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著者・編者 | 石井彰=著 |
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出版情報 | アスキー・メディアワークス |
出版年月 | 2011年08月発行 |
著者は、エネルギーアナリストの石井彰さん。石油公団、米ハーバード大学国際問題研究所客員研究員などの経験を活かし、1992 年から石油・天然ガスを中心としたエネルギーの国際動向分析を行っている。
天然ガスの成分の大部分はメタン(CH 4
)。水素は燃焼エネルギーが最も高い元素である。その最も単純な炭素化合物のメタンは、他の炭素化合物に比べて燃焼エネルギーが大きく、二酸化炭素(CO 2
)の排出が少ないことは化学式を見れば自明のことだ。
この単純明快な事実をベースに、本書ではエネルギー資源としての天然ガスの優位性を論じる。
また、「これらの地域の可採資源量を含めると、天然ガスは今後、世界中で 400 年程度は使い続けることが可能なエネルギー源になる」(80 ページ)という。
アメリカでは「シェールガスと呼ばれる新世代の天然ガスの生産量が急増し、『非在来型革命』、『シェールガス革命』と呼ばれる画期的なエネルギー革命が起きている」(98 ページ)という。パイプラインで運ばれる安価な天然ガスによって、「毎時 1000 キロワット当たりの発電コストは、天然ガス火力発電が 63.1米ドル、石炭火力発電が 94.8米ドルに対して、原子力発電は 113.9米ドルとなった」(114 ページ)そうだ。もちろん、太陽光発電など、いわゆる再生可能エネルギー発電のコストはもっと高い。
残念ながら、「世界の LNG 市場の急変に取り残されるような形で、日本は、世界一高い天然ガスを輸入し続けている」(146 ページ)そうだ。
脱原発の手数は多ければ多いほどよい。こうした天然ガスのメリットと、現状の問題点を整理することで、脱原発の手数を 1 つ増やすことができるのではないだろうか。
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