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2023年05月19日

映画「銀河鉄道の父」を観てきました。

(8)

カテゴリ：映画

２０２３年５月１８日（木）

昨日はシネマイレージカードであたふたドタバタいたしましたが、観たかった映画は無事に予約できました。
それは宮沢賢治の父の姿を描いた映画、「銀河鉄道の父」
時代は、明治から昭和の初めにかけて。

父政次郎（役所広司）が、玉のような男子が生まれたとの電報を受け、出張先から汽車に乗って自宅に戻るところから話は始まります。
生まれた子は、賢治（菅田将暉）と名付けられ、祖父（田中泯）母（坂井真紀）ら家族の愛情を一身に受け成長します。
賢治の家は質屋を生業としていて、裕福でした。
賢治は６歳の時赤痢に。
そのとき父政次郎は、入院している賢治をつきっきりで看護します。

政次郎は、どの子供に対しても愛情深い父親であったようで、のちに賢治の妹トシ（森七菜）が結核にかかり病に倒れたときも、付きっ切りで介護し最期まで看取ります。

まず、祖父の田中泯の演技に、圧倒されます。
存在感のある舞踏家ですが、役者さんとしても数多くの作品に深みを持たせる方です。
次に、死の床でだんだん息が荒くなり、やがて深い息を一つして死を迎える妹トシ、森七菜の演技力に驚かされます。
賢治の菅田将暉も、同じ結核で死の床につきます。
その時、菅田将暉はやせ細り、目もうつろになり、いつの間にか呼吸がなくなっていく場面の演技がすごかった。

少々頑固ではあるが新しい時代の父（江戸から明治へと移るころの）であろうとする、役所広司の演技力のあたたかさ！！！！

田中泯さんや役所広司さんの演技巧者に、森七菜さんや菅田将暉さんは大いに影響を受けられたであろうと思われます。

この映画は、家族愛を描いた映画でした。
全編に流れる、家族が家族を思いあう感情。
頭でっかちでまだ何物でもない賢治を、家族たちが支え、文書を書く力を与えていきます。

たが、賢治が生きている間にはあまり評価はされませんので、賢治は自信を失います。
その時政次郎は言います、賢治の童話や詩は必ず大勢の人の心を動かすと。

その通りになりましたね。
宮沢賢治の詩や童話に、励まされ慰められる人は多いはずです。

全編を貫く、当時の岩手の言葉の暖かさとやさしさと美しさ。

ことに妹トシと賢治が結核を患ってからすごす、「桜の家」の景色。
２０２２年６月に、賢治ゆかりの花巻での撮影であったようです。
少し高台にある桜の家から見えるのは、広い耕作地と流れる川。
冬は雪に埋もれ川霧のたつ光景。
言葉を失うほどの、美しさでした。

でもねエンディングを見ていたら、ロケ地協力に恵那市という名があったのよ。
え、恵那市？？？それって岐阜の恵那市？？？
って思って帰ってから調べたら、なんと本当に岐阜の恵那市での撮影でした。

これもまた、いいところを見つけてきたものですね、ロケハン部隊。

見終えた後、ぞくっとしましたよ背筋が。
これは感動のしるしです。

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