ミステリの部屋

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2006年11月22日
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十五歳になった「僕」と十四歳の名探偵「ルンババ」が行く東京への修学旅行は僕たちの“世界と密室”をめぐる冒険の始まりだった!


感想  )を読んでいたので、ある程度の覚悟はできていました。
独特の文体、独特のリズム、なかなか改行が来ないことにも驚きません。

けれども痛そうな描写に力が入らなくなり、その後気持ち悪い場面に鳥肌が立ち、途中で読むのを止めようかと思いました。
凄惨な事件が起こります。奇妙な密室が作られます。どんでもない動機やふざけたトリックにあきれます。
でも、最後まで読んだ時には妙な感動を覚えていました。

「僕」友紀夫とルンババは隣同士に住む親友。
14歳の時にルンババの姉である涼子が死んでしまいます。
その後大変な事件に巻き込まれていく二人。


文体の持つスピード感であれよあれよと言う間に最後まで連れて行かれるのですが、いつのまにか他の事がどうでもよくなっていました。
言葉に出すと恥ずかしくて薄っぺらに聞こえてしまうけれど、愛と友情があればいいんだ、と。
それさえあれば何だって乗り越えられる、という気持ちになっていました。

ルンババは「煙か土か食い物」に出てきた名探偵ルンババ12でしょうか。
12がついた理由もわかります。
奈津川家も名前だけ出てきます。

大変な状況なのにオチをつけようと頑張ったり、ギャグでなごませようとしたりするのは理解しにくかったけれど、かっこ悪くてメチャメチャな事をしながら、一生懸命あがいている青春物語でした。

身体を張って青春している彼らの姿に、じーんときました。

世界は密室でできている。: 舞城王太郎






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最終更新日  2006年11月23日 00時26分22秒
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