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■第10章 『オーストラリア』
<<第9章「オークランド」
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第10章「オーストラリア」
NZでのすばらしい滞在を経て豪州へ。
到着したのはシドニー。
しかし、同じオセアニアでこんなに違うのかと思うくらいの差に驚く。
まるで東京と変わらないじゃないか!!というのが第一印象。
今思えばオークランドが田舎で静か過ぎただけなのだが。
人も一杯だし、それに浮浪者の多いのがやけに目に付いた、そして街も汚い。
正直あまり印象はよくなかった。
郊外の住宅地にも行って見たけれど、NZと違い車の多さにびっくり。
聞けば皆電車やバスで通勤との事。
シドニーでもアパートメントホテルに泊まって自炊をしたが、街中でスーパーが近くに無くて(本当は住宅街がある郊外にあったのですが、知らなかっただけ)、最終的には殆ど外食をするはめに。
しかし、あまり美味しくなかったなあ!というのが実感だった。
次に行ったのがメルボルン。
街の持つ雰囲気は素晴らしく良かったけれど、やっぱりオークランド方が良いということになった。
でもここは違った意味で印象に残った街である
シドニーほど擦れた感じがないのが良い。
後年この時豪州に抱いた感情はずっと私の中に残ってゆく。
それが払拭されたのは、サーファース・パラダイスに行ってから。
最初に此処に行っていれば、今頃は豪州に住んでいたかもしれないと本気で思う。
さて香港に帰り着いて、香港の会社の連中に結果を報告。
「やっぱり!!」と頷く人。 いや豪州の方が良いという人、果てにはカナダはどうだ?と言い出す始末で、ひとしきり移住先の話しで盛り上がった。
しかし私とワイフの間ではしっかりとオークランドで気持ちは内定!!
理由は、
1) 静かな町であること。
2) 環境が良い事。
3) 働ける会社があること。
4) 豪州と違いポイント制導入前で将来永住権取得できる可能性が高い事。
5) 住宅の値段が安く、今済んでいるマンションを売れば、かなりの大きさの家が買える事。
などがその理由であった。
特に町の静かさは、日本にいて東京、横浜、大阪などの大都市で生活する我々日本人からみると、驚くほどこじんまりしていて一目で気に入ってしまった。
全体の環境も、後から訪れた豪州各都市に比べ優れていると我々には感じられた。
3番目の働ける会社=収入を得る手段があることは、何にもまして大きなファクターである。 自分一人なら何とでもなるが、家族と暮らすとなるとやはりある程度の収入の確保は必須である。
永住権が取得出来る可能性が高いのも大きな魅力であった。
我々が最終的に目指すのは永住権の取得であり、その国に安心して住めるようなること。 そして何時までも住み暮らす事。
当時は市民権を得る事までは考えてはいなかったが、パスポートを持つ事以外市民権と権利的に大きな違いがない「永住権」により近づけるのは大きな魅力であった。
そして最後が住環境。
先にも書いたが、住環境には一目惚れであった。
聞けば住宅の値段も日本と比べるとかなり安い。
日本のマンションを売って引っ越せばかなりのサイズの家が買えるのは事実であった。
幸い日本はバブルの絶頂期にかかろうかと言う頃で、住んでいた横浜のマンションも買った頃の倍の値段が付いていた。
無論、そんな値段では売れなかったのだが、当時はそんなトラタヌもあったのも事実である。
子供たちも、帰りには当時NZのテレビで放映されていた「機関車トーマス」のビデオをお土産に抱えて大満足。
そう、後年日本で流行ったあの「機関車トーマス」の事。
今を去ること20年前にすでに世界の果てのオークランドではビデオショップに並んでいたのである。
子供達が気に入り、どうしても! というので近所のビデオショップで店員さんに無理にお願いして購入した。
勿論このビデオ英語のみであったが、その後子供たちは日本に帰ってからもずっとこのビデオがお気に入りとなる。
確か5本くらい買って帰ったと思ったが、日本で見ようとしたらいきなり絵が白黒に!!
??? 一瞬目が点になったが、良く調べれば日本とNZではカラーシステムが違う為、テレビを買いなおさなければまともに見られないという事が判明。
丁度買い替えの時期でもあったし、海外にそのまま持ってゆけるマルチシステム、マルチ電源のテレビを秋葉原で購入。 これで一件落着!
その後アメリカのカタログ販売とかで取り寄せたビデオも見られる様になって、子供たちの英語への第一歩は無事に通過。
まずは耳慣らしから。
勿論子供達は機関車達が喋っている言葉は全く理解できていない。
それでもこのビデオをつけると、不思議とテレビの前で大人しく座って見ていたのである。
余談であるが、この機関車トーマスのビデオは英国圏では非常に有名で、学校の教材にも取り入れられている由。
いわば英国の「ドラえもん」みたいなものらしい。
亡くなった、元ビートルズのジョージ・ハリスンがナレーションをしていたのも人気の一端かもしれない。
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