のぽねこミステリ館

のぽねこミステリ館

PR

×

Profile

のぽねこ

のぽねこ

Calendar

2009.02.26
XML

森博嗣『今夜はパラシュート博物館へ THE LAST DIVE TO PARACHUTE MUSEUM』
~講談社ノベルス、2001年~

 講談社ノベルスからの第3短編集です。今回はS&MシリーズとVシリーズのリンクもあって、楽しいです。
 それでは、それぞれについて内容紹介やコメントを。

ーーー
「どちらかが魔女 Which is the Witch?」
 [主要人物]西之園萌絵、犀川創平、喜多北斗、大御坊安朋
 [内容紹介]西之園萌絵のマンションで開催されるパーティー。今回の話題は、大御坊安朋と彼の大学時代の同級生という木原恵郁子の二人が提供する。まず、木原は、大学時代、帰り道に自分をつけてくる男がいたことを話す。男は地下鉄の駅まで自分をつけてきて、その後は古びた建物に入る。ある日、木原が彼を追ってその建物にある喫茶店に入ってみるが、そこで男を見つけることはできなかった、という。
 [コメント]なんとなく、問題の真相は途中で分かりました。それでも、温かい物語で好きです。今回も諏訪野さんが素敵です。

「双頭の鷲の旗の下に Unter dem Doppeladler」
 [主要人物]犀川創平、喜多北斗

 [コメント]ノスタルジックな気持ちになれる作品です。「どちらかが魔女」も素敵ですが、個人的にはこちらの方が好みです。国枝先生の意外な一面が見られるのも良いです。

「ぶるぶる人形にうってつけの夜 The Perfect Night for Shaking Doll」
 [主要人物]小鳥遊練無、香具山紫子
 [内容紹介]香具山紫子から、N大学に出没するというぶるぶる人形の噂を聞いた練無。紫子は、ぶるぶる人形を見るイベントに参加しようと、練無を誘ったのだった。翌日、練無は大学で、ぶるぶる人形を見るイベントの広告を発見し、フランソワと名乗る女性からその話を聞く。紙で作られたその人形は、どこからも吊られていないので、一人で踊り、人が近づくと燃えてしまうという。
 [コメント]このあたりから、シリーズに通じるネタバレなしには書きにくくなってきますね…。ファンとしては嬉しい、S&MシリーズとVシリーズのリンクです。(反転) ここで登場する西之園さんは、萌絵さんではない、ですよね。建物の形があれなので、おや?と思ったのですが、彼女でも、そこに知人の名前が見えるなら使ってしまいそうですし。 (ここまで)
 南Z大学が登場するのもびっくりでした。伏せ字の位置にびっくりですが、N大学とすると国立N大学とかぶってしまうからでしょうか。こちらが紫子さんの通う大学なのでしょう。
 夜、大学でのイベントということで、「誰もいなくなった」( 『まどろみ消去』 )に通じるものがあります。

「ゲームの国 The Country of Game」
 [主要人物]磯莉卑呂矛、メテ・クレモナ、角谷歩美
 [内容紹介]依頼に応じ、島を訪れた名探偵の磯莉卑呂矛とその助手、メテ・クレモナ。二人は、前村長の玉島諭司のもとを訪れる。三十年前、島の男が、9人の島民を殺した。男は死刑に処される前に不思議な言葉を遺していた。その言葉とおりか、彼の死から26年目、男の孫にあたる娘が失踪を遂げたというのだった。磯莉たちは調査を始めるが、翌朝、玉島家で密室殺人事件が起こる…。
 [コメント]事件自体はどうでもいいと言っても良い、それほどにアナグラムやその他の遊び心が楽しい作品です。探偵の磯莉卑呂矛さんはアナグラムが大好きで、いろいろなアナグラム作品を紹介してくれます。しばらく分からなかったのですが、「 のっそり、お手
(反転)
「切って苦、死して邪気」
(ここまで)
 の部分( 156 頁)は、アナグラムが解けてから読んだらますます笑えました。

「私の崖はこの夏のアウトライン My Cliff is Outline against this Summer」
 [コメント]ホラー、あるいは幻想小説といったところでしょうか。

「卒業文集 Graduation Anthology」


「恋之坂ナイトグライド Gliding through the Night at Koinosaka」
 [コメント]どこか幻想的な短編です。こちらもラストに納得でした。

「素敵な模型屋さん Pretty Shop of Models and Toys」
 [コメント]工作好きの少年が主人公です。私は読書好きで、逆に手作業はさっぱりですが、こうやって何かが好きな人の文章を読んだり言葉を聞いたりすると、なんであれ何かに打ち込んでいる人はかっこいいなぁと、あらためて思います。
 既にどこかに書いたかも知れませんが、以前ラジオで、カップラーメンのフタを集めまくっている方が紹介されていました。一般には「何の役に立つのか」と思われそうなこんなことでも、とことん追求しているのはかっこいいと思いましたし。ある意味では、自分の趣味にはこんな利点がある、という次元すらも超越していて、純粋な印象さえあります。
 …そんなこんなで、私は模型には興味がありませんが、本作は模型に打ち込む少年の姿に、どこか憧れのような感情を抱きながら、楽しく読みました。
ーーー

 本作も再読ですが、この作品くらいから、読み直すのは初読以来初めてになるように思います。というんで、より記憶が薄れていて、新鮮な気持ちで楽しめました。
 上にも書きましたが、「双頭の鷲の旗の下に」は国枝先生のファンには嬉しい作品です。
 今回は「ゲームの国」がとても楽しめて、良かったです。
(2009/02/22読了)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.02.26 06:37:35
コメント(2) | コメントを書く
[本の感想(ま行の作家)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: