2019.07.23
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 それでも、現状を私は愛している。それなのに、大抵の人間は人生に対し、一定以上の物語性が不可欠と考えている様に思う。多くの人間が進んで行った物語をなぞれと言わんばかりに、やれ恋愛だ交際だ結婚だ出産その他諸々、ストーリーに欠かせないイベントを起こさせたがる。欲しがるひとも多いし、私は他人のそれを否定するつもりなど無い。ただ、押しつけないでほしい。私はただ、このまま、揺蕩っていたい。大切なひと達を想いながら、好きな音楽と漫画と映画や写真等の趣味にあちらへこちらへと身体ごと心を揺さぶられるみたいに、溺死しない程度に、ただ、好きなものを浮かべた微温湯で揺蕩っていたいだけなのだ。だって、お母さんみたいにはなれない、おかあさんみたいにはなりたくない。お父さんみたいなひとは居ない、おとうさんみたいなちゃんとした素敵なひとに恋なんかできない。
 この状況に加え、できれば愛しいあの娘とふたり、安いアパートで死ぬまで同じように揺蕩いながら暮らしたい。彼女の手料理を食し、彼女の喫う煙草の匂いにまみれ、彼女は酒で私は薬を飲み、苦情が来ない程度の音量で遠くにあるレンタルビデオ店で借りたB級ホラー映画を観て笑い、眠って、なんとなく、なんとなく、生きていたい。歌にも物語にもならないような生活で、今みたいに気紛れに恋をしてみては実らせずに潰して、早死にに失敗し続けて生き延びていたい。
 どうせ誰もが居なくなる、私のだいすきなあの娘以外は。でも、あの娘だけはだいじょうぶ。だから、ベルトコンヴェヤがあったのならば完全に途中で転げ落ちてしまったようなふたり、あの娘とふたり、ただ生き延びていたい。駄目になって老いぼれになるまで生きられた暁には、あの娘とふたり「すっかり汚れきったままおばあちゃんになっちゃった」「君は誰が汚したって私にとっては綺麗なままさ」なんて笑い合える日を迎えるまで。

 前回の日記を書き終えたらここも書くよ





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最終更新日  2019.07.23 22:56:41 コメントを書く


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