ミステリの部屋

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2006年11月20日

チョコレートビースト：加藤実秋

(6)

テーマ：ミステリはお好き？(1498)

カテゴリ：日本ミステリ（か行作家）

『インディゴの夜』（　感想
ホストたちが課外活動みたいに探偵活動に協力する短編集。

「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」という高原晶の何気ない一言から始まったホストクラブ“club indigo”。
服装もラフで一風変わったホストクラブなのですが、経営はなかなか順調のようです。

女性ライター・高原晶と大手出版社の編集者・塩谷が共同経営者で、表に出るのは美しく神秘的で謎めいた敏腕マネージャー・憂夜。

前回事件を解決して以来、彼らは警察に目の敵にされながらも、色々あって毎回探偵活動をするはめになります。

今回は晶の軽率な行動から活動せざるを得ない話もあります。

ジョン太、犬マン、DJ本気、アレックスなどの個性豊かなホストたちは、特技を生かして聞き込みや捜査に協力するというのもおなじみのパターンになってきました。

日本（？）ナンバーワンホストの空也という人物がその笑顔で赤ちゃん（もちろん女の子）さえももとりこにしたり、全国ホストコンクールなんていう催しがあったり、刺青の詳しい話など、知らない世界の興味深いことがたくさん出てきます。

また、30過ぎの気が強い女と言えるであろう晶が、若い男の子や女の子達が使う言葉やしぐさに心の中で突っ込みを入れるところも共感しながらにんまり。

初めから終わりまでスピード感があって、楽しく読めました。

どこで身につけたのかという能力を持つ不思議なマネージャー憂夜の正体は今回も謎のままでした。
これが明らかになるのは最終話になりそうなので、知りたいような、いつまでも謎でいてほしいような……。