たくなるんだろうけどなあ。でも着席式の店だと収容人数が低下するし、滞在時間の延長などでペイできないかもしれないからこの立ち呑みというシステムは現代に適しているんだろうなあ。若い人たちは忙しいようだからそうは長居しくなってるのかもしれません。
2024/01/08
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ナポリタンってあれこれアレンジができそうに思えるけれど、いじればいじっただけ元のナポリタンよりも美味しさを損なうことが多いように思えます。オリジナルから派生した一品へと格上げされた焼きナポリタンやつけナポリタンといった亜種は確かにまあそれなりの工夫は感じられるしそれなりに美味しくはあるけれど、例えばうっかり食べ損ねてしまったり作り過ぎてしまったのをそのまま温めるのでは芸がないからちょっと手を加えてみましたって程度のものと考えるのが適当だと思うのです。ナポリタンというのは大体においてパスタの本場イタリアの人々が邪道と感じるようなものでありまして、つまりはナポリタンなんてのはナポリタン道を歩むといった程には御大層なものではないはずなのです。ぼくにとってのナポリタンのメリットはスパゲッティが茹で置きしたものを用いる(ことが多い)、具材&ソースも作り置きしたって構わない(というかダメな理由が余りない)、卓上で粉チーズ、タバスコ(に限らない)といったトッピングができる。つまりはまとめて大量に麺、具材&ソースを用意しておきさえすれば、忙しかったり料理するのが億劫な時でも簡単にナポリタンまたはナポリタン風のものを食卓にのせることができるのです。以下の大体はいつも通りじゃ退屈だという発想でちょっと普段と違う調理をしてみました。違う材料を用いてみましたって程度のもので、それが上手くいこうがいくまいがやはりどうしたって味はナポリタン以外の何物でもなかったりするのでした。和風ナポリタン(ヒルナンデス)【材料】パスタ(茹でる) 100g/玉ねぎ(薄切り) 1/4個/ピーマン(輪切り) 1個/ベーコン(細切り) 50g/トマト(1cm角) 2個/にんにく 1片/酒 大さじ2/白だし 大さじ3/トマトケチャップ 大さじ6/塩・胡椒・オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。玉ねぎ、トマト、ピーマン、ベーコンを加える。塩、胡椒を加える。酒を加える。茹で汁を加える。白だしを加える。パスタを加える。トマトケチャップを加える。 う~ん。確かにまあ和風っちゃ和風な気もしなくはないけれど、それでもやはりケチャップが勝ってしまうのでした。スパゲッティ・ナポリタン【材料】スパゲッティ(茹でる)・玉ねぎ(くし型切り)・ピーマン(横細切り)・ベーコン(1cm幅)・トマトケチャップ・トマト水煮・赤ワイン・塩・白胡椒・砂糖・オリーブ油・粉チーズ・タバスコ 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎ、ピーマン、ベーコンを炒める。トマトケチャップ、トマト水煮、赤ワインを加える。塩、胡椒、砂糖を加える。皿にスパゲッティを盛ってかける。粉チーズ、タバスコを散らす。 単に麺と具&ソースを混ぜずに盛り付けただけ。ミートソースとボロネーゼの違いに近いかな。まあこれでもそれなりには美味しく食べられてしまうのだけれど、やはり混ぜた方が間違いなく旨いと思うけど、皿上での変化をつけられる点ではありかもしれません。作り置きを皿に盛ってレンチンすればいいだけだし。レンジで簡単!ナポリタン【材料】焼きそば麺 1袋/【具材】ピーマン(薄切り) 1個/玉ねぎ(薄切り) 1/2個/ベーコン(1cm幅) 40g/【ソース】トマトケチャップ 80g/マヨネーズ 大さじ1/粉チーズ 小さじ1【作り方】1. 耐熱ボウルに【具材】、【ソース】の材料を入れて混ぜ、電子レンジで600W2分加熱する。焼きそば麺を加えて混ぜ、電子レンジで600W2分加熱する。皿に盛って粉チーズを散らす。 ネットで見たレシピ。パスタの代わりに焼きそば麺を用いただけ。麺がちょっと違ってるなあってだけでまあ普通に美味しい。食感はパスタより弱弱しいので咀嚼する元気がない時にはいいのかな。それにしてももうちょい綺麗に盛り付ければいいのにね(皿上で混ぜたのがバレバレ)。スープナポリタン【材料】スパゲッティ(茹でる)・玉ねぎ(くし型切り)・ピーマン(横細切り)・ベーコン(1cm幅)・トマトケチャップ・トマト水煮・赤ワイン・塩・白胡椒・砂糖・水・顆粒コンソメ・胡椒・オリーブ油・粉チーズ・タバスコ 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎ、ピーマン、ベーコンを炒める。トマトケチャップ、トマト水煮、赤ワインを加える。塩、胡椒、砂糖を加える。2. 鍋に湯を沸かして顆粒コンソメ、塩、胡椒を加える。3. 器にスパゲッティを盛って1.をのせ、2.をかける。粉チーズ、タバスコを散らす。 つけナポリタンの原型のようなもの。寒い夜だったのでちょっとスープっぽくしてみたかったのだ。まあ悪くはないけどねえ。より安っぽい料理に思えてしまいます。というかちょっとスープが少なすぎですね。
2024/01/07
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国宝に指定された豚が存在するという話を聞いたことがあるのです。確かに聞いてはいたのですが、今回豚肉料理のことを書こうと思い立つまですっかりそんな話があったことなど失念していました。思い出したのでネットで検索してみることにしました。ハンガリーがマンガリッツァ豚というのを国宝に指定したみたいです。絶滅しかけていたところを国宝指定することで増産に成功したようなんですね。しかもその豚ちゃんが日本でも飼育されているということなんですね。どっこいしょニッポン 「世界で唯一の【食べられる国宝】!?とろける「マンガリッツァ豚」に会ってきた」https://dokkoisyo.jp/eat/3930/ 見た目は、う~ん、かなりワイルドというかむさくるしい感じですね。豚が案外賢いって話も出てきますが、消費者としては余り聞きたくないような話ですね。それよりかはマンガリッツァ豚の脂の融点が26℃で通常の豚の融点である38℃よりかなり低めであることが魅力です。確かにこの豚、一度は食べてみたいです。ふるさと納税なんかで扱いないのかなあ。と思ったら何のことはない扱いがありましたね。来年(いや事しか)、機会があれば注文してみよう。ポークソテーとりんごのメープルソース【材料】豚肉(ロース/塩、胡椒する)・りんご(5mm厚くし型切り)・メープルシロップ・生クリーム・レモン汁・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンで豚肉を両面焼いて取り出す。りんごを加える。メープルシロップ、生クリームを加える。豚肉を戻して蓋をする。皿に豚肉を盛る。りんごに塩、胡椒、レモン汁を加える。皿に盛ってソースをかける。生クリームを垂らす。【備考】大森由紀子著『フランス ふだんのおそうざい かんたんレシピとワインとチーズ』(柴田書店) 豚とりんごは相性がいいです。というか子供の頃、料理に果物を入れるのがどうも苦手でした。また果物を加熱するのもなんか違うって思ってました。長じて熱した料理に果物が混じっていてもそれはそれで調理次第で旨いもんだと思えるようになりました。でもそれは基本的に外食に限っていて、自分で調理するのはやはり抵抗がありました。その抵抗を払しょくできたのはこの料理があったから。思い出したように作っています。豚のリエット カイエンペッパーとクローブの香り(写真忘失)豚ロース スライス肉・豚バラ スライス肉 250g/ローリエ 1枚/タイム 2?3本/セロリ 細め15cm程度1本/胡椒 10粒/クローブ 8粒/ピンクペッパー・カイエンペッパー・水 適宜 "1. 豚ロースと豚バラ肉を適当な大きさにカットする。圧力鍋にカットした肉とローリエ、セロリ、タイム、胡椒、クローブを入れる。肉が浸る程度の水を入れて強火にかける。2. 蒸気が上がってきたら、弱火にし40分ほど火を入れる。蓋を開けて、中火にし、余分な水分をしっかり飛ばす。3. 水分が飛んだら、クローブやブーケガルニを取り出し、肉をミキサーにかける。塩で味を整えておく。4. ペースト状になったら、ココット型に入れて、上部をゴムベラで均す。飾りにカイエンペッパーとピンクペッパーを飾る。 リエットって美味しいんですけど、あんまり作っても食べ切れないし、下手をすると缶詰の見切り品なんかを買った方が割安でしかもそこそこ美味しかったりするものだから案外作る機会が少なかったりするんですね。でも作り立てはやっぱり美味しい気がします。これと簡単なスープにサラダ、美味しいパンがあれば立派なご馳走です。ウイスキーバターポーク ほうれん草としめじのバター炒め添え【材料】豚肉(肩ロース/塊/ウイスキー、塩、胡椒をまぶす) 500g/ウイスキー 50ml+50ml/バター 10g+50g/メープルシロップ 大さじ1/小玉ねぎ(2等分) 5個/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にバターを熱して小玉ねぎ(切り口下)を焼き、取り出す。バターを熱して豚肉を焼く。ウイスキー、メープルシロップを加えて蓋をし、20分加熱する。火を止めて小玉ねぎを戻し、蓋をして20分置く。【備考(参考)】ELLE GOURMET 人気の料理レシピ 「ウイスキーバターポーク」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a40766256/7811/ これまでも色んな酒で肉を焼いてきました。でもぼくの味覚では食べ比べでもしなければ酒の種類による味の違いは見極めることはできなさそうです。このウイスキーには期待を寄せましたが、そのまま吞んだ場合の強烈さは料理するとやはり吹き飛んでしまうようです。
2024/01/06
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このところ西日暮里で呑む機会が続いていますが、この夜は車に乗せてもらって西日暮里駅の近くで落としてもらったんですけど、車中でもずっと猛烈な睡魔に襲われて非常に辛かったんですね。人様の車に同乗させてもらっていて、寝落ちしてしまうなんて失礼なことは避けたいと思うのですが、この日はどうにも耐えられない眠気だったのです。何とか落ちまいと耐えに耐えてお喋りをして誤魔化そうなんてこともしたのですが、自分でも訳わかんないこと言ってるなってことが何度かありました。そんな時、何を言おうとしたかは覚えてなくても喋った言葉だけは不思議と記憶に留めているのです。ぼくの知人にもいるのですが、睡眠時間が極端に短い人は日中とか眠くなった場合、どうやってやり過ごしているんでしょうかねえ。根性で乗り切るといっても尿意同様に睡魔を振り払うのは容易ではないと思うのですけど。そもそもそういう人は眠気とは無縁だったりするんでしょうか。多少は睡眠の質が影響を及ぼしそうではありますが、3時間程度で乗り切れるとなるとそもそも脳の働きそのものがぼくなんかとは別なんだろうなあと思わされてしまいます。でも日中の睡魔は辛いけれど、そもそも寝れない人なんかよりは余程幸運だと思っています。寝れないじゃなくて寝なくて済む人への羨望もかつては抱いていましたが、近頃は練ることに幸福を強く感じるのです。この年になると寝ても寝足りないといった程度の符牒は仕方ないかななんて思いはしますけど。と脱線で随分紙幅を埋めてしまいましたが,いざ西日暮里で呑むと決めると案外眠気もどこへやら、スッキリ目覚めたのです。 さて、どこで呑もうか。せっかくだし初めての酒場にしたいなあと未訪店の思い当たりがある方面を目指します。中華料理気分ではなかったけど、いざとなればそれもありと歩いていると「きのや」なるお店があるみたいです。中華だとどれも似たような店構えなので実は以前に入っている場合もあったりして、それはそれで構わないけれど、旨くもない店に何度も間違って入ってしまうのはさすがに虚しいから避けたいですが、こういうビルの2階にあるお店は印象に残りやすいように思えます。でも店に入ってちょっとしまったなと思ってしまいました。そこそこのキャパがあるのにお客さんらしき方はカップル1組のみです。店のご夫婦の娘さんが客席をキャッキャと飛び跳ねています。なので決して静寂に包まれているって訳ではないけれど、子供の声と酔っ払いのそれとはまるで別物だからやはり呑み屋に来たって気分は希薄です。貼り紙にあるホッピーを頼み、目に付いた鯖の塩焼きを注文。お通し300円の表記があるからとりあえずこれでいいやと早速呑みをスタート。チビチビ呑んでると眠くなりそうなので最初の一杯はグイグイと呑み干します。ナカをお代わり。人心地も付いたので、ゆっくり呑み進めますが、一向にお通しが出てきません。鯖と一緒に堕してくれるってことなんだろうか。2杯目を終えそうになって鯖が届きました。お通しは相変わらずでないですね。こりゃチャージが掛かってるだけなんだろうか。そんなモヤモヤした気分でさらにナカをお代わりします。いっそ定食メニューにしておきゃ良かったかな。なんて今、慌てて昨夜のレシートを見てみたら300円は加算されてないですね。お通しはお通しとしてオーダーできるシステムなのかねえ。何となく釈然としないけれど。結局3杯目で鯖を食べ切って感情を済ませるのでした。
2024/01/05
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今回の話を切り出すのにうってつけのエッセイがありました。古代ギリシャの哲人、ピタゴラスについて書かれた寺田寅彦の短い文章になります。タイトルは、「ピタゴラスと豆」です。 このえらい哲学者が日常堅く守っていた色々の戒律の中に「食ってはいけない」というものが色々あった、例えばある二、三の鳥類、それから獣類の心臓、反芻類の第一胃、それから魚類ではかながしらなどがいけないものに数えられている外に、豆がいけないことになっている、この「豆」(キュアモス)というのが英語ではビーンと訳してあるのだが、しかしそれが日本にあるどの豆に当るのか、それとも日本にはない豆だか分らないのが遺憾である。それはとにかく、何故その豆がいけないかという理由については色々のことが書いてある。胃の中にガスがたまるからとか、また「生命の呼吸の大部分を分有するから」とか、あるいはまた「食わない方が胃のためによく、安眠が出来るから」とか書いているかと思うと、またアリストテレスの書物を引用して、「豆は生殖器に似ているから、あるいはまた地獄の門のように、ひとりでつがい目が離れて開くから」ともある。何のことかやはりよく分らない。それからまた「宇宙の形をしているから」とか「選挙のときの籤に使われる、従って寡頭政治を代表するものだから」ともある。 なるほどねえ。ってか「食ってはいけない」戒律として守るのが「二、三の鳥類」「獣類の心臓」「反芻類の第一胃」とあるけれど、よくよく考えるまでもなく戒律するほどにキツい取り決めとは思えぬのです。鳥類は現存するだけで約1万種いるというからうち「二、三」が駄目となってもさしたる問題にはならないように思えます。また「獣類の心臓」以外の臓器は構わぬということだし、「反芻類の第一胃」については、一般的な反芻亜目の胃は4つに分化しているということだから残りの3つは食べてもいいということになる。でも(ここからが本題)仮に「豆」が豆一般を指すとしたら当時の限られた食材にあっては随分寂しい食卓となったのだろうなあと思うのです。今回はギリシャ料理としてレシピの掲載があった3種の料理を取り上げますが、最初の一品には豆が使われていて一般人はきっとこんなピタゴラスの戒律など知りもしなかったのだろうなあと思うのです。豆とほうれん草のオーブン焼き【材料】白いんげん豆 1缶/ほうれん草(茹でる/ざく切り) 1束/玉ねぎ(薄切り) 1/2個/オリーブ油 小さじ2/トマト水煮 1/4缶/塩・胡椒・ディル 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。トマト水煮、茹で汁、塩、胡椒、ディル、豆、ほうれん草を加える。耐熱皿に移してオーブンで190℃20分焼く(途中大きく混ぜる)。 豆とほうれん草が合うってことは前回書きましたがこれも同様。これがどこの料理かって言われると別にどこの料理だって不思議ではないけれど、ギリシャ料理って言われるとなぜかいかにもギリシャ料理って気分になります。ブリアム【材料】トマト水煮 300g/赤玉ねぎ(薄切り) 1/2個/ズッキーニ(輪切り) 1本/ズッキーニ(黄色/輪切り) 1本/ナス(輪切り) 1個/じゃがいも(皮を剥く/輪切り) 1個/にんにく 大さじ1/オリーブ油 大さじ4/塩 小さじ1/ドライオレガノ 大さじ1/フレッシュハーブ(イタリアンパセリ・香菜・バジルなど/みじん切り) 大さじ3【作り方】1. ズッキーニ、ナス、じゃがいもにドライオレガノ、フレッシュハーブ、にんにく、オリーブ油をまぶす。耐熱皿にオリーブ油を塗ってトマト水煮を広げる。にんにく(大さじ1)、フレッシュハーブ(大さじ1)、塩を加えて混ぜる。赤玉ねぎ、ズッキーニ、ナス、じゃがいもを重ねて並べる。フレッシュハーブを散らしてオリーブ油をかける。オーブンで180℃35分焼く。 これまた色んな野菜を単に並べてオーブンで焼いただけですが、これがいかにも美味しいのです。南欧風でありますが、これもギリシャ料理と思って食べるとやはりギリシャの料理を食べてるって気分に浸ってしまうのです。鶏肉のスブラキ(写真行方不明)【材料】鶏胸肉(【マリネ液】に漬ける/一口大) 4枚/【マリネ液(混ぜる)】オリーブ油 80ml/レモン汁 大さじ4/ドライオレガノ 大さじ2/にんにく 大さじ1/クミンパウダー・塩 小さじ1/赤唐辛子(みじん切り) 1本【作り方】1. 串に刺した鶏胸肉をグリルで焼く。 単なる焼鳥、というかトルコ料理のシシカバブ風の料理でありますが、これがスブラキって言われるとやはりギリシャの味に変化するのでした。
2024/01/04
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池袋の西口方面を歩いていると気持ちが沈んでくるのを感じます。東口側では人混みに圧倒されてウンザリさせられることはあっても気持ちが沈むことは余りないのにどうしたことだろう。ひとつには若い頃に西口(というよりは北口)方面に住んでいて、その頃の暗く鬱屈した日々を思い出さずにはおられないということもありそうです。でもどうもそうした個人的な事情だけがぼくを憂鬱にさせる理由ではなさそうに思うのです。今のぼくが若かったなあと思える時期に過ごした町は池袋だけではなく他にも数か所で暮らしていて、やっぱりどこでだって鬱屈した気持ちを抱いていたのは変わりはないのです。だったらそれらの町を訪れてもやはり気持ちが沈むはずだけれど、ほとんどそうした気分に陥るということはないのです。そりゃまあそれらの町を歩いていてふいに暗い感情が押し寄せてくる場合もあるけれど、なお歩き続けるとすぐにそうした感情は消え失せてしまうのです。池袋西口では、かつても今も変わらず町を歩いている最中は途絶えなく憂鬱がぼくを見舞うのです。その不快な気分を振り払うためという訳ではないけれど、かつては映画館に逃げ込むように駆け込んだものだし、今ではそれが居酒屋に変わっただけのような気がします。一目散に逃げ込み先に身を置きたいから酒場選びにも選り好みする暇などありはしません。「ふくろ」「三福」なんかは店内に入っても池袋の町の空気をわずかに引き摺っているようでやはり憂鬱が継続してしまうので、なるべく避けるようにしています。残された選択肢は少なくて「大門」もしくは「豊田屋」ということになります。 いつの間にか閉店してしまった1号店ですが、2号店とともに「豊田屋 3号店」は元気に営業を続けています。それにしてもこの酒場いつから営業しているんだろう。ぼくがこの町を初めて訪れた時にはすでにあったような気がするし、その頃にはすでに現在とさほど変わらない程度に老朽化していたように思われるから戦後なのは間違いないにしてもヤミ市の解体(西口は昭和37年まで存続したそうです)前後から開店していたのではなかろうか。隣接して系列の店舗があるような酒場(大宮の「いずみや」、新橋の「まこちゃん」など)を見るとヤミ市の残滓に思えます。ともあれ色々と当たってみたけれど、ネット情報だけではその歴史に迫るのは困難なようです。池袋西口商店街や池袋西一番街というキーワードからも調べてみたけれど、正体は明らかになりませんでした。手っ取り早い方法としては店主に直接訪ねるというやり方につきるのですが、最も店主らしい雰囲気だった1号店の不愛想なオヤジは健在なのかすら定かでないし、2号店、3号店は多くの従業員が行き交うもののその中に訳知り風の者などおらず、そもそもとても声を掛けられない程に賑わっているし、忙しそうなのです。確かにこの酒場、以前から繁盛していたけれど、客たちの顔ぶれが明らかに変わってきたように感じられます。当時はオヤジばかりだったのが今では若い連中が増えているし、女性の姿も目に付くようになりました。1号店ではたびたび女性も見掛けましたが、残りの2軒ではほとんど見掛けることはなかったように記憶しています。まあ、かつてもそうしょっちゅう出入りしていたわけではないので、気のせいかもしれませんが。世間には若い女性がこうした酒場に出入りすることに眉をひそめる向きもありますが、ぼくは単純に喜ばしいことと思っています。さて、まあここではなぜかほとんど何を呑んだとか食べたとかいった記憶は残っていません。特別旨くもなく不味くもなく個性があるわけでもないけれど、わいわいと賑やかに呑むにはそんなことは大した問題ではないのかもしれません。今回は焼きそばを食べたことを記憶に留めていますが、きっと次回訪れた時にはやはりそんなことなど忘れているのでしょう。というか実は毎回のように焼きそばを食べていたりして。
2024/01/03
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種田山頭火はほうれん草がお好きだったようです。ぼくは山頭火ってどうもダメで酒好きなことのみ共感を覚えるといったようなことを以前書きましたが、うっかりほうれん草好きな点にも共感を持てるということを書き損ねてしまったような気がしています。「其中日記」にも何度も登場します。ほうれん草を摘んで食べた、ほうれん草はうまいかな。昼酌をやりながら、といふよりも、ほうれん草のおしたしを食べつゝ、味取をおもひだした、H老人をおもひだして、彼の生死を案じた、味取在住一ヶ年あまり、よくH老人と飲んだ、そしておさかなはほうれん草のおしたしが多かつた。……豆腐は昨日の残りがあり、ほうれん草は畑からぬいてきて、何と御馳走が出来たことだ、――ゆつくり飲んだ、よい酒だつた、うまい酒だつた、近来にない楽しい会談だつた、来る筈の樹明君が来てくれなかつたのは惜しかつた。 ねっ、すごい好きってことが伝わってきます。でも餅が好きだったりと実は好きなものがあれこれとあるんですね。何より酒が好きってのは言うまでもありません。きっと山頭火は「おしたし」ばかり食べていたんでしょうけど、ぼくもほうれん草は一品選ぶとするなら「おしたし」となっちゃうんだろうなあ。これがあれば酒の肴にもごはんのお供にだってなってしまうから。ただ、ぼくの場合は邪道にもマヨネーズが投入されるのでありますが。ほうれん草ラーメン【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1人前/ほうれん草(4cm幅/茹でる)・卵・長ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. 丼に中華麺を盛ってスープを注ぎ、ほうれん草、卵、長ねぎをのせる。 ほうれん草と卵の組合せは盤石です。炒めたってユッケ風にしたってどうしたって旨いのだ。ラーメンにうれん草と煮卵は普通なのにほうれん草を具のメインに据えたラーメンをほとんど見掛けぬのが不思議な位です。ほうれん草ラーメン【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1人前/ほうれん草(4cm幅/茹でる)・豚ひき肉(炒める)・長ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. 丼に中華麺を盛ってスープを注ぎ、ほうれん草、豚ひき肉、長ねぎをのせる。 なのでしょっちゅう食べてます。これはひき肉入り。ほうれん草ラーメン【材料】中華麺(醤油/茹でる) 1人前/ほうれん草(4cm幅/茹でる)・鶏肉(胸/そぎ切り/茹でる)・長ねぎ(小口切り)・バター 適宜【作り方】1. 丼に中華麺を盛ってスープを注ぎ、ほうれん草、鶏肉、長ねぎ、バターをのせる。 これは鶏肉入り。コクを付けるためにバターをのせました。当然に美味しいのでした。ほうれん草そば【材料】そば(茹でる/水で洗う) 1人前/ほうれん草(茹でる/3cm幅) 1/2把/そばつゆ・揚げ玉・わさび 適宜【作り方】1. 器にそばを盛ってそばつゆを注ぎ、ほうれん草、揚げ玉、わさびを添える。 これは冷たくても温かくても美味しいです。揚げ玉だけじゃなく卵や豚肉など多少の油分があった方がほうれん草の旨味をしっかり味わえそうです。ほうれん草とひよこ豆のスパゲッティ【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/ほうれん草(茹でる/3cm幅) 1/2把/ひよこ豆 20個/豚ひき肉 30g/にんにく 小さじ1/2/赤唐辛子(砕く) 1本/オリーブ油・バター・塩・胡椒・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して豚ひき肉、にんにく、赤唐辛子を炒める。スパゲッティ、ほうれん草、ひよこ豆を加える。バター、塩、胡椒を加える。皿に盛ってパルミジャーノを散らす。 ほうれん草とひよこ豆ってのも美味しい組合せです。生クリームでクリーム煮を作っても美味しいし、当然そこにパスタを入れても旨いのでした。ほうれん草と鮭のバスタ【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/ほうれん草(茹でる/3cm幅)・鮭ほぐし・オリーブ油・バター・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してスパゲッティ、ほうれん草、鮭ほぐしを炒める。バター、塩、胡椒を加える。 そうそう、鮭などちょっと塩気のある魚介とも合います。こう書いてると何にだって合わせられそうに思えてきますね。実際、相性の良くない食材を思い浮かべようとしても咄嗟には出てこなかったりします。
2024/01/02
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世界各地のカレー料理を食べてきたつもりでしたが、スリランカのカレーや料理って思い返してみても食べた記憶がありません。自宅にあるカレーの教科書にも世界各地のカレーが紹介されてはいますが、どうしたものかスリランカカレーに関しては作った覚えがまるでないのです。では、スリランカ料理店には行ったことがあっただろうか。思い当たる店がないので、ネットを検索してみると以下のサイトで日本のお店がズラリと紹介されていました。HAPPY FACTORY. 「日本全国スリランカ料理店一覧」https://www.happy-factory.org/?page_id=2926 ここで紹介されているだけでもなんと161軒も存在するようなのです。なのに1度として食べに行ったことがないとは、もうカレー好きを自称するのは止すことにしようかな。それでも早急にスリランカ料理店を訪れるとともに自ら作ってみることにしなけりゃならないですね。でもよくよく調べるとポルサンボルなるフリカケ風料理は作ったことがありましたね。これはスリランカの料理のようだから全く知らないって訳ではなかったようです。でもさすがにこれだけじゃねえ。もうちょっとカレーらしい料理をつくってみないといけないなあ。とまあスリランカ料理とはこれまであまり関わりのないところで暮らしてきてしまいましたが、つい先日、ひょんなきっかけでスリランカ料理店を訪れる機会を得たのでした。 北松戸駅東口から徒歩30秒のホームからも良く見える近場のビル2階に「Mr.Julian(ミスター ジュリオン)」が開店していました。まだ、上記の一覧にも掲載はされていません。店内はカフェ風の装いで、オシャレかどうかは意見の分かれるところですが、何にせよぼくが普段立ち寄るタイプのお店ではないのは明らかです。ホール担当は日本の方のようですが、料理人は日本人離れした風貌であります。スリランカの方なのでしょうか。7名という面子だったので、呑み放題2時間付の4,000円のコースを予め予約したのでした。さて、今回はスリランカ料理を話題の中心としたので、出てきた料理について書いておくことにしたい。ちなみにネット予約の際に掲載されていたのは、以下の料理であります。■料理内容:1.シーザーサラダ2.ポテトフライ3.ナスバター4.カトレツ&パティス5.ソーセージデビル6.チキンフライドライス7.デザート 1. 主にキャベツの千切りにキューピー風のドレッシングがかかっています。これはシーザーサラダというよりはコールスローですね。とにかく大量なので野菜をたくさん食べたい人にはまあいいのかな。2.は丼一杯のあくまでも揚げただけのポテトフライ。ケチャップもしくはヨーグルトを混ぜたマヨネーズを付けて召し上がれ。コース後の残時間に呑み放題の酒とともに食べるのは悪くないけどね。3.はナスのスライスをバターでソテーしたものです。特製ソースで召し上がれ。マヨネーズの方が美味しかったけど。カトレツ&パティスはクスクスのコロッケと豆のサモサって感じかな。微かに辛味を感じるけれど、ぼくにはちっとも辛くもスパイシーでもなかったのでした。5.はパスタ抜きでソーセージメインのナポリタンみたいなもの。ほとんどスパイシーさはない。6.はライスではなくクスクスのようです。これまでの中では一番異国の料理っぽいけど、果たしてこれがスリランカ料理であるかは疑問が残ります。とにかく量はすごい。7.は芋羊羹みたいなのにハチミツが添えてあります。ちっともエスニックではなくて日本人にも食べやすいが特段旨くはないかな。といった訳で料理っていうのはその国の人がこれはどこそこ料理だって言ったらまあ違うってことはないのでしょうが、少なくともオーソドックスなスリランカ料理、ぼくがレシピ本なんかで知っているそれとは明らかに別物のように思えたのです。
2024/01/01
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