仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2023.08.01
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カテゴリ: 東北




1927年本沢村(現山形市)生まれ。山形師範学校を卒業し、1948年山元村(現上山市)の山元中学校で「生活つづり方運動」に取り組む。51年、文集をまとめた「やまびこ学校」を出版し映画化もされる。53年駒澤大学を卒業し、明星学園に入り後に教頭。64年からラジオ「全国こども電話相談室」を30年間。教員を引退後は僧侶となり、大分県、千葉県で住職を務める。

河北新報には(7月26日)、2000年秋に千葉県の福泉寺に無着さんを訪ねたという評伝の記事があった(生活文化部加藤健一)。個性の強いという先入観をもって対面したが、静かで穏やかな笑顔で接してくれたという記者のリード文があるが、いい記事だと思った。

(記事から無着氏のことば) 子どもたちに自分の本音を書かせて真実を客体化してあげたに過ぎない。修学旅行に行けない貧しい子どもたちのために、やまびこ学校のクラス全員で杉皮を背負って金を稼いだが、そんなことができる時代の方がずっと幸せだ。自己中心を戒め、いつも自分の心を見据えながら生きることだ。

昭和のその当時は、体制から解放された生徒中心の斬新で先進的な教育方法などと評価されたのだと思うが、現在の教育事情や家庭の問題などを考えると、子ども中心の本来の姿に立ち戻れと諭されているように思う。大人の押し付けた「幸福」や行き過ぎたパターナリズムを排して、裸の人間として子供たちをとらえよう。伸ばそう、と。

私の小学校の頃の職員室には、「やまびこ学校」や「つづりかた兄弟」なる書物があった。半世紀も前の田舎では、今のような学力や個人情報など気にせず、おおらかに先生たちもやっていただろうと思う面も正直あるが、いや、先生たちも子どもの教育に全力で真剣だったのだ。

これは偏狭な私見かもしれないが、教育や子育てをめぐって、本当に大事なことを置いてきぼりにしていないか、という気がする。

山元中学校は2009年に役割を終え、地区公民館として、その敷地内にはやまびこ学校の記念碑が残るという。ぜひ、訪ねてみたい。

■関連する過去の記事
ノンちゃん牧場のいま (2016年6月4日)
教育三県に数えられる山形県 (10年3月11日)





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最終更新日  2023.08.01 00:24:53
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