田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2004年05月24日
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カテゴリ: 超硬派
最近、ちょっとゲイジュツ?づいてる田中およよNo2です。

「アマデウス」はアントニオ・サリエリから語られるヴォルフガング・アマデウス・モーツアルトのお話の映画です。
評価は非常に高く、潮干狩りみたいに1984年の映画賞を取りまくっている。

チェコのプラハをロケ地とした美しい音楽映画であり、なにより人間ドラマである。

暗闇から「モォーツアルト!」とのサリエリの叫び声が放たれ、小気味の好い「交響曲第25番 K183」が流れ、わくわくしてるうちに映画が始まる。

先に言っとくと、私は年に一度、交響曲を聞くか、聞かないかの人間なので、これから話すこと、特に音楽に関しては素人の感想って思ってくださいね。

監督はミロシュ・フォアマン。
代表作は「カッコーの巣の上で」「マン・オン・ザ・ムーン」「ラリーフリント」などがある。
なぜ、代表作かというと、私が見てるから(笑)

人の罪を許す寛容の精神と、そして、人間への狂気のサイドへのアプローチの方法がいい。

よく、狂気というとイっちゃった人間を描いている映画が多い。
私も学生のときは好んでいた。
コッポラの「地獄の黙示録」、スコセッシの「ラクシードライバー」…
純粋な狂気に憧れさえ抱いた。
その狂気は100%であり、まやかしもなにもない。
勿論、これらの映画のレベルが高いのは言うまでもない。

しかし、「アマデウス」でサリエリがモーツアルトに抱く、嫉妬と羨望が混じった感情は純粋ではない。
普通の人間が持つ、だからこそ複雑な感情なのだ。

サリエリは今でも、ピアノ(だったと思う)の教本に音楽を残す優れた音楽家のようだ。
だけど、彼は努力を重ね、世渡りの知恵を見につけ、日々もがき苦しむ、ある種、普通の人なのだ。


だから、行動自体は知恵もなく、幼稚である。
バカの中のあんぽんたんである。
音楽以外は。

私だってモーツアルトには、ベートーベンや、マーラーが持つ感情の流れがまったくないように思えるのだ。
「交響曲第41番 K551」通称「ジュピター」や、最後の「レクイエム K626」には絶望と希望が混在している。

あるのは音楽の美しさだけなのだ。

我々がモーツアルトで聞いているのは音楽だけだ。

しかし、もし、音楽を生み出す人間を直接見たのだとしたら。
どんな感情が湧きあがるだろう。
しかもこちらは、毎日、音楽に苦労しているのだ。
その横で、寝たり起きたりするように音楽を生み出す天才がいたら。

才能に驚愕しつつ、認めたくない気持ちが湧き上がってきたとしたら。

サリエリの狂気と苦悩が始まる。
つまり、優秀な人に対して凡人が持つ感情がそこにはある。

だから「アマデウス」は、淀川長治さん曰く地獄絵図なのだ。
極悪人のために用意された地獄は地獄ではない。

本当の地獄は普通の人が表と裏の感情を同時に持ってしまったときに始まる。
そう、サリエリのように。
心が引き裂かれてしまう。

つまり、「アマデウス」は普通な「あなた」の地獄なのだ。

サリエリはこの地獄に一生苦しむことになる。
しかも、モーツアルトは最後にベットの上で謝りながら、サリエリのつぐないを聞く前に、天に旅立ってしまうからだ。

謝ることさえできない、サリエリ。
誰にも向けえることのできない、嫉妬と情念を抱えたまま、サリエリは死ぬことができないのだ。

そこで、サリエリの語りは終わる。

映画という表現で普通の感情って描くのが難しいと思う。
なにしろ、とても複雑だってことだから。

この「アマデウス」は人間の複雑さを知って、受け止めるにもいい映画だ。
人間はいい感情ばっかりあるわけじゃない。
いい感情の裏には、嫉妬なんかが隠れている。
それも、人間。

しかたないじゃないの、いいじゃないの、きっと、許してあげましょう。

美しい舞台と、音楽に囲まれながら、「あなた」の感情を知る、傑作だと、私は思いますよ。

是非、見てみてね。

アマデウス ワーナーホームビデオ様より






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最終更新日  2004年05月24日 23時38分27秒
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