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2004年10月21日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: 紫苑の日常
 自分ではけちじゃないと思っていたけど、わたしは相当けちらしい。

 先日友人にもらった芋焼酎の『森伊蔵』は、誰に話しても手に入らないもので、ものすごい値がすると教えられた。
 当初は、長女の彼の誕生日に開封し、飲ませてあげようと思っていた。
 現にそう約束していたものだから、彼は喜び勇んでやってきた。
 「お義母さん。ゆべはまるで遠足の夜状態でした。嬉しくてうれしくて。僕ねむれませんでしたよ。ところで、開封するんですよね」
 チラリとそのオレンジの箱に目をやった。
 「え、ま、まぁね」
 わたしは急に口を濁して、余計なことを言ってしまったなーと、少々後悔をしていた。
 次女が、

 と、不服そうだったことを思い出したのだ。

 「多羅(次女)ちゃんが帰ってから開けようね。楽しみにしていたから」
 すると、彼は明らかに失望の色を見せた。
 「とりあえず、ケーキのセレモニーからやろうか?」
 わたしは、慌てて丸い箱からNY.レア(チーズケーキ)を取り出して、ローソクに灯をつけた。

 灯りを消して、ローソクを彼が吹き消して始まった、お誕生日会だったが、どこか居心地が悪くなった。
 わたしが約束を破ったからだ。

 彼からリクエストされた散らし寿司に、ブリ大根、お刺身の盛り合わせに、茄子ときゅうりの浅漬け、ほうれん草の白和え、と所狭しと並べたご馳走が急に色あせて見えた。

 宴の中盤で、わたしは『森伊蔵』を開封をした。
 やはり振舞わずにはいられなかったのだ。

 なんとなく気まずくて、落ち着かなかった。

 これというのも、わたしがけちだからだ。
 なんだか後味が悪い。
 でも、彼は少しも翳らないで、場を明るく盛り上げてくれた。

 遠慮がちに、水割りをいっぱいだけにして、後は持参したシェリー酒を飲んで帰っていった。



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gaga4開封前gaga5開封後





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最終更新日  2004年10月30日 09時27分40秒
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