ミステリの部屋

ミステリの部屋

2009年03月24日
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<あらすじ>

幸い、丸海藩の藩医・井上舷洲宅に奉公人として住み込むことになった。
そして半年―、この丸海の地に幕府の罪人・加賀殿が流されてくることに。
海うさぎが飛ぶ夏の嵐の日、加賀殿の所業をなぞるかのように不可解な毒死や怪異が井上家と丸海藩を襲う…。
(「BOOK」データベースより)


確か、 ときあさぎさん が宮部作品のマイベストとおっしゃっていた作品。
私も 大いに心揺さぶられました。

主人公のほうは、自分の名前が阿呆のほう、からつけられたと教えられていました。
ひどい話です。

天涯孤独で、行く先々で邪魔にされ、いじめられてきた ほうが、置き去りにされたのは丸海藩。

風の穏かな日に、海には白い波が立ち騒ぐ、それをこの土地では“うさぎが飛んでいる”と言うそうです。

きっと美しいところなのでしょう。



加賀殿は鬼、悪霊と恐れられ、それに呼応するように不吉なことが続けて起こります。

ほうが主人公ですが、途中でそのことを忘れそうになるくらい、他の登場人物が描きこまれていました。

それぞれ立場は違うけれど、何かを背負い、正義が通るとは限らない過酷な時代に生きています。

多くの人が、理不尽な目にあい、命を落とすことが切なくて切なくて……。

ある者は私欲のため、ある者は弱さのため、またある者は国を思うがために、真実を覆い隠してしまいます。

ほうのまっすぐな魂は、彼らにどう映ったのか?

余計なもので目を曇らされなければ、本当のことが見えてきます。
そんな ほうだからこそ、最後に大切なものを貰います。

涙がポロポロこぼれました。













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最終更新日  2009年03月30日 15時48分36秒
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