日暮れて道遠し

Feb 9, 2013
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銘柄は「鷹長」「風の森」、地元酒も含め約500石のお蔵です

最寄駅は奈良県の御所駅
*御所市:都市名の由来は諸説あるが曖昧である。県内の市の中では人口が最少。
奈良盆地の西南端に位置し、西には大和葛城山、金剛山が聳え立ち、南は風の森峠を越えれば五條市となる。

御所駅を出ると味のある商店街があります
蔵見学の前にお昼ご飯に、カレーうどんが名物の「新地・入船」というお店へ入りました
カレーうどんも勿論ですが、チキンカツも、出し巻きも、親子丼もおいしくて安い
お店の方に油長酒造さんへの行き方も丁寧に教えて頂きました



専務取締役で13代目の山本氏にたっぷり時間を取って頂き、主に「風の森」に関してお話を伺いました
数値的な事やあまりに専門的な事はワタシが書く事ではないかなと思うので
日本酒ラブな身として、心に残ったキーワードを残しておきます

・蔵の個性を1番表現できるお酒
・ボリューム感の表現、タフな日本酒
・「無濾過無加水生酒」、原酒という言葉は使わない
・生酒に規定はあるが、無濾過の定義はない
・もろみの風味そのまますっぴん状態の酒
・微生物のメカニズムそのままに日本酒の進化を担当する蔵(蔵元各々担う役割が違ってよい)
・徹底して変な菌を入れない、臭い麹をださない(菌のコントロール)
・空気とふれさせない工夫(酸化を防ぐ)を徹底して行う
・酵母がピュアに作り出した香り、思う存分働ける環境造り
・もろみ日数を長く取りゆっくり発酵、味のりのいいお酒
・酵母は全部7号(普通酒用酵母)
・オフフレーバー、移り香を防ぐ(木、紙のフィルター、布etc)
・複合香
・地元の力
・しゃきっとした生酒を1年通して出荷するのが蔵としての役割
 →そこからの熟成云々は、自分達とは持ち場が違う

風の森のお米の種類は
秋津穂・露葉風・キヌヒカリ(奈良県産)、雄町(岡山県産)山田錦(兵庫県産)

・秋津穂(アキツホ・飯米)は溶けやすくリッチな味になりやすい
地元の契約農家で他の稲と混じらないよう特別な田んぼで隔離して栽培

・露葉風(ツユバカゼ・酒造好適米・白露×早生双葉)は奈良県内だけでの栽培(生まれは愛知)
稲の背も高く倒れやすく栽培も困難、でも県内各地の農家様の努力によって復活
心白が大きすぎて割れやすく吸水にばらつきもでたりと扱いずらいそうです



確かに写真を見ると露葉風の心白は大きいけどバラバラです
秋津穂は飯米と聞いていたので、お米をどこかで購入して
秋津穂のおにぎりと秋津穂のお酒で飲みたいと密かに野望を持っていたのですが
飯米としては秋津穂→キヌヒカリ→ヒノヒカリへと品種改良され秋津穂の飯米はないのでした

そして色々調べてもいまいちわからなかった「笊籬き取り(いかきとり)」の方法がわかってみんなすっきり
「笊籬き取り」は油長酒造さんの造語なのですが独自に研究を重ねた上槽方法
空気になるべく触れさせない(もろみの旨味そのまま、香味を損なわない)工夫と思いが詰まってます
毎年秋にしか出荷されないお酒、今年は意味がわかった上で味わいたい

さて、ここまでですでにたっぷり2時間近く、そろそろ蔵内へ向かいます



まずは井戸へ、深さ70~80メートルくらいから取っているそう
勝手に軟水のイメージがあったのですがかなりの硬水だそう
お水にはとても恵まれているそうで近所の方も汲みに来られるそうです、ウラヤマシイ



そしてキャップをつけて蔵内へ入ります、無駄なく、美しく、清潔で近代的な機器
蒸し機、放冷機、麹室(オフフレーバーを避けるため木ではありません)などを見学後屋上へ
少し寒い日でしたが、空に山に瓦屋根、景色が気持ちいいです(○で囲っているあたりが風の森)
そしてぴょこんと飛び出た建物からでているホースは米蔵から繋がっていて米を吸い上げているのでした



こちらのタンクでは「風の森」が醸されています
まさに「柄杓の直か汲み」でもろみも頂きました、フレッシュ、パンチ、ザクザク、ウンマイ、贅沢。
写真は、13代目の山本さんと、麹室担当の高橋さん



最後にまたお部屋へ戻り、3種類(鷹長しぼりたて、風の森の露葉風、雄町)を頂きました
専務が使っている日本酒の官能評価表を見ながら、色調や香りについてなど熱いお話が続きます
あ、専務はお酒を呑むと割とすぐに赤くなるタイプでした(笑、そして軍団メンバーは誰一人赤くならない)



気がつけば時間も17時、いい加減帰らないとね
本当に忙しい中、丁寧に対応頂いて感謝でした、記念撮影をして名残惜しくお別れしました

お水を汲んで、「はっ!お酒はどこで買うの!」と歩いていたオジサマに強引に声をかけ
酒屋さんの場所を聞き(油長酒造では販売はしてません)、各々好みのお酒を買い帰りました


蔵見学に行ったり、造りに携わっている方々にお話しを伺う機会があると
もっと日本酒を知りたい気持ち(+情報を伝えなくてはいけない)と
単純に日本酒がダイスキな呑み手でいたい気持ちとが混じって少し混乱します
・・・ま、結局呑んだら忘れるんですが

本当に楽しく貴重な1日でした、油長酒造の皆様ありがとうございました






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Last updated  Feb 10, 2013 11:30:25 PM
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