ヨカッタ探し

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May 4, 2006
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テーマ: お勧めの本(7418)
カテゴリ: 読書ろぐ(mystery)
宮部みゆき『ぼんくら(上)』 宮部みゆき『ぼんくら(下)』


その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。
いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。
著者渾身の長編時代ミステリー。(楽天ブックスより)


昨日から読んでました。
ちょっと前に、近所の古本屋さんで買ったもの。
以前、図書館で借りて読んだのですが、これは物語もさることながら、
主要なキャラクターに惹かれるので、手もとに置きたい。

この後の『日暮らし』もそうですが、連作短編のような形式です。
とある長屋を舞台に、ちょっとした事件が起きて、一応、町方同心も
関わったりなんかして、宮部の時代モノらしい、人の心のひだを織り込んだ、
それなりの解決をみたりなんかするんですが…

なんだか長めのお話になって、気付いたら下巻に突入してます。
なんと、それまでの細かいお話も、実は、また違った真相が見えてきたりして、
あれあれ??と思ってるうちに、中編というか長編と言うか、そちらも佳境。
おお!!というラストを迎えて…。

すっきり、はするのだけれど…。
一度解決をみた話が、また違った解釈をされる、というのは、
お腹の奥の方で、なんだか収まりが悪いような…。
読者的には、だまされた、という感があるわけですしね。
最初の解釈だって、別に間違ってるわけじゃないのだから、
なんだかすっきりしない…。
だけど、この物語では、長屋の良心とも言うべき女性:お徳を登場させ、

すっきりする…というか、2度目の謎解きを楽しめるようなお膳立てを
してくれている気がします。

中編になって登場する、同心の美貌の甥っ子・弓之助や、
岡引きの政五郎とその子分・おでこら、個性的な面々が、
ともすれば暗くなりがちな物語に、いいスパイスとなっています。

しまったので、続編の『日暮らし』では彼らの活躍が楽しみでなりませんでした。
特に、続編ではおでこの過去が明らかになる短編があって、それはもう、
うるうるしながら読んじゃったりしました。
宮部さんの作品は、どれも独立して楽しめる傑作ぞろいなのですが、
この『ぼんくら』と『日暮らし』は、両の話をすくっと刺している、
大きな謎があるので、ぜひぜひ、この順で読みたいなぁ、と思います。
(この日記での紹介順は逆になりましたが…
『ぼんくら』を読んだら、その記憶が鮮やかなうちに『日暮らし』を読みたい。
何度読んでも、きっとそう思うだろうなぁ、という逸品であります。





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最終更新日  May 7, 2006 12:45:07 AM
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