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国民的人気を誇る金田首相が仙台で暗殺された! 警察が容疑者として発表したのは青柳雅春という男。彼にとっては首相暗殺なんてまったく身に覚えのないことだったが、容疑者発表の前から彼は警察組織に追いかけられていた・・・ 何度も直木賞や山本周五郎賞の候補になり、その度に“最有力候補”と擬せられることも多かった伊坂さん。これは最高傑作なのでは。 巨大な陰謀のスケープゴートとして首相暗殺の罪を負わされた青柳が仙台の町を逃げ惑う物語。 構成が「事件の始まり」「事件の視聴者」「事件から二十年後」「事件」「事件から三ヵ月後」という順番ですから、「事件」を読む前におぼろげながらも事件そのものの輪郭を掴むことができます。ただし、それは先を読む楽しみを奪うものではなく、むしろ増幅させるもの。オズワルドとして青柳がどんな逃げ方をするのか、どんなことが起こるのか、ワクワクさせるのです。 そのワクワクする逃走路で、いろいろな人に出会い、助けられます。監視社会の中で、彼らが青柳の逃走を助ける様は痛快ですらあります。 しかし、それよりも森田、カズそして樋口といった学生時代の仲間達の助けがもっとも効いています。長らく連絡を取ることもなかった友の窮地を救おうという心意気にあふれているのです。途中幾度となく挟まれる学生当時のエピソード。そこから10年近くの歳月が流れても変わらないそれぞれの人物像がはっきり表れていて、うれしく感じられます。だから、「だと思った」なんて一言に思わずグッときたりしてしまうのです。 また、伏線の回収が素晴らしいのです。あらゆるところに引かれた伏線は気持ちよく回収されます。それも、単純に物事を関連づけるだけではなく、それぞれに感動を伴って。エピローグはその極み。伏線回収がこの作品を一段も二段も高く持ち上げていることは間違いありません。 本当に大満足。伊坂幸太郎、よくやったという作品。極上のエンターテインメント。 たいへんよくできました。2008年1月28日読了
2008.01.31
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「ベルゼブブの頭蓋」から脱出したヴィクトリカと一弥。ふたりは帰路、オールド・マスカレード号で「孤児」「公妃」などと名乗る正体不明の面々と乗り合わせる。だが、6人のうちヴィクトリカを除く5人で興じたゲームの最中、1人が突如苦しみだし・・・ 『ベルゼブブの頭蓋』の後編にあたる長編。冒険と推理の両面を強く打ち出しています。 冒険といってもワンシーンだけですが、やはり『GOSICK』史上に残る名場面でしょう。そして3人の中から真犯人を探し当てる推理。これも真犯人以外の2人がなかなかうまい具合に目眩ましというかカムフラージュになっていて興味深いものです。 もともと「孤児」だの「公妃」だのという偽名を使い虚偽で会話していることからして胡散臭いのですが、誰の言うことが真実で誰の言うことが虚偽なのか、あるいは誰の言うことも虚偽なのか、そのジレンマに苛まれるあたりがおもしろいですね。 それに、真犯人の心情を表現するのにこういう方法を用いるのはちょっと記憶にありません。 大きな二つの戦争の狭間で揺れ動く人々。特に子供たちは大人の事情に翻弄され、巧みに利用され、時に命を落とす・・・そんな過酷な時代を「灰色狼」と「家来」はどのように強く生き抜いていくのか続きが楽しみです。関連作:『GOSICK ゴシック』『GOSICKII ゴシック・その罪は名もなき』『GOSICKIII ゴシック・青い薔薇の下で』『GOSICKIV ゴシック・愚者を代弁せよ』『GOSICKs ゴシックエス・春来たる死神』『GOSICKV ゴシック・ベルゼブブの頭蓋』2008年1月22日読了
2008.01.28
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朝から晩まで、なんだか揺れ続けていました。 気持ちが動くとか、判断に迷うとか、ブランコに乗るとかではなく、地震。ホンの微弱な地震で、震度も1とか2なのだけれど、いい気分はしません。 地震が来ると毎回思うのですが、これが東海地震と関連しなければいいな。
2008.01.27
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ある目的のために移送・軟禁されたヴィクトリカ。そこは「ベルゼブブの頭蓋」と呼ばれる要塞としても使用された修道院。彼女を助けるため一弥は「ベルゼブブの頭蓋」へ向かうが、その奇妙な修道院で開かれる夜会の途中で殺人が起きてしまう・・・ 先ごろ直木賞を受賞された桜庭さんのライトノベルミステリ『GOSICK』。今回はふたりが引き離され、閉じ込められたヴィクトリカを一弥が助けに行くという、なんともLOVE全力疾走なストーリーでした。もうLOVE120%。アブリルなんて眼中にありません。 ミステリとしておもしろかったのは、映像では使えないトリック(仕掛け?)を文章で表現している部分でしょうか。特別な叙述トリックという訳ではありませんが、映像化したら丸わかりというものです。逆に考えれば、映像化、アニメ化の障害でしょうね。 それにしても、これが上下巻組みの上巻的な作品とは予想しませんでした。最後まで読んで「えっ」ですよ。形見箱にまつわるエピソードはどうなるのか、オカルト省と科学アカデミーの対立の行方は、そしてふたりの運命は? 先が気になるので短編集を飛ばして6巻へ。関連作:『GOSICK ゴシック』『GOSICKII ゴシック・その罪は名もなき』『GOSICKIII ゴシック・青い薔薇の下で』『GOSICKIV ゴシック・愚者を代弁せよ』『GOSICKs ゴシックエス・春来たる死神』2008年1月21日読了
2008.01.25
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僕の職場では、仕事上どうしても残業で遅くなる日に限って、夜食(夕食)の出前をとることができます。 僕の場合、仕事の関係上それは月の下旬になることが多く、おそらく今日と明日は出前をとります。 さて、通常の場合、店の選択肢は3つあります。 1. 丼もの、うどんそば 2. 中華 3. 寿司 人にもよりますが、大体人気は1→3の順です。 ところが電話すると・・・ 1. 定休日。 2. 電話に出ない。おそらく臨時休業。 3. 大将が入院中で休み。 なんということでしょう!! 仕方なく、普段頼まない店にお願いしました。ここは幸いなことに営業中。引き受けてくれました。 ところが・・・ みそ煮込みうどんがおいしくなーい!! 同僚が頼んだ天丼も、おいしくなーい!!だそうです。 もうこの店には二度と頼まないと誓うのでした。
2008.01.23
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人里離れた岬の巨大な学園。そこは、それぞれの事情で世間から離れて暮らすことを余儀なくされた良家の少女たちが通うところ。さまざまな過去と環境を抱えた少女たちの感情は、閉ざされた空間でどこへ向かうのか。 『花宵道中』でデビューした宮木さんの第2作。 過去や身の上を明かさず、ただ1人の自分として距離を持って接していたものが、お互いのことを知り、その距離が徐々に短くなっていくにつれ、自分をコントロールできずに壊れていく。そんな切なさ、重さがとても息苦しく、それ故に読んでいるのが辛くなります。 登場するのはたった4人の少女だけですが、後半に近づくに従い書き分けができなくなっている気がし残念です。極端な特徴付けはいらないでしょうが、誰が誰のことを思い、誰を妬んでいるのか、だんだんわからなくなってしまいます。 良家の子女が隔離され、何ひとつ不自由しないような生活を送る学園。この設定は興味深く、この4人でどんな世界を作り出すのかと期待していたのですが、あまりにも儚く、残酷な結末に少々の驚き。 短いながらも密度の濃い世界でした。でも、時代物の方がいいかも。2008年1月17日読了
2008.01.22
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寒いから、というわけではありませんが、仕事を休みました。 風邪をひいた長女を医者に連れて行き、関節を痛めた相方を医者に連れて行き・・・というわけです。 そのへんは午前中に済んだので、午後はちょっとのんびり過ごしました。 でも、風邪をひいたかもしれません。夜に入ってちょっと寒気が。クシャミや咳も。 外が寒いからでしょうか。
2008.01.21
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直木賞を受賞したことにより「いよいよ脱・ライトノベルか」「GOSICKと荒野はどうなる?」とファンを不安がらせている桜庭一樹さん。 ご本人の日記によれば、各社重版し受賞記念の帯をかけるとのこと。そして、「ゴシックと砂糖菓子にも直木賞の帯がかかるかもです。」(「桜庭一樹オフィシャルサイト Scheherzade」より引用)という記述が!! ということは、これからも富士見との関係は維持されていくのでしょうか。『GOSICK』は続くのでしょうか。 逆に言うと、『荒野の恋』はないのかも・・・
2008.01.20
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ほかの方のブログを読ませていただくと、自分の語彙の貧しさを痛感することがよくあります。「こういう表現があったか」と。 おそらく、僕のボキャブラリーはこのブログを始めたころからほとんど変わっていないでしょう。情けないことです。せっかく覚えた表現も使わないうちに忘れてしまう始末。 忘れるといえば、日記に書こうと思っていた内容も忘れてしまいます。思い出すのは3日後とか…そうそう、今日の日記も実は3日ぐらい前に考えていたことです。
2008.01.19
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学同院大学に入学した越智健一はなりゆきで落語研究会に入部することになってしまった。先輩の岸と中村は過去に名推理を披露したことがあるようで、落研には次々と謎が持ち込まれるが、それを解く役目はなぜか越智に・・・ 中編2作にウェブ連載されたエッセイを併録した作品集。すでに「季刊落語」の編集長牧大路と新米編集者間宮緑のコンビが活躍するシリーズを持つ大倉さんにとって、落語ものとしては2つ目のシリーズです。●「幽霊寿限無」 廃部寸前の落語研究会に入部させられてしまった越智。幽霊が出るという部室で聞こえるはずのない寿限無を聞いてしまい、しかも部室の維持に必要な申請書が消えてしまう・・・幽霊騒ぎと消えた申請書という2つのなぞに、落語をうまく組み合わせた作品。前座噺の寿限無から入るあたりも見立てでしょうか。●「馬術部の醜聞」 学内を仕切る馬術部の一年生が喫煙している映像が送りつけられた。もみ消したい馬術部は学内にいる撮影者の割り出しを越智に依頼してきたのだが・・・部室をめぐる人間関係がなんともおもしろい1編。 読者層を意識しているのか、どちらの作品も比較的わかりやすく仕立てられています。ミステリはもちろん、落語に詳しくない読者でもすんなり入ることができます。 また、主人公の越智くんの巻き込まれっぷりは白戸くん以上かも。登場人物もおもしろく、ユーモアミステリの魅力満載です。 やや地味ではありますが、入門編に適した中編集と言えるでしょう。収録作:「幽霊寿限無」「馬術部の醜聞」2008年1月14日読了
2008.01.18
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直木賞の発表から一夜明け、たまたま立ち寄った書店に「おめでとう」コーナーができていました。 こういうのがあると、なんだか本当に桜庭さんが受賞したことを実感します。単行本が4冊、丸く並べられ、正面の位置だけ1冊分空間ができていました。並んでいた4冊が『少女には向かない職業』『少女七竈と七人の可愛そうな大人』『赤朽葉家の伝説』『青年のための読書クラブ』ですから、空いた所が受賞作『私の男』だったことは確実です。きっと、誰かが買い求めたのでしょう。 どれも読んでいることを思い出し、改めて自分がよく読んでいる作家さんが受賞したことが嬉しくなります。積読になっている「GOSICK」も読まないと。 この受賞で、桜庭さんがライトノベルから離れてしまいそうで少し不安です。
2008.01.17
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第138回芥川龍之介賞は川上未映子さんの「乳と卵」に、第138回直木三十五賞は桜庭一樹さんの『私の男』に決定したそうです。おめでとうございます。 正直、桜庭さんはもう1回スルーされるかと思っていました。 それにしても、選考が早かったですね。
2008.01.16
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三軒茶屋に位置し、常連客が度数の異なる4種類のビールとオリジナルの料理、そして謎解きをお目当てにやってくるビアバー香菜里屋。だが、マスターの工藤はある日突然店を閉めてしまった。姿を消した工藤のことを尋ねて不審な男が常連客たちの前に現れ・・・ シリーズ完結編。 冒頭の「ラストマティーニ」から常連客など工藤の周囲の変化が描かれています。また、「背表紙の友」までの、常連客が人生の岐路において香菜里屋から離れていく様は、完結編らしい物悲しさ、喪失感に満ちています。工藤は今までどおりの香菜里屋らしいもてなしで常連客を送り出しますが、やはりそこにも何か違うものを感じるのです。うまいですね。 最後の表題作は、ボーナストラック的に冬狐堂、雅蘭堂、蓮丈那智など北森作品のシリーズキャラクター達がそろい、にぎやかな完結編となります。ここで明かされる工藤の人物像は彼らしくもあり、今までと違った一面のようでもあり。 まさに完結させるための1冊。ミステリとして読もうとすると若干弱いかもしれませんが、シリーズ通して楽しませてもらったことに感謝。いつか別の土地での活躍も読ませて欲しいものです。収録作:「ラストマティーニ」「プレジール」「背表紙の友」「終幕の風景」「香菜里屋を知っていますか」関連作:『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』2008年1月11日読了
2008.01.16
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久しぶりに「ロンハー」を見ました。と言うかテレビをつけたらやっていて。 「俺たちのNO.1」ということで芸人20人による女性芸能人ランキング。楽しませてもらいました。 で、NO.1は永作博美さん! なるほど、そうですか。なんかみんな場の雰囲気にかなり流されていたようです。こういう結果になろうとは予想しませんでした。 今ももちろん活躍されていますが、こういう企画で選ばれてさらに急浮上、何てこともあるのでしょうか。 この企画、同じ顔ぶれでもう1度やったら、きっと違う結果になることでしょう。その比較もおもしろいでしょうね。
2008.01.15
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転校生は表舞台から姿を消した天才少女ピアニストの真冬だった。一度ジャンクパーツ置場であったことがあるナオは気にかけるが、クラスで孤立する真冬は相手にしない。そればかりか、ナオが使っていた空き教室を占拠し、ピアノではなくギターを超絶技巧で速弾きしていたのだ・・・ よかった。もっと早く読めばもっとよかった。 恋と革命と音楽の物語、そのまんまです。 一言で表せばありがちな転校生とのボーイミーツガールなストーリーなのですが、そこに音楽が美しく、楽しく、熱く寄り添い、絶妙のハーモニーでした。 音楽を小説の中で言葉で表現するのはなかなか難しいと思うのですが、その辺はしっかり克服されているというか、まったく気になりません。クラシックやロックの専門的な知識を持つ人にとっては尚のこと楽しい作品だったでしょう。蘊蓄を蘊蓄と感じさせないのがいいですね。 多少ご都合主義的に感じる部分もありますが、それでもしっかり手順を踏んで展開しています。また、伏線というか、前振りのようなものも手堅く組み込まれています。 ただし、欲を言えば全体がややきれいにまとまりすぎていることと、千晶の存在感が薄いところが難点でしょうか。いや、神楽坂先輩の存在感が強すぎるのかも。 きれいにまとまっているだけにどんな風に続くのか予想もしにくいのですが、とにかく続きが出るようなので楽しみです。2008年1月10日読了
2008.01.14
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風が強く、とにかく寒い一日でした。 こんな日には、猫のようにこたつで丸くなって過ごすのが一番なのですが、なかなかそうもいきません。 一日、もったいないことをしたような気分になってしまいます。 来週はしばらくこんな寒い日が続くとか・・・ ちなみに、わが娘は「いぬはこたつでまるくなる♪」と歌います。
2008.01.13
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1月というのは僕の読書にとってあまりいい月ではありません。 読書がはかどらないのです。 このブログを始めてからの1月は2005年4冊、2006年6冊、2007年6冊と読了本が少ないのです。 それが今年の1月はここまでの10日余りで、もう7冊目を読んでいたりします。最近にない、かなりいいスタートダッシュです。 もちろん、たくさん読めばいいというわけではありませんが、これはちょっとうれしいペースです。 でも、逆に感想を書くペースが追いつきません。こちらの方がちょっと大変。 あとになっては忘れてしまうので読んだら早めに書きたいのですが、これがなかなか・・・ 読むのをやめて感想を書く時間に充てればいいのかもしれませんが、そう単純にできるとも限らないので。 とりあえず、ため込まないようにします。感想を書くのまで積まないように。 ちなみに、今読んでいるのはこちら。 オチケン!
2008.01.12
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17時から月末の展示会の打ち合わせがありました。予定は15分程度。 でも、こういうのってなかなか予定どおりには終わらないんですよね。実際20分ほどでいったん区切りになって散会したのですが、「ちょっと残って」なんて頼まれて、あれよあれよという間に時は流れ、気がつけば20時ですよ、20時。 こんなに長くなるなんて予定していなかっただけに、余計に疲れた気がする一日でした。
2008.01.11
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気がついたとき、福原駿介は囚われの身だった。見知らぬ部屋で鎖に繋がれた人間が自分を含め11人、そして部屋の中央には首を吊ったらしき者が。個々に与えられた大金と1丁の拳銃を手に、11人は部屋からの脱出のために動き出すが、それは過酷なゲームの始まりだった・・・ 『扉の外』でデビューした土橋さんの新シリーズ。前シリーズ同様に、ゲームを全面に強く押し出した作品となっています。そしてそのゲームの性質の悪さも相変わらず。容赦なくプレイヤーの人間性を暴き、一歩間違えれば人生まるごと失いかねないようなシロモノです。やってくれます。 ただ、紹介文で強く印象づけられる「パルス」という異能があまり意味を持たず、むしろこの1冊の範囲だけであれば「パルス」なんて要素は不要ともとれます。もちろん、今後のストーリーでは重要な鍵を握ることになるのでしょうが。 あらかじめシリーズ化を前提とした1巻目にあたるため、説明的であったり逆に全容がわからなかったりと何かと不親切に思える部分もありますが、それは仕方のないこと。 まだまだ登場人物たちの立ち位置もよくわからないのですが、現状ではややキャラクターが弱いでしょうか。そう考えると、『扉の外』は素晴らしかったのかも。女神やら天使やら。ぜひ、リンクさせて欲しいものです。オーレもこっそり出てくることですし。 次はチェスをモチーフにしたゲームだそうなので、どれだけ過酷なものにしてくれるのか、楽しみに待ちます。2008年1月9日読了
2008.01.10
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NY警察の失踪人課に勤務するワットマンのもとへ少女ペギーの失踪を伝えたのは、以前地下で知り合ったサミュエルだった。ペギーはビルから身投げしていたが、ワットマンは過去の事件との類似に気がつき、調べだす。一方巡矢は、かんなの写真に写った「いるはずのない少女」に興味を持ち・・・ 『HEARTBEAT』の続編にあたる作品。東京創元社ミステリ・フロンティア。 とにかくやりきれない。明らかになる真実はあまりに辛く、苦いものなのです。それは命を失った者にも、未来へ進む者にも。 しかしながら、登場人物たちが常に前向きで、人のことを思い、力強く生きていこうとする物語なので、読後感は決して悪いものではなく、むしろ優しく温かい気持ちになれるといってもいいでしょう。まさに小路さんの世界。 ただし、かんなが真相に近い部分を知りえた方法(現象)を、巡矢が素直に受け入れてしまうことには疑問。もちろん、以前の体験が影響していることはわかりますが、あまりに引っ掛かりがないように感じます。 それに、作中のこととはいえチャイルドポルノへの言及に嫌悪感を持つ人は少なからずいることでしょう。 当初からシリーズ化を予定していたようですが、前作を読んだときにはそんな風には感じなかったなあ。また彼らに会えるときが楽しみです。関連作:『HEARTBEAT』2008年1月8日読了
2008.01.09
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依然として縁談がまとまらない垂里家の長女・冴子。今日はこちらで明日はあちらでとお見合いを繰り返すが、いずれも不可解な事件に巻き込まれ、破談に終わってしまうのだ。果たして、冴子は垂里家の呪いを打ち破り、無事嫁ぐことができるのか。 前作『垂里冴子のお見合いと推理』に続く、お見合いを舞台とした短編集。4編収録。●「湯煙のごとき事件」 母の策略で、伊豆の温泉宿でそこの息子と見合いをした冴子。浴場で空美が倒れている女性を発見するが、助けを求める間に消えてしまった・・・長さの関係もあるでしょうが、せっかくの怪談話があまり活かされていないような気がします。●「薫は香を以て」 冴子の見合い相手がエステの研究所に勤務しているのをいいことに、冴子の名を騙ってエステに入り浸る空美だが・・・これはなかなか恐ろしい光景。でも、どう見てもそのうち発覚するのはわかりそうなものですが。●「動く七福神」 「受験七福人」が七福人像を盗み出す事件が相次いだ。京一の予備校講師のもとでも一体がなくなり・・・伏線が巧みで楽しめます。ただあの人はいけない。●「靴男と象の靴」 空美は修理を依頼した靴職人が「しめる」だの「殺し」だのとつぶやくのに戦慄するが、男は冴子の見合い相手だった・・・悲しい恋の物語。「エレファント・シュー」という言葉がこんな意味を持っているなんて。 全体に前作同様の楽しさを保っているのですが、それ以上とは感じません。やはり続編としてプラスアルファが欲しかったところ。 とはいえ、ライト感覚ながらも山口さんらしい作りのしっかりしたミステリです。収録作:「湯煙のごとき事件」「薫は香を以て」「動く七福神」「靴男と象の靴」関連作:『垂里冴子のお見合いと推理』2008年1月5日読了
2008.01.09
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年度代表馬はアドマイヤムーン! やっぱりっていう感じですね。 最優秀2歳牡馬 ゴスホークケン 最優秀2歳牝馬 トールポピー 最優秀3歳牡馬 アサクサキングス 最優秀3歳牝馬 ダイワスカーレット 最優秀4歳以上牡馬 アドマイヤムーン 最優秀4歳以上牝馬 コイウタ 最優秀父内国産馬 ダイワスカーレット 最優秀短距離馬 ダイワメジャー 最優秀ダートホース ヴァーミリアン 最優秀障害馬 メルシーエイタイム 特別賞 ウオッカ 特別賞 メイショウサムソン ダイワメジャーは2年連続の受賞。去年は物議をかもしましたが、今年は順当でしょう。 特別賞の基準というのはあるのでしょうか。
2008.01.08
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第138回芥川龍之介賞、直木三十五賞の候補作が発表されました。【芥川賞】 川上未映子 「乳と卵」 (「文學界」12月号) 文藝春秋 田中慎弥 「切れた鎖」 (「新潮」12月号) 新潮社 津村記久子 「カソウスキの行方」 (「群像」9月号) 講談社 中山智幸 「空で歌う」 (「群像」8月号) 講談社 西村賢太 「小銭をかぞえる」 (「文學界」11月号) 文藝春秋 山崎ナオコーラ 「カツラ美容室別室」 (「文藝」秋号) 河出書房新社 楊逸 「ワンちゃん」 (「文學界」12月号) 文藝春秋【直木賞】 井上荒野 『ベーコン』 集英社 黒川博行 『悪果』 角川書店 古処誠二 『敵影』 新潮社 桜庭一樹 『私の男』 文藝春秋 佐々木譲 『警官の血』 新潮社 馳星周 『約束の地で』 集英社 正直なところ、個人的にはあまり興味をひく顔ぶれではありませんでした。ほとんど読んでいない人が言っちゃいけないかもしれませんが。まあ、この候補作を見てみなさんがどう思われるかは勝手です。 選考会は16日午後5時から。なんだかんだ言っても気にはなります。
2008.01.07
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年が明けて、金曜から仕事が始まりました。 疲れたのでしょうか。今日はちょっと長めの昼寝をしました。 ちょっと長いだけですが、なんだか一日中寝ていたような気がします。 2時から5時までの3時間だけですよ。 朝起きたのは9時でしたが。 よく見ているフジの競馬中継も、「みんなのケイバ」なんていうどっかできいたことがあるようなタイトルの番組になってしまい、「重賞もないからいいか」とすっぽかしました(「みんなの競馬」は毎日放送系列のラジオ)。ネットで見ると、どうも番組の評判も芳しくないようで。エイトの吉田さんは降りてしまったのでしょうか。とっても迷走している感じです。
2008.01.06
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垂里家には呪いがかけられているという説があった。代々垂里家の娘たちの縁談はことごとく不調に終わるというもの。事実、長女・冴子のお見合い回数は二桁の大台にのり、34歳になっても縁談がまとまらない。そして、冴子はお見合いのたびに不可解な事件に遭遇し、その謎を解くのだった。 『生ける屍の死』『日本殺人事件』、そして「キッド・ピストルズ」シリーズなど、現実世界とは異なる舞台設定が特徴的な山口雅也さん。この『垂里冴子のお見合いと推理』はそういった舞台設定にこだわることのない、きわめて普通な世界のミステリという異色な作品集です。●「春の章 十三回目の不吉なお見合い」 13回目のお見合いの相手は銀行で融資を担当する男。だが、男はお見合いの席で気もそぞろで、やがて席を立ち他のカップルと口論を始めた・・・キャラクター紹介に重きが置かれていますが、話の運びはなかなかのものでした。●「夏の章 海に消ゆ」 次の相手は自衛官。付き添いの母親共々海を眺めていることが多かったが、やがて席を立ちそのまま姿を消してしまった・・・本当に実現可能か疑問が残りますが、有り得る気もします。切ないですね。●「秋の章 空美の改心」 玉の輿に乗れるとばかりにお見合いを横取りした次女・空美。だが、男は途中で体の不調を訴え、やがて直前に亡くなった父親を追うように絶命した・・・大筋では比較的わかりやすい作品。それだけに伏線を振り返るのも楽しいかも。●「冬の章 冴子の運命」 冴子にもっとも相応しい相手とされたのは小説化の篠山。意気投合した二人だったが、空美と京一は篠山の前歴から冴子が危ないと判断した・・・見えすぎ、嘘がつけないが故の悲劇でしょうか。なんとも切ないです。 全体的に、造りとしてはホームコメディにミステリを加えたようで楽しいのですが、ストーリーはいろいろと味付けがされていて、中には切ないものもあり十分に楽しませてくれます。長さも程よく、気軽に手に取ることができる短編集です。 あとは冴子が垂里家の呪いを断ち切り、いつ嫁ぐことができるのかという楽しみがありますが、嫁いでしまってはシリーズが終わってしまい困るのです。ということで、続編に続きます。収録作:「春の章 十三回目の不吉なお見合い」「夏の章 海に消ゆ」「秋の章 空美の改心」「冬の章 冴子の運命」2008年1月2日読了
2008.01.05
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招待され、別荘にやってきた美袋は、そこで初めて会った佑美子に惹かれた。だが夜中に起きた殺人事件で別荘の主大垣は殺害され、佑美子も死体で見つかった。有力な容疑者とされてしまった美袋は窮地に陥るが・・・「遠くで瑠璃鳥が啼く声が聞こえる」 タイトルどおり、銘探偵・メルカトル鮎と美袋三条が登場する短編集。 とにかくメルカトルの鬼畜振りが印象的で、美袋が惨めなことこの上ない作品集。しかしそれだけでなく、同時に本格ミステリとしての解決・結末の美しさやおもしろさを持った短編集です。 例えば冒頭の「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」。この余韻をいつまでも残すような結末はどうでしょう。有無を言わせぬような真相ですが、それが美袋を傷つけ、あるいは励ますというなんとも言えない趣き。 他の作品も粒ぞろいで、それぞれに一捻り、もう一捻りとされた結末が見事で、印象的です。もちろん、その色合いは鮮やかとは言いがたいものばかりですが。 そんな中、異色に感じられるのが最後の「シベリア急行西へ」です。メルカトルと美袋が乗り込んだシベリア急行の車内で起きた殺人事件を扱った作品。これがレッドヘリングを活用したオーソドックスな本格ミステリで、それゆえにこの作品集の中では少々毛色の異なる浮いた存在のように感じてしまいます。ただし、メルの人間性は相変わらずです。 こんな作品集ですが、麻耶作品への取っ掛かりとしては最適かも知れません。この作品集を気に入れば、エキセントリックな他の数々の長編群も乗り越えられるということで。収録作:「遠くで瑠璃鳥が啼く声が聞こえる」「化粧した男の冒険」「小人かん居為不善」「水難」「ノスタルジア」「彷徨える美袋」「シベリア急行西へ」関連作:『翼ある闇』『夏と冬の奏鳴曲』『痾』2007年12月27日読了
2008.01.04
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昨日は家族で初詣に行ってきました。浜松市天竜区にある秋葉神社の上社です。 ここは火防の神様として知られ、正式には秋葉山本宮秋葉神社というようで、全国にある秋葉神社・秋葉大権現・秋葉寺の事実上の総本社格にあたるそうです。(詳しくはこちらやこちら) 駐車場から続く長い階段は比較的最近整備されたようで、上りやすい道でした。日陰には雪が残り、冷え冷えとしています。しかし、標高800mをこえるだけに、展望台からは太平洋まで望むことができ、なかなかのものでした。 帰りは母の脚が悪いので、階段ではなく古い坂道を下ったのですが、そこで一大事。長い下り坂ではしゃいでいた長女が、勢いがつきすぎて止まれなくなり、遂にころんで前に一回転。見事に唇を切り、顔をすりむいたのです。背中や尻も打ったので、一応当直の病院にも行ったのですが、大したことはないようで一安心。 正月から災難に遭うの巻でした。
2008.01.03
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さて、遅くなりましたがここで昨年、2007年のまとめを。 目標としていた年間120冊の読了には遠く及ばず、一昨年以下の99冊でした。 そのなかからshiba_motoが選ぶBest3を。 まずは一般書から。1位 桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』 東京創元社 女三代、山陰の名家の盛衰を力強く描いた傑作。読書を堪能できます。2位 有栖川有栖 『女王国の城』 東京創元社 待ちに待ったシリーズ第4作。これぞ本格ミステリ。3位 辻村深月 『スロウハイツの神様』 講談社ノベルス 伏線がジワリと効いてくる辻村版「トキワ荘」 つづいてライトノベル。1位 誼阿古 『クレイジーフラミンゴの秋』 GA文庫 思い出しませんか。少女から大人へ、踏み出した一歩を描く、ノスタルジックな青春小説。2位 土橋真二郎 『扉の外』シリーズ 電撃文庫 生徒たちはこの管理された世界で、過酷なルールの下で生き延びることができるのか。ゲーム感覚でどうぞ。3位 友桐夏 『楽園ヴァイオリン』 コバルト文庫 あの特別な塾、運命のパーティーの夜、隣にいるのは誰?驚きをプレゼント。 後半の半年はほとんどライトノベルを読まなかったので、かなり少ない中からのBest3です。
2008.01.02
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みなさま、あけましておめでとうございます。 昨年お世話になった方々にまた今年もお世話になります。よろしくお願いいたします。 今年は、本をたくさん読むということはもちろんですが、読みたい本を確実に読んでいきたいと思います。それと、もう少しましな感想を書きたいなと。 あとは、更新頻度を上げたいですね。というか、基本的に毎日更新の体制に戻します。感想も読んだらすぐ書けるようにしたいと思います。 ちなみに今読んでいるのは山口雅也さんの『垂里冴子のお見合いと推理』です。和装が正月っぽいですが、お見合いの話です。
2008.01.01
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