仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.11.02
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カテゴリ: 教育
私は本当に怒っている。本当に情けない。教育を担う人間、しかも地域の拠点校の校長職ではないか。この不祥事続発の緊急時に、なんの緊張感も持たないどころか、指導的立場をよそに自分はコソコソ飲酒運転。これはどこの世界の出来事かと言いたくなる。

築館小の校長が10月31日に酒気帯び運転容疑で逮捕された。校長は30日午後5時10分頃、栗原市栗駒中野の市道上で酒気帯び状態で乗用車を運転した疑い。道路縁石に乗り上げる事故を起こして発覚。校長は30日昼から自宅近くの催し会場など数カ所で酒を飲み、歩いて帰宅。その後に運転したとみられる。(読売新聞、河北新報による)

一応言っておくが、私は行きすぎた公務員バッシングを問題視するバランス感覚も持ち合わせているつもりではある。たまたま事件が重なったからといって教員や公務員の不祥事を殊更に喧伝するマスコミの姿勢にも、一歩距離を置いている(他方で、公務に対する批判的姿勢は有る意味で社会の健全なバランス感覚だとも思っている)。さらに言えば、確定判決までは容疑者は推定無罪に扱うべきと純朴に考えている立場だ。しかし、どう考えても、この一件はどうにも救いようがないと思うし、宮城の教育界を考えてもどうしようもない気持ちに襲われてしまう。

つまり、こういうことだ。最近教員の不祥事が続き、県教委では各学校の宣誓書を促すなど、従来にない姿勢で現場の意識を喚起していた。その折りも折り、しかも拠点校の校長だ。本当に言いたくないのだけれど、この人の行動は、つまるところ、酒を飲んで帰って、その意識は十分ある前提で、たぶん「自分は大丈夫だろう、捕まりはしない」との軽信でハンドルを握った。その神経が、私は許せない。多いに非難に値する。自動車の前面が破損した映像もTVで見た。言い逃れはできない。

平時にも許せるものではないが、今は県教委を挙げて信頼回復に努めているときだ。そんな時に、なんでそんな、わざわざ事を起こすのか。

悪く言えば、この校長は普段からこうなのだろう。世間に向けては小綺麗なことを言って、それで立派に校長も務まってきた。表面的には。飲酒運転も実際に何度もやったのでないか(思い込みで言うのは控えるべきだが、今回だけはどうしても言いたい)。少なくとも、教育界が騒然としているときに、仮にこの人間が普段は飲酒運転をしていたとしても(失礼)、こんな時ばかりは(せめて)、形だけでも(それも哀しいが)、範を示すべきだ。

そんな最低限のことも履践できなかったのだ。どう考えても、故意に行った酒飲み運転なのだ。どこに弁護の余地があろうか。そう考えるから、私は本当に残念で、悔しくて、怒っているのだ。

月曜日や火曜日に、意外とこうした視点の報道ぶりはなかったが、私は重大なことだと思っている。仮にマスコミが、自分たちも飲酒運転をしているから過度な報道を控えているとしても、そんな問題ではない。とにかく、教育者の反社会的行為なのだ。極言かも知れないが、教育界や他の多くの善良な教育者を、冒涜しているのだ。

一般には「上がりポスト」と見なされている拠点校の校長。この人も早くから見込まれた人材なのだろう。(たかが)酒飲み運転で教育者の評価を歪めるのは妥当でない、というもっともらしい反批判が、一昔前ならあったかも知れない。しかし、私は確信を持って言う。現在の情勢を踏まえるならば、最優先にコンプライアンスを自ら発信すべきだ。それができないなら如何なる意味でも教育者と言えない、と。






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最終更新日  2010.11.03 00:40:03
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