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2022.10.07
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カテゴリ: 書籍
幼女戦記 第08巻 -In omnia paratus-

幼女戦記 第08巻 -In omnia paratus-

 ターニャ「愛国とは、無謀を肯定するものではありません。そもそも、国家を愛するのであれば、国家の平和を守るべきであり、重ねていうならば破滅を阻止することこそが愛国者の義務でもありましょう」(409ページ)
著者・編者 篠月しのぶ=著
出版情報 KADOKAWA
出版年月 2017年6月発行

統一暦1927年5月26日、帝都中央駅のプラットフォームで クルト・フォン・ルーデルドルフ 中将が見送る中、 ハンス・フォン・ゼートゥーア 中将は東部戦線へ向かった。戦務参謀次長の職は解かれなかったものの、最高統帥会議に逆らったことで、事実上の更迭となった。2人は、帝国が大規模攻勢に転じるアンドロメダ作戦の成功を誓い合う。
ゼートゥーア の来訪を知らない ターニャ・フォン・デグレチャフ 中佐は、急な来訪に驚いた。 ゼートゥーア ターニャ に囮になることを命じる。予備選力としてヴォーレン・グランツ中尉の小隊を ゼートゥーア に引き抜かれた上で、 ターニャ が率いる サラマンダー戦闘団 は、作戦通り、ソルディム528陣地で敵に包囲される。一方、連邦はラーゲリに収容していた魔導師たちを復帰させ、東部戦線へ送り込み、 サラマンダー戦闘団 は窮地に陥るが、航空魔道隊の テオバルト・ヴュステマン 中尉や歩兵部隊の クラウス・トスパン 中尉の成長により辛くも窮地をしのぐ。ターニャは、「足りぬ、足りぬは工夫が足りぬというが‥‥育てるという努力は怠るべきでないのだろうな。無論、現場の限界はあるが」(141ページ)と自戒する。

友軍の救援という名目で、 ゼートゥーア はクラム師団に便乗し、ソルディム528陣地へ向かう。 サラマンダー戦闘団 は、連合王国のドレイク中佐が率いる多国籍義勇軍の攻撃を受けるが、 ターニャ を憎悪する メアリー・スー 少尉の暴走により、これを撃退し、クラム師団と連邦軍を挟撃することに成功する。
だが、東部戦線南方の資源地帯の確保は失敗し、アンドロメダ作戦は頓挫する。 ターニャ らが連邦軍の物資を鹵獲、運用しなければならない状況に陥ったように、帝国の物資欠乏は隠しようのない事実だった。
その事実を思い知った ゼートゥーア は、 ターニャ にとんでもない相談を持ちかける――。

サラリーマンには制約が付きものである。上司になったはいいが、部下が全員有能だとは限らない。だが経営陣は、十分な要員を手当てせずに成果を出せと言ってくる。無能な部下を移動させて、他事業部の有能な要員を引き抜けば、今度はその事業部がピンチに陥る。結局のところ、与えられた要員を育てるしかない。部下の成長を褒め、けっしてハラスメントすることがないターニャの言動は、ある意味、理想的な上司像である。戦争という大量殺人業務に携わっていなければ、の話ではあるが‥‥。






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最終更新日  2022.10.07 12:38:16
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