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著者・編者 | 五木寛之=著 |
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出版情報 | 幻冬舎 |
出版年月 | 2011年12月発行 |
「いま、この国は、いや、世界は、登山ではなく下山の時代にはいったように思うのだ。」(16 ページ)――こう記しているのは、著者で作家の五木寛之さん。東日本大震災については、「私たちはすでに山頂をきわめて、下山にさしかかっているのだ。その途中で、思いがけない大災害に見舞われた」(40 ページ)ととらえている。
たしかに日本の頂上はバブルだったような気がする。いや、バブルが発生したときは既に山頂を過ぎていたのだが、下山道をまちがえたのかもしれない。
五木さんが言うように、「このあたりでひと休みして、落ち着いて下山のプランを練り直すことも」(44 ページ)必要かもしれない。最近読んだ『生き残る技術』(小西浩文=著)には、登山の目標は登頂ではなく「生き残って還ってくること」と書かれていた。
「どこへ下山するのか。その先には何があるのか、さまざまに想像すると、かすかな希望の灯が見えてくるような気がする」というのは同感だ。政界・経済界は右肩上がりを強調しているが、もう誰もついて来やしない。いったん下山して、それから次の頂を目指すべきだろう。次の山頂は、先に登った頂よりは低いかもしれない。でも、それでもいいじゃないか。
本書の後半は、病気、震災、流行歌、靴、砂糖などに対する五木さんの思いが綴られている。「トンデモ本」に関心を持っているとは、意外だった。
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