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夜が待ち遠しい

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さかまたつみ

みなさんこんばんは、ようやく待ちに待った夜が来ました。今日も無事夜を迎えられたことを喜びつつ、今歩いている土地やこれから向かう場所、そこで見聞きしたことや思い浮かべたことあれこれを綴っていきたいと思っています。

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さかまたつみ @ Re[7]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) ひざげりさんへ確かにそうですねえ。ど…

ひざげり@ Re[6]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) さかまたつみさんへその店は「一組二人…

さかまたつみ@ Re[5]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) ひざげりさんへ元来、酒屋の店先で酒を…

ひざげり@ Re[4]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) さかまたつみさんへ前記のマスターは美…

さかまたつみ @ Re[3]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) ひざげりさんへある意味、空いてる居酒…

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2017/05/16

新小岩が大好きな町である事は、事ある度に書いてきたので繰り返す事は避けておきます。駅前にある小さなアーケード街などわざわざ天蓋を張るのは無駄なような気がするし、放射状に広がる商店街は非効率なことこの上ないのであります。一時に町を踏破して見切ってしまおうという網羅主義者には誠に厄介な町の形状となっています。ぼくなどはむしろそんな容易には正体を明かそうとしない、奥深くて、複雑で、裏の顔を秘めている、結局は出鱈目そのものの町並みが楽しくてならないのです。例え商店が途切れ住宅街に足を踏み入れたといって、そこで足を止めるのはもったいない事です。そんな民家しかなさそうに思えるところにだって何かが潜んでいるかもしれない。そうなんてす、新小岩という町には常に驚きがあるのです。それも変化に次ぐ変化がもたらす騒々しい驚きなどではなく、それはついこの間だって現前しておりじっとぼくの視界のどこか片隅で認知されていたはずなのです。この町は己の観察力や好奇心が己を認めるまで、辛抱強く留まっているのです。そんな慎ましさがぼくの感情を揺さぶるのでした。

201704_新小岩・喜美乃家01.jpg

　酒場放浪記で放映されてもいる「登美乃家」は知らぬはずがないのです。なぜならすぐ隣にある酒場には訪れているのだからここの事に気付かなかった訳がないのです。なのに番組のHPのこの酒場の記述で明らかにこの線路沿いの細い路地だと分かってもどうしてもこの店のことは想起できぬのです。そんな事もあり、改めてつくづくその店を眺めると朧げに見えなかった理由というのが明らかになるのです。そう、このお店、ちょっとばかり立派なんてすね。格式があるとかそういうのじゃないけれど、少なくとも安月給のサラリーマンが毎夜通うようなお店ではありません。こざっぱりとした内装は、部長クラスの50代が独りカウンター席で呑んだり、数名で小上がりで呑むなんてのが相応しいように思われ、ぼくなどはまだ若輩者に感じられるのです。定番の酒と肴は短冊で見て取れますが、オーソドックスで簡単なものが多い割に普通の店なら脇役めいた立ち位置の品が多いのです。はじめは黒板に書かれた10種ほどの旬のものを注文するのが正道なのでしょうか。お値段は通常のお店の二倍弱とやはりお高め。カウンターの隅の席にはぼくよりも年少と思われるちゃんとした背広の男性客がいて、ケチケチせずのびのび呑んでいるのが少しばかり羨ましく思われます。ここでは酒も肴もごくごく普通で感想など述べようもありませんが、多くの他の客は味や値段など気にする風もなくくつろいでいるのが印象的でした。

201704_新小岩・浜新01.jpg

　先の店は駅の高架に沿って東側でしたが、西側にはずっとケバケバしたネオン街が伸びています。そこに「大衆酒場浜新」というのがあることは知っていたはずですが、どうもこれまで入った気がしない。こんな酒場の典型のような店を見ても無縁でいてしまうことがあり得るのが新小岩の謎めいたところです。無論、今宵は迷わずお邪魔します。店内もぐっと枯れた印象が増していいものだなあ。常連2名が静かにお呑みになってます。並ぶようにカウンター席の奥に着きます。なんか近頃旅先でそっくり似たような酒場にお邪魔していて記憶がつい先日のことながら混濁しています。カウンターには数種の肴が並んでいて、これまた日本海側の地方都市で目にしたものと似ているのです。新小岩は都心まで利便でありながら、地方の町の酒場まであるのです。女将さんの逞しいしたたかな振る舞いや安くないと思ったらやけに酒が濃かったりするのも、まるきり同じなのです。これはぼくの思い込みでなどではなく、今回は他愛ない会話に終始して店の歴史や女将さんの生い立ちなどは伺う暇がありませんでしたが、女将さんは新潟のご出身ではなかろうか。そう確信するほどの店と女将がいる新小岩は、ぼくのような田舎者にはまさにうってつけの町なのです。

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