ワインと絵画がある生活

ワインと絵画がある生活

2006.07.24
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 いよいよこの旅もフィナーレ。きょうは最後の目的地「大塚国際美術館」へ。2004年に続き2度目の訪問だ。

 この美術館では、陶板(巨大なタイルに絵を焼き付けたもの)で実物大に復元された、古代から現代までの絵画や壁画1000点以上が展示されている。プロフィールは、大塚国際美術館から直接引用した方がよいだろう。

「大塚国際美術館」は、大塚製薬グループが創立75周年記念事業として徳島県鳴門市に設立した日本最大の常設展示スペース(延床面積29,412平米)を有する「陶板名画美術館」です。館内には、6名の選定委員によって厳選された古代壁画から、世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する現代絵画まで至宝の西洋名画1,000余点を大塚オーミ陶業株式会社の特殊技術によってオリジナル作品と同じ大きさに再現しています。
 大塚国際美術館は、いろいろな意味で大きな影響を受けた美術館である。わたしにとっては、美術館巡りを始める一番のきっかけになった美術館だ。わたしが絵画に興味を持ち始めたのは、2000年に放送開始された 「美の巨人たち」 である。ただし番組自体は好きだったものの、美術館に行くようなことはほとんどなかった。

 その後、大塚国際美術館を舞台にした「美術はたのしっ!」というテレビ番組を見て、この美術館を知り、ついには2004年の秋に訪問することになった。そのとき実物大の迫力に驚き、またいろいろな絵画を知ることができた。それがきっかけとなり、ほぼ1年のあいだに、サンクトペテルブルグ、イタリア、スペイン、パリ、ロンドンと、世界各地の美術館巡りをしてしまった。

 ということで今回は、実物を見たうえでの再検証という意味合いもある。


 大塚国際美術館は、JR鳴門駅から7キロほどのところに位置する。ちょうど渦潮で有名な鳴門大橋の手前である。JR鳴門駅やJR徳島駅などからは路線バスが出ている。ただし本数が少ないので注意すること。前回訪問したときは平日用の時刻表しか見ていなかったため、えらい苦労した。

 バスの時刻表は、 大塚国際美術館のWebページ に載っている。念のために、 鳴門市営バス 徳島バス の時刻表や路線図も入手しておいた方がよいかも知れない。

朝撮り忘れたので夕暮れの入り口。


巨大なエスカレーター。入り口部分がB5F相当なので、展示室のあるB3Fに向かう。

大塚国際美術館



住所:徳島県鳴門市国立公園内
時間:9:30 - 17:00(夏季は延長あり)
休日:月曜(祝祭日の場合は翌日)
   1月正月明けに連続休館有、7・8月無休
料金:小・中・高生 520円/大学生 2100円/一般 3150円
   オーディオガイド \500
URL: http://www.o-museum.or.jp


 建物は、地上2F、地下5Fという構造になっている。このような構造になっているのは、国立公園の敷地内なので高い建物を建てられなかったことが原因らしい。長いエスカレーターを昇ったところが地下3Fで、ここから上の階が展示スペースになっている。

 エスカレーターを降りると、正面には大塚国際美術館のシンボルともいえるシスティーナホールが現れる。システィーナホールの存在感は圧巻。はじめて見たときには驚いた。この美術館でユニークなのは、システィーナホールのように、古代遺跡や教会などの壁面をそのまま再現した「環境展示」があることだ。

システィーナホールは、システィーナ礼拝堂の「最後の審判」と「天井画の一部」を実物大で再現したもの。下にある椅子から大きさがわかるはず。2006年末から来年の3月にかけて天井画を全面復元するらしい。


 そういえば群馬県の 「伊香保システィーナ美術館」 や栃木県那の 「とりっくあーとぴあ那須」 には、3/5スケールのトリックアートがある(平面なんだけど、立体的に見える)。

 日本最大の常設展示スペースを誇る美術館らしく、とにかくデカイ! 開館時間の9:30から通常の閉館時間17:00まで見て回っても、全部見れるかどうかだと思う。今回は10:00から19:00(夏季特別延長で21:00まで開いていた)までいたが、いくつかのガイドツアーに参加したこともあり、一部は駆け足になってしまった。ちゃんと見るなら2日は必要だろう。

 実物のシスティーナ礼拝堂は昨年訪問した。たしかに全面彩色されていて美しいのだが、作品保護のため薄暗く、また心ない人のために異常に騒がしく、期待に反して興ざめてしまった。本物には本物の良さがあるとは思うが、システィーナホールの静けさを伴った美しさには、また別の魅力がある。

ジョットによるスクロヴェーニ礼拝堂の壁画。システィーナホールと比べると小ぶりだけど、青が美しい。


 耳を澄ますと、かすかにグレゴリオ聖歌が聞こえてくる。なんといえない雰囲気の良さ。スクロヴェーニ礼拝堂の本物はイタリアのパドヴァにある。実物に行ってみたい。

聖ニコラオス・オルファノス聖堂壁画


現在は存在しないグレコの祭壇の復元。額縁類はイタリアなどに発注して作ったもの。額縁だけでも相当な金額らしい。


10,000文字オーバーのため次に続く。

パート10に続く>
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最終更新日  2006.08.01 23:09:07
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