田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2004年12月13日
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カテゴリ: ほどよく
高校の時に文学史の試験に「川端康成の代表作は?」という問題があった。

「みずうみ」と書いて、おもいっきりバツになっていた。
本を持って職員室に抗議しにいったことがある。
なぜなら、本当にこの小説はあるからだ。
内容は変態元高校教師がストーカーになってるという、画期的なんだか、異常なんだが分からない作品である。

心の中では高校の国語の教師ってこの程度なんだなと、思っていた。
とはいえ、私がその作品を知ったのは、読んだからではない。
TVで「文学トイフコト」という番組がやっていて、そこで紹介されていたからだ。
その番組を見ていたのは、知的欲求からではなくて、井出薫が好きだったからだ。

さらに言うと、これを答えにしたのは漢字が少なくて、誤字で減点される可能性が低いから、という現実的なものである。

それはさておき、実は、代表作って選ぶのが難しい。

例えば、永井荷風の代表作は?
試験では「ふらんす物語」とかになるのかもしれないが、それを読んだ人を聞いたことはない。
永井荷風を読んだ人の大半は「墨東忌憚」とか「断腸亭日乗」のどちらかである。

ただ、どちらも漢字が難しいので、テストの回答には向かない(笑)。
誤字をしてしまって、点が取れない可能性が高い。

そもそも、永井荷風って作者の名前のわりには作品が浮かばない、珍しい作家である。

あと、小林秀雄も困る。
マットウに行けば「モオツァルト」とか「無常という事」になるのだろう。
でも、僕はどうしてもランボーを翻訳した「地獄の季節」を挙げたい。

「地獄の季節」は他の訳者でも読んだが、つまらなかった。
小林秀雄のランボーの訳業はおいしいのに、アルコール度数が高いお酒みたいだ。
ちっとも飽きないから、飲み続けているうちに文学に酔ってしまうのだ。

これが、梶井基次郎みたいに「檸檬」しか作品自体がないような作家であれば、非常に楽である。

さらに踏み込めば、存命中の作家はなお、難しい。

でも、まあ、僕の意見としては大江健三郎は「飼育」と「芽むしり仔撃ち」が代表作であろう。
結論を言うと、僕は初期の大江健三郎が結構、好きだし、傑作中の傑作だと思う。

個人が好きな作品が、一般的な代表作ではない場合もあるのも、難しい一つだ。

そうそう、あの、あれですよね。

作家にとって、初期の作品ばかりが褒められるって、きっと気分がいいものじゃないですよね。
大抵の作家は作家になってからのほうが努力しているから、その努力をぶち壊される気持ちになるんでしょうね。

それに、批評は書くことよりも遥かに楽ですしね。
作家からしたら「じゃあ、書いてみろよ」って気持ちになりますよね。
うん。

ちなみに、こういう話をしていると友人も返答した。
「俺さ、川端康成の代表作に『山の音』って書いたら、バツされてたんだぜ。ソイツさ、絶対『伊豆の踊り子』と『雪国』しか知らないんだぜ」と。

あらゆるものには上には上がいるものだ。
いや、この場合下には下か。

勿論、大多数の日本の人はそれでいいけど、国語の先生としては、一度勉強することをオススメしたい気がする。

※リズムをつけるために、敬称は省かせてもらいました。
ご了承ください。






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最終更新日  2004年12月14日 12時22分39秒
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