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最近は月額最高39万円もかかる自称「会員制高級プライベートサウナ」のSAUNATIGERで客の若い夫婦が閉じ込められて死亡する事故が起きて、ドアノブが外れて閉じ込めらる設計自体がおかしかったり、非常ボタンの受電盤の電源が入っていなくて何年も機能しないまま放置されていたり、当時受電盤がある事務室には誰も従業員がいなかったりして、いろいろずさんな管理体制が指摘されている。これのどこが高級なのかと思ったので、高級について考えることにした。●高級とは何か高級とは階級や地位、程度や品質が高くすぐれていることを意味する。誰でも買えるわけではないようなものやサービスで、商品を持っていたり会員になったりすることが社会的地位があるとみなされる場合に高級なものと見なされる。ただ値段が高いからといって高級なわけではない。例えばニューヨークは地価が高くて家賃が高いので、飲食店は利益を出すために商品の値段を上げざるを得なくてラーメン1杯が2-3千円するけれど、それは高級ラーメンとは言わない。ありふれた料理人がありふれた材料で作ったありふれたラーメンの値段が高いだけである。その一方で、銀座の寿司屋みたいに予約が必要だけれど数カ月先まで予約が埋まっていて、スマガツオや鮭児とかの数が少ない貴重な食材を厳選して、熟練の寿司職人が職人技を凝らして調理するようなのは値段相応の付加価値があって誰でも食べられるわけではない高級寿司と言える。高級なものやサービスは細部まで高品質で瑕疵がないものである。高級ホテルではコンシェルジュがいて客の細かい要望に応えるし、従業員の教育に十分なコストをかけているので従業員が客の部屋に侵入して窃盗やレイプをすることはない。高級レストランではフロアスタッフが客の食事の様子を見ていて会話の邪魔をせずに給仕できるようにタイミングを見計らうし、客に見えない厨房でも衛生管理ができていて食中毒やバイトテロは起きない。高級ブランドのバッグは検品がしっかりしていて縫い糸が飛び出したり接着剤がはみ出したりしないし、高品質で長く使えるからこそ中古市場でも高値が付く。歴史と伝統も金では買えないので、長年ちゃんと品質管理して皇室御用達とかの信用を積み重ねてきた会社やブランドは地位が高くて高級と言える。一流の人の生活の一部として好まれるようになった商品やサービスは十分な利益を上乗せできてよほどのことがない限り会社が潰れないので、たいていの高級店は相応の歴史がある。百貨店は1900年代に呉服店から珍しい舶来品を扱う豪華なデパートに変化して高級感を出して富裕層を顧客に抱えて、今は富裕層向けの外商の売り上げが全体の2-3割で、伊勢丹新宿本店や松坂屋名古屋店は売り上げの5割が外商によるものだそうで、庶民が貧困化して百貨店離れしても富裕層が離れない限り商売を継続できる。ルイ・ヴィトンは1854年に設立されて万博で評判になってから王侯貴族に重用されて世界的な高級ブランドの地位を確立したし、高級な飲食店は老舗で修業した人が暖簾分けしたり独立したりして味や客層や品格を受け継いでいって政財界の要人の会食に使われるけれど、芸能人とかの成金がオーナーになって作ったファッションブランドや飲食店は歴史や伝統がないので高級とは言えない。●高級のワナ最近はプレミアムを自称して高級感を煽る商売が流行っているけれど、本当に高級なのかは疑問である。セブンプレミアムはサンドイッチにハムの切れ端がちょびっと入っているような詐欺的なコンビニ商品よりは若干ましという程度でしかないし、有難がってわざわざ買うものではない。YouTubeプレミアムは広告を表示しないみかじめ料みたいなものなのに何がプレミアムなんだと思う。いくつかあるグレードを比較して上位のものをプレミアムと言えなくもないけれど、プレミアムという言葉が安易に使われてもはやプレミア感がなくなっている。高級やプレミアムを名乗るための客観的な認定基準がないからこそ、高級だとされるものを鵜呑みにせずに自分で物の良し悪しを判断する審美眼が必要になる。しばしば審美眼がない人が骨董品店のカモになって価値がない骨董品をお勧めされて高値で買うように、高級感につられてたいしたことがない物やサービスを割高で購入するのでは人生を豊かにしているとはいえない。高級なものやサービスをどしどし購入してSNSで金持ちぶりをアピールする人がいるけれど、それは高級品が似合わない下品な振る舞いだし、他人の評価や価値観を基準にして他人の賞賛を得られないと満足できないのでは豊かな人生とは言えない。それに金持ちの金を目当てに悪人も寄ってくるし、金持ちの個人情報は詐欺や強盗に悪用されかねないので、高級を自称するビジネスには注意が必要である。富裕層を対象に営業している野村証券でも顧客を睡眠薬で眠らせて現金を奪って家に放火した強盗殺人未遂事件が起きたように、人を見る目がないと悪人の接近を許してしまって生命や財産の危険がある。上記の自称「会員制高級プライベートサウナ」のTIGERSAUNAみたいに命にかかわるようなサービスを提供しているような場合は経営者の評判も調査してから使うべきで、オーナーの栗原修はKUROFUNE&Coという別の会社でクーリングオフの告知をせずに強引に貴金属の訪問購入(いわゆる押し買い)をして9カ月の業務停止命令の行政処分をされていて、誠実な事業をやる人とは思えない。事故にあった夫婦は若いせいか安全性の不備や経営者の人格を見抜く目がなかったので高い代償を払うことになった。高級腕時計をレンタルする「トケマッチ」というビジネスを運営していたネオリバース社の元代表の小湊敬済は預かった時計を勝手に質に入れて換金してUAEに逃亡して逮捕されていて被害総額28億円相当だそうで、レンタル代の小銭稼ぎのために悪人に高級腕時計を差し出すような脇が甘い小金持ちがカモになった。安全性のコストを削ったり違法行為をしたりすれば金持ちになるのは難しくないけれど、人を見る目を持たないと高級ブランドを身に付けている金持ちの悪人を地位が高い立派な人だと錯覚してカモにされてしまうこともある。投資家の「牛飼」名乗っていた斎藤大器はSNSでセレブアピールをしていたけれど、屋根の点検商法をして早急に工事しないと雨漏りすると不安を煽ってクーリングオフの説明をせずに契約させたとして特定商取引法違反の疑いで逮捕されて、実態はトクリュウの中心人物とみられる反社会的勢力だった。インフルエンサーの中には見せ金の札束を見せびらかして儲かったように見せかけて情報弱者を釣って高額の情報商材を売りつける連中もいる。高級な物にはやたら維持費がかかるものがあるので、庶民が高級な物に憧れても結局維持できないこともある。輸入高級車は故障したらパーツの取り寄せで修理が高額になるし、高級ブランドの服は洗濯に対応していない場合があるので庶民がクリーニングして何年も大事に着るのには向いていない。高級な物やサービスがなくても生きていけるし、値段が十倍の物を買ったら十倍幸せになるわけでもないし、平凡な人はむやみに高級な物に憧れずに平凡な物を買って平凡な人同士で付き合って身の丈に合った生活をするのが無難である。高級な物を買うにしても、本当にQOLが上がるものを吟味して奮発するのがよいだろう。●高級な芸術音楽ではクラシック音楽は同じ曲を演奏するにしても演奏家の技術やコンサートホール次第で音が変わって、数億円の希少なバイオリンを使っていたり、客側もドレスコードや鑑賞マナーや教養を要求されたり、コンサートホールの席数が限られていて席によって値段が違う点では高級な音楽といえるだろう。ポップスとかの他のジャンルの音楽は歌や演奏が下手でもスピーカーが音割れしてても客が楽しめれば十分な大衆向けの娯楽なので高級とは言えない。小説は大量に印刷されて誰でも定価で買えたり電子書籍でどこでもダウンロードできたりするので、高級な小説は基本的にない。単行本は装丁や紙の質が文庫本やペーパーバックよりは上質だけれど、所詮は紙にすぎないので高級というほどでもない。もし作者が羊皮紙に手書きで文章を書いてカバーを宝石で装飾した1点物の豪華な小説があるなら物理的に希少で高級な小説と言えるかもしれないけれど、小説は発表媒体よりも内容が重要なので、そんなものを作る小説家はいないだろう。絵画はゴッホの絵が生前はほとんど買い手がいなかったのに死後に徐々に価値が高まっていったように、時勢次第で価値が大幅に変動するし、鑑賞する人によっても価値が異なる。それに美術館に展示されている絵画は数千円払えば誰でも鑑賞できるので、高額な絵画はあっても高級な絵画はないだろう。映画は制作費に何十億円もかけていても内容が良いとも限らないし、基本的に大衆向けの娯楽なので映画館やストリーミングで誰でも安価に見れるので、高級な映画はない。しかし椅子の快適さにこだわった高級な映画館はありうる。こうして考えてみると、コンテンツビジネスに関しては作品の内容が高級かどうかというより、作品を鑑賞する環境が高級かどうかのほうが高級感に影響があると思われる。日常の読書や映画鑑賞とかでも快適な環境で鑑賞すれば贅沢なひと時の高級感が出て満足度が増すのかもしれない。
2025.12.23
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19世紀のイギリスの諜報員が屍兵を調査する話。●あらすじ・プロローグわたし(ジョン・ワトソン)はロンドン大学医学部の講義でヴァン・ヘルシング教授が死体に疑似霊素をインストールして「フランケン」を作る様子を観察して、ヴァン・ヘルシング教授とセワード教授に連れられて貿易会社を装った政府機関を訪ねてMを紹介される。・第一部1878年、わたしは3カ月かけてQ部門から貸与されたフライデーというクリーチャーを調整して翻訳機能をつけてわたしの行動記録をつけさせて、ボンベイに行って副王のリットンに会って、心臓に杭を打たれた女のクリーチャーが『屍者の帝国』の構成員だと紹介される。バーナビー大尉と会ってインダス川を遡って、ロシア帝国の協力者のクラソートキンと会ってアレクセイ・カラマーゾフが100体の屍兵を盗んでアフガニスタンに逃げたと聞いて、アフガニスタン国境のカイバル峠でイギリス軍とアフガニスタン軍の戦闘を見物して相手の動きを先読みする青色の屍兵「完璧な人形」を眺める。アフガニスタンに入国してカラマーゾフ兄弟と会うと、兄のドミートリイは新型の屍者になっていた。アレクセイはフランケンシュタインが最初に作った怪物「ザ・ワン」の痕跡を追っていたが、阿片を吸って死ぬ。・第二部1879年、わたしとフライデーとバーナビーはロシア帝国の新型屍兵の技術要件が日本に流出した可能性があるのでフランケンシュタイン査察団(リットン調査団)として日本に行って、ザ・ワンの秘密が記されているというヴィクターの手記を探しに大里化学を訪ねると、既に屍兵に襲撃されて職員が殺されていて、バーナビーが新型屍兵を倒す。大里化学から持ち出したヴィクターの手記のパンチカードをフライデーに読み込ませていると、わたしは屍兵からコレラに感染して倒れる。コレラから回復するとカイバル峠で会ったハダリーがいて、ハダリーは前アメリカ大統領のグラントのお供をして各国の屍者事情を調査していると言うのでグラントに合うと、グラントが自身と日本皇帝が囮になってテロ組織をおびき出して一網打尽にする計画を立てたら屍兵が暴走する。わたしはハダリーが屍者を暴走させる方法を知っていてわたしをグラント暗殺犯に仕立てようとしたのだと推測して、バトラーはハダリーの暗殺計画からグラントを守ってきたと言って、ハダリーと取引して屍者暴走事件の原因は不明と公表する。・第三部わたしはサンフランシスコでミリリオン社を設立したバロウズとオペレーターとして配置された最新の屍者を見物して、大陸横断鉄道に乗ってフライデー、ハダリー、バトラー、バーナビーたちとザ・ワンを追っていると、Mの指令で襲撃をうけるもののバーナビーが撃退する。教会でピンカートンの手下から襲撃されるもののハダリーが屍者を操って倒して、教会の中で屍者を操るザ・ワン(チャールズ・ダーウィン)と戦闘になって降伏する。フライデーを通じてMに情報が筒抜けで、わたしが拘束されて潜水艦ノーチラス号でイギリスに行く途中、バーナビーが潜水艦を制圧して、ザ・ワンは屍者化を受け入れている拡大波をなんとかしないと生者も上書きされた屍者になるという。潜水艦でロンドン塔に突っ込んで礼拝堂に行くとヴァン・ヘルシングが現れてザ・ワンと対決して、ザ・ワンは花嫁を復元して行方不明になる。・エピローグわたしが経歴を偽装して旧友と会った後、ハダリーが口封じに来たので取引して、自分を屍者化してフライデーに隠していた十字架を自分に埋め込むことにする。●感想わたし(ワトソン)の一人称だけれど、いつの時点で誰に対してなぜ語っているのか不明で、一人称なのに現在進行形で書いているありえない語りの構図になっていて、ナラトロジー的な語りの体裁が整っていない。152ページに「国家によるフランケンシュタイン三原則違反。そんなものなど、公式ルートで発表することも、非公式ルートで伝達することもできはしない」と書いてあるけれど、諜報員がそんな機密をわざわざ小説として書いて読者に公表しているのはおかしい。もともとリアリティがない世界設定だけれど、語りの設定が不自然なのでますますリアリティがなくなる。フライデーが行動記録をしていることになっているけれど、フライデー自身が見聞きしたワトソンの言動を記録しているのか、ワトソンの認知や思考をテレパシーかなんかで読み取って記録しているのか、ワトソンが記録しろと指示したことだけ記録しているのか、フライデーの仕組みが不明なのもよくない。フライデーを通してワトソンの行動がMに筒抜けだという設定なのに、エピローグでフライデーの傷の中に大事な十字架を隠していたことがMにばれていなくてMに十字架を回収されなかったのはプロットが矛盾していると思う。私が需要な箇所を読み落として誤読しているのかもしれないけれど、つまらないし面倒くさいので読み返して確認する気も起きないし、読書に慣れた私でさえ誤読するのであればそんなわかりにくい書き方をするほうが悪い。構成としては、プロローグは大学の講義という体裁で世界設定を読者に説明していて、長編なら地の文で説明するよりもエピソード形式にするほうが読者が物語世界に入り込みやすくてよい。しかしその後の展開がだめで、医学部生のワトソンがなんでいきなり政府機関で働くようになったのか目的や動機が不明で、ワトソンの人物像を掘り下げないまま登場人物が増えていってワトソンが主人公というよりただ視点を提供する傍観者的な存在になっていてつまらない。一人称の小説は読者が語り手に共感しやすいところにメリットがあるのに、ワトソンの感情や思考をあまり書かないので共感できないし、一人称にする必然性がないので三人称で書く方がましである。戦闘シーンで活躍するのはほとんどバーナビーで、バーナビーが主人公を勝利に導くご都合主義的な存在になっている一方で、ワトソンに主人公らしい見所がない。第一部は誰かと会って会話して移動して、別の誰かと会って会話して移動して、別の誰かと会って会話して移動する繰り返しで、ワトソンが主人公として主体的に行動する場面がないし、400ページのうち160ページ読んでも面白い箇所がないので読書をやめたくなった。外国が舞台でカタカナの固有名詞が頻出して登場人物を覚えにくいのに加えて、外面描写もほとんどなくて人物像が想像できなくて印象に残らないし、そのうえ人物一覧表もないのでいったん退場した人物が再登場してもこいつ誰だっけとなってページを遡って人物像を把握しなおさないといけなくて面倒くさい。説明はやたら衒学的で情報量が多いけれど、重要でない枝葉末節の無駄な情報が多くて重要な情報がわかりにくくて物語の面白さにつながっていなくて作者の自己満足になっているし、場面が断片的で読者が知りたいことを書いていない。第二部でグラントを「暗殺」と言っているので死んだのかと思ったら第三部で普通に生きていたりして話がわかりにくい。帯に「早逝の天才・伊藤計劃の未完の絶筆が、盟友・円城塔に引き継がれ遂に完成」と煽り文句が書いてあったのでどんなもんじゃろうと思って読んでみたら期待外れで、伊藤計劃が天才でないか、円城塔が下手なのか、どっちかまたは両方なのだろう。円城が未完の作品に勝手に大幅に手を入れるわけにもいかなくて完成度が低いのは仕方がないとはいえ、小説の基礎的な技術を理解していなまま衒学的にうわべを取り繕ってごまかしたような書き方で、技術的な未熟さがそのまま物語のつまらなさになっている。ストーリーを楽しむ小説というよりはカラマーゾフの兄弟やフランケンシュタインとかの小説上の存在が登場する二次創作的な偽19世紀のスチームパンクゴシックホラースパイ風の蘊蓄まみれの雰囲気を楽しむ感じで、このジャンルに興味がない人はわざわざ読むほどの作品ではない。★★☆☆☆屍者の帝国 (河出文庫) [ 伊藤 計劃 ]価格:858円(税込、送料無料) (2025/12/9時点)楽天で購入
2025.12.09
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最近はスパイ防止法について議論されているので、徒然なるままにスパイについて考えることにした。●スパイとは何かスパイは政府に雇われて諜報活動をする諜報員で、敵の諜報員はスパイと呼ばれて、味方の諜報員はエージェントと呼ばれる。スパイと工作員は活動内容が違っていて、スパイは情報収集をするのに対して、工作員は違法な荒事をやる。今はインターネットで外国の情報収集ができるけれど、昔は現地で情報収集しないといけなかったので、第二次世界大戦時には世界中にスパイがいて、グレアム・グリーンやサマセット・モームとかの小説家もMI6の工作員として諜報活動をしていたし、日本でも陸軍中野学校でエージェントを養成していた。日本国内にも外国に協力するスパイがいて、旧ソ連はシベリア抑留した日本人の中から陸軍の志位正二とかの利用価値がある人を選んでエージェントにしていたし、読売新聞の正力松太郎はCIAのエージェントとして工作活動をしていたことがアメリカの公文書の公開で判明した。スパイ防止法については現行法で対処できるから必要ないという意見もあるけれど、対処できていないからこそ北朝鮮の工作員による拉致事件が起きて日本はスパイ天国と呼ばれる状況になっている。現行法では国家公務員とかと接触して重要情報を探す行為については罰則化されていないそうで、外国人のための政治をすると公言する左翼政治家が情報を漏洩しないように罰則が必要だろう。G7諸国でスパイ防止法がないのは日本だけで、日本のスパイ対策が不十分だと同盟国から危険視されて有事の際に重要な情報がもらえないこともありうるので、最低限国際的な基準と同程度までは対策するべきだろう。●スパイと工作員の活動・情報収集スパイはターゲットの交友関係とかのプライベートな部分まで調べて、同じ趣味を装ったり、恋仲になろうとしたり、隣に引っ越してきたりして友好を装って接近してくる。そんで家に出入りする人を見張ったり、車や鞄にGPSをつけて行動を監視したり、留守中に盗聴器を仕掛けて言動を記録したり、パソコンの暗証番号を破ってハッキングしたり、アプリにキーロガーとかのスパイウェアを仕込んだり、ルーターとかの通信機器にバックドアを仕込んだりして情報を抜いたりする。国家公務員が仕事帰りに酒を飲んで前後不覚になって書類を紛失するのもスパイが関与している可能性があって、行きつけの店や好みのタイプを把握されて睡眠薬を盛られることも考えられる。ターゲットが男性の場合はハニートラップとかで弱みを握って協力者に仕立て上げたり、警察官や自衛隊員と結婚して機密情報を聞き出したりもする。産業スパイは企業の従業員に金を払って協力者にして個人情報や設計図とかの内部情報を持ち出させる場合もあるし、自身が企業に雇われて出世して重要な情報にアクセスできるようになってから情報を持ち出す場合もある。・破壊工作工作員はパソコンをハッキングして機密情報を書き換えたり、削除したり、アクセスできないようにしたりするだけでなくて、敵国の重要施設を破壊したりもする。インフラが破壊されると生産や輸送ができなくなるので、戦争が起きると発電所や空港とかのインフラが狙われる。2022年にはロシアからドイツに天然ガスを送る海底パイプのノルドストリームが爆破されてウクライナ国籍のダイバーが逮捕されたけれど、犯行グループはウクライナ政府が雇った工作員なのだろう。中国がフェンタニルの製造に補助金を出してアメリカに密輸して中毒者を増やしているけれど、これは密輸で利益を得るためというよりアメリカを内部から破壊する工作だろう。ターゲットのネガティブな噂を流したり浮気させたりして人間関係も破壊する。・影響力工作最近はXがアカウントの所在地を表示する機能を実装したことで、沖縄独立を主張するアカウントが中国から発信されていることが判明した。中国は金盾(きんじゅん)というネット検閲システムがあって、一般の中国人は欧米のSNSへのアクセスが遮断されてXに直接接続できないので、中国が発信元になっているXアカウントは五毛党と呼ばれる中国共産党のネット工作部隊が運用して世論誘導していると思われる。将来中国が沖縄に侵攻したときに偽旗作戦で沖縄独立派が殺害される動画をでっち上げて、迫害されていた沖縄独立派を救出したと大義名分を掲げるための下地作りをしているのだろう。他にもXで日本の男は最低だと主張している反日アカウントやフェミニストの所在地が韓国だったのがばれたけれど、これも未婚者を増やして少子化を促進して国力を落とす工作の可能性がある。ロシアのウクライナ侵攻の際には敵の兵士が民間人を蛮行している動画を作って自国に大義があるのだと国際社会に向けて宣伝したりして、偽情報を拡散して攪乱する。習近平やプーチンが死亡したとか重病で危篤だとかの偽情報がたまに流布されるけれど、それで他国がどう反応するのかを観察するために意図的にやっていて、批判的な人が食いつきやすい餌をぶら下げて監視対象を絞り込んでいるわけである。工作員は民間人を装って歴史の改ざんや捏造をしたりして自国に有利な状況を作ろうとする。アイリス・チャンが『ザ・レイプ・オブ・南京』を発表して精神病で自殺したけれど、これは中国共産党のプロパガンダに利用されて用済みになったので余計なことを話さないように口封じに殺された可能性もある。アメリカのANTIFAは中国共産党を支持する一方で反共和党のデモをしているけれど、ここにチャイナマネーが流れているようで、トランプは2025年9月に大統領令でテロ組織に指定した。・暗殺、脅迫、拉致しばしば言論の自由がない国から欧米に移住して反政府活動をしたり、母国で命を狙われて亡命したりする場合があるけれど、外国だからといって安全なわけではなくて政府が工作員を派遣して殺害している。カナダでは2023年にシーク教徒の独立運動をしていたハルディープ・シン・ニジャールがインド政府職員に雇われたインド人の暗殺者3人に殺害されて、アメリカでもシーク教徒を殺害しようとしたインド人のニキル・グプタが逮捕された。2022年には天安門事件の学生リーダーのひとりだった李進進がニューヨークで弁護士として活動していたらアメリカに来たばかりの中国人女性の張暁寧に殺害されている。イギリスでは2018年にロシアの軍参謀本部情報総局(GRU)の工作員がイギリスに亡命していた元情報機関員のセルゲイ・スクリパルを神経剤のノビチョクで暗殺しようとして、イギリス人女性が使用後の小瓶を拾って中毒になって死亡している。2017年にはマレーシアで北朝鮮の工作員が神経剤のVXで金正男を暗殺した。暗殺まで行かなくても、反政府的な主張をする学者や文化人に付きまとって相手をいつでも始末できるぞと仄めかしてノイローゼにしたり、セクハラや不倫とかの不祥事に巻き込んで失脚させたりする。北朝鮮の工作員は日本人を拉致して日本語講師にして、朝鮮人に日本語を覚えさせて背乗りして日本人になりすまして工作活動をしていて、ラジオで乱数放送をして在日工作員に指示を出していた。●スパイへの対策・重要な施設に不審者を入れない2024年に中国人が奈良県大和郡山市議会、山形県新庄市議会、宮城県塩釜市議会に無断侵入して動画を撮影してSNSに投稿した事件が起きて、2025年1月に女性が衆議院赤坂議員宿舎の岩屋毅の部屋に不法侵入した事件が起きた。最悪の場合は議員宿舎に爆発物を仕掛けられてテロを起こされるかもしれないので、まずは重要な施設に不審な人物を物理的に侵入させないことがスパイ対策になる。セキュリティゲートを設置して、身分確認を徹底して、訪問者の滞在時間を記録に残しておくとかが必要だろう。・サイバー攻撃に備える2017年には内閣府や防衛省の職員を装ったウイルス添付メールが防衛省OBや海洋政策関係者に送られていて、APT10と呼ばれる中国政府の支援を受けたハッカー集団のサイバー攻撃だと判明した。政府機関の個々の職員のITリテラシーを高めるのは重要だけれど、全員が最新のサイバー攻撃に詳しくなるのは無理なので、ウイルス対策ソフトやメーラーとかのソフト側で対処するほうがよいだろう。政府自体はサイバー攻撃に十分な対策をしているので直接政府が狙われるわけではなくて、政府の取引先の〇〇重工の子会社の取引先の下請けの〇〇製作所とかの資金力が乏しくて高度IT人材を雇えなくてセキュリティ対策が不十分な所が狙われて政府に納入する機器の仕様が漏れたりするので、政府関連の仕事をするところには政府が無償でセキュリティ対策を支援するほうがよいかもしれない。・国産の機器を使うレバノンでヒズボラが使っていたポケベルが一斉に爆発したけれど、このポケベルを製造した会社はイスラエルのフロント企業で、イスラエルによる破壊工作だと言われている。アメリカはIT機器のバックドアを警戒してファーウェイとかの中国製品を排除した。ノルウェーが中国製EVバスの安全性のテストをしたら外部から遠隔操作してバスをストップできるセキュリティーリスクが判明して、これが悪用されたら戦争時に橋やトンネルや踏切でバスを強制停止させて交通を麻痺させて軍事車両の通行や住民の避難を妨げることが起こりうる。発展途上国だと製造業の技術がないので全部国産にすることができないけれど、先進国なら割高になっても国産にするか、あるいは信用できる同盟国から買うのがよい。外国人に食べ物以外の贈り物をもらったときも盗聴器を警戒して、時計とかの電力を使う物をそのまま部屋に飾らないほうがよい。・本人確認を厳格にするスパイは身分証明書を偽造して身分を使い分けたり、整形手術をして顔を変えたりして、スパイだとばれないように出入国する。2024年12月に中国籍の女性がマイナンバーカードを偽造した容疑で逮捕されたように、身分証明書は偽造できるので本人確認の手段としてはあまり信用できない。指紋や目の虹彩や声のパターンとかの整形手術や身分証明書の偽造ではごまかしにくいところを基準にして認証するなら背乗りでのなりすましを排除できるだろう。あるいはもっと技術が進歩したら血液や髪の毛とかの遺伝子情報を瞬時に解析して本人確認できるようになるのかもしれない。・重要な話は対面でやる電話やメールとかの機器を仲介する通信だと、通信機器にセキュリティーホールがあると通信内容を傍受されてしまう。最近はAIで本物そっくりの顔と声を合成できるのでビデオ通話でもなりすましの可能性があるし、特にメディアへの露出が多い経営者や政治家はAIの素材が多くなってなりすまししやすくなってしまう。安倍とトランプが一緒にゴルフして仲良くなったけれど、これは単に趣味を楽しんでいるのでなくて、広くて不審者が近づけなくて盗聴されにくい環境で重要な話をしている。あるいは自社ビルの会議室での対談なら会議室内に盗聴器がないかどうか事前にチェックできるし、会議室内への電子機器の持ち込みを制限したり会議中のwifiをオフにしたりして盗聴対策できるので、情報が洩れる危険が少なくなる。・外国人を要職につけない韓国の大手通販サイトのCoupangで3370万人分の個人情報が流出したけれど、IT担当やマネージャーに中国人が多くて中国籍の元社員が関与したと疑われている。個人情報は詐欺に使われるだけでなくて、薬の購入履歴で持病が把握されたり、推し活グッズの購入履歴で好みのタイプが把握されたりして、暗殺やハニートラップとかにも個人情報が利用されてしまう。サイトのアクセス権限を厳重にしたところで責任者がスパイだと意味がないので、経歴が怪しい外国人は要職につけないほうがよい。・性欲を抑える政治家や経営者や学者や技術者に美男美女が寄ってきた場合はモテ期が到来したわけではなくて、スパイが「べんごし」や「こうほうの女」とかの好みのタイプを調べたうえでハニートラップを仕掛けている可能性が高いので、海外出張で接待されても隠しカメラで撮影されているものだと思って羽目を外してはいけない。政財界でトップに行く人はたいてい金銭欲や出世欲や名誉欲や性欲が強くて、特に若いうちに勉強漬けでモテなかったぶさいくな人が歳をとって地位を得ると接待でちやほやされるとうれしくなって性欲の歯止めが効かなくなることがあるけれど、そこが敵国にとって付け入る隙になる。安倍晋三が訪中したときに中国の美女の接待を断ったら男色だと勘違いされてイケメンが接待したというエピソードもあるし、新人議員にすぎない杉村太蔵でさえ会食をセッティングされて3人のタイプが違う美女の接待を受けたそうなので、あの手この手でハメて弱みを握ろうとする相手の前で隙を見せてはいけない。●スパイだと疑われないための対策・立ち入り禁止のところに行かないDQN釣り人は魚がスレていないところで釣りをしたがって立ち入り禁止の場所に行こうとするけれど、テロ防止のためにSOLAS条約で指定された湾港関連施設は関係者以外立ち入り禁止になっていてフェンスで覆われていたりして、違反すると1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される。港湾は密輸や密入国を防ぐための重要な施設なので、フェンスを壊したり侵入したりしてはいけない。不法侵入しないとしても重要な施設の周辺をうろつくだけでも怪しいので、用事がないなら近づかないほうがよい。・外国でむやみに写真や動画を撮らない2024年12月にベラルーシで高架橋を撮影した日本人男性がスパイ容疑で拘束されて、アメリカのケロッグ特使がルカシェンコ大統領と会談したおかげで恩赦されている。中国や北朝鮮とかの基本的人権が尊重されない国だと公平な裁判も受けられなくて、罪を認めずに有罪になるか、罪を認めて減刑されて有罪になるかの二択で、疑われた時点で有罪になる可能性が高い。日本なら鉄オタやダムオタやミリオタとかの趣味に理解があっても、外国だとなんでそんなものの写真を撮るんだと怪しまれるので、日本では見たことがないような珍しい施設や特殊車両を見かけてもむやみに写真や動画を撮らないようにして、仕事や観光以外の目的を疑われるような行動は避ける必要がある。・怪しい組織に所属しないテロを起こす可能性がある政治団体やカルト宗教は公安調査庁の監視対象になる。特に外国が母体になっている団体に所属するとスパイと交遊がある人物としてマークされて取り調べを受ける可能性がある。例えば中核派の拠点はハングルだらけで、北朝鮮のスパイが活動をしていると思われる。世間知らずの大学生はしばしばオルグのターゲットになって、大学で国際交流サークルだと言われて美男美女の外国人だらけのリア充サークルに参加したら親しくなってから別の怪しい組織に勧誘されることもありうるので、何かサークル活動をするにしても参加する前に親や友人の意見を聞くとかして慎重になるほうがよい。・外国人と親しくなりすぎない日本人は親切な人が多いので困っている外国人にも親切にしようとするけれど、その親切心がスパイに利用されかねない。ある程度親しくなった後で留守中の荷物の受け取りや発送を頼まれたり資料集めを頼まれたりする場合は無自覚なままスパイ活動に加担させられる可能性があるので注意が必要である。貧乏な学者や映画監督とかに外国人のスポンサーがついて、金銭的支援の代わりにプロパガンダの拡散とかの影響力工作に協力させられることもありうる。・敵対する国家に行かないロシアは日本の対ロシア制裁への対抗措置として日本人30人を入国禁止にした。イスラエルでもエジプトやヨルダンとかの周辺の対立する国家の出入国スタンプがある外国人の入国を拒否する可能性がある。入国を禁止されていない人でも敵対する国家間を行き来しているとスパイの疑いをかけられかねないので、外国でビジネスをする人は担当する国を分けるほうがよいだろう。・外国の政治に意見を言わない在日外国人が母国の政治について意見を言うのはよいとしても、日本人が外国の政治を賞賛して批判すべきところを批判しないと、こいつおかしいぞと疑われる。最近は某元知事がやたらと中国を賞賛していて、ハニートラップにかかったと言われている。日本人が外国に滞在しているときは政治の話題を避けるほうがよい。特に中国のような言論の自由がない国だとアウトとセーフの線引きが不明瞭だし、個人が独裁国家に目を付けられたら無実だろうが対抗しようがないので何も言わないほうがよい。日中青年交流協会の元理事長の鈴木英司氏は30年友好のために活動したのに2016年にスパイ容疑で拘束されて6年の実刑判決を受けたくらいだから、一般人は仕事や観光とかで中国に滞在するにしても友好の夢を見てはいけない。日中友好が中国共産党の意に反するのなら日中友好のための活動は人民を反体制に扇動する工作活動とみなされる。●フィクションのスパイ・エージェントスパイやエージェントをテーマにしたフィクションで一番有名なのはジェームズ・ボンド(007)シリーズで、ショーン・コネリーやロジャー・ムーアとかのダンディーな俳優が美人のヒロインをはべらせて格好いいスパイ像を確立して世界的に人気のシリーズになった。『ミッション・インポッシブル』シリーズはトム・クルーズが体を張ったアクションをして人気になった。コメディとしては子供が主人公の『スパイキッズ』がある。日本でスパイをテーマにしたフィクションは漫画の『SPY×FAMILY』が人気で、西洋的な国が舞台だけれど主人公のアーニャに思考を読む超能力があったり、偽装結婚したフォージャー夫婦のラブコメ展開になったりするあたりが日本っぽい工夫と言える。日本のドラマや映画は洋画に比べてスパイものが少なくて、名作というようなものが思い当たらない。ドラマの『VIVANT』の主人公は別班の特殊工作員という設定だったけれど、1話1億円かけたのを売りにした割にはアクションシーンがいまいちだった。映画だとカーチェイスしたりヘリコプターから飛び降りたりするアクションに金がかかるし、『踊る大捜査線』や『相棒』とかがヒットしたように刑事もののほうが人気で撮影スタッフも作り慣れていて、日本人は泣き落としや勧善懲悪とかの人情ものの展開を好んで冷酷に任務を遂行するスパイには感情移入しにくいので、わざわざ金をかけてスパイものをやる理由がなくて作品数が少ないのだろう。時代劇の忍者もスパイと言えるけれど、忍者をテーマにすると派手な忍術を使って戦うような忍ばない展開になりがちで、地味な諜報活動に焦点を当てたフィクションは探せばあるのかもしれないけれど私は見たことがない。スパイもののストーリーとしては、美男美女のスタイリッシュなスパイが外国の犯罪組織の陰謀を暴いて颯爽と悪党を倒す感じの似たような展開になりがちで、プロット自体は特に面白味がないので私はジェームズ・ボンドシリーズもミッション・インポッシブルシリーズも別に好きでもない。娯楽作品は派手な展開のほうが好まれるし、現役のスパイの活動内容を取材しようとしても誰がスパイなのかは国防上明かされないので、スパイの地味な諜報活動に焦点が当たらずにリアリティがなくなる方向の展開になるのは仕方がないのだろう。
2025.12.02
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