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2026.03.13
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最近はイスラエルとアメリカがイランを攻撃して原油価格が乱高下して大変なので、イランについて考えることにした。

●イランはどんな国なのか

・イランの歴史
紀元前3000年ごろに原エラム時代に歴史が始まって、紀元前550年にキュロス大王がメディア王国を滅ぼしてペルシアを征服してペルシア帝国を建設して、アケメネス朝ペルシアのダレイオス1世がダキアからインドまで領土を拡大して王の道と呼ばれる道路網や駅伝制を整備して統治基盤を整えて発展したものの、紀元前330年にアレクサンドロス大王率いるギリシャ遠征軍によって滅ぼされる。
紀元前247年にハカーマニシュ朝のペルシア帝国を受け継ぐパルティアが成立するものの王位継承を巡る内乱で224年に滅亡して、226年に新たに勃興したサーサーン朝に取って代わられた。東ローマ帝国との紛争で国力が低下する中でアラビア半島のイスラム勢力との闘いに敗北して651年に最後の皇帝ヤズデギルド3世が死去して滅亡してイスラム化する。
1220年にモンゴル帝国に征服されて、モンゴル帝国がイスラム化したフレグ・ウルス(イル・ハン国)が1353年に滅亡した後はティムール朝の支配下に置かれる。
1501年にサファヴィー教団の教主であったイスマーイール1世がサファヴィー朝を開いて、第5代皇帝アッバース1世のときに最盛期になって東インド会社と貿易協定を結んで軍備を近代化するもののアッバース1世の死後に弱体化して1736年に滅亡する。
1796年にテュルク系ガージャール族のアーガー・モハンマドが樹立したガージャール朝の時代にはイギリスやロシアの草刈り場になって、ロシア・ペルシア戦争で敗北して領地を割譲して不平等条約が締結されて、第一次世界大戦後にはイギリスが英国・イラン協定でイランを保護国化しようとしたらイラン国民がガーシャール朝に反発して、1926年にレザー・ハーンが皇帝レザー・パフラヴィーに即位してパフラヴィー朝が成立した。
1951年にモサッデグ首相がイギリス系の石油会社を国有化しようとしたらアメリカとイギリスが国有化がソビエトに利するものとして警戒して反体制派のクーデターを支援して1953年に首相を追放したので、パフラヴィー朝のシャー(皇帝)のパフラヴィー2世がアメリカの傀儡政権として復権して白色革命で西洋化して経済成長するものの、格差の拡大と政治的腐敗で反政府デモが起きるようになってホメイニ師が台頭した。
1979年にイラン・イスラム革命が起きるとパフラヴィー朝の帝政が終わって反米の宗教国家になって、ホメイニ師が最高指導者になって反イスラエルのヒズボラやハマスと協力するようになる。1989年にホメイニ師が死去すると大統領だったハメネイ師が最高指導者になって47年間最高指導者を続けたものの、2026年にアメリカとイスラエルの攻撃で殺害された。

・イランの人口
イランは2024年に人口が9156万人いて、1950年の人口が1651万人だったのが1979年の革命後に急激に人口が増加して70年で6倍くらいになって、革命後に生まれた世代が人口の過半数を占めている。オーストラリアの2018年の「DFAT COUNTRY INFORMATION REPORT IRAN」を法務省入国管理局が翻訳した「​ DFAT 国別情報報告書 ​」に詳しいことが書いてあるけれど、2018年時点では8200万人の人口のうちペルシャ人が人口の60%で、アゼリー人(北西部のアゼルバイジャン側の地域、民族的にはアゼルバイジャン人と同じだけれどアゼルバイジャンの人口より多い)、イラン系クルド人、イラク系クルド人(Faili)、ロル族(Lurs、南西部の山地の遊牧民)、アラブ人(南西部のフーゼスターン州)、バルーチ人(パキスタン、アフガニスタン側のスィースターン・バルーチェスターン州の遊牧民)がいて、アフガニスタン難民も300万人ほどいて、多民族多言語の国家である。
民族の多様性が政情不安にもつながっていて、公安調査庁の​ 地域別テロ情勢 ​によるとアラブ人武装組織のアフワーズ解放機構(ALO)が資源関連のインフラ施設にテロを起こして、クルド人は分離独立主義の傾向があってクルド人武装組織のペジャーク(PJAK)がイラン治安当局にテロを起こして、スンニ派のバルーチ人武装組織ジュンダラ、ハラカト・アンサール・イラン(HAI)やジャイシュ・アル・アドル(JAA)がイスラム革命防衛隊やシーア派を標的にしたテロを起こしている。

・イランの宗教
憲法第13条はイランで公認されている非イスラム教徒の信仰はゾロアスター教、ユダヤ教及びキリスト教のみであると定めていて、イスラム教シーア派が大多数だけれど、スンニ派のアラブ人やバルーチ人もいるし、ヤルサン教やバハイ教などのマイナーな宗教の信徒もいる。スンニ派はイスラム教の教義を理解した人を預言者ムハンマドの後継者と認める考え方で、シーア派はムハンマドの血族を後継者と考えて血統を重視する考え方である。ヤルサン教(Yarsanism)は14世紀にできた宗教でスーフィズムの影響を受けているシーア派イスラム教の一種で、タンブールという弦楽器を神聖視していて集団で楽器を演奏していて、男性は髭を聖なる象徴としていて生涯髭を剃らないで伸ばすので外見で見分けやすくて差別されているようである。バハイ教は1844年にバハオラによって創始された新興宗教で、モーセ、アブラハム、釈迦、クリシュナ、イエス・キリスト、ムハンマドなどが同じ神から遣わされた顕示者であるととらえて「世界は一つの国であり、人類はその市民である」という考え方をして、イランでは背教として弾圧されていて、1991に文化革命最高評議会がバハイ教はイスラムの教義と相反していると結論付ける決定書を発行したことで、バハイ教徒は公的部門の職を解雇されて、銀行口座が凍結されて、大学に進学できない。ゾロアスター教はペルシャ帝国時代に支配的だったものの、アラブ系イスラム教徒がペルシャを征服した後に衰退して多数のゾロアスター教徒がイスラム教に改宗するかインドに向かったそうで、イランでは多神教崇拝をからかわれるので信仰を隠している人が多いそうである。イランではイラン人にキリスト教の説教をしないように監視されていて、秘密裏に活動する未公認のキリスト教のハウス・チャーチ(家の教会)があってイランから逃亡したインターネット牧師がオンラインで説教していて、イラン当局はシオニスト宣伝機関として取り締まっている。
刑罰もシャリーア原則に沿っているので名誉殺人(婚外性交、見合い結婚の拒絶、家族の承認を得ずに自らの配偶者を選択する行為、強カンの被害者となること、同性愛行為に対する家族による殺人)が犯罪でなくて、処罰を受けないか短期間の刑で済むようになっている。同性愛行為は鞭打ち刑や死刑になって、レズよりもホモのほうが刑が重い。
憲法第144条は、軍はイスラム的でなければならず、イスラムの理想に全身全霊を傾けなければならず、イスラム革命の目標の達成に身を投じる者を募集しなければならない、と規定しているので、少数派の非イスラム教徒がイスラム教徒を監督する権限を持てないようになっている。

・イランの経済
Global Noteの「​ 世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF) ​」によると2024年の名目GDPはドルベースで416676百万ドルで世界39位で、香港やコロンビアや南アフリカと同程度で、フィリピンやベトナムやバングラディシュやマレーシアとかの東南アジアの国よりは少ない。イランは中東の大国というイメージだったけれど、経済規模でみると東南アジア程度であまり豊かではない。貧富の差も大きくて、イランにおける労働力のおよそ半分は非正規雇用の状態なので搾取されやすくて、イラン人のおよそ40パーセントが世界銀行の定義する中程度の貧困ライン(1日当たりUS$3.10未満)を下回って生活しているようである。
外務省の​ イラン基礎データ ​によると、主要産業は石油関連産業で、主な輸出品目は原油、天然ガス、石油などで、主な輸入品目は飼料用トウモロコシ、精米、小麦、大豆などで、農業はあまり盛んでないようである。物価上昇率は2023年に42.50%で、急激な物価高になっている。

・イランの文化や芸術
イランの憲法は表現、結社、言論、集会及び信教の自由を定めているものの、自由はイスラムや公民権を含む複数の原則に違反してはならないと明記していて、その原則が法律で定義されていなくて当局の裁量次第で何が違法かを恣意的に決められるし、書籍、映画、音楽は公開前に検閲されるので、実質的に自由がないようなものである。日常会話やSNSで政府の批判はできるけれど、何がレッドラインに該当して起訴されるか不明でSNSも頻繁にブロックされるので、規制回避のためにVPNが一般的に使われているようである。衛星装置の利用は違法なので見つかると没収されるけれど、イラン国内には衛星放送受信アンテナが800万本あって最大で総人口の85パーセントが衛星チャンネルにアクセスできるそうで、マジョリティのシーア派イスラム教徒も国営放送だけでは満足できないので違法に外国のコンテンツを視聴するのだろう。レッドラインを超えたジャーナリストは「最高指導者を侮辱した嫌疑」や「イスラムで最も聖なるものを侮辱した嫌疑」などで長期懲役刑になる可能性があって、政権に不都合な事実を言うだけでも侮辱扱いになってまともに裁判が行われずに有罪になる危険があって、NHKのテヘラン支局長も拘束された。
表現や言論に規制があるとはいえイランは歴史がある国なので伝統工芸品は優れていて、豪華なペルシャ絨毯は日本への主な輸出品目になっている。
西洋音楽は1979年以降は禁止されていて特に女性の歌手や演奏家を呼び物にするコンサートは中止させられるけれどレストランやタクシーや自宅での演奏は行われているようで、伝統音楽は規制がないようで高度に洗練された演奏技術がある。私はイランの音楽がYouTubeのアルゴリズムでおすすめに出てくるのでときどき聞いているけれど、クルド人の音楽一家のKamkarsはバイブスがあってよいし、タンブールを高速フィンガーピッキングするPouriya Raisiは技巧があって面白いと思う。





女性に厳しい社会だからこそ女性が自立する必要があって、日本みたいに理系の女子枠を優遇しなくても理系の学問で身を立てる女性もいて、2014年にはマリアム・ミルザハニが数学界のノーベル賞と言われるフィールズ賞を女性初受賞している。

・イランの政治
イランはイスラム法学者が最終的な決定を下す「ベラーヤエ・ファギーフ(法学者による統治)」の原則に基づいて樹立された神政共和国で、イスラム法学者が国家主席でもあって軍最高司令官でもあって、普通直接選挙で選出された86人の聖職者による専門家会議で最高指導者を選出している。大統領は最高指導者に従属していて限定的な権限が与えられていて、「​ イラン・イスラーム共和国における選挙制度と政党 ​」によると、大統領と国会議員は選挙で選ばれているようである。2016年に内務省は250を超える登録政党がイランに存在すると報告したけれど、他の国と違って政党が政権を掌握することが不可能なので政権掌握を目標に活動していない。女性の活動範囲も限られていて、監督者評議会は2017年大統領選挙の候補者から女性を除外して、2017年の市町村議会の候補者のうち女性は6.3%だったようで、女性は政治的地位を得にくい環境にある。イランの国軍とイスラム革命防衛隊(IRGC)は指揮系統が別で、革命防衛隊は最高指導者の直属でクーデター防止やイスラム体制の維持のための市民の取り締まりをしたりする。民族的少数派もイラン社会に統合されていて政治に参加できるものの、より大きな権利を求める活動がイスラム共和国への脅威になると当局が認識した場合は活動家を逮捕して身体的虐待をしたり、不正な裁判をしたりしている。
政治的腐敗や縁故主義も蔓延していて、トランスペアレンシー・インターナショナルが2017年に発表したCorruption Perceptions Indexでは176か国中131位で、サービスや許可を得るために非正規の支払いや賄賂が要求されるそうで、アフマディネジャード前大統領もイラン石油会社から財務省へ13億米ドルを違法に移転したとして2017年に有罪判決を受けている。2009年の大統領選挙で保守派のアフマディネジャードに敗北した野党の改革派のムサビ元首相とカルビ元国会議長は不正選挙を訴えてデモを呼びかけてアラブの春を支持したら裁判なしで数年間自宅軟禁されたように、大統領選挙がちゃんと行われているかどうかも怪しい。

●イスラエルとアメリカのイラン攻撃の是非

世界中に非人道的な独裁国家は多数あるけれど、それでも主権国家の国内で起きたことに対して武力による現状変更を正当化できない。しかしアメリカは正当化できれば攻撃してもよいと考えたようである。国連は2024年に国際連合安全保障理事会決議2722でイランが支援するイエメンのフーシ派(シーア派の分派であるザイド派イスラム主義を掲げるイエメンの親イラン反政府武装集団)が紅海の商船を攻撃するのをやめるように要求していた。そのうえ2026年1月の反政府デモ隊の市民を虐殺したことで国際的に批判されることになった。The Guardianの「​ Disappeared bodies, mass burials and ‘30,000 dead’: what is the truth of Iran’s death toll? ​」という記事によると、死者数はイラン政府の公式発表だと3000人、アメリカの人権団体HRANAの調査だと6000人の死亡が確認されて17000人が調査中で、イラン国外の医者は33000人を見積もっているそうな。アメリカとしては国際法を無視しても批判を軽減できる大義名分ができたので、テロリスト政権による核兵器開発は認めないと言って攻撃を始めた。アメリカは2025年6月にもイランの核施設を空爆したけれど、それだと不十分だと思ってハメネイを殺害して反米政権ごと潰すつもりなのかもしれないけれど、さらに過激な政権ができてしまうと意味がない。
イランも報復にアメリカとイギリスの石油タンカー3隻をミサイルで攻撃して機雷を設置して、他の国の石油タンカーもロイズの保険がかけられなくなってもし船が大破したら大損するのでホルムズ海峡を通れなくなった。このイランの反撃はホルムズ海峡の安全確保のためのアメリカの攻撃継続を正当化させることになる悪手で、反撃するにしても軍事関連だけにして民間の商船は攻撃するべきではなかった。ホルムズ海峡が事実上の封鎖になったことで石油価格が上昇して、特にイランから石油を買っている中国への打撃になるので、アメリカは間接的に中国を経済的に攻撃しているといえる。イランが使っている中国製の防空システムもアメリカ相手に役に立たないと判明して、中国は踏んだり蹴ったりである。
アメリカはイランを悪として攻撃したけれど、ヤクザが対立する組のヤクザをぶっ殺しても正義の味方とは呼べないようなもので、私はアメリカやイスラエルが正義だとは全く思わない。しかし世界のテロと人権侵害の元凶になっているイスラム主義勢力が縮小していくことは人類にとって良い事だと思う。1991年の悪魔の詩訳者殺人事件ではホメイニがこの本を反イスラム的であるとして死刑のファトワーを発令した後に筑波大学の五十嵐一助教授が殺害されたので犯人はイスラム教徒と見られていて日本人にもイランの被害がでているので、イスラム主義者が移民として日本に来ると日本への脅威にもなる。

・武力による現状変更の是非
アメリカは国際法に違反して批判されようがアメリカを罰することができる国や組織は存在しないので、軍隊を使ってベネズエラのマドゥロ大統領を逮捕したりイランのハメネイを空爆で殺害したりしてアメリカの利益のためにやりたい放題やっている。
日本はロシアのウクライナ侵攻は武力による現状変更は認めないと経済制裁までしたのに、アメリカの武力による現状変更を認めるのでは態度が矛盾する。アメリカのような軍事大国の武力による現状変更を認めると、日本が武力で現状変更されることも認めることになってしまうし、それは日本にとって不利になる。偽旗作戦で人権侵害をでっち上げて侵略戦争を始めることもできてしまって、例えば中国人工作員が沖縄で左翼を殺害して、弾圧されている沖縄人(中国の主張だと日本人ではなく琉球王国が中国の属国という扱い)を保護するという名目で中国が日本に侵攻してくることも起こりうるし、ロシア人工作員が北海道でアイヌを殺害して、弾圧されているアイヌ(ロシアの主張だとロシアの原住民族)を保護するという名目でロシアが日本に侵攻してくることも起こりうる。だもんで日本としてはアメリカが同盟国だからといってイラン攻撃に協力せずに武力による現状変更を認めない立場をとるのが最善である。

・イランの人権侵害の問題
アメリカのイラン攻撃を批判する人に対してイランの人権はどうでもいいのかと批判する人がいるけれど、アメリカの目的はイランに核兵器を保有させないことなのでアメリカはイラン人の人権を守るつもりはない。核開発をしない穏健派の政権を作ることがアメリカの停戦の落としどころになるし、その政権が人権侵害をしても核兵器の脅威がなければアメリカは放っておくだろう。イスラエルのネタニヤフはパレスチナの非戦闘員を見境なく攻撃した戦争犯罪者として裁かれるべきだけれど、アメリカはそっちの人権侵害は放置してイスラエルと一緒にイランを攻撃することでネタニヤフ政権を延命させているように、アメリカは人権の擁護者ではない。
人権侵害に対して他の国はどうするべきかというと、どこかの国で虐殺とかの人権侵害が起きた時は国際連合人権理事会が非難決議をして調査員を派遣して是正勧告をするけれど、人権理事会が中国とかの人権侵害の当事国に牛耳られて機能していないのでトランプ政権では人権理事会を脱退した。というわけで国連は監視や勧告はするけれど国を変えるほどの力はない。どの国も自国の兵士を危険にさらして膨大な戦費をつぎ込んでまで他国の国民を救ってやる義理はない。
イランは政教分離していなくて宗教観に基づく人権侵害が起きているので、政治体制を変えて革命防衛隊を解体しないと人権侵害をなくせない。じゃあだれが政治体制を変えるのか。イランは主権国家であって議会がある以上はその国の問題は国民が政治家に投票して自分で解決するべきである。イラン国民の大多数が現状の神政共和国の体制を支持するならその結果として家族や友人を逮捕されたり処刑されたりして苦しもうが1979年の革命でその体制を作り上げたイラン国民の自己責任だし、その現状を変えたいならクーデターや内戦や独立運動をするなりして自分で国を変えればよい。50代以下の若い世代は成人前に革命が起きていてハメネイの独裁に対する責任はないので、命がけで国を変えるほどの愛国心がないなら外国に逃げればよい。400万人以上がイラン国外に住んでいて、サヘル・ローズみたいに日本で活動する人もいる。
イランの憲法の第4条は全ての法令がイスラム原則に基づかなければならないと定めているので、ハメネイを殺害しただけでは神政共和国の体制を変えられなくて別の最高指導者が出てきてまたイスラム法の下で女性や異教徒を弾圧するだけなので、イランに自由をもたらすには政教分離の新しい憲法を掲げる新政府を樹立して国軍を掌握してイスラム革命防衛隊を解体して戒律違反の取り締まりをなくすところまでやらないといけない。だもんでイスラエル・アメリカ対イランの戦争だけでなくて、イランの現体制対反体制派の内戦の可能性もあって、CIAがイランのクルド人勢力への武器供与を検討しているというニュースが出てきたように反体制派に武器を供給して内戦になったら戦争は長引くと思う。神政共和国の体制が嫌な国民はクーデターや内戦で違う政権を樹立するしかないのだけれど、反体制派が処刑されてきたのでリーダーとして主導するカリスマがいない状況になっていて、内戦で政権を変えるのも難しそうな感じである。しかしイラン人自身が国を変えるために立ち上がらないのであれば、外国が内政干渉する筋合いはないだろう。
人権侵害を改善するために内政干渉するとなると、体制派と反体制派のどっち側につくのかという問題も出てくる。政情不安がある国では体制派にとっては武装した反体制派は国家転覆を目論むテロリストという扱いになるけれど、いくら独裁に問題があるとはいえ反体制派と協力するとテロリストと協力することにもなる。アメリカみたいに工作活動ができる国なら直接戦争をしなくても反体制派に武器を提供して内戦を促して傀儡政権を作って利益誘導するやり方もあるけれど、日本はそのやり方はできないのであまり関わらないのが賢明である。政情不安や内戦はその国の国内の問題なので、内政干渉せずにどちら側の味方もせず、難民キャンプへの人道的支援や戦後復興の支援に留めるのが日本が取りうるスタンスだろう。

●自由がない国は衰退する

イランの窮状は自由がない社会は発展せずに衰退していくことの証明だと思う。全体主義には6つの特徴があって、全体主義イデオロギー、独裁者が率いる唯一の政党、最大限に発達した秘密警察、マスコミの独占的管理、軍用兵器の独占的管理、経済組織などすべての組織の独占的管理に当てはまるのが全体主義である。イランは保守派と改革派の複数の政党があって経済は民間企業があるので全体主義とはいえないまでも、宗教的カリスマがイスラム法を強制するイデオロギーがあって、秘密警察のように革命防衛隊が取り締まりをしていて、イランでは憲法で民間放送を禁止していて国営のイラン・イスラム共和国放送がテレビとラジオを独占して情報統制していて、全体主義に近い特徴があってだいぶ自由が制限されている。
国民の自由を制限する基準が社会主義だろうが宗教だろうが、自分で物事を考える能力がない大衆を制御するのには都合が良くても、本来は国を発展させることができる優秀な人材に自由を与えないと大衆の中に埋没させたり、国を見限って外国に逃げたりする。自由がない体制が長引くほど非合理的な部分がボトルネックになって技術革新とかの状況の変化に対応できなくなって他の自由主義国に比べて産業の発展が遅れて、自由主義国と対立して外資から投資を敬遠されて技術力や生産力の乏しさから物価高になって、政権を維持するために軍事力を増強して国民を弾圧するので物価高が加速して、生活苦に陥った国民が反政府デモやテロを起こしたり少数民族が自治権を求めて独立運動を起こしたりして政情不安になっていく道をたどる。
民主制の国なら反体制派が多数派になると選挙で政権が変わって民意が政策に反映されるけれど、全体主義国家や独裁国家だと反体制派を投獄したり処刑したり情報統制したりして問題をなかったことにして、上層部は生活に困っていないので体制を変えようとしなくて独裁が長期化して、生活苦の根本原因が解決されないままになって家族や友人を逮捕されたり殺されたりした人の不満が強まって反体制派が勢力を拡大していく。そんで軍が政治家に不満を持ってクーデターを起こしたり、外国の武器商人が政情不安に付け込んで介入して反体制派に武器を売るようになって内戦が起きたりして体制の転覆が起きる。体制派と反体制派のどっち側が政権をとっても国家は存続できるけれど、内戦が起きるとインフラが破壊されるし、優秀な人材が死ぬし、国民同士で殺し合ったことでわだかまりができるし、外国から戦費を借りたら返済が大変になって国力が落ちるので、内戦はしないで済むならそのほうがよい。合理的に考えれば国民の不満が高まったら自発的に民主化して全体主義や独裁をやめるのが最適解だけれど、権力者は自分の権力を手放したくないので合理的な選択ができずに国民と敵対して悪として殺されることになる。
ソビエト連邦は1922年に成立して1988年のペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)で民主化にテコ入れしようとしたもののクーデターが起きて1991年に崩壊したように、70年くらいが近代の全体主義体制の寿命である。ロシアの社会主義化はツァーリの専制政治から近代化に移行するにあたって必然性があって起きたものだろうけれど、当事者世代は満足しても状況が変わった後に生まれた世代はツァーリの専制政治時代を知らないので社会主義体制への不満しかなくて支持しなくなる。イランでも1979年のイラン・イスラム革命は当時のアメリカの傀儡政権の腐敗への不満から起きるべくして起きたのだろうけれど、47年経って革命前の時代を知らない世代が多数派になったのでそろそろ体制が変わる頃合いである。ハメネイが15兆円規模の資産を築いたあげくに次男のモジタバ・ハメネイが最高指導者を世襲したのは正当化できなくて、結局は一族で権力を私物化して腐敗していて革命の意味がなくなって本末転倒である。
イスラム教が本当に良い宗教なら他人に強制しなくても自発的に改宗する人が増えるだろうけれど、実態はモテない男性を優位にさせるために女性の抑圧(家内奴隷化)や女児との結婚(人身売買)を正当化するヤリサーのようなシステムで、幸福や真善美とは程遠いし、ハメネイは立派な宗教者として尊敬されるどころかイラン国民に死を喜ばれるような悪の権化になった。神の名のもとに蛮行を正当化する過激派イスラム教徒自身が世界で一番神を冒涜していて、世俗化したイスラム教徒のほうが環境の変化に適応して平和に幸福に生きている。過去に数多の生物が絶滅したように、環境の変化に適応できず生き方を変えられない者には滅亡する未来しかない。中世の戦乱期には女性を囲い込んで子供をわんさか産ませて布教して仲間を増やす仕組みが生存に有利に働いたのだろうけれど、現代では女性と異教徒に不幸をもたらして他国と不要な対立を生む元凶になっている。若い世代は自由主義で発展した外国を見て自由の価値を知っているのでもはや理不尽な全体主義に従おうとしないし、死刑を覚悟でヒジャブを外して禁止された音楽を聴いて踊る女性たちや国歌斉唱を拒否した女子サッカー代表の選手は勇敢である。人間はいつかは死ぬのだと理解した人には死刑は脅しにはならないし、抑圧されて不自由に生きるよりも自由に死ぬことを選んだ人たちを押しとどめることはできない。彼女たちのような勇敢な人たちこそイランの未来を切り開く国の宝だろうに、イラン政府は自ら国の宝を殺してイスラエルやアメリカと際限のない宗教戦争の道を辿ろうとしていて愚かである。
日本だと「板垣死すとも自由は死せず」という名言があるように、明治時代の自由民権運動から太平洋戦争の敗戦を経て徐々に女性の権利が改善されて自由主義の国になって豊かになっていった。イランの国民もすぐに自由を得ることはないにしても、いつかイスラム教の呪縛から逃れてもっと良い国になってほしいものである。

*「本文にわいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現が含まれています。」とエラーがでて投稿できなかったので、この場で楽天の言葉狩りに抗議する。強カンの被害者になることのどこが公序良俗に反するのか。三木谷はイスラム教と同様に強カンの被害者を迫害するつもりなのか。これだから楽天はいつまでも3流IT企業なんだよ。





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最終更新日  2026.03.20 02:49:18
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