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岁岁青莲 Blooming Days第29話「仁愛から偏愛へ」駱青蓮(ラクセイレン)の息子・賀南昭(ガナンショウ)は清康(セイコウ)殿にいた。安堵する青蓮だったが、総管・于徳常(ウトクジョウ)は安(アン)王が愛孫に会えるのも最後かもしれないと涙ぐむ。その時、南昭はうとうとしている祖父に上奏文を読み聞かせていた。すると薬の時間になり、宦官が安王の薬湯を置いて下がる。南昭は祖父に薬を飲ませようとしたが、安王はもはや飲んでも治らないと拒否した。「南昭、私が治らなかったどうする?」「必ず治ります!これからまだまだ学問や狩りを習いたいのです!」その様子を青蓮が見ていた。「爺爺(イエイエ)、薬を飲めば必ず治ります!」安王は南昭の必死の訴えに心を動かされ薬を飲んだが、その時、青蓮の姿に気づいた。安王は幼いうちに両親を次々に亡くし、16歳で大将軍となって戦功を挙げた。そして安王に封じられ曲涼に赴き、40数年が過ぎてもその栄光は衰えていない。しかし両親の愛を知らぬ人生は寂しいものだった。「南昭を羨ましく思う…」すると安王は青蓮と話があると言って南昭を下げた。「爺爺のために祈りに行ってくれ」安王は自分の病が重いゆえ、駱青蓮に何か望みはないか聞いた。しかし青蓮はないという。「老三を安王にとは願わぬのか?」「願います…それ以上に安王の長寿を願っています」「私には子孫が多い、だが私を心配してくれる者は少ない」安王は青蓮が自分を避けていたのは、王位を奪いたくないからだと気づいていた。「この身も長くない、王位も代替わりせねば… 曲涼のため明主を見つけるのも親孝行であるぞ?」青蓮はあふれる涙を拭いながら、安王のためにも民を幸せにしなくてはならないと心に誓った。一方、南昭は祖父の回復を祈るため、わずかな側近だけで寺にいた。しかし太監が現れ、徳(トク)夫人が呼んでいると口実をつけて控えていた染雲(ゼンウン)を連れ出してしまう。すると御堂に血まみれの侍女が倒れ込んだ。「刺客がいます!」小公子を警護していた衛兵は剣を抜いて中庭へ飛び出したが、その時、侍女がふいに立ち上がり、隠し持っていた匕首で拝んでいる小公子の背中を刺してしまう。阮之湄(ゲンシビ)の計画が成功し、屋敷に麻袋に入れた南昭の亡骸が届いた。あとは八弟・賀連化(ガレンカ)の到着を待つだけとなったが、そこに突然、右長史・顧斯年(コシネン)が勅旨を持って現れる。実は袋の中に入っていたのは南昭ではなく、防護服を着ていた替え玉だった。安王はこの企てを察し、南昭をわざと参拝に行かせて先手を打った。替え玉の少年と背中に刺さった凶器が動かぬ証拠となり、阮之湄は直ちに清康殿へ連行されてしまう。一方、母に無事を知らせた南昭は王府の偏殿にしばらく留まるよう命じられた。しかし窓から侵入した何者かに連れ去られてしまう。安王は自ら老四夫妻を審問。自分の優柔不断が虎を育ててしまったと嘆き、賀連修を懲理(チョウリ)院に収監するよう命じた。「証拠が揃ったら日を選び…」「王爺!」その時、駱青蓮が現れた。青蓮は敬愛する祖父が叔父を殺したとなれば南昭が悲しむと反対し、かつて子を失う痛みを味わったが、なおさら我が子を殺める苦しみは計り知れないという。「王爺にも後悔させたくないのです」しかし阮之湄は安王を買いかぶり過ぎだと呆れた。「安王は後悔などしない! 安王は仁愛を掲げながら、その愛で他者をさらに苦しめるの!」阮之湄は誰も口に出せなかった安王の偏愛を指摘、それがかえって賀連儲(ガレンチョ)や南昭を不幸にしていると訴えた。「世子を決められないのは子息が才子ぞろいゆえですって?違うわ! ″己を越える者がいない″と思っているからよ!」阮之湄はこれまでの鬱憤を晴らすと叩頭、全て自分1人の罪だと賀連修をかばった。しかし安王は阮之湄の諫言を責めず、むしろ老四に少しでもこの胆力があれば賀連化のために手を汚すこともなかったという。賀連修は父王が全てお見通しだったと知り、号泣した。そこへ助けたはずの南昭が失踪したと急報が届き、安王はあまりの衝撃で倒れてしまう。一方、賀連信は先祖供養の祭祀で無事に大役を果たしていた。すると蘇南春(ソナンシュン)が慌てて飛び込んでくる。「公子!お戻りください!小公子が大変です!」阮之湄はひとまず収監されることになり、処分は後日に決まることになった。すると連行される愛妻を追って賀連修がやって来る。顧斯年は夫婦の最後の別れを見逃したが、阮之湄は人目もはばからず夫に抱きつき、気づかれないよう伝えた。「私が必ず罪から守ってみせます、まだ王位を継ぐ望みはあるわ」しかしその言葉を聞いた賀連修は落胆してしまう。「罪を負ったのは王位のためか…南昭の件は?君ではないのなら誰だ?」「権力争いとは関係ないのかも、1人います」阮之湄が予想した通り南昭を連れ去ったのは呂北逸(リョホクイツ)だった。賀元雪(ガゲンセツ)は食事を作りながら、納屋から漏れ聞こえる話し声に気づいた。どうやら呂北逸が誰かを拉致したらしい。その時、呂北逸は自分が南昭の両親の旧友だと明かしていた。しかし自分は善人ではないと脅す。南昭は男が王府で自分を殺さず連れ去ったことから、寺で襲ってきた刺客たちとは違うと分かった。実は聡明な南昭は刺客を放った黒幕が四叔父だと気づいている。「なぜか分からない、尊敬する四叔父がなぜ私を憎むのか」「功利のために人は必死になるものだ」呂北逸は南昭を立ち上がらせた。その時、南昭が肌身離さず持っている櫛を落としてしまう。「はっ…それは娘(ニャン)から?何か意味でも?」「旧友の持ち物だそうです、ある字を戒めにしろと…″義″です」呂北逸は武器庫の一件で駱青蓮が拉致された時、客桟で聞いた青蓮の言葉を思い出した。…この世は義理より利益を求める人が多い…「11年が経った、君にとって私は今もなお裏切り者なのか?(ボソッ」その時、庭から賀元雪の声が聞こえた。「北逸?薪をお願い!」呂北逸は仕方なく南昭を縛り上げて口を覆い、何食わぬ顔で賀元雪と昼食を共にした。すると賀元雪から遠回しに自分のために他の命を犠牲にするのは身勝手だと責められてしまう。「知っていたのか」安王は意識が戻ると駱青蓮を呼んだ。「確かに私は独りよがりで南昭を危険にさらした…私が間違っていた」安王は阮之湄に指摘された通りだと自責の念に駆られながら、今回は老四と阮之湄の仕業ではないという。「私もまだ甘い…他に誰がいる?」すると駱青蓮は賀家の血を引く南昭なら必ず無事に生還すると安心させた。賀元雪は納屋にいるのが三兄と駱青蓮の子だと気づいていた。「考えてみて、四哥が見返りに駱青蓮をくれたとしても、息子を殺したら許されないわ」「君は私があの子を殺すと?」一方、賀連信は急ぎ側近を連れて曲涼を目指し馬を駆けていた。しかし道中、四兄に従う賀連佐(ガレンサ)に足止めされてしまう。南昭は納屋に落ちていた陶器のかけらを見つけ、自分で縄を切った。しかしうっかり物音を立て、外へ出ようとしたところで呂北逸に捕まってしまう。「北逸っ!…南昭、逃げて!」賀元雪のおかげで南昭は自分をさらった男が″呂北逸″だと知り、逃げる必要がないと分かった。「物心ついた頃に娘が言った、私には味方が6人いると… 父親(フーチン)、母親(ムーチン)、爺爺、奇柔(キジュウ)娘、静容(セイヨウ)娘 そして面識がない呂北逸だ、父親以外では最も娘に優しい人だと聞いた」実は南昭が持っていたあの思い出の櫛の意味は、その情義を学ぶことだという。すると呂北逸がいきなり短剣を出して南昭に切り掛かった。安王の前では気丈に振る舞う駱青蓮だったが、独りになると涙があふれた。清康殿に官吏たちが駆けつける中、賀連修は静かにその時を待つ。果たして南昭の生死は…。つづく( ˙꒳˙ )お?阮之湄がここで退場?するとやはりラスボスはあの人ですか?
2024.11.26
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岁岁青莲 Blooming Days第28話「新たな世継ぎ候補」辺境の警備を命じられた賀連倚(ガレンイ)。東籬(トウリ)は倚公子への秘めた想いを賀連信(ガレンシン)と駱青蓮(ラクセイレン)に打ち明け、奴婢として賀連倚についていきたいと懇願した。「情に厚く、勇気にあふれ、見返りを求めない…あなたたちは同じね」賀連信は青蓮に決断を委ねると、青蓮は東籬のたっての願いを叶えた。世子が廃されて数ヶ月。賀連儲(ガレンチョ)を見限った安(アン)王は過去への執着を手放すかのように賀連信と駱青蓮の息子・賀南昭(ガナンショウ)を王府に呼び寄せ溺愛した。そんなある日、睿(エイ)郡王邸に南昭を迎えに来るよう知らせが来る。実は賀連信が息子を恋しがる青蓮のため、以前から父王に頼んでいた。「だが南昭が戻ると私が冷遇されそうだな…ふっ」一方で嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)が養育する賀時児(ガジジ)は父とめったに会えず、もはや顔も忘れそうだと嘆いた。そこで方懐蕊は時児を連れて且歌苑(ショカエン)を訪ねることにしたが、偶然、賀連信と駱青蓮が出かける姿を目撃、断念する。「今日はやめておきましょう」安王は両親が迎えにきてもなかなか南昭を離せなかった。そこへ思いがけない知らせが届く。賀連儲が自害を図り、賀連信と同腹の八子・賀連化(ガレンカ)のおかげで事なきを得たという。「廃された世子にも手を差し伸べるとは大したものだ、明日、老八を呼べ」青蓮は安王が今も賀連緒を思って心を痛めている姿に同情した。曲涼の主としてこの30数年、心を砕いて多くのものを犠牲にしてきた分、悲しみや失望も大きいのだろう。これほど英明な安王さえ、亡き王妃の忘形見のこととなるとお粗末な対応だった。青蓮はこれも子への愛ゆえなのだと理解できたが、そんな安王の心を傷つけているのが息子たちの権力争いだと思うとやるせない。すると賀連信はしみじみ王位継承への道は険しいと漏らした。賀連修(ガレンシュウ)は嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)から二兄が自害したと聞いた。「私が化公子に伝えて助けてもらったわ、忠実な官吏も手放した、化公子に仕えさせる」阮之湄は武器庫を失った賀連修に王位を継ぐ見込みはないと判断し、代わりに対抗する力があれど操りやすい賀連化に白羽の矢を立てたという。賀連修は妻から見放されたと悟り、妻の心にあるのは王位だけだと落胆した。それから11年後…。病が続いていた安王は清康(セイコウ)殿に閉じこもり、10日間も朝議を開かなかった。その日も兄弟と官吏たちは前庭に集まっていたが、門が開く様子はない。すると総管・于徳常(ウトクジョウ)が現れ、安王の勅命を口頭で伝えた。「王爺は病のため、信公子が先祖供養を代行するように…」この決定を聞いた徳夫人(トクフジン)は急いで謁見に向かったが、安王に追い返されてしまう。実はその時、奥殿には右長史・顧斯年(コシネン)がいた。安王は徳夫人が戦功を挙げた息子・賀連化に先祖供養を任せないことが不満だと分かっている。「私も意外に思いました、化公子の声望は高まり、大軍も握っていますから…」しかし顧斯年は安王が南昭のために世継ぎを選ぶつもりだと拝察した。恐らく誰もが同じように思っているだろう。安王の予想通り賀連修は10年も悪戦苦闘した挙句、子供に負けたと逆上していた。賀連化を担ぎ上げた阮之湄も困惑、まさか昭徳将軍止まりとは予想外だという。「でも私はあきらめない、まだ望みはあるはず…王爺の視線を遮る者を消せばいいのよ」賀連信は急ぎ慕天殊(ボテンシュ)に文を送り、駱青蓮に供養代行を任されたと報告した。先祖供養は王位継承の一歩手前、賀連信は待ちに待った機会を得られたという。青蓮は賀連信が子を頼って得た王位ではないことを知らしめるため、安王に認められたいのだと分かった。「王爺もお年を召された、でも頭は衰えていない、王爺なりの考えがあるのです」「そう言ってくれるのはお前だけだ」すると賀連信は自分の留守中、南昭を連れて王府に移るよう頼んだ。「父親の近くの方が安心だ」賀連信が予見した通り賀連化は曲涼へ向かった。すでに曲涼への道中に伏兵を置いていた慕天殊は賀連化が軍営を出たと報告を受け、直ちに阻止するよう伝令する。一方、駱青蓮は南昭を連れて王府に入った。徳夫人の侍女・秋実(シュウジツ)は青蓮夫人たちを寝殿まで案内する道すがら、南昭に作りたての菓子を勧める。青蓮は部屋に入ってから食べると断ったが、結局、秋実は持って帰ってしまう。「ふっ、どうやら徳夫人の気が変わったのね 南昭、持参したもの以外は決して口にしないで、いいわね」青蓮は何人もの手を経る食べ物を最も警戒していた。「匕首は持ってるわね、油断は禁物よ」安王が昼寝から目覚めると、駱青蓮が差し入れたお茶があった。青蓮は南昭を連れて挨拶に来たが、安王が寝ていると聞いて帰ったという。「近頃、青蓮に変わったことは?」「相変わらず落ち着いた様子です、ただ小公子から離れようとしません」徳夫人は風邪を理由に駱青蓮と孫の挨拶を断った。しかし青蓮は嫁として世話をしたいと生姜汁を差し入れる。徳夫人は受け取ったものの口をつけず、賀連信が王位に就けば青蓮が事実上の嫡妻だと嫌味を言った。「安王が老三を重用するのは優秀な孫のおかげだと今日、知ったわ 老八は日々、戦に明け暮れているのに、あんな子供に負けるなんて…」「夫人、考え過ぎです」青蓮は確かに賀連化こそ継承者に相応しいが、今は辺境にいるため賀連信が先祖供養を任されたに過ぎないと安心させた。徳夫人が懿(イ)夫人の元で育った賀連信より、朝暉(チョウキ)院で自分が育てた賀連化を溺愛するのも仕方がなかった。それにしても賀連信の重用が南昭のおかげと聞くや孫まで嫌うとは…。駱青蓮は帰りの道すがら、世事に疎い徳夫人がどこからそんな噂を聞いたのか訝しんでいた。「やはり青蓮夫人は″解語の花″ね」その時、思いがけず阮之湄が現れた。阮之湄は徳夫人がふさいでいると聞いて差し入れを持ってきたと話した。「徳夫人は化公子の王位継承を願っていたから…」「之湄夫人の率直さに感服します、ただ世継ぎ選びに女が口を挟むべきではない」「女なら誰しも夫の出世を願うもの、青蓮夫人も同じでしょう?」阮之湄は意味ありげに微笑んで先を急いだ。すると背後から青蓮の声が聞こえる。「本当に夫のためですか?自分の望みではないと言い切れると? では失礼します…」駱青蓮は自分と徳夫人の会話がすでに阮之湄の耳に入っていることに驚いた。しかも安王と自分しか知らない″解語の花″という言葉をどうやって聞いたのか。「勘が鋭く耳も早い、本当にやり手だわ」一方、阮之湄も駱青蓮を改めて手強い相手だと認識していた。あの様子からして南昭は厨房に忍び込んで毒を入れた菓子も食べていないのだろう。「手はずは整った?」「夫人、ご安心を…明日を待つだけです」その夜、賀連信は慕天殊からの密書を受け取った。…海瑶(カイヨウ)夫人を赦免してくださるなら、公子の王位継承に全力を尽くします…先祖供養当日、駱青蓮は南昭が刺客に襲われる悪夢を見て飛び起きた。嫌な予感がした青蓮は身支度もせず寝所を飛び出したが、南昭の部屋はもぬけの殻。何でも今朝、于総管が安王の命で南昭を連れて出かけたという。つづく∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!まさか総管?!
2024.11.25
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偷偷藏不住 Hidden Love第4話急用ができた桑延(サンイエン)の代わりに桑稚(サンジー)を学校まで迎えに行った段嘉許(ドワンジアシュー)。しかし正門に桑稚の姿はなく、守衛さんに探してもらったが、すでに教室には誰もいないと分かった。その頃、桑稚は同級生の殷真如(インジェンルー)に誘われ、買い物に出掛けていた。「時間がないから急ごう、迎えが来るの」「桑稚、あの路地に入ろう、ネットカフェに行ってみたくて」「でも先生があの辺は危険だって、やめようよ?」桑稚は引き返そうとしたが、殷真如は怒って独りで行ってしまう。一方、段嘉許は桑稚を探し回っていた。すると運良く足を怪我した女の子を見かけたという店主を見つける。「2人でその路地を入って行ったよ」殷真如を追いかけ、人通りのない路地へと入った桑稚。すると不良少女3人に脅されている殷真如を見つけた。殷真如はお金なら友だちが持っていると訴え、桑稚まで巻き込まれてしまう。少女たちは桑稚のクマの財布を取り上げ、他に金目のものがないと分かると2人を解放した。しかし明日の放課後も金を持ってこいと脅されてしまう。桑稚は親友がなぜ自分を買い物に誘ったのか分かった。「昨日、絡まれて…桑稚、ごめん、お金がなくて仕方なかったの」「傳正初(フージョンチュー)の誕生日会以来、私を無視してたよね?変だと思った」桑稚は家に帰ったら両親に全て話すべきだと訴え、独りで学校へ戻ることにした。「桑稚…許して」「ついてこないでっ!」桑稚の怒号を聞いた殷真如はそれ以上、引き止めることができなかった。桑稚は怒りと悲しみの中で必死に足を引きずりながら前に進んだ。「サンジー!」桑稚が顔を上げると、思いがけず通りの先に段嘉許の姿が見える。「どこにいた?!電話も出ないし…なぜ学校で待っていなかった?!」段嘉許は叱りながら歩いて来たが、今にも泣きそうな桑稚の表情を見て何かあったと気づく。「大丈夫だ、俺がいる」すると段嘉許は桑稚を抱きしめ、慰めた。〓第四篇 ~ひそかな想い~ 私の秘密〓段嘉許は桑稚が友だちのせいで不良に絡まれたと知った。「殴られたのか?!手に怪我してる!」「違うの、顔を叩いて私の財布を持って行っただけ、手は自分でぶつけたの でも明日も金を持って来いって…ジアシュー哥、私なら大丈夫」しかし段嘉許は何やら悶々とした様子だった。段嘉許は桑稚を励ますため、自転車を借りて少し遠回りしながら送ることにした。初めて通る道は街路樹が美しく、憧れの段嘉許と2人だけで過ごす時間が自然と桑稚に嫌なことを忘れさせてくれる。「卒業したら宜荷(イーホー)に帰るの?」「…考え中だ、南蕪(ナンウー)も好きだよ」こうして家まで段嘉許に送ってもらった桑稚。すると別れ際、段嘉許は桑稚が困らないようお金を渡してくれた。その夜、桑稚は段嘉許への淡い恋心に気づいた。…秘密ができた、あまり認めたくないけれど、私はあの人を好きになったみたい、段JiaXu…桑稚は自分の秘密を書いた紙を星型に折り、思い出の牛乳瓶に入れた。10月27日火曜日の絵日記あなたを好きになったみたいそんなある日、下校する桑稚の前に兄とルームメートを連れた段嘉許が現れた。すると桑延(サンイエン)は妹に不良がたむろしている路地まで案内させ、段嘉許たちと仕返しに行く。「妹から50元を奪って顔を叩いて脅したのか?」「確かに取ったけどそれだけよ!」「金額は関係ない、妹に手を出せば俺が許さない…カツアゲしてないでちゃんと勉強しろ!」桑延は妹の財布を取り戻し、無事に桑稚に返した。喜んだ桑稚は段嘉許に昨日のお金を返したが、2人が何やらコソコソ話している様子はまるで本当の兄妹に見える。11月11日水曜日の絵日記哥哥が言った、ジアシュー哥の方が私の本当の兄のようだって桑稚は確かに中学2年生の頃、段嘉許が本当の兄なら良かったと考えたことがあった。…彼はすごく心優しい人で、私が困っていたら必ず手を差し伸べてくれる、私も早く成長して優しくなりたい、彼のように誰かを温めてあげたいな…桑稚は段嘉許から受け取った電球を引き出しにしまったままだった。ある夜、桑地はふと思い出して電球を取り出し、器用に段嘉許が自分の頭を撫でている絵を描く。部屋の電球はまだ切れていなかったが、桑稚はそのライトに付け替えた。殷真如は結局、転校が決まった。他校の生徒から金銭を脅し取られる事案が続いていたが、殷真如の告発で加害者もすでに処分を受けたという。…桑稚、ごめん…最後に殷真如は桑稚に小さなメモだけ残し、去って行った。桑稚は成績優秀だったが、物理が苦手だった。桑栄(サンロン)と黎萍(リーピン)は娘の期末テストの成績を見て慌てたが、桑稚はむしろ赤点を取らなかったことに驚いている。「物理は嫌いだから授業を聞いていなくて、一夜漬けだったのに?おおお~ きっと今後の人生でも物理は必要ないはず…そうでしょう?」しかし桑栄は苦手科目を強化すべく、この冬休みは娘に物理の家庭教師をつけると決めた。桑稚の家庭教師は兄の桑延だった。しかし実の兄妹のため互いに遠慮がなく、結局、大げんかになってしまう。桑延は両親に別の家庭教師を探すよう訴えたが、桑栄と黎萍は娘が知らない男と2人きりになるのは心配だと反対した。桑稚はこれでしばらく物理から解放されると喜んだ。しかしその夜、母が新しい家庭教師を見つけたと報告する。「明日の朝10時に来るから、早く休みなさい」桑稚は絶望した。まさかこんなに早く代わりの家庭教師が見つかるとは…。桑稚は家を抜け出そうと思いついて着替えたが、夜が明けるのを待っているうち眠ってしまう。つづく(ˇ꒳ˇ *)そりゃ惚れてまうわな
2024.11.23
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岁岁青莲 Blooming Days第27話「謀反の証拠」何者かに連れ去られた駱青蓮(ラクセイレン)。桓(カン)州への道中で急報を聞いた賀連信(ガレンシン)は直ちに引き返したが、なかなか青蓮の消息はつかめなかった。その頃、青蓮は見知らぬ男に監禁されていた。男は自分と一夜を共にすれば命を助けると迫ったが、青蓮は賀連信が許さないと啖呵を切る。「鉄くずさえ見つけられないでいるのに、お前を探せると思うか? そもそも地図があってもこんな荒れ野の小屋を見つけるのは無理だ」「…地図、鉄くず?ふっ、分かった」すると青蓮はかんざしを抜いて自分の首に当てた。「近づいたら死ぬ!」驚いた男は慌てて離れたが、嫌でも腹が減って眠くなるだろうと冷笑した。東籬(トウリ)は責任を感じ、この2日間、飲まず食わずで主を探していた。すると賀連倚(ガレンイ)がふらふら歩いている東籬を見かけ、咄嗟に抱きかかえて回廊の椅子に座らせる。「少し休め」「私が無能なせいで小姐がこんなことに…」「それは違う」賀連倚は独りで歩いて戻って来た東籬の手が虫に刺されて傷だらけだと気づき、薬を塗てやった。その時、東籬は暴漢の手に珍しい形の虫刺されの跡があったことを思い出す。「ムカデのような赤い筋の後を残す虫は?」「そうだな、郊外の荒れ野に生息する虫だろう…はっ!」阮之湄(ゲンシビ)は配下に駱青蓮の始末を命じていた。しかし配下が小屋に駆けつけた時、ちょうど賀連信と賀連倚が乗り込んで来る。青蓮はすっかり憔悴して眠っていた。それでも自分の身を守ろうと無意識にかんざしを何度も突き立てたのか、首に無数の小さな刺し傷がある。賀連信は思わず剣を握りしめたが、生き証人である男2人を成敗することはできなかった。賀連信たちは桓州に到着、駱青蓮を静養させながら捜査を開始した。駱青蓮を拉致した男たちはなかなか口を割らなかったが、賀連信は賀連修(ガレンシュウ)の配下だと分かっている。こんな手を使うとはよほど窮しているのか、恐らく桓州と何か関係があるのだろう。すると床を離れた青蓮が顔を出した。「修公子の桓州での企みが分かりました、武器庫です」賀連修が駱青蓮を拉致したのは地図を取り戻すためだった。青蓮は監禁した男の話から例の地図が桓州における鉄鉱石の分布図だと気づいたという。「謀反の証拠となります」一方、青蓮の危機を知った呂北逸(リョホクイツ)も荒れ野へ駆けつけていた。しかし小屋はもぬけの殻、そこで賀連信たちを追って桓州へ到着する。すると偶然にも客桟から出て来た東籬を見かけた。呂北逸は客桟の回廊で話し込んでいる駱青蓮と賀連信を見つけた。どうやらすでに武器庫の件がばれてしまったらしい。賀連信は呂北逸の助けがなければ賀連修が武器庫を作れなかったと分かっていた。「誰に仕えるかは呂北逸が選ぶことだ、それは構わぬ だがお前の生死まで気にかけぬようになるとはな」「この世は義理より利益を求める人が多い…」呂北逸は一刻も早く手を打たねばならず、そこで帰ってしまう。しかし青蓮の話には続きがあった。「でも逸哥哥は違う、修公子に利用されたのでは?」やがて伝令兵が駆けつけた。賀連倚が武器庫を発見したという。賀連倚は武器庫をあっという間に制圧、大量の武器と多額の銀子を発見した。それ以外にひとつだけ錠のかかった箱があり、賀連信たちを呼んでから一緒に開けることにする。駱青蓮も同行したが、武器庫を制圧する時間があまりにも短いと怪しんだ。「修公子にとって命綱である武器庫なのに…」しかし賀連倚は問題にせず、錠を破壊して箱を開けてしまう。すると驚いたことに偽の安王印と安王討伐を訴える檄文が出てきた。「四哥、何と大それたことを…(はっ)違う、世子だ!」実は檄文の最後にある印章は賀連儲(ガレンチョ)のものだった。呂北逸はわざと武器庫を開け渡し、世子に罪をなすりつけた。世子が罰を受ける時は必ず報告者も罰するのが慣例。賀連信は追い詰められた賀連修が相討ちを仕掛けたと分かった。「ふっ、私の負けか…」その時、睿(エイ)郡王を敬愛する衛兵たちが自害して証拠を見なかったことにすると嘆願した。賀連信は自分のために生きて欲しいと訴え、何があっても戦うと安心させる。しかしそれが気休めでしかないことを青蓮も賀連倚も知っていた。賀連信一行は捜査を終えて曲涼(キョクリョウ)へ戻った。すでに民の間にも謀反の噂が流れ、恐らく父王の耳にも届いているのだろう。賀連信は別れ際、まもなく子供が生まれる賀連倚にお守りの長命鎖を渡した。「三哥は災いを免れまい、お前が父親になる姿は拝めないな」「ここでお別れです…兄弟の中で大切なのは三哥だけだった」すると賀連信は蘇南春(ソナンシュン)を賀連倚の屋敷へ向かわせ、外に出さないよう命じた。駱青蓮は賀連信の身支度を整えると、東籬に箱を持ってくるよう命じた。しかし東籬は困惑、口ごもってしまう。そこへ蘇南春が慌てて戻ってきた。「公子!倚公子は帰宅せずに王府へ行きました!」東籬はその場にひざまずき、実は安王印と檄文を入れた箱は賀連倚が持っていると明かす。実は東籬は桓州の客桟で公子たちの荷物をまとめている時、偶然、賀連倚が寝台に隠しておいた安王印を見つけた。東籬は倚公子が信公子の身代わりになるつもりだと気づいて反対したが、賀連倚は義のために犠牲になる精神を分かって欲しいという。『友である君なら理解してくれるはずだ』七弟の真意を知った賀連信はすぐ王府へ向かうことにした。すると駱青蓮がひざまずき、七弟の策に乗るべきだと進言する。「さもないと公子が罰を受け、倚公子も欺君の罪になってしまいます 倚公子の善意が無駄に…」一方、安王は老七が持ち帰った謀反の証拠に怒り心頭だった。しかし任務を任せた老三がいないことを訝しむ。賀連倚は自分が証拠を見つけたが、事が重大なだけに口外できなかったと釈明した。「三哥は何もご存知ありません」そこで安王はすぐ睿郡王を呼べと命じた。安王は賀連信に安王印と檄文を渡し、見覚えがないか確認した。すると賀連信は見たことがないと答えたが、実は噂には聞いていたという。「探しましたが見つかりませんでした、まさかここで見ることになるとは… 世子が謀反を起こすことはあり得ない、恐らく七弟の早合点でしょう」安王は賀連信が兄をかばっていると気づき、それ以上は追及しなかった。これまで多くの罪を犯してきた世子・賀連儲。しかしこれが最後の罪になった。安王は亡き王妃の忘形見への愛情に変わりはなかったが、世子としての期待を全て消し去ってしまう。結局、賀連儲は再び世子を廃され、懲理院に永久幽閉を命じられた。また賀連倚は本人の希望により、辺境の防御を任される。賀連信は四弟への恨みを募らせ、曲涼のためにも必ず賀連修の悪行を暴いてみせると誓った。賀連信が屋敷へ戻った。賀連倚が辺境へ行くと聞いた駱青蓮は任務も赴任への旅も辛いものだと胸を痛めたが、その時、急に東籬がひざまずいて嘆願する。「公子、小姐…私は倚公子についていきます」つづく( ๑≧ꇴ≦)世子wwwwww
2024.11.23
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岁岁青莲 Blooming Days第26話「蓮灯の誓い」漣微居(レンビキョ)に戻った李塘(リトウ)。侍女たちは裏切り者に辛辣だったが、駱青蓮(ラクセイレン)が事情を明かしてくれた。実は李塘は静姝(セイシュ)館へ送り込んだ間者だったという。「あなたは私のために力を尽くしてくれた、身内も同然よ 辛かったでしょう?申し訳なかったわ」こうして誤解が解け、李塘は再び仲間たちに暖かく迎え入れられた。李塘は酒瓶が入った化粧箱を取り戻していた。実は底に地図が隠してあったという。南如珍(ナンジョチン)はこれが阮之湄(ゲンシビ)の弱みだと話していた。どうやら賀連修(ガレンシュウ)にとって大事な物のようだが、駱青蓮には地図が何を示しているのか分からない。「曲涼(キョクリョウ)城内でもない、村落でもない…どこかしら?」そんな中、睿(エイ)郡王邸に南如珍が死んだと知らせが入った。お腹の子を殺されて4年、駱青蓮は意外な形で敵討ちを果たした。しかし南如珍がどんなに苦しもうと自分の子が生き返るわけではなく、喜びより虚しさに襲われてしまう。南如珍の死で駱青蓮は栄華と人心の移ろいやすさを悟った。恐らく手に入れた賀連修の地図も諸悪の根源に違いない。曲涼の民の血税をこっそり吸い取り、賀雲朔(ガウンサク)や良吏(リョウリ)の政への心血をも吸い取ってしまう、言わば野心を満たすだけが目的の地図なのだ。その夜、駱青蓮は賀連信(ガレンシン)を未晞(ミキ)池に呼び出し、全てを明かした。「私には許しがたい罪があります、どうか処罰を…実は他者の手を借りて敵を討ちました」青蓮は子を失った日から真相究明に必死だった。今回も南如珍が賀連修の手先だと知り、李塘の裏切りを仕組んで証拠集めに行かせたという。しかし賀連信が何より傷ついたのは、青蓮が屋敷に戻るため、正気を失った芝居で自分の同情を買ったことだった。「公子が知っている駱青蓮は確かに善良で素直で率直、度量が広い… でもその駱青蓮は王府に入る前に死んだのです」「1つだけ聞く、私は復讐の道具でしかなかったのか?」「違うと言ったら信じてくれますか?」「…そうだな、信じられぬ」すると賀連信は帰ってしまう。許寄柔(キョキジュウ)はなぜ駱青蓮が己を悪者にするのか分からなかった。賀連信も女たちの戦いを重々、承知しているだろう。しかし駱青蓮は賀連信が愛したのが本当の自分ではないことが辛かった。「公子の理想の駱青蓮は幻影なの、幻影は苦しい、誰かを愛すると心が苦しくなる」郊外でひっそり暮らしていた呂北逸(リョホクイツ)の屋敷に賀連信が現れた。賀連信は最愛の人が嘘をついていたと知り、率直に明かされても今さら信じられないという。すると呂北逸は昔話を始めた。呂北逸が父から罰としてひざまずかされた時、青蓮が自分の家からこっそり食事を差し入れに来てくれたという。しかし青蓮の身体にあざがあることに気づいた。聞けば家から抜け出したせいで母親に叱られ叩かれたという。呂北逸は口実をつけて出かければ済むと呆れたが、青蓮は嘘が嫌だと言った。「嘘をつかぬのは1人で責任を取るため、しかし今は? 青蓮はあなたを失うのを恐れたのです だから青蓮は己を変える必要があった、純粋なままでは生き残れぬから… 青蓮が自分から嘘を打ち明けたのは本当の自分を愛して欲しいからです、幻想ではなく」その夜、駱青蓮は賀連信に呼ばれて未晞池に駆けつけた。すると池には蓮灯が浮かんでいる。「これは誰の蓮灯だと思う?」「…私です」「そうだ、これは別院で芝居をしていたお前、あれは策略を巡らすお前 これは初めて会った頃の私だ…」賀連信は全てを水に流し、やり直そうと言った。青蓮の長所だけでなく短所を知ってもなお離れられないのが本当の愛だという。「駱青蓮は蓮灯に誓います、公子には今後、真心のみ捧げると…」「賀連信は一生、疑わぬと誓おう」駱青蓮は李塘が事情を知らない使用人たちに白い目で見られていることを心配していた。そこで賀連信は折よく欠員が出た曲陰県に李塘を移すことにする。実は昨今、死刑囚が民を買収して身代わりにするという事件が頻発していた。しかし黒幕がつかめず、不正な金は桓(カン)州に集まっているという。賀連信は賀連倚と調査に出かけることになり、李塘を一緒に連れて行くことにした。駱青蓮は郊外まで賀連信たちの見送りに出た。李塘は主への大恩に報いる前に離れることが心苦しかったが、青蓮は功を成すことこそ恩返しになると励ます。「古傷があるから冷えには気をつけて…それから… 衣は用意したけれど、冬になったら綿入れを送るから」すると李塘はその場で叩頭し、出発した。「…私にも何かくどくど言ってくれ」賀連信は青蓮が弟のように李塘を心配する様子を羨やみ、七弟や蘇南春の失笑を買ってしまう。「笑うな!…行くぞ!」しかし青蓮と東籬(トウリ)は帰りの道すがら何者かに薬を嗅がされ、東籬が眠っている間に青蓮だけ連れ去られてしまう。賀連修たちが道端で休憩していると、早馬が追いついた。「公子、青蓮夫人が大変です!」一方、三兄の桓州行きを知った賀連修は慌てて配下に地図を奪うよう命じていた。しかし漣微居を探したが見つからず、配下は駱青蓮から聞き出すため拉致したと報告する。「愚か者!相手は駱青蓮だぞ?おまえごときに勝てるとでも?!」そこへ夫の下策を知った阮之湄がやって来た。賀連修は呂北逸の助けで桓州に築いてきたものが三兄に暴かれてしまうと釈明したが、阮之湄はかえって窮地になったと呆れてしまう。「駱青蓮を捕えれば三兄は命懸けで救うわ!…こうなったら殺して手を打つしか」いよいよ追い詰められた賀連修。あの地図のため妹を害し、手飼いの南如珍を切ったが、もはやこれまでなのか。そこへ呂北逸が現れた。「手を汚さず相打ちにすべきかと」「駄目だ、武器庫は私の命綱」しかし阮之湄は完敗するくらいなら差し違えようと言った。つづく( ̄▽ ̄;)男主と女主の大事なシーンなのに早送りしたい…なんてこれっぽちも思っていませんよ、え?|ω・`)
2024.11.21
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岁岁青莲 Blooming Days第25話「兄の敵」駱青蓮(ラクセイレン)の尽力で無事に男児を出産した南如珍(ナンジョチン)。賀連信(ガレンシン)は青蓮の寛容さに感心しきりだったが、嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)は子を殺された駱青蓮が南如珍を助けるとは到底、信じられなかった。「きっと何か別の狙いがあるはず…」その夜、賀連信は静姝(セイシュ)館で息子の昀(イン)をあやしていた。南如珍の話では医官から難産で生まれたため喘息の疑いがあると言われたが、香り袋があって幸いだったという。するとの駱青蓮の侍女・織月(ショクゲツ)が慌てて駆けつけた。「公子、大変です!漣微居(レンビキョ)に刺客が!」賀連信は慌てて漣微居に駆けつけたが、青蓮は無事だった。捕らわれた刺客は意外にも女だった。実はその女は駱青蓮の腹を刺した例の書生。趙清雲(チョウセイウン)は敵討ちのため男装し、亡き兄が一夜を共にした女の香りを探していた。そうとは知らずあの夜、駱青蓮が南如珍の香りをつけた手巾を見せたことから、趙清雲はてっきり兄の敵だと誤解し、腹を刺してしまう。しかし駱青蓮は長命鎖のおかげで無事だった。趙清雲は事情を明かし、目的があるなら協力したいと申し出る。『今生で兄の敵を討てなければ生きている意味などないわ』『なら睿(エイ)郡王邸に刺客として忍び込める?』…趙清雲は親を早くに亡くし、兄の趙清則(チョウセイソク)に育てられたすると半年前、夜半になって腹を刺された兄が命からがら帰って来たという出血がひどく手遅れだったが、趙清則は最後の力を振り絞り、何があったのか話してくれた趙清則は帰り道で路地を通った時、誰かに頭を殴られて気を失った気がつくとどこかの屋敷に運ばれ、何も見えない中で淫らな女に誘惑されたという結局、趙清則はその女と関係を持ったそれで終わると思ったが、非情にも解放された趙清則はいきなり刺されてしまう趙清則は死んだふりをして暴漢たちが消えるのを待ち、何とか家までたどり着いたそして妹に全てを明かして力尽き、絶命してしまう…趙清雲は駱青蓮に話したことをそのまま賀連信に伝えた。実は兄の身体には誘惑した女の香りが染みつき、その香りを手がかりに敵を討とうと誓ったという。「どの店でも見つからなかった、でも今日、大街にいたこの女から同じ匂いがした!」賀連信は驚いたが、ふと青蓮の香りがいつもと違うことに気づく。すると東籬(トウリ)が今日は愛用する沁宜(シンギ)香を切らし、確かに別の香りを借りたと伝えた。「確か名前は百…百ほにゃらら~?」「百悦香か…」賀連信はそれが南如珍の香りだと知っていた。「蘇南春(ソナンシュン)、直ちに妻妾たちを驚秋(キョウシュウ)院に集めろ」南如珍が子種をもらって出産、賀昀は賀連信の子ではないと分かった。焦った南如珍は誤解だと訴えたが、白黒つけるため滴血法を試すことが決まる。侍女・綺眉(キビ)は静姝館から小公子を連れて来たが、南如珍は我が子を抱きしめ、小さな身体に針を刺したくないと拒んだ。するとそれまで冷ややかに見ていた駱青蓮が立ち上がり、この難関を乗り越えれば誰にも後ろ指を差されずに済むと説得する。南如珍はようやく子供を駱青蓮に渡したが、その時、急に賀昀の様子がおかしくなり、喘息を鎮める香り袋がないことから急死してしまう。南如珍は息子の死を嘆き悲しんだ。賀連信はこれ以上、南如珍を追及できなくなり、滴血法も中止してしまう。「駱青蓮!私の子に何をしたの?!」この不幸に乗じて南如珍は駱青蓮に子殺しの罪をなすりつけようとした。しかしそこへ李塘(リトウ)が駆けつける。「私は今、如珍夫人の侍従です…真相をお話しいたします 如珍夫人にとって寵愛を取り戻す一番の近道は懐妊でした」実は李塘は綺眉から真相を全て聞き出していた。…南如珍は懐妊を期待するも公子の渡りがなく、そこで教養ある美丈夫を使用人に探させたその夜、戸口に見張りを立て、催淫香を焚いた部屋に男を連れ込んだという男は催淫香とは知らず南如珍と関係を持ち、口封じに殺されたその男の名は趙清則…李塘の証言と趙清雲の告発は合致した。言い逃れできなくなった南如珍はこれも愛する賀連信のそばにいるためだったと情に訴える。すると天罰の如く激しい雷鳴がとどろいた。綺眉は恐ろしくなり、確かに全て南如珍の指示だったと認めてしまう。逆上した賀連信は思わず南如珍の首をつかみ、すぐさま引っ張り出して打ち殺せと命じた。しかし思いがけず駱青蓮が命だけは助けて欲しいと嘆願する。「共に公子にお仕えしてきました、何より安(アン)王のお耳に入れば責められるかと…」その頃、賀連修(ガレンシュウ)は地図を取り戻せず、やきもきしていた。「南如珍は一向に動こうとせず、跡継ぎまで産んだ、今後はもっと強気に出るやも…」しかし阮之湄(ゲンシビ)は駱青蓮と戦うために南如珍には自分たちの力が必要だという。すると侍女が駆けつけ、南如珍が庶人に落とされ、屋敷を追放されたと報告した。身一つで追い出された南如珍は行く当てもなく、店の軒下で雨宿りしていた。そこへ阮之湄が現れる。「夫人!夫人だけは私を見捨てないと信じていました!」「私が送り込んだせいでこんな惨めな思いをさせてしまったわ、それで酒瓶の箱は?」「それが…駱青蓮の手にあります、でもご安心を、地図を見ました、私が描きます!」「地図を見たの?」すると阮之湄は侍女に目配せして引き上げることにした。「夫人?…どちらへ?!」焦った南如珍は追いかけようとしたが、使用人たちに捕まって裏道に連れ込まれてしまう。翌朝、李塘が化粧箱を持って漣微居に現れた。ちょうど裏庭にいた侍女たちは裏切り者を追い出そうとしたが、そこへ駱青蓮が現れる。「やめなさい」つづく(´-ω-`)やっぱり李塘は間者だったのか
2024.11.20
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岁岁青莲 Blooming Days第24話「世継ぎ誕生」南如珍(ナンジョチン)より先に懐妊していたことが公となった駱青蓮(ラクセイレン)。すっかり騙されていた賀連信(ガレンシン)は青蓮が腰布を巻いて4ヶ月も隠していたと知り、呆れるばかりだった。そんなある日、姉の懐妊を知った駱水蘭(ラクスイラン)が数年ぶりに漣微居(レンビキョ)に現れる。青蓮は疎遠になっていた妹との再会を喜んだが、早々に水蘭がまた問題を起こした。翌朝、中院を掃除していた侍従・李塘(リトウ)はうっかり植木鉢を落として土をこぼした。すぐにほうきで掃いていたが、駱水蘭が来たことに気づかず、うっかり履き物に土をかけてしまう。水蘭は無礼だと声を荒らげ、騒ぎに気づいた駱青蓮がやって来た。「姐姐!姐姐は使用人を大事にするけれど、この李塘は自分が悪いのに口答えしたわ! いつかきっと姐姐にも反抗するようになる!」青蓮は前回の教訓もあって妹の肩を持ち、罰として李塘にひざまずいて反省するよう命じた。一方、南如珍は駱青蓮からどうやって化粧箱を取り返せばいいのか考えあぐねていた。こんな時に役にたつ側近も静姝(セイシュ)館にはいない。すると人材探しを任せていた使用人・宋大斉(ソウタイセイ)がやって来た。「これ以上ない人物が見つかりました」それは漣微居の李塘だった。数日前、李塘は駱水蘭に口答えし、罰として一晩もひざまずいていた。元来、駱水蘭と李塘は相性が悪かったが、今回は青蓮夫人が妹に味方したという。宋大斉はこの機に李塘を酒に誘って酔わせ、話を聞き出していた。「青蓮夫人の悪口をぶちまけていました、主を見る目がなかったと…」南如珍はともかく宋大斉に賂を渡し、折を見て李塘を連れてくるよう頼んだ。宋大斉が静姝館に李塘を連れてきた。しかし噂通り硬骨漢で情義に厚く、一筋縄ではいかない。そこで南如珍は密かに手に入れた李塘の詩を示し、その野心を利用した。「使用人が思いがけず推挙される例はある、埋もれたまま終わるか頭角を表すかはあなた次第」南如珍はある仕事を頼み、成功すれば半年のうちに官職に就けると懐柔した。駱青蓮は李塘が静姝館に出入りしていると知っても、決して裏切らないと信じ静観していた。そんなある日、李塘が駱青蓮の化粧箱をこっそり盗み出して南如珍に渡してしまう。南如珍は任務を完了して安堵したが、箱の中に入っていたのは酒瓶だった。大した成果もなくまだ李塘を信用する気になれない南如珍。「今日は帰って」その時、席を立とうとした南如珍はうっかり裳裾を踏んで転びそうになった。すると咄嗟に李塘が抱き止めてくれる。南如珍は駱青蓮の敵である自分を助けてくれたことに驚き、李塘を疑い過ぎたと反省した。侍女の織月(ショクゲツ)は李塘の裏切りを目撃、主に報告した。漣微居に戻った李塘は待ち構えていた主の前でひざまずき、確かに南如珍にそそのかされたと訴える。「自分の間違いに気づきました、どうかやり直す機会を…」「私を恨んでいるのね、私の宝物を敵に渡すなんて!その身勝手な足をへし折ってやる!」すると李塘はこれまでの鬱憤が爆発した。「駱青蓮!自業自得だ!使用人を大事にしないからだぞ!」「打!」「待って」その声は南如珍だった。南如珍は率直に李塘を静姝館で引き取りたいと申し出た。そこで李塘が持ち出した物だと包みを広げて見せる。包みの中には大量の薬材が入っていた。「李塘は忠実で、青蓮夫人が飲む薬と私の安胎薬の種類を比べていたのです」「生薬ではないわ」「違うの?そんなに激怒するなんてよほど大事なものなのね? もしや青蓮夫人と誰かの誓いの品だったとか?…ふふ」青蓮は弱みを突かれて何も言えず、李塘が静姝館へ移ることを認めるしかなかった。駱青蓮が産気づいた。月数は足りていたが早産となり、賀連信は気がきでない。漣微居に妻妾たちが集まる中、麒麟の子の誕生を楽しみにしていた安(アン)王も駆けつけた。すると日も暮れた頃、激しい雷鳴がとどろくと同時に寝所から産声が聞こえてくる。「王爺、公子、おめでとうございます、元気な小公子ですよ」乳母は産まれたばかりの赤子を安王に渡した。喜んだ安王は愛孫に″南昭(ナンショウ)″と名付け、3歳になったら王府で自分が面倒を見たいという。「そなたの屋敷で側室に空きがあると聞いた、青蓮をその地位に…」南如珍は駱青蓮の厚遇に激しく嫉妬し、焦燥感が募った。そこで酒瓶を調べてみたが阮之湄(ゲンシビ)の狙いは分からず、思わず化粧箱に八つ当たりしてしまう。すると放り投げた化粧箱のからくりが外れ、底から地図が出てきた。「狙いの物はこれだったのね?」そこへちょうど駱青蓮の出産祝いを届けに李塘がやって来た。「ふん、得意がればいいわ、幸せが永遠に続くはずない」南如珍のお産が始まった。知らせを聞いた賀連信はすぐ駆けつけたが、南如珍は難産で激しい腹痛に襲われ、産婆まで倒れてしまったという。医官はもはや運に任せるしかないと言った。すると思いがけず駱青蓮が現れる。「外は寒いのになぜ来た?」賀連信は産後間もない青蓮を心配して寝宮で待つよう伝えていたが、青蓮は自らお産を手伝うと申し出た。駱青蓮の助力により南如珍は無事に男児を産んだ。しかし青蓮は無理をしたせいか疲れ果てて倒れてしまう。青蓮が漣微居で目を覚ますと沈静容(シンセイヨウ)がいた。賀連信は南如珍そっちのけで青蓮を送り届け、そのまましばらく付き添っていたという。「でもあなたの行動には驚いたわ」「どうしても産んでもらう必要があったの」南如珍の赤子の顔を見た青蓮は十中八九、自分たちの推察通りだと言った。賀連信は回復した駱青蓮を連れて庭園を散策した。「てっきり南如珍を恨んでいるかと…どうやら杞憂だったな 私の丫头(ヤートウ)は天下で一番、優しくて心の広い女子だ」青蓮は賀連信から称賛され、かえって後ろめたさに苛まれてしまう。「私は…私は…」しかしその時、蘇南春(ソナンシュン)が駆けつけ、話が途切れた。「公子!王爺がお呼びです」「分かった、では行ってくる」つづく( ˶´꒳`˵ )わんいえ、すごく嬉しそう~
2024.11.19
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岁岁青莲 Blooming Days第23話「佳人の残り香」賀連信(ガレンシン)は四弟・賀連修(ガレンシュウ)を見つけるなり胸ぐらをつかんだ。「なぜだ?なぜ妹妹にまで手をかけた!」良医署の毒薬が減っていたことから、医官たちは郡主が盗んだのだと推察した。しかし賀連信は元雪に毒を手に入れる術などないと知っている。「お前が昨夜、良医署に行った後、元雪を訪ねた 元雪にもしものことがあれば父親は私を厳罰に処すからな、それが狙いなのだろう?!」「私が毒殺したと?!私の妹妹でもあるんですよっ?!」「確かに証拠はない、だが天は知っている、お前は爵位を継ぐため良心まで失った 天は見ている、お前は曲涼(キョクリョウ)の主になれぬだろう」呂北逸(リョホクイツ)の治療で賀元雪は一命を取り留めた。報告を聞いた安(アン)王はようやく娘の様子を見に行ったが、元雪はうなされながら呂北逸の名を呼んでしまう。「呂北逸…他の人に嫁ぎたくない…」安王は元雪の想い人が呂北逸だと知り、老三と呂北逸を呼んだ。賀連信は妹の警護が甘かったと認めて罰を請うた。しかし咄嗟に引き返して妹の命を救ったことから、安王は相殺により賞罰なしだという。呂北逸もまた賀元雪の命を救った功が認められたが、安王はあまりに罪が大き過ぎると言った。「お前は輿入れに乱入し、賀家の面目を潰し、郡主の名節も汚した」すると安王は弔いの酒だと言って呂北逸に杯を差し出す。賀連信は慌てて止めようとしたが、その時、賀元雪の声が聞こえた。「飲まないで!」一方、蘇南春(ソナンシュン)から報告を聞いた駱青蓮(ラクセイレン)は馬を駆けて王府へ向かっていた。賀元雪は呂北逸の命だけは助けて欲しいと嘆願した。どちらにせよ愛する人以外に嫁ぐつもりはなく、父王がどんな婿を選ぼうと決意は変わらないという。安王は娘の思わぬ反発に深く失望し、怒りに任せて呂北逸に毒酒を賜った。「王爺!お待ちください」すると駱青蓮が現れた。青蓮は安王から″死を免じる″という約束の証しとして賜った亡き王妃の玉笛をかかげる。「これを呂北逸に譲ります、譲渡禁止とはおっしゃいませんでした 私はただ王爺に決断の後悔を残して欲しくないのです」結局、安王は父親としての情にほだされ、賀元雪の望み通り王府を出ることを許した。しかしこれからはもう父娘ではないという。「父親…」「父と呼ぶな、天下は広い、どこへでも行け」安王は駱青蓮から玉笛を受け取ると、正殿を出て行ってしまう。賀連信は妹と一緒に正門を出た。すると馬車の前で呂北逸と駱青蓮が待っている。呂北逸は自分を愛してくれる賀元雪を受け入れると決めたが、あばら家で質素な生活になると念を押した。「今は何もしてあげられない、情や名分も与えられないが、本当にいいのか?」「その答えは私が服毒した時に出ていたはず」「はお」その様子を遠目から賀連修が見ていた。賀元雪は別れ際、兄嫁に酒瓶の入った化粧箱を渡した。「先日、一夜を共にした女子を探し回っている書生を見かけたの 一途なのは私だけじゃない、愛に苦しむ人は他にもいる 呂北逸に比べたら私は幸運ね、二度と会えないと思ったけれど、これからはそばにいられる だから本来の持ち主にこれを返します」賀元雪は呂北逸の深い愛情を得ることができた駱青蓮を幸せだと言った。賀連修の地図を隠した化粧箱は駱青蓮の手に渡った。こうなると頼りになるのは南如珍(ナンジョチン)だけ。しかし賀連修は麒麟の子を宿した南如珍が今さら自分たちに従うとは思えない。そこでその夜、嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は自ら静姝(セイシュ)館に赴いた。駱青蓮は就寝前の安胎薬を飲んでいた。すると侍従の李塘(リトウ)が駆けつけ、之湄夫人が侍女を使わず自ら南如珍に会いに来たと報告する。「まさか脅しに来たとか?」青蓮は彤冊(トウサツ)を詳しく調べた許寄柔(キョキジュウ)の話を思い出した。…記録を改ざんした跡があったわ…その謎を解いてくれたのは今日の賀元雪の話だった。…書生は香粉の店を回っていたわ、その女子の顔は覚えていないけれど、独特な幽蘭(ユウラン)の香りが漂っていたとか…「東籬(トウリ)、南如珍の愛用の香を知っている?」「もちろん、幽蘭から作られた香粉・百悦(ヒャクエツ)香です」駱青蓮は早速、内務房から百悦香を取り寄せた。阮之湄は南如珍に化粧箱を取り返すよう命じて帰って行った。未だ他人に操られることに我慢ならない南如珍。そこで徐良川(ジョリョウセン)に例の書生を始末してくるよう指示したが、思いがけず邪魔が入った。徐良川は裏道の暗がりで書生に襲いかかった。しかし黒装束で顔を隠した東籬と李塘が邪魔して書生を連れ去ってしまう。徐良川は退散する途中、書生が女と会っているのを目撃し、急いで静姝館に戻った。遠目からでは書生と話していた女が誰か分からなかったが、姿形は青蓮夫人に似ていたという。「実はその女は書生に刺され、深手を負いました」南如珍は漣微居に乗り込み、邪魔をする侍女を引っ叩いて駱青蓮の寝所に入った。青蓮はすでに寝台に横になっていたが、南如珍の姿に驚いて慌てて腹を隠す。「使用人が姐姐と書生が密会していたと言うんです 別れ話のもつれか、書生は姐姐の腹を匕首で刺したとか」南如珍は青蓮の腹が大きいのは傷あての綿紗を巻いているせいだと誤解し、いきなり寝衣をめくってしまう。すると確かに青蓮の腹は大きかったが、それは懐妊しているからだった。駱青蓮は書生から証言を得るため百悦香の手巾を見せた。すると書生は駱青蓮が一夜を共にした女子だと誤解、いきなり匕首で青蓮の腹を刺してしまう。しかし匕首はちょうど腹帯に入れていた長命鎖に当たっていた。こうして図らずも公になった駱青蓮の懐妊。そこへ久しぶりに妹の水蘭(スイラン)が訪ねてきた。「以前のことは私が悪かったわ、許して」「本宅に戻ってから何度、招いても来てくれなかったわ 妹を遠ざけた私を許せと言うの?」「姐姐が誰よりも私を可愛がってくれたと分かってる」つづく(´⊙ω⊙`)あーっ!老四ってどこで見たのかずっと考えていたけれど分かった!長相思でカメハメ波で女主を殺しちゃった人か!w
2024.11.18
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岁岁青莲 Blooming Days第22話「麒麟の子」懐妊して3ヶ月、駱青蓮(ラクセイレン)はお腹が目立たぬよう布を巻き、その間にお守りの長命鎖を入れていた。「神様がきっと守ってくれる」すると侍女の染雲(ゼンウン)が御子は平気でも、夜伽を断りに行く度に後ろめたさに苛まれ、自分の心臓がもたないと笑う。一方、静姝(セイシュ)館では南如珍(ナンジョウチン)が鳴りを潜めていた。「例の件は始末したわね?」「はい、誰にも知られていません」そんなある日の朝議、安(アン)王は嬉しそうに麒麟の子が元気に遊ぶ夢を見たと話した。神祇(ジンギ)官の話では瑞兆で、将来の世継ぎが生まれるお告げだという。「将来の世継ぎということは私の爵位を継ぐ運命の孫が生まれるのか!」しかし息子たちの中に心当たりのある者はいないという。そこで早速、総管・于徳常(ウトクジョウ)を息子たちの屋敷に遣わし、懐妊した妻妾がいないか調べるよう命じた。于総管は麒麟の子を見つけられないまま最後に睿(エイ)郡王邸を訪ねた。事情を聞いた東籬(トウリ)はこれで主も懐妊を明かせると喜んだが、駱青蓮は顔を曇らせる。「屋敷と王府で避けるべきは″貪心(タンシン)″よ 人は貪心ゆえにボロを出す、瑞兆と聞けば秘密を明かしたくなるわ でもこれは天が与えた試練ね、沈黙を守る」方懐蕊(ホウカイズイ)は妻妾を驚秋(キョウシュウ)院に集めた。結局、駱青蓮は懐妊を隠したまま、他に懐妊の兆候がある妻妾は見つからない。方懐蕊は妻妾たちを引き連れ、落胆する于総管を見送りに出た。その時、急に南如珍がえずいてしまう。妻妾たちはおかしな物でも食べたのかと冷ややかだったが、于総管は試しに医官に脈診させることにした。すると驚いたことに南如珍が懐妊していると分かる。報告を聞いた安王は大喜びだったが、賀連修は狐につままれるたような顔をしていた。↓マイマイの目w冷遇されていた南如珍が思いがけず立場を回復した。しかし南如珍がしばらく夜伽をしていないことを訝しんだ駱青蓮たちは彤冊(トウサツ)を調べることにする。すると一足先に方懐蕊が彤冊を確認していた。「疑念を抱いたのは私だけではないようね…どうぞご覧になって」南如珍の最後の夜伽は確かに2ヶ月前だった。落胆した駱青蓮は一足先に引き上げたが、許寄柔(キョキジュウ)と沈静容(シンセイヨウ)が慌てて引き止める。「妹妹、詳しく調べてみたら疑わしい点があったの」一方、賀連修(ガレンシュウ)は手先の裏切りに怒り心頭だった。しかし嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は逆境こそ辛抱が肝心だとなだめる。「幸運は往々にして不首尾に終わる、南如珍の懐妊ももう1つの慶次にも…」もう1つの慶次とは郡主・賀元雪(ガゲンセツ)の輿入れだった。実は安王は瑞兆を祝う宴を開き、その場で斉良甫(セイリョウホ)が縁談を申し込んだところ上機嫌で了承したという。婚礼を明日に控えた賀元雪は最後の望みをかけ、呂北逸(リョホクイツ)を訪ねることにした。するとちょうど通りかかった大街で騒ぎを起こす書生を見かける。書生は一途に想う相手を探し、香粉を売る店を回っていた。<ある匂いの女子をずっと探している、誰か!あの人を知らないか?!「たとえ愚かでも恋する人は幸せね…」実はその様子を侍従・徐良川(ジョリョウセン)も見ていた。徐良川の報告を聞いた南如珍は激高した。「何ですって?!始末したはずでは?」一方、賀元雪は呂北逸に縁談が決まったと報告していた。「明日が婚礼よ」しかし呂北逸は祝辞を述べただけ、やはり引き止めてはくれない。「あなたに嫁ぎたかった…残念だわ」すると呂北逸は郡主の最後の願いを叶え、しばし黒髪を梳かした。呂北逸は郡主の馬車を見送ると、酒を買って屋敷に戻った。すると机の上にあるはずの酒瓶を入れた化粧箱が消えている。賀元雪が持ち去ったのは明らか、呂北逸はすぐさま賀連修(ガレンシュウ)に報告した。その夜、賀連修は長沢(チョウタク)院に妹を訪ねた。化粧箱を返すよう説得したが、賀元雪は想い人の品をどうしても手放さない。「私が一番大切にしていた物は父親(フーチン)が下さった長命鎖、でも今後はこの酒瓶です 帰って!これは誰にも触らせない!」すると賀連修は毒薬を置いた。「呂北逸から取り返して欲しいと頼まれたんだ、彼の本心を伝えよう ″郡主は私を愛すると言いながら他の男に嫁ぐ そんな女子に未練を残されても汚らわしく思う″とな」賀元雪はそれが呂北逸の言葉ではないと分かっていた。…でも私自身が自分を許せない…翌朝、呂北逸は賀連修を訪ねた。しかし箱を取り返せなかったと言うわりに賀連修はやけに落ち着いている。実は化粧箱の下にはカラクリがあり、大事な地図が隠してあった。「あの秘密が漏れれば修公子の命も危ないはず…郡主に一体、何をしたんです?!」呂北逸は郡主の侍女から届いた絵を思い出した。それは郡主自ら描いた呂北逸の絵姿だったが、足元に描かれた鳥籠の戸が開いて鳥の姿はない。「はっ!」賀連信は妹の輿入れを任されていた。花嫁行列も間もなく新郎の屋敷に到着、それにしても妹の本意でない輿入れにも関わらず順調過ぎる。その時、呂北逸が現れ、輿を止めた。新郎は激怒したが、呂北逸が抱きかかえた賀元雪はすでに意識がない。「急がないと全身に毒が回ってしまう!」「王府へ戻れ!」驚いた賀連信は慌てて引き返した。良医署では昨夜、確かに毒薬が減っていたことが分かった。医官たちはもはや手の施しようがないとあきらめたが、賀連信は呂北逸に何か方法があるはずだと迫る。「1つだけあります、毒をもって毒を制す」一方、安王は娘が生死をさまよっていると聞いても決して会おうとはしなかった。民と官吏の自分への信頼を傷つける娘の暴挙、これからは元雪を娘とは思わないという。つづく( ゚ェ゚)お?書生が探しているのって南如珍?つまり公子の子じゃないのねでもあの書生、男装している女だったけど・・・
2024.11.17
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偷偷藏不住 Hidden Love第3話憧れの段嘉許(ドワンジアシュー)の前で大恥をかいてしまった桑稚(サンジー)。しかし段嘉許の優しい気遣いが自然と惨めな気持ちを忘れさせてくれた。すると食事を終えて桑延(サンイエン)の車を待つ間、段嘉許がクレーンゲームでクマのぬいぐるみを取ってくれる。「これでもう泣くなよ」その時、ふと桑稚は兄の代役を引き受けてくれた段嘉許にお礼の飴を渡したことを思い出した。…教師との面談を終えた段嘉許は桑稚を家まで送った『今日のことは言わない、その代わりこれからは真面目に授業を聞けよ また呼び出されたら、それこそ今日のことがバレる』『その時はまた来てね!』『次があるのか?』『はっ!ないない』桑稚は慌てて否定したが、段嘉許は本当の兄より優しいという『懲りないやつだな…ふっ』すると段嘉許は別れ際、桑稚に電球を渡した『そういえばキッチンの電球が切れていたから…』段嘉許は桑家を訪ねた時、黎萍(リーピン)が電球が1つ切れたと話していたのを覚えていた…〓第三篇 ~優しさ~ 少しだけ縮まった距離〓ある日、桑稚は同級生・殷真如(インジェンルー)に騙され、傅正初(フージョンチュー)の誕生日会に行く羽目になった。すると待ち合わせの店で思いがけず段嘉許と出くわす。実はその店は段嘉許のバイト先だった。段嘉許は桑稚にご馳走したが、桑稚は偶然、段嘉許が店長に給料の前借りを頼んだことを知る。そこへ傅正初たちが到着した。「あ、哥哥!こんにちわ!」傅正初は中学生の時、教師の面談に来た桑稚の兄と顔を合わせていた。段嘉許は暗くなる前に帰るよう注意して桑稚を見送った。すると桑稚が独りで慌てて引き返してくる。「哥哥、お金ないの?私の哥から聞いてたけど本当に働いているなんて… ならおごらなくても平気よ」「これくらいの金はある、考え過ぎだ」しかし桑稚はこっそり机に自分が持っていた小遣いを全部、置いていってしまう。カラオケボックスで傅正初の誕生日会が始まった。中学時代から桑稚を好きだった傅正初はこの機会に告白するはずだったが、桑稚は早々に帰ってしまう。傅正初は友人たちに煽られ後を追った。バイト先のウィンドウ越しに2人の様子を見守る段嘉許。するとまともに告白する間もなくやんわり断られた傅正初が泣き出してしまう。「ほらまた~話の途中で泣き出す!昔からちっとも変わってない!」桑稚はイライラして怒り出したが、段嘉許が駆けつけ、傅正初は慌てて帰ってしまう。段嘉許は高校生に恋愛は早いと叱った。確かに思春期の恋はよくあることだが、桑稚の本分は学業だという。「だから恋愛してないってば!」「信じるよ、でも誰かに好かれるのは悪いことじゃない、傷つけてはだめだ」「いや傷つけてないから~昔からあいつは泣き虫なの!」段嘉許は思わず失笑し、桑稚に小遣いを返した。「幾つもバイトを掛け持ちして大変でしょう?だから力になりたくて… これが私の兄だとしても助けてる」「俺を不憫に思ったのか?」「…ごめんなさい」「ありがとう、俺を気遣ってくれたんだな、でも金がないわけじゃないんだ じゃあこうしよう、哥哥が本当に貧乏になった時に借してくれ」しかしこの日を境に桑稚は中学から仲良しだった殷真如に無視されてしまう。今日は年に一度の体育祭。桑稚は傅正初を熱心に応援する殷真如の姿に戸惑いながら、走り高跳びに参加するため準備運動を始めた。ボランティアで体育祭の運営を手伝っている桑延と段嘉許。しかし桑稚は2人の応援もむなしく、バーに引っかかって倒れてしまう。桑延と段嘉許は慌てて桑稚の元に駆けつけた。すると桑稚は捻挫して立ち上がれず、あちこち擦りむいている。桑延は妹を背負い、救護テントへ連れて行くことにしたが、運悪く見学に来ていた中学の陳(チン)先生に見つかってしまう。「あれ?桑稚哥哥?」「はっ!…どうも」「じゃあこちらは?」焦った桑稚は咄嗟に兄の口を手でふさぎ、思わず父だとごまかした。( ゚д゚)はあ?父って…え?救護テントには誰もいなかった。桑延は段嘉許に妹を頼み、誰かを連れてくると言ってどこかへ行ってしまう。すると段嘉許はひとまず桑稚の擦り傷を消毒することにした。桑稚はしみじみ段嘉許の優しさを実感し、桑延とは大違いだとこぼす。「私の哥は愛がない」「愛がない?君が転んだ時、すごく慌てていたぞ?すぐに君を背負っただろう? 愛がないなんて…何を考えているんだか」「でもいつも私を罵るもん、さっき怪我をした時だって…」「あいつの小言を止めるのは無理だよ」そこへ桑延が飲み物を持って戻って来た。桑延は文句を言いながらも桑稚を病院に連れて行くことにした。「まったく~これで数日は送り迎えも必要になるな〜ほら乗れ」桑稚は相変わらず憎まれ口を叩く桑延に反発、なかなか背中に乗ろうとしない。「大丈夫、パパが忙しいなら哥哥が送迎するよ、ほら、桑延の言うことを聞いて」すると段嘉許は桑稚を手伝って桑延の背に乗せた。その時、別の女子生徒が怪我をしてしまう。段嘉許は慌てて駆けつけ、女子生徒を救護テントへ連れて行った。…彼は優しい、私によくしてくれる、でもきっと誰にでも優しいんだ、私は特別じゃない…しかし兄の優しさは妹である桑稚の特権だった。桑延は妹を元気づけようといつの間にか買って来たガムを開けてやる。すると桑稚は受け取ったガムを半分にして兄の口に放り込んだ。「さっきはこれを買いに行ってくれたの?」「飲み物を買うついでだよ(テレッ」翌日、授業を終えた桑稚は兄の迎えを待つことにした。しかし桑延から連絡が入り、用事ができたので段嘉許が代わりに行くと伝える。すると自分を避けていた殷真如が現れ、買い物に付き合って欲しいと頼んだ。つづく(  ̄꒳ ̄)ルースー上手いよね〜ドチドチがこっちにまで伝わってくるのよw
2024.11.16
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偷偷藏不住 Hidden Love第2話…段嘉許(ドワンジアシュー)が学校に来てくれることを祈りながら教室で待っていた桑稚(サンジー)結局、いくら待っても段嘉許は現れず、あきらめて帰ることにした『嘘つき!』桑稚はイライラしながら校庭を歩いているとうっかりつまづいて転んでしまうその時、自分に近づく人影に気づいた『サンジー?大丈夫か?ほら、立って…』顔を上げた桑稚は段嘉許の姿に目を丸くしたが、急にうつむいてしまう。『…遅い、授業は4時20分に終わった』段嘉許は学校の名前とクラスしか確認しなかったことを思い出した『ごめん、謝るよ』すると桑稚は急いで段嘉許を職員室へ案内した…桑稚は今日もあの時と同じように段嘉許が来るのを心待ちにしていた。その時、段嘉許から連絡が入る。「ジアシュー哥?…これ以上、遅れたら一生、恋人ができなくなる呪いをかけるから」するとふいに背後から段嘉許が冷たい牛乳瓶を桑稚の頬に当てた。「早く着いたから牛乳を買っていたんだよ、この恩知らずめ 恋人ができなかったらどうしてくれる?ふっ」段嘉許はちょうどバス停の前にある露店に桑稚を連れて行った。「はい、作文帳…何か食べるかい?」桑稚は首を横に振り、急いで作文を書くことにした。しかしパンを買っている段嘉許が気になって作文どころではない。すると段嘉許の様子をちらちら見ているうちにまた中学時代の思い出が蘇った。…桑延(サンイエン)に成り済まして桑稚の先生に会うことになった段嘉許段嘉許は両親が会議のため代わりに来たと嘘をつき、陳(チン)先生と面談した桑稚は頭が良く成績に関しては何も言うことはないが、実は学習態度に問題があるというそこで段嘉許は陳先生を持ち上げて機嫌を取り、桑稚にも謝罪させて事なきを得た…段嘉許はパンと飲み物を買って席に戻った。「先に牛乳を飲んで…」しかし桑稚は慌てて牛乳をカバンにしまってしまう。「なんだ?俺に取られると思ったのか?ふっ」「…哥哥?南蕪(ナンウー)の出身なの?」「いいや、宜荷(イーホー)だ」「じゃあ夏休みは帰るの?」「帰らない…そんなこと聞いてどうする?いいから作文を書きな」( ˙꒳˙ )おぅ〓第二篇 ~近づく~ 出会いには理由が?〓段嘉許は桑稚を学校まで送り届けた。すると別れ際、桑稚のカバンのポケットに1枚の紙を入れる。「実は作文帳を見たんだ、続きを書いておいた」驚いた桑稚は遊びで書いただけだと取り繕ったが、段嘉許は思い出し笑いしながら、帰ってしまう。…原っぱに黒い野良犬がいたその光景を見た時、思わず足を止めた今日の空のように心が曇ったからだ犬の表情を見たらさらに心が痛くなり、近づいて声をかけたなぜなら兄を思い出したからだあまりにそっくりで、同じ鋳型で作ったようだった…帰宅した桑稚は牛乳瓶を大事そうに部屋に飾り、段嘉許が書いた作文を読むことにした。すると段嘉許は兄の引越しの手伝いに来た桑稚に成りきり、自分との再会やキツネのぬいぐるみが可愛いこと、いつも喧嘩している兄より自分のような兄が欲しいと書いている。…PS:その哥哥が言っていた、また小(シャオ)桑稚に会えて俺も嬉しいと…段嘉許も自分との再会を喜んでいると知り、何とも言えない喜びを感じる桑稚。そこで早速、携帯の着信に残っていた段嘉許の番号を登録した。その夜、桑稚の部屋に母・黎萍(リーピン)が入って来た。黎萍は牛乳に気がついて慌てて取り上げようとしたが、桑稚は瓶が可愛いだけだと誤魔化して中身だけ捨ててしまう。実は桑稚はアレルギーがあり、牛乳が飲めなかった。絵日記:9月17日 木曜日その哥哥は小桑稚と再会できて嬉しいと言った週末、両親は友人の結婚式のため留守だった。妹の世話を頼まれた桑延はルームメイトとの夕食に桑稚を連れて行くことにする。車に揺られながら段嘉許がバイトで忙しいと知る桑稚。やがて火鍋の店があるモールに到着し、桑延は皆を先に降ろして駐車場に向かうことにした。しかし桑稚はなぜか兄と一緒に行きたいと駄々をこねて降りようとしない。「ここは停車禁止なんだ、早く行け、罰金を取られるだろう?」すると段嘉許に助手席のドアを開けられてしまい、桑稚は降りざるを得なくなってしまう。段嘉許は桑稚の様子がおかしいことに気づいた。「どうした?具合でも悪いか?」「うん、少し…化粧室に行ってくる」段嘉許は銭飛(チェンフェイ)を先に行かせて付き添うことにしたが、桑稚は独りで大丈夫だと歩き出してしまう。その時、段嘉許は桑稚のスカートが汚れていることに気づいた。桑稚はなぜ段嘉許が後ろにぴったり張り付いてついて来るのか分からないまま女子トイレに到着した。「ねえ、ナプキンは持ってる?」桑稚は段嘉許に気づかれたと知って困惑、うつむいてしまう。すると段嘉許は自分が買ってくるのでトイレの中で待つよう告げた。桑稚はトイレの鏡でようやくスカートを汚したと気づいた。…ジアシュー哥に見られたんだ…憧れの段嘉許の前で失態を演じ、すっかり落胆する桑稚。すると見知らぬ女性が現れ、段嘉許から頼まれたのか荷物を渡してくれた。「ぁ…ありがとうございます」「女の子なら良くあることよ、気にしないで」桑稚が恐る恐る外へ出ると兄が独りで待っていた。「はあ~…恥をかいた、恥ずかし過ぎる…」桑稚の足は動かなかったが、桑延は強引に妹を連れて行った。火鍋の店に到着した桑稚。すると段嘉許は何事もなかったかのように笑顔で手を振ってくれた。安堵した桑稚はこっそり肉団子を注文しようとしたが、兄に見つかって止められてしまう。「こいつは牛肉と羊肉にアレルギーがあるんだ」段嘉許は桑稚のために白湯を持って来てくれた。桑稚が料理に箸をつけようとすれば、慌てて皿を取り上げ、肉を取り出してくれる。実は桑稚をトイレまで見送った段嘉許は急いで桑延をスーパーへ呼び出していた。2人は恥をしのんで桑稚の着替えとナプキンを買いトイレに駆けつけ、ちょうど化粧室に入ろうとしていた女性に事情を説明して渡してもらうことにする。『じゃあ俺は先に行くよ…俺がいたら彼女も気まずいだろう? それから口実も考えておけ、銭飛に何をしていたのか聞かれるはずだ』『クレーンゲームで遊んでいたことにするよ』つづく∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!よくこんなエピ思いつくなw
2024.11.16
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岁岁青莲 Blooming Days第21話「恨みを超えた愛」呂北逸(リョホクイツ)は駱青蓮(ラクセイレン)を墓前の誓いから解放するため、自分の裏切りを明かした。「君への未練があった…帰るがいい、あの人が待っている」すると呂北逸は青蓮が別院へ旅立った時、賀連信(ガレンシン)から言われた言葉を教えた。 「″駱青蓮は死ぬまで私、賀連信の女だ″と…」翌朝、賀連信は蘇南春(ソナンシュン)のけたたましい声で目を覚ました。「公子!公子!大変です!」賀連信は取るものも取り敢えず屋敷を飛び出した。すると留院の裏庭にいる駱青蓮を見つける。「目覚めたのか?」「はい、目覚めました」「長い間、眠っていたな」「そのおかげで気がついたことがあるの、あなたを想っていると…」駱青蓮は呂北逸の告白で賀連信の自分への真心が本物だと知った。「武術を学んだけれど上達しなかった、歌も習ったけれど駄目だった… 私には″どうしてもできないこと″がたくさんある あなたを恨むこともその1つよ」駱青蓮が別院を出て本宅に帰る日がやって来た。慕海瑶(ボカイヨウ)は屋敷にこもったまま顔も出さなかったが、青蓮自ら別れの挨拶にやって来る。「良くも悪くも姐姐なくして今の私はないわ…どうぞお元気で」「いつの日か私も必ず本宅に戻る」「再会を楽しみにしています」青蓮は金魚の餌を入れた袋を置いて出て行った。恐らく″魚のように欲を捨て、力を養え″という意味だろう。しかし慕海瑶は自分と駱青蓮の決定的な違いを知っていた。「公子の愛よ…」一方、睿(エイ)郡王宅では沈静容(シンセイヨウ)と許寄柔(キョキジュウ)が駱青蓮の帰りを楽しみに待っていた。しかし最大の敵が戻るというのに南如珍(ナンジョチン)がやけに冷静なことが気に掛かる。「杞憂だと良いけれど…」すると案の定、駱青蓮の帰還に横槍が入った。賀連信が駱青蓮を連れて屋敷に到着した。その時、徳(トク)夫人の使者が駆けつけ、病を患った駱青蓮は不吉ゆえ本宅に入ってはならないと命じる。出迎えのため門前に並んでいた妻妾たちは呆然、しかし南如珍だけはひそかにほくそ笑んだ。駱青蓮は徳夫人を訪ねた。徳夫人は噂にたがわず亡き王妃と瓜二つの青蓮に驚愕し、激しい嫉妬に駆られる。「王妃が亡くなってもう5年よ、あれから王爺(ワンイエ)は一度も来てくれない 無理もない、王妃に生き写しのお前の背後で権力争いが行われている 災いを招くお前を野放しにできない!」徳夫人は青蓮の顔に傷をつけようとかんざしを引き抜いたが、そこへ賀連信が飛び込んできた。「母親(ムーチン)!何があろうと青蓮は父親(フーチン)から賜った妾、私的制裁は許されません」「いいわ、その代わり私の目の黒いうちは駱青蓮を本宅に入らせないっ!」賀連信は仕方なく母の怒りがおさまるまで駱青蓮を郊外の屋敷に住まわせることにした。駱青蓮は安(アン)王に招かれ王府を訪ねた。するとちょうど安王が庭園でみずから海芋(カイウ/カラー)を手入れしている。「残念ながらこの花は弱い、夏を待たずに枯れるだろう 心血を注いできたが無駄だった」青蓮は安王が暗に世子のことを言ったのだと分かった。「では海芋の他に好きな花は?」「私が最も好きな花は何だと思う?」「…梅でしょうか?美しさを競う花園の中で梅は高貴さが際立ちます 媚びることも争うこともなく、凛とした花です でもこうも言います、″寒梅を最も恨む 去年の花とされるを″」「そなたを花に例えるなら″解語の花″、つまり言葉の分かる花だな 老三はそなたを大事にすべきだ」安王は駱青蓮としばし楽しい時を過ごした。徳夫人は遠くから2人の様子を垣間見ていたが、やがて雨が降り出し、寝宮へ戻ることにする。その寂しい後ろ姿を偶然、青蓮が見ていた。駱青蓮は咳き込む安王を心配し、薬を差し入れたいと申し出た。そこで安王は青蓮が王府へ自由に出入りできる特権を与える。青蓮は安王の厚遇に心から感謝して帰ることにしたが、ふと思い立って安王に進言した。「王府の女子は寂しい思いをしています、″衣と違い人は古いほど良い″と言います」するとその日、徳夫人の寝殿に5年ぶりに安王がやって来た。徳夫人は青蓮の心遣いを喜び、ついに本宅へ戻ることを認める。また安王はこれを機に駱青蓮を庶室に昇格するよう命じた。妾から正式な夫人になった駱青蓮。しかし本宅へ戻る前に解決すべき問題が残っていた。その夜、呂北逸が家に戻って明かりを灯すと駱青蓮が立っていた。「修(シュウ)公子はお元気?…廃世子の件はおかしいと思っていた あの時、世子は″私の匕首ではありません″と釈明していた 誰も信じてくれなかったけれど、誰かが関わっていたのね… 否定しないの?!逸哥哥、私の誤解だと言ってよ!」「誤解じゃない…私の心の主は君だけだ、君の主は変わってしまったが」「私に主はいない、自分の心の声に従うだけ 昔は心にあなただけがいた、でもこれからは賀連信だけがいる」「はお、今の言葉の刃で未練は断ち切れた、残酷な君に感謝する」すると呂北逸は自分の剣を引き抜いて青蓮に差し出した。「君の夫を裏切った、私を殺せ、君に殺されるなら悔いはない」青蓮は剣を受け取ったが、その場に捨てて帰ってしまう。「青蓮!本宅には修公子の手先がいる!」呂北逸はこれ以上、青蓮のそばにはいられないと決意、賀連信から離れると決めた。漣微居(レンビキョ)に主が戻った。翌朝、賀連信はいそいそと朝食の差し入れに向かったが、なぜか東籬(トウリ)に門前払いされてしまう。実は青蓮は懐妊していた。親しい沈静容と許寄柔、配下たちだけには打ち明けたが、南如珍を警戒して賀連信にも知らせないという。一方、南如珍は駱青蓮が自分の正体に気づきながら黙っていることを訝しんだ。ともかく肝心なのは公子の心をつかむこと、そのために子を宿すしかない。「やってみせるわ、誰にも邪魔させない」沈静容と許寄柔は本当に公子に何も話さないのかと心配した。駱青蓮は賀連修の間者も自分を転ばせて流産させたのも南如珍だと確信していたが、動かぬ証拠がなければ南如珍を排除することはできないという。「私が沈黙を守っていれば南如珍は焦ってきっと動き出すわ その時こそ好機が訪れる」つづく( ゚ェ゚)え?ママ、賀連修と青蓮が結婚して3年って言った?でも前話で″賀連儲は何年も拘禁されてる″って言ってたけど…
2024.11.15
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岁岁青莲 Blooming Days第20話「駱青蓮の切ない女心」爵位争いなどそっちのけで駱青蓮(ラクセイレン)を献身的に世話する賀連信(ガレンシン)。その日も大事な仕事を辞退して留院(リュウイン)に薬を届けに行ったが、なぜか青蓮は屋根の上に登っていた。東籬(トウリ)と李塘(リトウ)の話では、起きた途端に自分は鳥だと言い出して登ってしまったという。仕方なく賀連信は梯子を登り、恐る恐る青蓮の隣に座った。青蓮はほんの戯れのつもりだったが、その時、東籬が公子は高所恐怖症だったと思い出す。確かに賀連信は顔面蒼白になっていた。驚いた青蓮は一緒に降りることにしたが、賀連信が足を滑らせ、2人は抱き合ったまま転がり落ちてしまう。駱青蓮は自分の下敷きになって気を失った賀連信に付き添った。…あなたに嘘をついてると思うと胸が傷む、でも真相のために今は辛抱しなくては…賀連信が目を覚ますと青蓮が寝台に腰掛けてうたた寝していた。「明日はまた王妃の命日だ…早く目覚めて欲しいが、このままでも良い気がする 目覚めれば私から去ってしまうだろう?」青蓮の手には死産した我が子に見立てた枕があった。賀連信が帰ると駱青蓮は隣に住む慕海瑶(ボカイヨウ)を訪ねた。「姐姐、御助力願いたいの」賀連信は世子の代わりに王妃の墓参りに随行した。その夜、酒を飲みながら互いに愛する人へ想いを馳せる安(アン)王と賀連信。賀連信はせめてこの席に世子がいたらと切り出したが、安王はもはや情をかけても賀連儲(ガレンチョ)が受け取らないと呆れた。「その話は二度とするな」するとにわかに兵営が騒がしくなった。<曲者だっ!驚いた賀連信が外へ出ると、ちょうど駱青蓮が連行されてくる。「蘇南春(ソナンシュン)?!公子に会わせて!この子が病気なの!」駱青蓮は我が子を失った悲しみから呆け、おくるみで包んだ枕を赤子だと思い込んでいた。安王は乱心した駱青蓮の姿に胸を痛め、出産後に急逝した王妃を思い出してしまう。すると安王は直ちに幕営を引き上げ、王府に帰ると命じた。賀連信は駱青蓮を送り込んだのが慕海瑶だと気づいていた。そもそも慕天殊(ボテンシュ)が手引きでもしない限り、厳しい警固の兵営に近づくことなどできない。賀連信はとにかく青蓮を留院に送り届けて寝かせ、慕海瑶を訪ねた。慕海瑶は公子が必ず来てくれると確信し、屋敷から出て待っていた。すると念願かなって賀連信がやってくる。しかしこれが賀連信のための計画だと明かす間もなく、青蓮を利用したと責められてしまう。「酷すぎませんか?!公子のためだったのに!そんなに駱青蓮が大事だと?! 青蓮を連れて帰るおつもりですか?!」その話を青蓮が立ち聞きしていた。「連れて帰らぬ、また青蓮を泣かせるだけだ 父上には認められたいが、それ以上に青蓮の平安と長寿を願う」( ˙꒳˙ )え?帰れないの?駱青蓮の策略で賀連儲との親子の情を思い出した安王。しかし朝議では臣下たちから一日も早く世子を冊立すべきと諫言されていた。臣下たちが賀連修(ガレンシュウ)を推挙したいのは明らか。すると賀連信が父王たちを連れて行きたい場所があるという。一行が到着したのは世子邸だった。賀連信は幽閉された賀連儲の様子を見て欲しいと嘆願、仕方なく安王は屋敷に入ったが、中院には巨大な甕(カメ)が並び、何とも酒臭い。そこへ慌てて夫人が駆けつけた。甕には葡萄酒が入っていた。夫人の話では賀連儲が葡萄酒好きの安王のため、家財で葡萄を買い、誰の手も借りず醸造したという。しかし罰を受けて拘禁された身、献上はできなかった。「天と地が見ていればいいと、胸に納めるそうです」何とも感動的な話だが、賀連佐(ガレンサ)は咄嗟にちゃちゃを入れた。「甕がきれいだな~今、運んできたみたいだ」すると憤慨した夫人は使用人に賀連儲が書き溜めた写経を運ばせた。「廃されてから公子は学問に励み、写経に明け暮れています 先日の王妃の命日にはいつもより多く写経をし、徹夜しました そのせいで風邪を引いて数日も昏睡し、お迎えできないのです…」呂北逸(リョホクイツ)は別院に駱青蓮を訪ねた。「やはり君だ…賀連信をつなぎ止めたのは世子の復位が狙いだったのか」青蓮はかつて出征した安王が世子を恋しがり、古い衣を求めたと知っていた。その深い愛情はいくつかの過ちで消えることはないという。青蓮はわざと賀連修を高みに登らせた。そうすれば安王が賀連儲を復位させる時、邪魔になるのは勢力の強い賀連修になる。「修公子に感謝するわ、この半年間、よく頑張ってくれた…全て裏目に出たけれど」安王の嘆願により皇帝は賀連儲を再び世子に、また賀連信も睿(エイ)郡王に封じられた。何年振りかで正門が開いた世子邸。夫人はこれも全て賀連信の指南のおかげだと感謝したが、賀連儲は分かっていた。「私を利用する気だ、力を失った私は利用されても辛抱するのみ…」郡王府では祝宴が開かれた。しかし賀連信は郡王に封じられてもどこか虚しく、皆が寝静まっても涼亭で独り酒を飲んでいる。その時ちょうど呂北逸が通りかかり、呼び止めた。「郡王も世子もどうでもいい…私がなりたいのはお前だよ、呂北逸 乱心した青蓮は私を必要としてくれるが、目を覚ませばまた私を恨むだろう 教えてくれ、お前になれる方法を…頼む、どうすれば青蓮に愛される?…バタン!」すると賀連信はそのまま酔い潰れてしまう。一方、駱青蓮は夜が更けても眠れずにいた。東籬は公子の出世を喜ぶどころか沈んでいる小姐を心配したが、李塘は思わず失笑する。「女心が分からないのか?悩んでいるんだよ」今の賀連信からの愛情は策を巡らせ哀れみを利用して得たもの、真心ではない。駱青蓮は恐らく乱心の芝居を辞めた時、今の愛情がどうなるのか不安なのだという。すると思いがけず泥酔した呂北逸が現れた。「美味い酒を持ってきた、話がある、だが飲まねば口に出せぬ…」呂北逸は自分に罪悪感がないか駱青蓮に聞いた。「あるわ」「なぜ?…賀連信を愛したからか?」すると呂北逸は青蓮が呂家の墓に埋めたはずの櫛を出した。青蓮は呂北逸が墓前の誓いを知っていたことに驚き、後ろめたさに苛まれてしまう。しかし呂北逸は自分が先に裏切ったと白状した。実は慕海瑶の馬車から落ちた青蓮を救ったのは賀連信だった。これまで賀連信から何度か青蓮と逃げる機会をもらいながら、その勇気がなかったという。「君が赤子と屋敷を出ようとしたが、賀連信に気づかれ失敗した 私だ、私がわざと気づかせた、君の最愛の人は他にいる、私には耐えられなかった 蓮R、悪いのは私の方なんだ、君を騙せたとしても己の心だけは騙せない」🍶_(߹꒳߹ )オイオイオイオイ…つづく(  ̄꒳ ̄)時系列とかチンプンカンプンなんだけど、もうこのまま行くわw
2024.11.14
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岁岁青莲 Blooming Days第19話「ひな鳥の争い」世子・賀連儲(ガレンチョ)の嫉妬深さを利用し、わざと銃を差し入れた呂北逸(リョホクイツ)。賀連信(ガレンシン)は誰かに見られたらまずいと世子を諌めたが、運悪く総管・于徳常(ウトクジョウ)がやって来た。「世子、王爺がお呼びです…ぁ、その銃もお持ちください」その時、安(アン)王の天幕にはちょうど幼い九弟・賀連倹(ガレンケン)がいた。賀連儲は父王への献上品を横取りしたことが露見、自分が愚かだったと謝罪した。しかし息子を見直したばかりだっただけに、安王の失望は大きい。「そなたが失敗しても袁百里(エンヒャクリ)や学友、使用人を責めてきた ここまで横暴になった原因は全てこの私にある… ふっ、この銃をお前が手に入れたところで何が撃てるというのだ?」すると安王は賀連倹に銃を渡し、世子と射撃の腕を競うよう命じた。賀連倹は机に並んだ茶杯を標的に選んだ。すでに銃の撃ち方を習った賀連倹は見事に命中させ世子に銃を渡す。「次は二哥哥です、どうぞ」賀連儲はここまで自分を辱めるのかと嘆いたが、安王は撃たなければ負けだと鼻であしらう。父王のあまりの仕打ちに賀連儲は逆上、銃を発砲したが…。幕舎から安王の悲鳴にも似た怒号が聞こえた。「誰か!医官を!」外に控えていた賀連信たちが慌てて幕舎に入ると、安王が腹から血を流す九弟を抱きしめていた。安王は老九が急病と偽り医官を呼んだ。呂北逸から話を聞いた賀連修(ガレンシュウ)は肩を落とし、まだ父王が世子を守るつもりだと知る。「世子に放った火種が小さ過ぎたようだ、薪をくべる方法を考えないと」しかし呂北逸はすでに薪を用意していた。安王の幕舎に世子の侍衛が現れた。実は死を覚悟で上奏すべき儀があるという。侍衛の告発を聞いた安王は呆然、しばらく独りになりたいと出て行った。…世子がこうおっしゃいました、世子を廃されるくらいなら先手を打つと…安王は山道をしばし馬で走った。そこで偶然にも畑仕事に精を出す駱青蓮(ラクセイレン)と出くわす。苦境の中にあっても元気そうな青蓮。「そなたを信じているが助けてやれぬ、私を恨むか?」「まさか、曲涼(キョクリョウ)の主だからこそ意のままにならぬことがあると分かっています」すると青蓮は草影で死んでいた小さなひな鳥を見つけた。死骸を見た安王は親が運んでくる餌を巡って奪い合い、憎み合うひな鳥たちに息子たちの姿が重なり、何とも虚しくなってしまう。「強欲なままでは災いを招くだろう…」安王は別れ際、別院に薪を届けさせると言ってくれた。しかしなぜかその必要はなかったと考え直す。「そのうち別院を離れる日が来るだろう…ではな、そなたももう行きなさい」青蓮は叩頭して安王を見送ったが、どうにも安王の言葉が引っ掛かる。「はっ!公子が危ない…」日が暮れてもまだ医官は狩り場に到着しなかった。賀連儲は公子でいられるのもあとわずかだと絶望したが、賀連信はとにかく謝罪に行くよう背中を押す。すると呂北逸が幕舎を出ようとした世子を呼び止め、羽織をかけた。「真摯に反省して見せれば厳罰は免れます」賀連信はこの期に及んで己の心配しかしない世子に憤っていたが、仕方なく様子を見に行くことにした。賀連信が父王の幕舎へ向かう途中、突然、暗がりから駱青蓮が現れた。2年ぶりに再会を果たした青蓮と賀連信。しかし旧情を温める暇もなく、青蓮は安王が賀連信の逆心を疑っていると警告した。「王爺に会ったの、餌の奪い合いで死んだひな鳥を見て″強欲は災いを招く″と… あなたと世子のことよね?私が別院を出られるとも言っていた 主の許しなく出られるはずがない、つまりあなたが…」その頃、安王の幕舎の前では賀連儲が伏兵に捕まっていた。伏兵は拘束した賀連儲の羽織から匕首を発見、これが決定打になってしまう。…賀雲朔(ガウンサク)は長年、溺愛してきた息子の姿にわずかな望みも打ち砕かれたもはやこの曲涼の地や皇帝との誓いをこの者には託せぬと…↓またしても俺?!何でだろう〜何でだろう〜♩賀連信は駱青蓮のおかげで救われた。もしや青蓮の心に自分への情があるのでは。しかしそんなわずかな期待もあっさり裏切られてしまう。「身分を回復したいから助けたの、公子が無事ならそれでいい」「一度だけでも私を想ったことはないのか?」その時、公子を探していた蘇南春(ソナンシュン)が駆けつけ、青蓮は慌てて帰ってしまう。賀連儲は世子の爵位を剥奪された。兄弟たちは父王の逆鱗に触れまいと鳴りを潜めていたが、賀連信だけは賀連儲をかばって嘆願する。「廃世子は重大事です、どうかご再考を…」「そなたが謀反に加わらなかったことが私には唯一の救いだ 老三よ、袁百里の二の舞になるな」屋敷に戻った賀連信は庭園で物思いにふけっていた。すると沈静容(シンセイヨウ)が娘を連れてやって来る。「青蓮のおかげで公子が助かったと聞きました」「確かに、だが青蓮の真意は他にあった」賀連信は落胆したが、沈静容は誰にも本心までは分からないものだという。すると蘇南春が実は織月(ショクゲツ)から預かっているものがあると明かした。「公子を悲しませると思って隠していました…」蘇南春が差し出したのは駱青蓮が出産前に刺繍した手巾だった。手巾には青蓮がひと針ひと針、想いを込めて糸を通した″信″という文字が…。一方、駱青蓮は毛大(モウダイ)と毛二(モウジ)のために膝当てを縫っていた。この2年、家族のように仲良く暮らしてきた青蓮と兄弟たち。しかしその夜、兄弟は駱青蓮に毒入りの汁物を差し入れてしまう。様子がおかしい兄弟を訝しんだ青蓮は汁物を飲まずに無事だったが、2人の裏切りに憤慨した。すると兄弟は命を盾に脅され断れなかったと釈明する。「二度と裏切らないよ、誰に頼まれたのか言う…」その時、毛大の胸に暗器が命中、口封じに殺されてしまう。兄弟が駱青蓮の暗殺に失敗したと知るや刺客たちが留院に乗り込んだ。李塘(リトウ)と毛二が応戦、そこへちょうど呂北逸が現れ、刺客を排除してくれる。しかし毛二は首を斬られて虫の息だった。「毛二!しっかり!」「ゥッ…南如珍(ナンジョチン)」青蓮は黒幕が南如珍だと知った。「東籬(トウリ)、李塘…帰る時が来たわ」賀連信は駱青蓮が刺客に襲われたと聞いて別院に駆けつけた。公子の来訪を知った慕海瑶(ボカイヨウ)は必ず自分に会いにきてくれると信じて疑わなかったが、いつまで経っても賀連信の姿は見えない。その頃、賀連信は留院で我を失った青蓮の姿に衝撃を受けていた。李塘の話では以前から呆けていたが、昨夜の恐怖でついに自分たちの顔まで忘れてしまったという。無邪気な少女に戻った駱青蓮。賀連信は自分を蘇南春だと思っている青蓮に思わず本音を漏らした。「公子は一度も会いに来なかったことを後悔しています… 今の小姐の姿に心が引き裂かれんばかりでしょう、そしてとても恋しいとも…ウッ」その時、賀連信は青蓮の首が赤くなっていることに気づいた。「この首飾りははずしましょう、傷になります」「ダメ!これは公子からもらったの、外さないで」賀連信が首飾りを引っ張り出すと、割れた指輪を直して紐を通したものだった。青蓮が思い出の指輪を今も大事にしていたと知り、思わず抱きしめ涙する賀連信。一方、慕海瑶は来るはずのない公子をいつまでも待っていた。賀連信は駱青蓮の世話をするため別院に通い詰めた。不満を募らせる嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)と南如珍だったが、公子を黙って見送ることしかできない。そんなある日、李塘は公子が公務で数日、曲涼を離れると報告した。すると青蓮は蘇南春に薬が切れたと伝えるよう命じ、また公子を足止めしてしまう。実は世子が空位となり、兄弟たちが爵位を継ごうと躍起になっていた。痺れを切らした慕海瑶は留院を訪ね、青蓮のせいで公子が賀連修に先を越されてしまったと嘆く。「今や修公子は曲涼を掌握し、安王や高官たちも絶賛しているわ!」「姐姐、それは違います…」賀連信は駱青蓮のため曲涼を離れられず、兄弟たちが熱望していた仕事を辞退した。好機が舞い込んだと満足げな賀連修。まさか邪魔者だと思っていた駱青蓮が踏み台になってくれるとは意外だと笑う。しかし呂北逸は賀連修が留守にすれば数日後に迫った王妃の墓参りに賀連信が帯同すると警戒した。確かに駱青蓮のせいで賀連信はせっかく築いた土台を半年でほぼ失っている。実は呂北逸は別院を訪ねた時、青蓮に何が狙いなのか聞いていた。「いずれ分かるわ、今こそ勝敗の分かれ目よ」つづく( ˙꒳˙ )沈静容本人はもちろん娘も侍女も可愛い!、なぜ厚遇されないのかw
2024.11.13
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偷偷藏不住 Hidden Love第1話「小さな泥棒さん?」その日、桑稚(サンジー)は数年ぶりにある人と再会した。…人生には忘れられない″時″があるもっと正確に言うと、止まったままのシーンがあるこれほど近くで彼を見たのは今回が2回目時間は魔法使いだ私たちの身長差と距離をあっという間に縮めてしまうなんて…あれは桑稚が中学2年生の時だった。思春期の少女はなかなか授業に身が入らず、窓の外をぼうっと眺めたり、退屈でノートにいたずら書きをしているうち、教師に叱られてしまう。「明日、親御さんを呼んできなさい!」実は親の呼び出しはこの半月で2度目のことだった。桑稚は大学生の兄・桑延(サンイエン)に親の代理を頼むことを思いついた。そこで早速、学校帰りにメッセージを送信したが、あっさり断られてしまう。…哥哥、明日、久しぶりに帰って来ない?会いたいな…No(,,Ծ‸Ծ,,)<薄情者!大傻狗!しかし家に到着してみるとママから兄が戻っていると聞いた。「え?!帰って来たの?!」桑稚は喜んで2階の兄の部屋に入った。すると久しぶりに会った兄がすっかりイケメンになっている。「哥!…整形したの?」「整形後の顔はカッコいいかい?」桑稚が見惚れていると、背後から桑延が入ってきた。桑稚が整形した兄だと勘違いしたのは桑延のルームメイト・段嘉許(ドワンジアシュー)だった。「俺たち似ているかな?整形したかって聞かれた」「何だって?!小鬼(シャオグイ)、お前の頭はどうなっているんだ?」すると桑延はいつもの調子で妹をからかい泣かせてしまう。娘の喚き声を聞いて仕方なくキッチンから駆けつけたママ。兄を廊下へ連れ出し、幼い妹をいじめるなと叱っている。段嘉許は呆気に取られていたが、兄妹喧嘩の光景は微笑ましかった。兄に親代わりを頼むはずが喧嘩になってしまった桑稚。しかし目の前にちょうどカッコいい兄の親友がいた。「哥哥、明日は暇?」「明日?…忙しいと言ったら?」「ダメ!絶対に暇を作ってくれなくちゃ だって整形の話をしなければ喧嘩にならずに頼み事ができたのに」桑稚は兄のふりをして担任と面談して欲しいと懇願した。しかし段嘉許は了承できず、バイトがあるため帰るという。桑稚は玄関で段嘉許を引き留めていたが無駄だった。すると桑延が現れ、子供を相手にするなと妹をからかいながら先を急ぐ。「子供じゃない!もう中学2年よ!」「…中学2年生?じゃあ14歳か」「背が低いからそう見えないんでしょう?ふん」しかし段嘉許は桑稚の年齢を知ると、ふいにどこの学校の何組かを確認した。「また今度、″今度″がいつかは分かるだろう?じゃあな!」…今度っていつ?結局、来てくれるの?はっきり言ってよね…〓第一篇 ~待つ~ 言えない秘密〓桑稚が学校の支度をして1階に降りると兄がいた。1ヶ月ぶりに実家に戻った桑延だったが、年頃になった桑稚はもはや兄に見向きもしない。無視されるとそれはそれで寂しい桑延。実は桑延はメインキャンパスの学生寮に引っ越すことになり、父の車を借りに来ていた。母はメインキャンパスが娘の高校に近いと思い出し、放課後に迎えに行くよう頼んだが、桑延は子供の世話など嫌だとからかう。「もう高2だもん、必要ないわ」しかし桑延がルームメイトの荷物も一緒に運ぶと聞いて桑稚の態度が一変した。「手伝いに行ってもいい?!放課後に行く! ママ~パパ~、哥哥ったら全然、帰ってこないでしょう?すごく会いたかった! 私も成長したし、役に立ちたいわ~」( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)お前ってやつは…兄の大学にやって来た桑稚。するとハッチバックを開けたまま停まっている父の車を見つけた。桑稚は車に積まれたぬいぐるみを抱き上げたが、その下にある本に挟まった付箋に目を止める。…段…「小さな泥棒さん?」驚いた桑稚が振り返ると、段嘉許が立っていた。「桑稚?数年ぶりで分からなかったよ、なぜ俺の荷物を?」「あなたのぬいぐるみなの?あ、ごめんなさい、知っていたら触らなかった」「なぜ俺のだと触らないんだ?冷たいな~昔、俺が助けたこと忘れたの? 冗談だ、気に入ったのならあげるよ」桑稚は段嘉許と一緒に学生寮へ荷物を運んだ。5階にある兄の部屋は4人部屋。嘉許哥の他にも2人の同級生・銭飛(チェンフェイ)と陳駿文(チェンジュンウェン)がいる。段嘉許は自分の机を簡単に片付け、桑稚に椅子を勧めた。「小妹妹(シャオメイメイ)、ここに座って」「…小さくないもん(ボソッ」「ふっ、そうだな、妹妹」桑稚は憧れの段嘉許の机を興味深げに見まわした。すると書類の間からのぞく段嘉許の学生証がある。…修士課程 推薦 コンピューター学科…しかし大した話もできないまま、段嘉許は急いでアルバイトに出かけてしまう。桑稚は段嘉許がくれたぬいぐるみが彼女からのプレゼントではないかと心配した。すると銭飛が失笑、段嘉許に恋する暇などなく、ぬいぐるみは何かの懸賞で当たったものだという。安堵した桑稚はかばんの中身を開けて大事なぬいぐるみを入れ、教材は手で抱えて帰ることにした。桑稚は段嘉許の机に忘れ物をした。その夜、バイトから戻った段嘉許は桑延の携帯を借りて桑稚に連絡、明日の朝にでも桑延に届けさせるという。「まだ書いてないの…きっと作文は間に合わない」「正直に先生に謝るんだ」「・・・」「ふっ、何時に登校するんだ?…分かった、バス停で待ってる、作文を書くのを手伝うよ」翌朝、早起きした桑稚は時間通りバスに乗って6時40分に到着した。しかしバス停に段嘉許の姿はない。…なんでまだ来ていないの?本当に来る?…桑稚は段嘉許を待ちながら、かつて兄の代役を頼んんだ時も同じようにやきもきしていたことを思い出した。あの日、桑稚は段嘉許が学校に来てくれるのか確信を持てないまま授業を終えた。「桑稚、親御さんと職員室に来なさい」…マズい、どうしよう…つづく( ๑≧ꇴ≦)ジアシュガー!
2024.11.10
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岁岁青莲 Blooming Days第18話「あばら家での生活」駱青蓮(ラクセイレン)に与えられた住まいは屋根が傾いたあばら家だった。南如珍(ナンジョチン)の目が厳しく、屋敷から持ち出せたのは綿の衣3枚だけ、布団もない。東籬(トウリ)と李塘(リトウ)は自分たちの衣を寝台に敷いて使うよう勧めたが、青蓮は断った。「庶人となった今、私たちに主従関係はない それにあの屋敷よりはましよ、寒いけど2人の心が私を温かくしてくれる」実は東籬は青蓮が賀連信(ガレンシン)に投げ返して割ってしまった指輪を持っていた。「公子との思い出です…忍びなくて拾っておきました」留院(リュウイン)の隣では正夫人の取りなしのおかげで慕海瑶(ボカイヨウ)が悠々自適に暮らしていた。すると慕海瑶は管理人の兄弟・毛大(モウダイ)と毛二(モウジ)を呼びつけ、それぞれ250両の銀票を渡す。「頼みがあるの…苦しめて」一方、四弟の策略で伯父を失った世子・賀連儲(ガレンチョ)はやけになって酒に溺れた。恐らく賀連修(ガレンシュウ)はすぐ動き始めるはず。しかしそんな七弟・賀連倚(ガレンイ)の心配をよそに賀連信は悠長に構えている。呂北逸(リョホクイツ)は主が時機を待っているのだと教えたが、賀連倚は三兄の参謀とはいえ呂北逸の忠誠心を疑っていた。賀連修は駱青蓮が酷い扱いを受けた今が呂北逸を懐柔できる好機と考えた。そこで呂北逸に接触、手を組もうと誘う。「成功した暁には褒美を2つ、1つは賎民からの解放、もう1つは駱青蓮を妻として与える」しかし呂北逸は青蓮なら自力で奪ってみせると啖呵を切った。毛大と毛二は翌朝、留院に傷んだ食事を届けた。しかし駱青蓮は平然と食べ始め、度肝を抜かれた2人は気まずそうに帰って行く。「どんな物でも食べて力をつける、いつか私を苦しめた人に仕返しするために」すると東籬と李塘も悪臭が漂う飯をかき込んだ。賀連修が駱青蓮を思わぬ日はなかった。そこでこっそり別院に来てみたが、やはり合わせる顔がなく帰ってしまう。一方、呂北逸は青蓮を救い出すため留院を訪ねた。「準備は整えた、3日で曲涼を離れられる、人知れず2人で暮らそう」青蓮は困惑、沈静容(シンセイヨウ)や許寄柔(キョキジュウ)が気がかりだと訴え、何より子殺しの下手人を突き止めたいという。「これ以上、あなたに迷惑はかけられない、私のことは忘れて」翌日、駱青蓮は毛大と毛二の居所に乗り込み、机に銭袋を放り投げた。「それを受け取れば今日から私が主よ?」しかし銀票を手にした毛大と毛二にとってわずかな銀子など目じゃない。すると青蓮はいきなり机に短剣を突き刺した。「私は一度死んだ、次は数人、道連れにする」その気迫に驚いた毛大と毛二は銭袋を受け取り、拝礼した。ほにゃらら〜の妻みたいなw駱青蓮は次に慕海瑶の立派な寝殿を訪ねた。「姐姐、昔のことは全て水に流します この別院で平和に暮らすためには仲良くしないと… お粥を作らせました、如画(ジョガ)に取りに来させてください」慕海瑶は呆気に取られた。「まだ数日よ?…変わったわね」確かに青蓮は生まれ変わった。…南如珍、おかげさまで私は決めた、いつか再起してみせる…駱青蓮に追い返された呂北逸は悶々としていた。このまま賀連信に頼れば青蓮は自分のために妾を続けなければならない。しかし賀連修が王位を継げば賀連信を排除し、青蓮を自由にできる。そんな呂北逸の思いとは裏腹に青蓮は自らの力でたくましく生きていた。駱青蓮が別院で暮らし始めて2年が経った。信宅では南如珍が方懐蕊(ホウカイズイ)の後押しもあって側室に昇格。一方、腹黒い賀連修は冷遇された世子が自暴自棄になっている間にすっかり力をつけていた。そんな中、近くの民が別院に農具を借りに来る。何でも安(アン)王が秋の狩りに来るため早く収穫する必要があるというのだ。賀連儲は相変わらず世子邸に引きこもっていた。そこで呂北逸は世子に手を焼く賀連信にある良策を献じる。賀連信は早速、世子を連れて父王を訪ね、秋の狩りを中止すべきと進言させた。「毎年の狩りは数百人の将兵が動きます 狩り場までの道を封鎖し、民に不便をかけ、金もかかる 狩り場から遠ざけられれば民は畑仕事もできません 特に秋の収穫は民の1年の苦労が実る時、どうかご明察を」安王は詭弁に過ぎないと取り合わなかった。焦った賀連儲は助けを求めて賀連信に目配せ、すると賀連信は罰を請うよう助言する。「父親(フーチン)、私は曲涼の世子として嘆願したまで、罰を受けても構いません!」呂北逸に献策させたのは駱青蓮だった。安王は世子の成長をたいそう喜び、秋の狩りの随行を許したという。「君の読みが当たったよ、まさかこれほど安王を理解しているとはな」呂北逸は青蓮の重要さを知らせて賀連信に迎えに来させると行ったが、青蓮は難色を示した。「まだよ」「何を待っているんだ?この2年、君は私に策を授けるのみ、なぜ動かぬ?」しかし青蓮は口をつぐんだ。呂北逸が居所に戻ると賀連修が待っていた。「世子が随行を許された、三兄が一枚かんでいるようだが」「ご想像通り私が献じた策です」賀連修は憤慨したが、呂北逸は先に交わした約束を守ったまでだとなだめた。「駱青蓮の頼み事は何でもやります 世子が安王に随行することはむしろ好機かと…」秋の狩りで最も獲物が多かったのは賀連修だった。安王は褒美として宝物にしていた銃を老四に授けたが、これが賀連儲の嫉妬心をかき立てる。賀連信を連れて幕舎に戻った賀連儲は父王の寵愛が老四に移ってしまったと嘆いた。「父親は変わった…冷た過ぎる」するとそこへ呂北逸が銃を持ってやって来た。実は他民族からの献上品の中に銃があり、賀連修が賜った銃と似ているため確認して欲しいという。「問題ない」賀連信は下げるよう合図したが、賀連儲は握った銃を離そうとしなかった。そこで呂北逸は目録から銃を消しておくと気を利かせたが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)山積みになった獲物wwwwww
2024.11.09
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岁岁青莲 Blooming Days第17話「別院へ」「私の子が…」8ヶ月で子を失うことになった哀れな駱青蓮(ラクセイレン)。一方、何も知らず泥酔していた賀連信(ガレンシン)は翌朝、ひどい二日酔いで目を覚ました。南如珍(ナンジョチン)は何食わぬ顔で仕えていたが、侍従の蘇南春(ソナンシュン)が血相を変えてやって来る。「公子!すぐ来てください!昨夜…」駱青蓮は且歌苑(ショカエン)の前で赤子の亡骸を抱きしめたまま悲しみに暮れていた。沈静容(シンセイヨウ)と許寄柔(キョキジュウ)はそんな青蓮にかける言葉もなく、ただ黙って見守るしかない。その時、ようやく固く閉じていた殿門が開き、賀連信が現れた。「全て聞いた、私が悪かった」賀連信は憔悴しきった青蓮に胸を痛め、子ならまた作れば良いと励ます。「私に母親の資格はないのでしょう?!」「怒りに任せて言ってしまった…分かってくれ、そなたへの想いは本物だ」「本物?…へそで茶を沸かすわっ!(とは言ってないw) 一番、悔やまれるのはその言葉を信じたこと あなたは自分の女になら誰にでもそう言っているのでしょう?」「ならお前は?今も呂北逸(リョホクイツ)を想っているのか?」その言葉が決定的となり、青蓮の心は音を立てて壊れた。「賀連信っ!これで恩断義絶じゃ!ボケッ!(とも言ってないw)」すると青蓮は賀連信との絆の証しだった指輪を投げ捨て、そのまま意識を失ってしまう。↓呉聘とは何だったのか(꒦ິ⌑꒦ີ)これでも食らえ!╰( `•ω•) ╮-=ニ=゚ 💍駱青蓮は生きる希望を失い、自ら目を覚ますことを拒んでいるようだった。「あなたにとって家族はこの子だけ?私は?ここにいる皆は違うの?!」しかし沈静容の言葉も青蓮の胸には響かない。その時、賀連信が強引に青蓮を抱き起こした。「私が後悔の念に苛まれ、死ぬほど苦しむ姿を見届けなくてよいのか?!」賀連信への恨みと憎しみが駱青蓮を死の淵から呼び戻した。ついに目を開けた青蓮。「よかった…」賀連信は青蓮を抱きしめ安堵の涙を流したが、青蓮は冷ややかだった。「公子、私を庶人に落とし、別院に移してください」賀連信は駱青蓮の希望を叶えた。七弟・賀連倚(ガレンイ)は父王との橋渡し役を手放さぬよう説得したが、賀連信は青蓮の氷のような冷たい目に耐えられないという。一方、青蓮は沈静容と別れを惜しんでいた。「折を見てあなたが戻れるようにするから」「姐姐、もう大切なものは何もないの」「それは違う…」その声は許寄柔だった。「真相を暴くの、何か裏があると思わない?一本道なのに公子は転ばなかった」許寄柔は証拠がないものの南如珍の仕業だと確信していた。「私たちが必ず真相を突き止める、どんなに苦しくても自分の手で敵を討つの」賀連信は郊外でひっそり駱青蓮の馬車を見送った。すると呂北逸がやって来る。「青蓮が庶人となった今、もう一度やり直す機会をください」しかし賀連信が首を縦に振ることはなかった。「二度と機会はない、なぜなら青蓮は死ぬまでこの賀連信の女だからだ」安(アン)王は駱青蓮の子が死んだと知り、急ぎ賀連信を呼んだ。孫の誕生を誰より待ち望んでいた安王は賀連信を追及、なぜ殿門を閉じて出入りを禁じていたのかと迫る。しかし賀連信は出入りを禁じた覚えはなく、駱青蓮の危篤を知らせる者もいなかったと訴えた。安王は到底、納得できず、直ちに審問すると決める。「本件に関わった者を全て呼んでこい!」安王は清康(セイコウ)殿に息子や重臣たちを召集、昨夜の経緯を詳しく調べた。すると且歌苑の使用人たちの証言により南如珍の侍女・剪雨(センウ)が勝手に出入り禁止を通告し、駱青蓮の侍従を追い返していたと分かる。賀連信は逆上し、いきなり剪雨につかみかかった。「誰の指図だ?!正直に答えよ!誰だ!誰なんだ!」追い詰められた剪雨は仕込んでおいた毒を噛み、世子に濡れ衣を着せた。「世子…忠誠を尽くしてきたのに…ゥッ…」σ(・Д・)<え?ウソ?!俺?!剪雨は家門の栄誉と引き替えに罪をかぶって自害した。その時、倒れた剪雨の手から小さな丸めた紙切れがこぼれ落ちる。…駱青蓮の腹の子を殺せ…賀連儲(ガレンチョ)は宴の余興で使ったあのくじが利用されたと気づいた。「誤解です!私は無実です!…老四!お前だな?!」実はあのくじを密かに持ち帰ったのは賀連修(ガレンシュウ)だった。しかし賀連修は無関係を装い、取り乱した賀連儲は父王の逆鱗に触れてしまう。その時、右長史・袁百里(エンヒャクリ)は自分が黒幕だと名乗り出た。「私です、世子の筆跡を真似てその名を借りねば侍女も従わぬと危惧したのです」安王は世子を幽閉し、袁百里を密かに奥殿に呼んだ。袁百里が世子を庇っているのは百も承知、自白は受け入れられないという。しかし袁百里は老い先短い命でただ一つの願いは世子の平穏無事だと訴えた。「どうか世子を放免し、私を重罪に処してください 王爺…来世でお会いしましょう」その頃、駱青蓮は侍女・東籬(トウリ)、侍従・李塘(リトウ)の3人で人里離れた別院に到着した。…人の運命は天の定め、思い通りに操ることはできない、無理に捻じ曲げても苦難が増すだけ?私はそんな言葉を信じない…青蓮たちの住まいとなる留院(リュウイン)は荒れ果てた家だった。すると開けた途端に門が外れて倒れてしまう。恐らく慕海瑶(ボカイヨウ)の挨拶代わりだろう。つづく( ๑≧ꇴ≦)世子wwwwww
2024.11.08
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岁岁青莲 Blooming Days第16話「つかの間の幸せ」呂北逸(リョホクイツ)は許寄柔(キョキジュウ)が噬心(セイシン)毒に冒されていると見抜いた。この毒の産地は砂漠、慕海瑶(ボカイヨウ)の故郷だという。「私は忠節を尽くした人に命を握られてしまったの」駱青蓮(ラクセイレン)と沈静容(シンセイヨウ)はようやく許寄柔が脅されていたことを知った。「だから李浅陌(リセンバク)の指示に従ったのですね」実は慕海瑶の侍従だった徐良川(ジョリョウセン)は今、聴瀾(チョウラン)閣にいた。噬心毒には毒消しがなく、その代わり症状を抑えることができる″仙人衣″という薬がある。許寄柔はこの薬を聴瀾閣からもらうため、やむなく李浅陌に加担していた。呂北逸は許寄柔の治療を買って出た。成功の見込みは7割、正直なところ許寄柔の運次第だという。駱青蓮と沈静容は許寄柔を励まし、たとえ1割の可能性だとしても望みがあるなら諦めないで欲しいと訴えた。「必ず助かります」賀連信(ガレンシン)は駱青蓮が喜びそうな贈り物を探し回っていた。すると以前、百珍巷(ヒャクチンコウ)の店で青蓮が気に入ったが、買い手がいると知ってあきらめた指輪が手に入る。喜んだ賀連信は早速、漣微居(レンビキョ)に届けに向かったが、そこで思いがけず青蓮の本心を知ってしまう。駱青蓮は犬に襲われた時、いかに子供が大切な存在か身に沁みたと吐露した。「血肉を分けた私の肉親、私の命だわ 屋敷に家族がいないのなら自分で作ればいいと気づきました この子を産みたい、成長を見守り、一緒に生きたい」その時、突然、賀連信が入ってきた。「その子を産むと決めたのは家族を作るためなのか?!」「はい」「この屋敷には家族がいないと?」「…はい」「父親の私は眼中になく、子供と生きたいと?!」「はい!」青蓮があまりに素直に認めてしまい、沈静容と許寄柔は諌める間もなかった。案の定、賀連信は深く失望し、邪魔者である自分はもう漣微居には来ないと言い捨て帰ってしまう。( ˶´꒳`˵ )<はい!ってマイマイw南如珍(ナンジョチン)は驚秋(キョウシュウ)院を訪ねた。李浅陌の嫉妬を利用した南如珍の献策が成功、方懐蕊(ホウカイズイ)は時児(ジジ)の養育権を手に入れ、嫡妻の座を盤石にする。南如珍はこれで正夫人の弱みを握ったはずだったが、方懐蕊はそれほど愚かではなかった。「数日前、酔柳(スイリュウ)に紅を買いに行かせたの あなたが阮之湄(ゲンシビ)と会っていたと聞いたわ」「路地が暗くて見間違えたのでは?」「…私は路地とは言っていない」すると方懐蕊は側室の座をちらつかせ、これから面倒なことは南如珍に頼むと言った。 工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工世子・賀連儲(ガレンチョ)は兄弟たちを宴に招いた。そこで余興のくじの中に老三への命令を入れたが、それを見た賀連信の顔色が一変する。「″駱青蓮の腹の子を殺せ?″冗談を…」「駱青蓮の子が嫡孫になるという噂を聞いた、もし男児を産んだら老三が世子になるとな」さすがに賀連修(ガレンシュウ)と賀連佐(ガレンサ)は飲み過ぎだと二兄を諌めたが、世子の苛立ちは募る。その時、思いがけず袁百里(エンヒャクリ)が現れ、浅はかな世子の行動に激怒した。南如珍と侍女・剪雨(センウ)は呂北逸を籠絡しようとして失敗した。そこで漣微居にやって来た駱青蓮の妹・駱水蘭(ラクスイラン)に目をつける。水蘭は信宅に来てもわがまま放題だったが、青蓮はただ1人の妹だからと大目に見ていた。賀連信は庭園で偶然、笛を吹いている水蘭と出くわした。そこで水蘭を漣微居まで送ったが、どうしても敷居をまたげない。するとちょうど青蓮がやって来た。気まずくなった賀連信は小さな化粧箱を敷居に置くと、逃げるように帰ってしまう。化粧箱の中には縁がないと駱青蓮が諦めた指輪が入っていた。すると侍女の東籬(トウリ)から流石に公子に冷たすぎると諌められ、駱青蓮も反省する。「この子に聞いてみる… 父親に会いたかったら1回、蹴って、会いたくなければ2回よ」賀連信は庭園で悶々としていた。そこへ思いがけず指輪をはめた駱青蓮が現れる。「我が子よ、あなたの父親よ?好きなら2回、蹴ってあげて」喜んだ賀連信はお腹に耳をつけた。「青蓮、1回しか聞こえぬぞ?…もう1回、蹴ってくれ」こうしてすれ違っていた駱青蓮と賀連信は再び心を通わせたが…。駱青蓮が寝宮に戻ると水蘭が侍女の織月(ショクゲツ)を引っ叩いていた。驚いた青蓮は妹に謝るよう命じたが、水蘭は動物以下の奴婢に謝る必要はないと言い放つ。これには妹に甘い青蓮も激怒、思わず手を挙げた。傷ついた水蘭は漣微居を飛び出し、帰らなくなってしまう。水蘭を探すため漣微居の者は全て出払っていた。駱青蓮は大きなお腹を抱えて殿門で知らせを待ったが、そこへ南如珍の侍女が現れる。実は水蘭が南如珍の静姝(セイシュ)館にいたというのだ。一方、賀連信は南如珍の具合が悪いと聞いて静姝館にいた。「呂北逸に薬を作らせよう」賀連信は呂北逸を呼びに行こうとしたが、中庭で呂北逸と駱青蓮が仲睦まじそうに話している姿を見てしまう。駱青蓮は賀連信が寝殿から出てくるのを待った。すると日が暮れてからようやく賀連信が現れる。「なぜ怒っているの?」「見てはいけないものを見たからだ!」賀連信は駱青蓮と呂北逸の関係を怪しんだ。驚いた青蓮は腹痛がするので呂北逸が診察してくれただけだと釈明したが、賀連信はまるで父親のように青蓮の腹を触っていた呂北逸に激しく嫉妬する。「本当に私が父親なのか?そうなら父親として言わせてもらう そなたに母親の資格はない!」「何ですって?!」青蓮は賀連信が生まれた子供を誰かに預けるつもりだと誤解した。そこへ主を心配して探していた侍女たちが駆けつける。東籬はひとまず寝宮に戻るよう説得したが、青蓮の怒りは収まらなかった。「離して!」青蓮は侍女たちの手を振り払い、賀連信を追った。すると一足先に南如珍が且歌苑(ショカエン)に入ってしまう。焦った青蓮は急いで後を追おうとしたが、その時、足を滑らせ転倒した。李塘(リトウ)は主が危険だと知り公子に助けを求めた。しかし剪雨に門前払いされてしまう。「決して起こすなと言われたの」その頃、南如珍が差し入れた酒を飲んで憂さ晴らししていた賀連信は泥酔していた。許寄柔が呂北逸を連れて戻った。しかし青蓮の出血が酷く、子供はあきらめなければならないという。「君の命が危ないんだ、すぐ赤子を出さなくては」すると許寄柔が手伝いを申し出た。「私がやるわ」つづく( ゚д゚)マイマイお見事
2024.11.07
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岁岁青莲 Blooming Days第15話「仕組まれた散歩」駱青蓮(ラクセイレン)の懐妊が安(アン)王の知るところとなった。青蓮は仕方なく曲涼(キョクリョウ)を去って子供に穏やかな暮らしをさせたいと明かしたが、賀連信(ガレンシン)の期待に反し、安王は自由にすればいいと許して席を立ってしまう。しかし青蓮は安王の悲しそうな表情に胸が痛み、思わず後を追った。「王爺!…時間をください」安王を見送った賀連信は駱青蓮を漣微居(レンビキョ)まで送った。青蓮は自分の子さえ利用するつもりかと不快感をあらわにしたが、賀連信は自分も父親として子を守りたい一心だったと訴える。「これまで己の感情を抑えてきた、だが今は怖い、子を失えばそなたを失ってしまう どうやらお前に本気のようだ」賀連信は青蓮を引き寄せ、口づけした。駱青蓮の懐妊の噂はすぐに広まった。袁百里(エンヒャクリ)は世子への寵愛が亡き王妃の身代わりである駱青蓮の赤子に奪われると焦り、賀連儲(ガレンチョ)に発破をかける。一方、賀連修(ガレンシュウ)の嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は密かに静姝(セイシュ)館を訪ねた。南如珍(ナンジョウチン)は外出が難しく報告が遅れたと謝罪したが、阮之湄は庶室に昇格したならもはや駒ではないという。賀連信の真心を知った駱青蓮は少しずつわだかまりが解けて行った。毎日のように漣微居へ届く賀連信からの贈り物。しかし公子の寵愛を独り占めする駱青蓮に側室・李浅陌(リセンバク)は激しく嫉妬していた。駱青蓮は沈静容(シンセイヨウ)を誘い、久しぶりに棲雁(セイガン)楼を訪ねることにした。しかし許寄柔(キョキジュウ)は独りでどこかへ出かけたという。すると侍従・林照(リンショウ)は具合が悪い主が心配だとうっかり口を滑らせ、侍女・花扶(カフ)にたしなめられてしまう。「病気なの?」「ご心配なく、ただの風邪ですから」棲雁楼からの帰り道、駱青蓮は侍女の様子が変だったと怪しんだ。沈静容は慕海瑶(ボカイヨウ)と手を組んでいた許寄柔をどうしても信用できなかったが、青蓮はもう過去のことだという。「寄柔夫人とも力を合わせられたら心強いわ」「もしや私が嫉妬したと思ったの?…確かにあなたは思慮深くて私は浅はかね」すると沈静容は先に帰ってしまう。「姐姐が警戒するのも当然ね…ただ気位が高い寄柔夫人が卑怯な人には思えないの」その話を偶然、裏庭の蔵から戻った許寄柔が聞いていた。許寄柔は何も知らずに自分を信じる駱青蓮に困惑した。「愚かね…」すると背後から歩いてきた方懐蕊(ホウカイズイ)に独り言を聞かれてしまう。「誰が愚かなの?」「私です、真夏にこんな厚着で日陰を歩いているなんて…着替えてきます」方懐蕊はそれ以上、追求しなかったが、慕海瑶の失脚後に急に駱青蓮と近しくなった許寄柔を訝しんだ。賀連信はどんな贈り物にも興味を示さない駱青蓮に困惑していた。「食も容姿も興味はない、あとは何だ?…権力か?」すると侍従の蘇南春(ソナンシュン)が庶室に昇格してはどうかと助言する。「うむ…父王のために孫を産んでくれれば正室もやぶさかでない だが屋敷を離れたがっていて難しいしな」「公子、それが姑娘の考えが変わったとか、屋敷に残るようです」その話を偶然、方懐蕊が聞いていた。沈静容は駱青蓮と仲直りしようと漣微居(レンビキョ)を訪ねた。しかし許寄柔の姿に気づき、声をかけずに様子を見守る。実は許寄柔は自分の懐妊中に手縫いした衣を青蓮に差し入れていた。すると駱青蓮は臨月用の衣がまだ新しいことに気づく。「私のお腹に子がいたのは6ヶ月までだったから…」沈静容は結局、来訪を伝えずに引き上げた。一方、許寄柔は6ヶ月用の青い衣に着替えて散歩へ行こうと駱青蓮を誘い出す。「流産の話は初耳です」「私も最初は妾で、身ごもって庶室になったの でも子供は6ヶ月で流産、娘だった、仕組んだのは葉秀(ヨウシュウ)よ」許寄柔はそれが原因で子を産めない身体になっていた。許寄柔は駱青蓮を庭園に連れて行った。青蓮は屋敷へ来て初めての場所だと喜んだが、許寄柔はどこか上の空、急に早く帰ろうという。しかし合図の鳥の声が聞こえ、許寄柔は逃げるように青蓮を置いていなくなった。「寄柔夫人?寄柔夫人?」青蓮は大きなお腹で許寄柔の後を追ったが、そこに牙を向いた犬が現れる。驚いた青蓮は恐怖でその場から動けなくなった。その時、呂北逸(リョホクイツ)が現れ、犬を蹴り飛ばし青蓮を救う。すると方懐蕊たちと駆け付けた賀連信が怯える青蓮を抱きしめた。呂北逸は逃げようとしていた男を捕らえた。賀連修は妻妾たちが見守る中、自ら審問、男が聴瀾(チョウラン)閣の侍従と知る。焦った李浅陌は自分と無関係だと訴えたが、実は正夫人の侍女・酔柳(スイリュウ)が全て見ていた。酔柳は聴瀾閣から慌てて飛び出して行く侍従を目撃、後をつけた。すると裏庭の荒れた古い蔵からどう猛な犬を連れ出し、駱青蓮が散策している庭に放ったという。酔柳は恐ろしくなって正夫人へ報告に戻ると、ちょうど賀連信が居合わせたのだった。賀連信は正直に白状すれば家族を見逃すと約束し、侍従を懐柔した。すると侍従は主に命じられたと告白し、いきなり短剣を取り出して自害してしまう。賀連信は嗣子(シシ)の殺害を図ったとして李浅陌の身分を剥奪、永寒閣での幽閉を命じた。おかげで方懐蕊は時児(ジジ)の養育を任され、危うかった正室の座を守る。これで一件落着かと思われたが、その時、呂北逸がひとつ確認したいと訴えた。呂北逸は駱青蓮を散策に連れ出した許寄柔を怪しんだ。そこで許可を得て許寄柔に近づくと、思った通り青蓮と同じ粉薬の匂いがする。実は駱青蓮を助けた時、かすかに妙な香りがしていた。犬を訓練する時、何度も同じ香りを嗅がせることで攻撃を指示できるようになるという。しかし青蓮は許寄柔をかばった。「あの男とは出がけに会い、その時に粉薬を付けられたのでしょう その香りが一緒にいた寄柔夫人に移ったのです」その時、賀連信は確かに青蓮が見慣れない青い衣を着ていると気づいた。「初めて着ました、新しく縫ったのです」「おかしいな、裁縫している所を見たことないぞ?誰が縫った?」すると咄嗟に沈静容が自分が縫ったと答えた。駱青蓮は寝宮の前で沈静容を呼び止め、怒っていながら自分を助けてくれたと感謝した。「助けたのはあることを知ったからなの、あの日…」そこへ許寄柔が現れた。駱青蓮たちはひとまず寝宮に入った。すると許寄柔がいきなり叩頭、青蓮を害そうとした謝罪と助けてくれたお礼だという。「借りは嫌いよ、助力が必要なら全力で借りを返すわ」その時、思いがけず呂北逸がやって来た。「噬心(セイシン)毒、いつからだ?」この毒は服毒すると徐々に五感が失われ、1年以内に死ぬという。つづく|ω・`)壁に耳ありジョージにメアリー…え?w
2024.11.06
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岁岁青莲 Blooming Days第14話「新たな火種」呂北逸(リョホクイツ)を追いかけ、ねぐらにまで押しかけた賀元雪(ガゲンセツ)。呂北逸の憂さ晴らしの酒に付き合いながら、彼には忘れられない想い人がいることを知るのだった。翌朝、駱青蓮(ラクセイレン)は且歌苑(ショカエン)の寝台で目を覚ました。賀連信(ガレンシン)は侍女の東籬(トウリ)を呼んで世話を頼み、すでに出かけたという。「小姐、飲み過ぎですよ?」すると青蓮はおぼろげながら昨夜の失態を思い出した。確か賀連信から短剣を渡され、酒の力を借りようと杯を空けたが、そのまま泥酔して醜態を晒したらしい。青蓮は居たたまれなくなって急いで帰ろうとしたが、その時、東籬が卓上にある封書を見つけた。…夫婦円満を望まぬなら自由にしよう、これより各々の道を行く…賀連信は屋敷に寄り付かなくなった。そんな中、朝議では世子・賀連儲(ガレンチョ)と賀連信が調子を合わせ、賀連修(ガレンシュウ)の居場所がなくなってしまう。賀連修は復活を誓うが、何より自分には賢妻である阮之湄(ゲンシビ)がいた。駱青蓮は近頃、食欲を失くしていた。東籬は公子を追い出したからだと揶揄したが、そんなある日、流雲小築(リュウウンショウチク)がにわかに騒がしくなる。青蓮が様子を見に行ってみると、すでに妻妾たちが集まって門から中の様子をうかがっていた。「王府は耳が早いわね、慕海瑶(ボカイヨウ)が去るや否や新入りが来たわ ご覧なさい、″湖底の魚″も飛び出して来た」妻妾たちは呆れたように解散すると、新たな妾・南如珍(ナンジョウチン)が青蓮に気づいて挨拶にやって来た。駱青蓮はその足で驚秋(キョウシュウ)院へ向かうことにした。それにしても南如珍は美しく賢そうで話も上手い。その完璧さがかえって駱青蓮を警戒させた。すると且歌苑で急に火の手が上がり、屋敷は騒然となる。青蓮は密かに小火を出した宝物庫に飛び込んで賀連信の大事な羽織を救ったが、その様子を南如珍が見ていた。賀連信は火事があったと聞いて慌てて屋敷に戻った。そこで真っ先に懿(イ)夫人が縫ってくれた羽織を確認したが、無事だと分かって安堵する。すると火消しを手伝ったのか、ある女が疲れて居眠りしていた。「そなたは?名は何という?」その女は新たな妾・南如珍だった。その夜、李塘(リトウ)は偶然、火付けの下手人を見つけ、駱青蓮に報告した。「昼間の火事の時、付け火を疑われる者と出くわしました 先ほどまた見かけたので後をつけたところ…南如珍の侍女でした」駱青蓮は且歌苑を訪ねた。喜んだ蘇南春(ソナンシュン)はすぐ主に報告しようとしたが、南如珍がいることを思い出して困惑する。「あの者がいるのね?」すると南如珍の侍女・剪雨(センウ)が現れ、公子が主を気に入ったので明朝にでも出直して欲しいと門前払いされてしまう。…たかが小火よ、寵愛を得たら付け火くらい何でもない…駱青蓮は帰りに沈静容(シンセイヨウ)を訪ねた。恐らく付け火は公子に近づくための手段、自分が口を出す筋合いではないという。「妹妹ったら、何だか妬いているみたい、クスッ」「考えすぎよ、私の想い人が誰か知っているはずよ」すると青蓮は手巾を忘れたまま帰ってしまう。一方、賀連儲は老三にすっかり骨抜きにされ、女色に溺れる毎日を送っていた。翌朝、方懐蕊(ホウカイズイ)は南如珍が公子の寵愛を賜ったと早合点し、且歌苑に褒美を届けた。妻妾たちは南如珍の得意げな様子を門から冷ややかに眺めていたが、その時、二日酔いで目覚めた賀連信が水を求めて外へ出て来る。「これは何だ?」ようやく事情を飲み込んだ賀連信は駱青蓮への未練で酔い潰れたとも言えず、面目を守るため南如珍を庶室に昇格させ、静姝(セイシュ)館を与えてしまう。すると寝殿の前に落ちている青蓮の手巾に気づいた。「蘇南春?もしや青蓮姑娘がきたのか?」「はい確かに」しかし如珍夫人がいたので侍女が断ってしまったという。実はその手巾は沈静容がわざと置いたものだった。喜んだ賀連信は漣微居(レンビキョ)に駆けつけた。しかし主の体調がすぐれず眠っているため会えないと東籬に門前払いされてしまう。同行した南如珍は公子を拒まぬよう助言し、昨夜のことは自分が悪いと謝罪した。「まるで小姐がわがままで拒んでいると言いたげですね?小姐は病なのです」「分かった分かった、治るまで待ってやろう 3ヶ月も待ったのだ、扉が開くまでここを動かぬ」南如珍は公子の心にいるのがやはり駱青蓮だけなのだと思い知らされたが、その時、寝殿から染雲(ゼンウン)が出て来た。「大変です!小姐が倒れました!」賀連信は慌てて呂北逸を呼んだ。すると駱青蓮は病ではなく懐妊だと分かる。賀連信はすっかり舞い上がり、早速、褒美を揃えに出かけて行った。その間に呂北逸は安胎薬を飲ませることにしたが、青蓮は拒む。実は懐妊と聞いて真っ先に青蓮の目に浮かんだのは暉児(キジ)の非業の死だった。「ここで生をうけることが幸せとは限らない…出て行くわ」しかし運悪くその言葉を賀連信が聞いていた。賀連信は激怒したが、青蓮は母親として子を守るためだと譲らない。その時、蘇南春が駆けつけ、賀連倚(ガレンイ)が急ぎの用だと伝えた。「駱青蓮、いいか?お前とお前の持つ全ては私のものだ 私の許しなく勝手に奪うことはできぬ!」仕方なくその場をあとにした賀連信。呂北逸はともかく薬を飲むようなだめ、去るか残るかは自分で決めろと言った。「私がそばにいる」信宅に突然、安(アン)王がやって来た。すると安王は青蓮に褒美を授け、改めて医官の脈診を受けさせる。「おめでとうございます、王爺」実は賀連信は青蓮を引き止めるため、父王に孫が増えると報告していた。つづく( ゚ェ゚)で湖底の魚って誰?
2024.11.05
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岁岁青莲 Blooming Days第13話「賀連信の孤独」三兄・賀連信(ガレンシン)を排除するつもりが逆に足下を見られてしまった賀連修(ガレンシュウ)。結局、銀庫の穴埋めのため安く買い集めた骨董を全て手放し、元手を失った。激高する夫の姿を垣間見た嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は侍女・流煙(リュウエン)から慕海瑶(ボカイヨウ)の失脚を知る。「やはり駱青蓮(ラクセイレン)は侮れない…例の者は?」「はい、あとは夫人が教育するだけです」賀連信は呂北逸(リョホクイツ)の献策で買付金の回収に成功した。この功績が認められ呂北逸は幕僚として仕えることが許されたが、その代わり駱青蓮との関わりを一切、断ち切るよう警告されてしまう。慕海瑶(ボカイヨウ)が信宅を去る日がやって来た。しかし見送りに出たのは赤子を抱いた許寄柔(キョキジュウ)ただ1人。慕海瑶は今さらながら真心で接してくれたのが許寄柔だけだったと思い知る。その時、粗末な馬車がやって来た。侍女の如画(ジョガ)は誰が用意したのかと憤慨したが、そこへ方懐蕊が妻妾たちを引き連れ現れる。「私が頼んだのよ」平民に落とされた慕海瑶に妻妾たちは冷たかった。慕海瑶は賀連信が必ず見送りに来てくれると信じて待った。方懐蕊は公子ならすでに出かけたと嘲笑ったが、その時、賀連信が呂北逸を連れて駆けつける。感激した慕海瑶は涙ながらに別れの挨拶を伝え、命綱である息子との面会だけは許して欲しいと懇願した。「…案ずるな、新しい母親を与えるゆえ苦労はすまい」( ゚д゚)はぁ?すると驚いたことに賀連信は赤子を李浅陌(リセンバク)に渡してしまう。「安心しろ、大事に育てる」こうして奇しくも赤子は生母の腕の中に戻った。呆然とする慕海瑶だったが、最後の望みに別院まで公子たちに同行して欲しいと頼む。どんな魂胆があるのか分からなかったが、慕海瑶は駱青蓮を馬車に同乗させ、その後ろから馬に乗った賀連信と呂北逸が付いて行った。馬車は郊外の山道に入った。「駱青蓮、おめでとう、呂北逸が幕僚になったわ でも本当に賎民から抜けることができるかしら?あなたたちの過去は公子の恥よ? 公子が王爺になったら真っ先に殺すのは呂北逸 公子にとって屋敷の人間は全て駒なの、用がなくなれば私のように捨てられるわ」しかし兄がいる限り自分は許されると言い放ち、慕海瑶はいきなり駱青蓮を馬車から突き落としてしまう。賀連信は意識を失った駱青蓮を屋敷へ運び込んだ。呂北逸の見立てでは落下した衝撃から昏睡しただけだと分かったが、その時、青蓮はうわ言で呂北逸の名を呼んでしまう。賀連信は人払いし、献身的に青蓮を介抱した。やがて青蓮は目を覚ましたが、付き添っていた賀連信に目もくれず、呂北逸の身を案じる。青蓮は公子が危険を冒してまで自分を助けるはずがないと決めつけ、当然、呂北逸が救ってくれたと思い込んでいた。「丫头(ヤートウ)、私たちは利益だけの仲か?私が何をしても呂北逸には及ばぬと?」思わぬ公子の言葉に青蓮は慕海瑶の警告を思い出した。…公子が王爺になれば真っ先に殺すのは呂北逸よ…そこで青蓮は自分を突き落とした慕海瑶を罰しないのか聞いた。賀連信はその時機ではないと答えたが、青蓮はやはり慕海瑶の読み通りだと気づく。「初めから呂先生を賎民から救うつもりはなかったのね?」実は慕海瑶は賀連修の心にいるのが駱青蓮だと薄々、気づいていた。そこで馬車から駱青蓮を突き落としてみたが、驚いたことに賀連修は落下した青蓮を抱き留め、自分が盾となって助ける。…女に本気になることはないと思っていた、まさか命懸けで青蓮を救うなんて…慕海瑶は馬車に揺られながら激しい嫉妬の炎を燃やした。しかしこれで賀連修の心にも絡みついて解けない痛みを刻みつけたに違いない、永遠に続く痛みを。一方、賀連信は自分を疑う駱青蓮に深く失望し、売り言葉に買い言葉で呂北逸を助けるつもりはないと言い放った。激怒した青蓮はすぐにでも屋敷を出て行くことにしたが、賀連信は怒りに任せて青蓮に今夜の夜伽を命じてしまう。翌朝、東籬(トウリ)から知らせを聞いた呂北逸は急いで且歌苑(ショカエン)に駆けつけた。するとちょうど門が開いて寝殿から駱青蓮が現れる。蘇南春(ソナンシュン)は公子からの褒美として羽織を贈ったが、青蓮の表情は硬いままだった。駱青蓮は呂北逸に目もくれず帰って行った。愛する青蓮が穢されたと知った呂北逸は激怒、ちょうど寝殿から出て来た賀連信に剣を突きつける。すると賀連信は刺しても見逃すが、刺せないのなら二度と駱青蓮とのことに口を出すなと迫った。その時、呂北逸に会いに来た郡主・賀元雪(ガゲンセツ)の姿が見える。呂北逸は結局、賀連信を刺せずに黙って引き返し、賀元雪は呂北逸の後を追った。賀連信は全身の力が抜けるようにその場でへたり込んだ。「いっそ刺されたかった…」すると今度は方懐蕊がやって来た。賀連信はようやく暉児(キジ)の件でまだ答えを出していなかったと気づいたが、方懐蕊は公子の決断に従うという。「海瑶の別院の調度品は屋敷と同じものを… 公子には多くの味方が必要、慕家に恨まれてはなりません」方懐蕊は跡継ぎのない正室など名ばかりだと分かっていた。慕海瑶がいなくなれば次の慕海瑶が現れるのは必至、正室の座を守るためには公子の負い目を利用するしかない。「私が譲歩するほど公子は私への負い目が強くなる」駱青蓮は約束を反故にして夜伽を強要した賀連信に恨みを募らせた。そこで漣微居(レンビキョ)に戻り、鋭く研いだかんざしを手にして復讐に向かう。しかし思いがけず七弟・賀連倚(ガレンイ)に止められた。賀連倚は兄嫁を庭園に連れ出し、その羽織こそ三兄の真心の証しだと教えた。「誰の物か知っているか?」「徳(トク)夫人?」徳夫人は賀連信の生母だったが、同時に賀連信の心の傷でもあった。…実は賀連信は懿(イ)夫人に育てられた生母・徳夫人のもとに戻ったのは9歳の時だったが、その時、徳夫人には幼い八弟・賀連化(ガレンカ)がいたという徳夫人は自分の手元で育てた八弟を溺愛ある日、賀連信は父王から褒美として羽織を賜ったが、弟が欲しいとねだると取り上げてしまうちょうどその様子を見た懿夫人は胸を痛め、賀連信のために自ら羽織を縫い上げた賀連信にとってこの羽織は宝物となり、誰にも触らせなかったという…その羽織が今、駱青蓮の肩にあった。賀連倚は三兄が遊び人で薄情そうに装うのは怖いからだという。「私は徳夫人に預けられ、三哥と一緒に育ったからよく分かる 三哥にとって人生はうまくやれば褒められ、失敗すれば捨てられる″のが常 二十数年、ずっと仮面をかぶり、緊張を解いたことがない 嫂嫂(サォサォ)、私が命をかけて保証する、三哥はあなたにだけは嘘をつかぬ」駱青蓮は冷静さを取り戻して寝宮に戻った。賀連信が真の愛を信じられない理由はやはり生母が原因だったらしい。…心の深い傷を打ち明けてくれれば誤解は解けたのに…青蓮は今さらながらこれが慕海瑶の蜂の一刺しだったと気づいた。その夜、賀連信は駱青蓮を呼んだ。すると青蓮が羽織を返しにやって来る。賀連信は青蓮だけには嘘をついたことがないと釈明したが、昨夜の夜伽で全て手遅れだと気づいていた。そこで黙って青蓮の手に短剣を握らせる。青蓮は酒の力を借りて短剣を構えたが…。つづく( ̄▽ ̄;)皆さんとご一緒に~っていきなり青蓮だけ馬車に同乗させる流れは何?w
2024.11.04
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岁岁青莲 Blooming Days第12話「牡丹の団扇の行方」内助の功の褒美として賀連信(ガレンシン)の妻妾に3種の団扇を下賜した安(アン)王。すると慕海瑶(ボカイヨウ)は正室がもらうべき牡丹の団扇が欲しいと言い出した。方懐蕊(ホウカイズイ)は序列があるとたしなめたが、慕海瑶はならば安王に決めてもらおうと提案する。しかし安王が何か言いかけた時、急に賀連佐(ガレンサ)がやって来た。賀連佐を送り込んだのは賀連修(ガレンシュウ)だった。賀連修は五弟に上奏状を届けさせ、賀連信の手段を選ばぬ借金取り立てで各部署から不満が噴出していると訴えさせる。しかし官吏の反発は想定内、賀連修の予想通り安王はこれを問題にしなかった。そこで賀連佐は李(リ)大人が取り立てのせいで自害し、実は三兄がこれに抗議した民を皆殺しにしたと告発する。すると今度は世子・賀連儲(ガレンチョ)がやって来た。賀連儲は自分も三弟の罪を暴きに来たと訴えた。しかしよくよく聞いてみると賀連信を擁護していると分かる。「老三の取り立て方は相手が汚職官吏の場合、情け容赦なかった しかし清廉な官吏には返済させるどころか自ら借金の穴埋めをしていのです その中には李大人も含まれていました 私は老三を公平さを欠いた罪で告発します!」すると賀連信は李大人が自害ではなく病気による急死だったとごまかし、暴徒も貧民のふりをした盗賊だったと釈明した。賀連修は暴徒の一件が世子の策略だと知っていた。跡目争いに敵も味方もない。弱みを握られた世子が三兄と手を組めば自分の居場所がなくなるのは必至だ。実は賀連修はあの時、乱闘から密かに逃げ出した男を賀連佐に取り押さえさせていた。賀連修は王五(オウゴ)という証人を呼んだ。王五の話ではあの日、李大人の無念を晴らすべく信公子を訪ねたところ、兵士に排除されたという。賀連佐は民を殺した三兄を激しく非難し、爵位を剥奪すべきと弾劾した。しかし思いがけず慕天殊(ボテンシュ)が新たな証拠としてある手配書を提出する。実は民を扇動した王五の正体は十数年、逃亡を続けていた殺人犯だった。調べてみると民に扮した暴徒も皆、罪人だったという。「そんな輩が李大人の無念を訴え出るでしょうか?」王五は直ちに連行された。賀連佐は自分の過ちだったと謝罪したが、安王は処罰を決めるのは老三だという。爵位剥奪と言ったか?@3>(  ̄꒳ ̄) Σ(°∀°ノ)ノ ビクッ!@5しかし賀連信は父王の期待通り誰も排除せず、五弟も民を思うあまり悪党に騙されたのだろうと寛容な心を示した。こうして一件落着、世子と老五は引き上げた。そこで安王は慕海瑶を御前に呼び、牡丹の団扇が欲しいなら同じ物を作らせて下賜するという。「では今日のところはひとまず正夫人に渡してくれ」慕海瑶は仕方なく盆から牡丹の団扇を取って方懐蕊に渡そうとしたが、その時、思いがけず柄から団扇が取れて落ちてしまう。「何するの?!同等と認められても許せないと?!」方懐蕊は故意だと誤解したが、慕海瑶は何も知らないと困惑した。焦った慕天殊は賀家の男児を産んだことに免じて妹を許して欲しいと嘆願したが、かえって安王の不興を買ってしまう。「褒められたゆえ調子に乗っておるのか?!」すると賀連信は父王の真意を計り決断した。「慕海瑶は横柄で嫉妬深く仁徳に欠ける、よって庶人に降格、南郊の別院に移す」その夜、賀連信は駱青蓮(ラクセイレン)を屋敷の未晞(ミキ)池に連れ出した。「父親(フーチン)の真意に気づいたのはいつだ?」賀連信は駱青蓮が慕海瑶の手先に甘んじていたのがこの日のためだったと分かった。青蓮の話では安王が全てを自分の支配下に置きながら、賀連信に2頭の虎に対抗する力を持たせようとしたという。しかし今回の手柄だけでは遠く及ばず、勢力を広げるために配下を育てる必要があった。青蓮は慕天殊を助けて功を立てさせ出世させることで、妹である慕海瑶という弱みができたという。あの牡丹の団扇も初めから細工されていたのだ。慕海瑶は男児を産み、兄も出世して順風満帆、誰が見ても増長するのは明らかだという。「つまり安王は推測したのではなく知っていたのです 公子は自分が棋士だと思っておられる、でも大局をつかんでいるのは王爺です」実は青蓮は禁足を解かれて王府を訪ねた時、安王の口振りから袁百里(エンヒャクリ)に嫌悪感があると気づいた。その際、亡き錦芳(キンホウ)から公正な安王が縁戚を嫌っていると聞いていたという。賀連信は自分がやりたくてもできなかったことを駱青蓮が叶えたことに驚きを隠せなかった。「だが父親の心は読めても私の心は読めぬのか?」物心ついた時から安王を継ぐと決めていた賀連信。今までの行動は全てそのための布石だったが、駱青蓮とならば例え平凡な夫婦になっても構わないという。「そなたの望みは?…全て叶えよう!」その時、青蓮は呂北逸(リョホクイツ)を助けると誓ったことを思い出した。「私の望みを知りたいと?ならば呂北逸を幕僚にしてください 彼から全てを奪ったのは公子なのですから」賀連信は青蓮の心にいるのが今も呂北逸なのだと知り、呆然となった。「初めからそう取り引きしたはずです…ではこれで」↓正統なアヒル口w方懐蕊はようやく駱青蓮が暉児(キジ)の敵を討つため自分を遠ざけたと気づき、沈静容(シンセイヨウ)を連れて漣微居(レンビキョ)を訪ねた。「あなたを恨み続けるところだったわ」「勝算のない戦いに巻き込むわけにはいきませんでした それに疑り深い慕海瑶を信じ込ませるにはまず味方を騙さなくては…」すると青蓮は肌身離さず持っていた暉児(キジ)の形見の腕輪を正夫人に返した。三兄にしてやられた賀連修。実は賀連修が最も遅れるのは愛する阮之湄(ゲンシビ)に見放されることだった。すると翌日、賀連信が修宅に現れ、冗談めかして取り引きを持ちかける。「やっとの思いで李大人を殺めた下手人を見つけた あろうことか四弟に頼まれたと言ったぞ」「でたらめだ」「それはそうだ、だから昨日、五弟に責められても黙っておいたんだ 貸付金回収に手を焼いているし、お前にも恩が売れるしな、ふっ」焦った賀連修は協力したいが愚鈍ゆえ蓄財が下手だと言い訳した。しかし賀連信は銀子がなくても山のように宝物があると知っている。「ここ数日、曲涼(キョクリョウ)で妙なことがあってな 高官が借金返済のため書画や骨董品を叩き売っていたんだが… それがあっという間に誰かが全て買い取ったらしい 三哥は気になって調べたんだ、すると全てある屋敷に運ばれていた、誰の屋敷だと思う?」つづく( ˙꒳˙ )ホント、わけが分からないだけど公子が青蓮を本気で好きになったことだけは分かったw
2024.11.03
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岁岁青莲 Blooming Days第11話「二度目の別れ」賀元雪(ガゲンセツ)を助けた賀連儲(ガレンチョ)は伯父である右長史・袁百里(エンヒャクリ)を頼った。賀元雪は暴漢に見覚えはないと言ったが、袁百里は郡主に毒入りの茶を飲ませて眠らせてしまう。賀連信(ガレンシン)は安(アン)王から李浅陌(リセンバク)の父を追い詰めた責を問われるはず、さらに郡主が命を落としたとなれば…。一方、賀連信と慕天殊(ボテンシュ)は公金を輸送中、郊外で暴徒に足止めされていた。実は李大人(ダーレン)の自害はきっかけに過ぎず、民たちの目的は公金の強奪だと分かる。その時、物陰から何者かが矢を放ち、民の一人が倒れた。「官兵が民を殺したぞ!」これをきっかけに官兵と民たちが衝突、思わぬ騒ぎになってしまう。その頃、ようやく目を覚ました賀元雪はいつの間にか拘束され、馬車に揺られていた。信宅では2人の側室のお産が始まっていた。朗月(ロウゲツ)閣を追い返された方懐蕊(ホウカイズイ)は聴瀾(チョウラン)閣で李浅陌の出産を待っていたが、そこへ許寄柔(キョキジュウ)が現れる。許寄柔は遠回しに正夫人がまた赤子を害す可能性があると牽制、一緒に外で待つよう迫った。賀元雪は見知らぬ男たちに三兄たちがいる河原で降ろされ、命を狙われた。しかし突然、呂北逸(リョホクイツ)が現れ、再び九死に一生を得る。すると呂北逸はそのまま賀連信に加勢した。慕海瑶(ボカイヨウ)の計略を見抜いていた駱青蓮(ラクセイレン)は出産を静観していた。すると侍従・李塘(リトウ)が駆けつけ、賀連信の危機を知る。駱青蓮は賀連信を助けるため慌てて出かけることにしたが、慕海瑶の計略に気づいた方懐蕊が現れ、今も自分を正夫人だと思うなら協力して欲しいと懇願した。しかし駱青蓮は喉まででかかった言葉を飲み込み、心を鬼にして突き放す。…ごめんなさい、曲涼(キョクリョウ)の未来がかかっている、どうしても行かなくては…「いずれ私の考えがお分かりになります」その時、沈静容(シンセイヨウ)が駆けつけた。慕海瑶が男児を出産したが、李浅陌は死産だったという。手遅れだと知った方懐蕊は肩を落とし、慕海瑶に取り入った駱青蓮に失望して戻って行った。一方、賀連信は呂北逸の助けもあり暴徒を鎮静させていた。すると呂北逸が賀連信に仕えたいと懇願、はい上がるためにも過去のことを忘れるという。賀連信は敵に使えるという呂北逸に驚きを隠せなかったが、今は何より民の被害の大きさに胸が痛んだ。「公金を奪おうとまでするとは…民はここまで困窮しているのだな」「公子、普通の民ではありません」その証拠に呂北逸は暴徒が持っていた剣を見せた。袁百里の謀略は失敗、かろうじて逃げ出した暴徒の1人が復命した。「我が軍は全滅しました」しかも郡主まで賀連信が保護したという。その頃、賀元雪と再会した呂北逸は、元雪の言葉のおかげで奮起したと感謝していた。賀連信は公金と妹を慕天殊に預け、独りでどこかへ出かけようとした。呂北逸は止めたが、その時、思いがけず袁百里が現れる。すると袁百里は賀連信を屋敷へ案内し、李大人を殺害した刺客を差し出した。「李大人を殺めたのは世子だと?実は虎視眈々と漁夫の利を狙う者が…」袁百里は黒幕が四弟・賀連修(ガレンシュウ)だと明かし、勢力を持たない賀連信を懐柔した。「もし世子が失脚したら… 私は曲涼に残る大半の者を率いて信公子にお仕えする覚悟です」賀連信は河原に戻る途中、耐えきれず馬を降りた。正義を貫く者と自分の良心に背くことはできないが、賀連修に対抗するには確かに世子と組む必要がある。…このままでは曲涼が滅びる、今の私には勢力がない、時機を待つしか…賀連信は覚悟を決めて馬にまたがったが、その時、思いがけず駱青蓮が荷車を率いて現れた。「公子、決断されましたか?」駱青蓮の荷車には賀連信が回収した世子の下賜品が山積みになっていた。賀連信はこれを世子に返して帰順しようと考えていたが、青蓮は反対する。「王爺がなぜ公子に貸付金回収を命じたと?」青蓮は安王が世子と賀連修の対立で朝廷が二分し、政が不安定になるのを懸念したのだと見抜いていた。「″三者の鼎立(テイリツ)″です」安王が賀連信に白羽の矢を立てたのは誰かを排除するためではないという。その夜、総管・于徳常(ウトクジョウ)が暗衛からの報告を安王に伝えた。「王爺の思惑通りです」安王は賀連信の期待通りの働きに満足すると、そこへ無事に戻ってきた賀元雪が現れた。「父王…ご心配をおかけしました」駱青蓮は郡主が安王に何と説明するのか心配だった。しかし賀連信は事が大きすぎるゆえ賀元雪は何も言わないはずだという。「かつて父親(フーチン)は懸命に曲涼の開拓を進めたがなかなか成果がなかった あれは私が15歳の頃、干ばつがあってな 父親は城壁から見える荒畑を指して言った これが曲涼だと、貧しい流民がいるのが曲涼なのだ 私は心の中で誓った、いつか民が苦しまぬようにしてみせると… それなのに…私たちのために罪のない民が命を落としてしまった」賀連信は思わず涙ぐんだ。すると青蓮はこれも大業を成すための過程だと励ます。「いつか公子が曲涼を治める時が来ます、その時、死者は報われるでしょう」賀連信は青蓮の言葉に感激し、そっと手を取った。そこへ青蓮がずっと行方を探していた呂北逸が現れる。青蓮は咄嗟に賀連信の手を振り払うと、呂北逸と2人だけで話すことにした。呂北逸は賀連信に仕えるつもりだと明かした。誇りを取り戻すためには功を成し、賀連信の力を借りて賎民から抜け出すしか道はない。青蓮は全て自分のせいだと涙した。しかし呂北逸は駱家には自分の家族のようになって欲しくないとなだめる。青蓮は愛する人と改めて別れを決意、三つ指を立てて月に誓いを立てた。「私、駱青蓮は呂北逸の立場回復を助けます これからはあなたを″呂先生″と呼ぶ、あなたも私を″青蓮姑娘″と呼んで…」慕海瑶は医者と産婆を懐柔、李浅陌が産んだ赤子と氷室で保存していた赤子の亡骸を密かに交換することに成功した。事実上の女主人となった慕海瑶は妻妾たちに漣微居(レンビキョ)にも挨拶に行くよう勧め、駱青蓮を優遇する。駱青蓮が出産の日に方懐蕊の頼みを断ったと知り、慕海瑶の信頼は揺るぎないものになっていた。許寄柔は駱青蓮の腕輪が暉児(キジ)の形見だと明かしたが、慕海瑶は聞く耳を持たない。「いいわ、他の者と手を組むなら私はもう来ない」安王は公金を無事に届けた賀連信たちを食事に招いた。功を立てた慕天殊は平南総兵(ヘイナンソウヘイ)に任命され、同席していた慕海瑶も妹として鼻が高い。すると安王は内助の功の褒美として招待した3人の夫人に団扇を下賜した。「名品だぞ、1本ずつ選ぶが良い」駱青蓮は夫人の2人が団扇を取るのを待った。しかし慕海瑶が急に駱青蓮が最初に取るよう勧める。方懐蕊も確かに功がある駱青蓮が先に選ぶべきだと促した。そこで青蓮は無難に蝶々の刺繍の団扇を取る。嫡妻の方懐蕊は花の女王である牡丹の団扇に手を伸ばしたが、慕海瑶が止めた。「姐姐(ジェジェ)、その団扇は私にください」つづく₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ ♩しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~話が全く分からないので踊っておきましたw
2024.11.01
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岁岁青莲 Blooming Days第10話「秘めたる情熱」慕海瑶(ボカイヨウ)に帰順した振りをして鳴りを潜める駱青蓮(ラクセイレン)。しかし庶室の許寄柔(キョキジュウ)は駱青蓮の思惑に薄々、勘づいているようだった。許寄柔は簡単に信用すべきでないと警告したが、かえって慕海瑶の機嫌を損ねてしまう。賀連信(ガレンシン)は買い物と称して駱青蓮を百珍巷(ヒャクチンコウ)へ連れて行った。すると賀連信が五弟・賀連佐(ガレンサ)の義弟宅で青蓮の侍従・李塘(リトウ)を見た者がいると牽制する。実は慕天殊(ボテンシュ)に銀庫の手がかりを教えて功を立てさせたのは駱青蓮だった。「正夫人の立場を落とし、慕海瑶を持ち上げる魂胆か?何を企んでいる?」「公子、正夫人の無実をご存知なら、私と同じ考えなのでは?」「私?ふっ、私はただの遊び人だ」しかし青蓮は賀連信が遊び人を装いながら、貸付金回収の調査に来たと気づいていた。最近の百珍巷は貸付金を返すために家宝を売りに来る官吏たちで賑わっていた。するとある店で偶然、買い取りを断られている李家の使用人を見かける。賀連信はその家財に価値がないと知りながら、なぜか全て買い取った。賀連信は李家に家財を届けて屋敷を後にした。実は李家は李浅陌(リセンバク)の実家、父親は遊興する他の官吏とは違い、貧民救済のために借金したという。父親はかつて水害に巻き込まれた民を救うため私財をなげうち、賀連信はその姿に深く感銘を受けていた。「彼の志を尊重したい、だが借金を帳消しにする以外、私には何もできぬ せめて娘に赤子を無事に産ませ、その子をしっかりと育ててやりたいのだ この世は不公平だ、だが私は良心を信じる (๑•̀ㅂ•́)و✧」駱青蓮は賀連信の胸には秘めたる情熱があると知った。その頃、王府を抜け出した郡主・賀元雪(ガゲンセツ)も百珍巷にいた。李家の前で馬車に乗り込もうとした賀連信は男装した妹を見かけたが、見失ってしまう。実は賀元雪は三兄に気づき、咄嗟に鍵が開いていた裏門から李家に逃げ込んでいた。すると賀元雪はそこで老爺が刺客に殺される様子を目撃する。「お前は修(シュウ)公子の邪魔だ」しかしうっかり物音を立て、刺客に追われることになってしまう。必死に逃げた賀元雪はいつの間にか侍女と離ればなれになった。ともかく酒楼に逃げ込んで客を装ったが失敗、刺客に見つかって慌てて飛び出して行く。実はその席で酒を飲んでいたのは呂北逸(リョホクイツ)だった。呂北逸は自分の外套と酒瓶を持って逃げ去った娘を追った。やがて空き家で刺客に襲われている娘を発見、高い武功で刺客を蹴り飛ばす。呂北逸は娘から自分の外套を剥ぎ取り、無事に酒瓶を取り返した。実はその酒瓶は青蓮からの贈り物、どうしてもあきらめるわけにいかない。すると娘は空心庵(クウシンアン)まで送ってくれないかと頼んだ。呂北逸は令嬢のお遊びかと呆れたが、賀元雪は籠の鳥でいるより出家した方がましだという。「家には豪華な衣や宝石があるけれど墓場よ 抜け出すには高官に嫁いで別の墓場に行くだけ…私には普通の暮らしができない」「普通の暮らし?…普通ってのはある日、一晩にして全てを失うんだ 分かるか?最愛の人が婚礼を前にして連れ去られ、他の男に嫁いで行く気持ちが」その夜、駱青蓮は許寄柔を牽制するため棲雁(セイガン)楼を訪ねた。「禁足が解かれたのにご挨拶が遅れました…」青蓮は馴れ馴れしく許寄柔の手を取ったが、急に手首をつかまれてしまう。「暉児(キジ)の腕輪は合わないわ」許寄柔は青蓮の腕輪が亡き暉児の形見だと気づいていた。「寄柔夫人は海瑶夫人に忠実なのですね? でも真心に真心で応えてもらえるとは限りません 虎の供をするなら用心しないと襲われますよ?…東籬(トウリ)、帰るわ」漣微居(レンビキョ)へ戻る道すがら、駱青蓮は許奇柔の手が妙だったと漏らした。「赤らんでいたから触ってみたけれど、とても冷たかった どこへ行けばあんなに冷たくなるのかしら?」すると東籬が氷室ではないかと気づいた。しかし真夏でもないのになぜ夜遅く氷室に行く必要があったのか。その話を偶然、通りかかった庶室・葉秀(ヨウシュウ)が聞いていた。葉秀は氷室に向かった駱青蓮たちを尾行、そこで思わぬ事実を知ってしまう。翌日、賀連信は朗月閣で朝食を取りながら慕海瑶の機嫌を取っていた。実は治水工事用の公金が集まり、今日は慕天殊と運ぶことになっているという。すると典宝(テンホウ)署の前で民が騒ぎていると知らせが届いた。「李大人(ダーレン)が…自害したと」驚いた賀連信は何か裏があると気づき、念のため李浅陌には伝えないよう釘を刺して出かけて行った。慕海瑶は李浅陌に出産してもらわなければならない理由があった。すると珍しく葉秀が訪ねてくる。葉秀は権勢を失った正夫人ではなく海瑶夫人に取り入ろうとしたが、慕海瑶は朗月閣に居場所はないと冷たかった。「では朗月閣ではなく氷室だったら?…あなたの赤子のように氷室にいようかしら?」典宝署の前には李大人に恩がある多くの貧民が集まり抗議していた。これも賀連信が借金の取り立てで追いつめたせいだという。しかし賀連信は民の排除を命じず、裏門から密かに公金を運び出すことにした。一方、呂北逸は助けた娘が郡主とは知らないまま、一足先に空き家を後にした。恐る恐る門を開けた賀元雪、すると目の前に足を折られて立ち上がれなくなった刺客がいる。その時、なぜか世子・賀連儲(ガレンチョ)の馬車が現れ、賀元雪は運良く二兄に助けられた。朗月閣の如画(ジョガ)は庭園を散策中だった李浅陌に聞こえるよう、李大人が借金を隠せず自害したと侍女に話した。これを聞いた李浅陌は激しい衝撃で倒れ、そのまま産気づいてしまう。一方、呂北逸は街中で偶然、公金を運送する賀連信の姿を見かけた。するとふいに昨夜の娘の言葉を思い出す。…あなたはただの弱虫よ、自暴自棄になってもさらに尊厳を手放すことになるわ…李浅陌のお産が始まった。寝宮で朗報を待っていた方懐蕊(ホウカイズイ)だったが、葉秀が倒れるように駆け込んでくる。「どうしたの?」「正夫人…慕海瑶の子は死にました…慕海瑶は浅陌夫人の子を奪おうと…グフッ!」すると葉秀はそこで急に血を吐き、意識を失ってしまう。そこへ慕海瑶も産気づいたと報告が来た。朗月閣では慕海瑶の偽装出産が始まった。すると思いがけず方懐蕊が乗り込んでくる。方懐蕊は寝所へ入ろうとしたが、如画や徐良川(ジョリョウセン)たちが全力で阻止、今や女主人は慕海瑶だと反発した。その頃、典宝(テンホウ)署で抗議していた貧民たちは賀連信たちの居場所を突き止めたという男に煽られてついて行った。一方、何も知らず二兄に救出された賀元雪だったが…。つづく( ゚ェ゚)何だか話が見えないw
2024.10.31
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岁岁青莲 Blooming Days第9話「だまし合い」駱青蓮(ラクセイレン)を利用して慕海瑶(ボカイヨウ)を害そうと企んだ李浅陌(リセンバク)。しかし転んだはずの慕海瑶が大きなお腹で寝殿から出て来た。慕海瑶の芝居はうまく行ったように見えたが、方懐蕊(ホウカイズイ)は久しぶりに茶でも飲みながら話したいと牽制する。殿内にいた侍女・如画(ジョガ)は駱青蓮どころではなくなり、慌てて亡骸を隠そうとした。するとその間に駱青蓮が外へ出てしまう。駱青蓮は正夫人に事情を説明した。「禁足を解かれて安(アン)王に謁見して戻った時、医官を案内する如画と会ったのです 海瑶夫人が転んだと聞いて心配になり一緒について来ました ご報告に上がろうとしたらちょうど正夫人がこちらに…」すると青蓮は慕海瑶のお腹の子は無事だと嘘をついた。実は李浅陌はかつて慕海瑶に流産させられそうになったことがある。恐らくその時の仕返しに自分を利用したのだろう。「ところで浅陌夫人、私の髪飾りを返してください 今朝、半秋(ハンシュウ)が拾ったはず…この目で見ました」青蓮は侍女・織月(ショクゲツ)から李浅陌の性格上、こちらが強く出れば自滅すると聞いていた。案の定、李浅陌は明らかに動揺し、それを見た慕海瑶と方懐蕊は全てを悟る。しかし方懐蕊はともかく2人とも無事に跡継ぎを産むことが肝要だとその場を丸く収めた。慕海瑶は棲雁(セイガン)楼の庶室・許寄柔(キョキジュウ)を訪ねた。驚いたことにあの駱青蓮が自分を助けてくれたという。「本当に私の側につくなら鬼に金棒ね」しかし許寄柔はたった5ヶ月で駱青蓮が生き残る術を身につけたとは到底、思えなかった。翌朝、駱青蓮は沈静容(シンセイヨウ)と一緒に驚秋(キョウシュウ)院へ向かう途中、医官を連れた徐良川(ジョリョウセン)と出くわした。いつもなら平然と自分たちを無視する朗月(ロウゲツ)閣の侍従。しかし今日はわざわざ挨拶し、主が腹痛を訴えていると説明してくれた。…私たちにわざと聞かせたのね…やはり妻妾たちの会合に慕海瑶の姿はない。沈静容は正夫人に海瑶夫人の腹痛を報告、驚いた方懐蕊はすぐ侍女に様子を見に行かせた。散会後、方懐蕊は駱青蓮、沈静容と一緒に侍女の帰りを待った。やがて酔柳(スイリュウ)が戻り、確かに海瑶夫人が寝台で苦しんでいたという。「そして見てしまったのです、如画が薬湯にこっそり堕胎薬を入れているところを… 叩いたり罵ったりされて恨んでいる様子でした、その報復かと」駱青蓮は如画が薬を混ぜる意味がないことを知っていた。…手の込んだ芝居ね、正夫人、見に行っては駄目…許寄柔は回廊から駱青蓮の動向を注視していた。果たして駱青蓮は裏切るのか。しかし駱青蓮は正夫人に真実を明かさぬまま、一緒に朗月閣に向かった。方懐蕊は駱青蓮たちを連れて朗月閣を訪ねた。すると慕海瑶が見舞いに来た賀連信(ガレンシン)の前でちょうど薬湯を飲もうとしている。「駄目っ!」方懐蕊は思わず器を払いのけ、慕海瑶の大事な薬を台無しにしてしまう。方懐蕊は公子に如画が堕胎薬を混ぜたと明かした。しかし如画は否定、そこで医官に調べさせたところ、薬湯に堕胎薬は入っていないと分かる。酔柳は確かに如画が毒を入れるのを見たと証言し、沈静容も酔柳の報告を正夫人と一緒に聞いたとかばった。そんな中、駱青蓮だけが高みの見物を決め込んでいる。すると賀連信は我が子を失った正夫人を休ませると口実をつけ、内向きの采配を慕海瑶に任せた。駱青蓮の忠誠を試すため、大掛かりな茶番を仕組んだ慕海瑶と許寄柔。どうやら駱青蓮は本気で自分たちに基準するようだ。すると朗月閣に駱青蓮がやって来た。ご機嫌な慕海瑶は駱青蓮に椅子を進めて茶まで出し、すっかり成長したと褒める。そこで公子の買付金回収に兄・慕天殊(ボテンシュ)を手伝わせると伝えた。許寄柔は駱青蓮と一緒に朗月閣を後にした。「どんなことを学んだの?」「難を知り、退くことです」「退くことでさらに前進するためでは?」すると許寄柔は別れ際、駱青蓮に蜘蛛の巣の切り絵を渡して帰って行った。「″蜘蛛の巣を張りて待ち得る大量の糧″…蜘蛛は辛抱強く待つのが得意よ」許寄柔の目利きはあなどれない。青蓮は慕海瑶がここまで上り詰めたのも許寄柔の力が大きいと知った。賀連信は今回の一件を静観していた駱青蓮が何か隠していると疑った。そこで漣微居(レンビキョ)を訪ねて迫ってみたが、運悪く急ぎの知らせが来る。賀連佐(ガレンサ)が典宝(テンホウ)署の前で物売りをしているというのだ。そこで駱青蓮は機転が利く駱青蓮を一緒に連れて行くことにした。典宝署の門の前にはすでに人だかりができていた。すると賀連佐は三兄の借金取り立てのせいで官吏たちが今にも自害しそうだと訴え、自分たち兄弟も貧しい暮らしを強いられているという。そこへちょうど役人が借財の返済にやって来た。しかし世子の侍従・宋安(ソウアン)に止められ、追い返されてしまう。その様子を見た賀連信は世子たちが貸付金回収を邪魔していると分かった。賀連信は慕天殊に銀子の穴埋めの仕事を頼んでいた。すると慕天殊が手がかりを見つけたと報告、早速、銀庫の裏庭へ向かう。「ここで何がある?」「見ていてください、でも青蓮姑娘は外していただいたほうが…」「構わぬ」その時、下履き姿の男たちが次々と出て来た。驚いた賀連信は慌てて青蓮の目を手で隠し、一体、何事かと困惑する。「毎日、勤めを終える度、こうして手を上で叩き、腰掛けを飛び越えさせます どこにも銀子はないと証明するのです、それでも銀子は盗まれるとか」そこで賀連信は男たちに衣を着るよう命じ、身体が温まるよう生姜汁を差し入れた。賀連佐は容赦ない三兄のやり方を激しく嫌悪した。まさか汁物に巴豆(バズ)を入れて腹を下させ、尻に隠していた銀子を出させたとは。しかし配下を買収して銀子を盗んでいた黒幕は自分の妻の弟だった。夫人に泣きつかれた賀連佐は翌日、しぶしぶ貸付金の返納に向かう。一方、駱青蓮は朗月閣を訪ね、慕天殊の助力により貸付金の半分を回収したと報告した。「海瑶夫人にお祝い申し上げます」許寄柔は駱青蓮の話を聞いてもどこか冷ややかだったが…。つづく(´゚艸゚)∴ウッ!色々な意味でキモいw
2024.10.29
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岁岁青莲 Blooming Days第8話「消えた銀子」賀連信(ガレンシン)は駱青蓮(ラクセイレン)の住まいを漣微居(レンビキョ)に移した。ここは景色がとても美しく、懐妊中の側夫人・李浅陌(リセンバク)が希望しても与えられなかったという。屋敷では使用人たちが新しい主を出迎えた。そこで青蓮はここでは誰もが平等であり、忠誠も求めず、去就も自由だと伝えておく。「己の心に従って、決して責めたりしないわ」使用人たちは呆気に取られていたが、駱青蓮の美しく凛とした姿にすっかり感化された。しかし引っ越して早々、青蓮は賀連信から1年間の禁足を命じられてしまう。侍女の東籬(トウリ)は困惑したが、当の青蓮は賀連信なりに理由があるのだろうと理解を示した。…民思いの賀連信なら曲涼(キョクリョウ)の明主になる、ただ慕海瑶(ボカイヨウ)が腹黒く、慕家も大きな力を持つ、いずれ賀連信に害を及ぼすかも…その夜、慕海瑶は侍女・如画(ジョガ)から駱青蓮の様子を聞いた。何でも新居に移って早々、禁足になり、使用人も融通が利かない無能な者ばかりだという。しかし慕海瑶は駱青蓮を警戒、棲雁(セイガン)楼に使いを出すよう命じた。…駱青蓮の追放…すると慕海瑶の文を読んだ棲雁楼の主はすぐ燃やしてしまう。七弟・賀連倚(ガレンイ)は三兄が父王のお気に入りである駱青蓮を禁足にしたと聞いて驚いた。しかし賀連信は屋敷の内情を知らない駱青蓮がここで生き抜くには待つことを覚える必要があるという。その頃、駱青蓮は信宅の内情を知るため、侍従・李塘(リトウ)、侍女・織月(ショクゲツ)と染雲(ゼンウン)を集めた。3人は古株ながら実直なせいで主に好かれず、これまでに仕えた人数が多いという。…なるほど、公子は先を見越してこの3人を私につけたのね…青蓮はこれまでの屋敷の出来事や妻妾たちの性格などを聞き出し、飲食の担当で唯一、外と連絡が取れる東籬には各部屋の一挙手一投足を見張るよう命じた。駱青蓮は賀連信の期待通り、待つことを覚えた。しかし5ヶ月が過ぎたある夜、東籬が寝所に駆けつけ、賀連信が急に王府に呼ばれたと報告する。「何があったのかしら?」実はこの激しい雷雨で曲涼河の堤防が決壊した。安王は治水工事を命じるはずだったが、税収を収める銀庫が空、未払いの手形だけしかないと知る。激怒した安王は息子や重臣たちを呼びつけ叱責、誰かに貸付金の回収を任せると決めた。すると四子・賀連修(ガレンシュウ)と結託する右長史・袁百里(エンヒャクリ)が賀連信を推挙する。「貸付金の回収は曲涼中に影響が及びます 手違いがあれば民の不満を招き、混乱が生じるでしょう そのためにも徳や仁が不可欠ですが、″時間の猶予″がある方が適任かと…」袁百里は賀連信が遊び人を装っているのを利用し、まんまと嫌われ役を押し付けることに成功した。李浅陌は明け方だというのに苦い薬湯を飲まねばならなかった。「ゲッ!いつまで耐えればいいの?」すると薬材を取りに行った奴婢・半秋(ハンシュウ)が戻って来る。実は帰り道で禁足中の駱青蓮とすれ違ったというのだ。「蘇南春(ソナンシュン)と連れ立って足早に通り過ぎたのです、その時、これを拾いました」急いでいた駱青蓮はうっかり髪飾りを落としていた。李浅陌は駱青蓮の髪飾りを受け取ると、慕海瑶がまだ何も知らないはずだと気づく。「あの人は駱青蓮を憎んでいる…」窮地に追い込まれた賀連信は駱青蓮を呼び出し、父王の寝宮を訪ねた。しかし父王から買付金回収の件で駱青蓮を連れて来たと見抜かれてしまう。「お見通しでしたか…私では力及ばず、ご迷惑にならぬか心配です」「青蓮はどう思う?」すると青蓮は安王の子息である信公子ならできると答えた。安王は機嫌取りも上手いと失笑、5ヶ月も禁足にされて不満はないのかという。「禁足も悪くありません、この五月(イツツキ)の間に多くのことを学びました」「そうか、ふっ…優しさの形はそれぞれだ 老三がそなたを労っているように、私も息子に愛情を注いでいると思わぬか?」その時、賀連信は父王が何か意図があってこの件を自分に任せたと気づいた。「必ず父親(フーチン)の期待に応えます!」一方、慕海瑶は李浅陌からの知らせで禁足のはずの駱青蓮が外に出たと聞いた。今や公子の心にいるのは駱青蓮だけ、激しい嫉妬に駆られた慕海瑶は大きなお腹を抱えて朗月閣を出たが、足を滑らせ転倒してしまう。賀連信は駱青蓮を屋敷まで送り届け、出かけて行った。安王の狙いは一体、何なのか。青蓮が考え事をしながら寝宮へ到着すると、朗月閣の侍従・徐良川(ジョリョウセン)が待っていた。慕海瑶は駱青蓮が正殿に入ると扉を閉めた。何やら異様な雰囲気に戸惑う青蓮、すると驚いたことに慕海瑶が赤子を抱いている。「もうお生まれにって…いつの間に?」「私の子を見て、可愛い?」青蓮がおくるみの中をのぞくと、赤子は死んでいた。「この子は死んだ…あなたのせいよ!」慕海瑶は駱青蓮の髪飾りを示して激高した。ようやく髪飾りがないことに気づいた青蓮は罠にはめられたと分かったが手遅れ、外に出られない。しかしその時、外から嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)の声が聞こえた。↓ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ慕海瑶は如画(ジョガ)に駱青蓮を拘束させ、耳をすませた。侍従は扉を開けられないと拒んでいたが、方懐蕊は慕海瑶が転んだと聞いて駆けつけたという。その時、思いがけず李浅陌の声が聞こえた。「正夫人に逆らうつもり?!やけに邪魔するけれど赤子に何かあったの?」李浅陌は自分の侍女が確かに海瑶夫人が転倒して出血するのを見たと訴え、駱青蓮の髪飾りを踏んだことが原因だと口を滑らせた。駱青蓮は朝方、出かける際に李浅陌の侍女とすれ違ったことを思い出した。一方、慕海瑶も自分が転んだ原因を知る李浅陌こそ黒幕だと気づく。そこで咄嗟にお腹に詰め物を入れ、大きなお腹で部屋を出た。「確かに転びました、でも天のご加護があります 私の子を害そうとしても無駄ですわ…ねえ、妹妹?」つづく(  ̄꒳ ̄)このネタ満載の懐かしさよwww
2024.10.27
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岁岁青莲 Blooming Days第7話「新しい味方」世子の刺客に狙われ、追われる身となった駱青蓮(ラクセイレン)と賀連信(ガレンシン)。青蓮は誰か頼れる人がいないか聞いたが、賀連信は父王以外、誰も信じるなという。「正夫人や海瑶(カイヨウ)夫人は?」「…価値がなくなれば捨てられる」「徳(トク)夫人もそうだったの?」青蓮は賀連信がうわ言で母を呼んでいたと明かした。賀連信が夫人たちの真心を信じられないのも、亡き母が関係しているのかもしれない。すると気まずい賀連信は聞いたことを全て忘れるよう命じ、呂北逸(リョホクイツ)にとっても一番大事なのは功名だと指摘した。「賭けをしないか?…いつか答えは出る、その時、私に泣き顔を見せるなよ?」「そんな日は来ないわ」翌朝、信宅から逃亡した呂北逸と東籬(トウリ)は無事、呂家村に到着した。駱青蓮とは村の入り口で合流する約束になっている。呂北逸はひとまず実家に戻ったが、先に引き上げた家族は賎民に落とされた苦しみから心中していた。賀連信は恩人である駱青蓮を解放すると決め、呂家村まで送った。「皆にはお前が死んだと言う、呂北逸と2人で好きな所へ行くといい」「私たちを自由にしてくれてありがとう」後ろ髪を引かれる思いで立ち去ろうとする賀連信。しかしその時、東籬が独りでやって来た。すると東籬は急に泣き出してしまう。呂北逸は墓標用の木を手に入れて墓へ戻った。すると墓前にいる駱青蓮と賀連信の姿に気づき、物陰に身を潜める。青蓮は自責の念に苦しみ、呂家のために白魚のような手で墓標を削っていた。しかし見かねた賀連信が強引に木材を取り上げ、青蓮の代わりに墓標を完成させる。「私と帰らないか?出世した暁には呂家を赦免する」その時、突如、林の中から賀連信めがけて矢が飛んで来た。「危ない!」弓矢に気づいた青蓮は咄嗟に賀連信を突き飛ばし、難を逃れた。世子の刺客が賀連信を襲撃した。海瑶夫人の兄・慕天殊(ボテンシュ)と嫡妻の弟・方爾格(ホウジカク)も近くまで来ていたが、賀連信が劣勢と見るや静観を決め込む。しかし七弟・賀連倚(ガレンイ)が精鋭を率いて現れ、刺客を排除した。すると刺客はその場で自害してしまう。「三哥!ご無事で!」そこへ何食わぬ顔で慕天殊と方爾格が駆けつけ、遅参を謝罪した。↓七弟駱青蓮は賀連信の無事を見届け、ここで別れることにした。しかし賀連倚が唯一の証人である駱青蓮を制止、拝跪して兄を助けて欲しいと懇願する。駱青蓮はともかく呂北逸が来るのを待つと決めたが、結局、呂北逸が姿を見せないまま夜が明けた。駱青蓮は賀連信との賭けに負けた。賀連信に泣き顔を見せまいと、あふれ出す涙を拭う青蓮。「屋敷に戻って手助けするわ、その代わりいつか必ず呂北逸を助けて欲しい」「権力さえあれば必ず呂北逸を賎民から解放すると誓う」すると青蓮は肌身離さず持っていた櫛を取り出した。「この櫛で誓いを…」青蓮は墓前に櫛を備え、賀連信たちと帰って行った。…共に白髪になるまで…当時、呂北逸が青蓮に誓いの品として贈った櫛。呂北逸は誰もいなくなってから墓の前に駆けつけ、青蓮が置いた櫛をそっと取り上げた。↓マイマイ…(´-ω-。` )無事に王府へ戻った賀連信と駱青蓮。安(アン)王は自ら駱青蓮を審問したが、世子の証言とは全く逆だと首をかしげた。賀連儲(ガレンチョ)は老三が自分を襲撃したと訴え、賀連信は負傷して覚えていないとしらばくれたという。しかし青蓮は山崩れが賀連信を狙ったものだったと証言した。「信公子が民をかばって負傷するところを見ました」その時、総管・于徳常(ウトクジョウ)が駆けつけ、暗衛の密折を届ける。…信公子は墓参りの道中で民を救済中に巨石にて負傷、世子が民の生死も顧みず信公子を害そうと陥れたため…王府で受封の式典が始まった。皇帝の勅命により安王の長子・賀連伯(ガレンハク)が郡王に、四子・賀連修(ガレンシュウ)が奮威(フンイ)将軍に、五子・賀連佐(ガレンサ)が鎮護(チンゴ)将軍にそれぞれ封じられる。世子は賀連信が排除されたとほくそ笑んだが、安王は最後に賀連信を御前に呼んだ。緊張が走る朝廷、世子は老三が罰を受けると信じて疑わなかったが、思いがけず父王は三子・賀連信を昭徳(ショウトク)将軍に封じると命じる。「父王に心より感謝いたします」「礼を言うべきは駱青蓮にだろう」すると安王は駱青蓮を呼び、主を救った忠誠心を誉めて亡き王妃の玉笛を下賜した。「終生、死を免ずる」式典が散会、賀連信は駱青蓮を人けのない楼閣に呼んだ。「世子の謀略だとなぜ父王に言わなかった?」「告げれば讒言と受け取られ、処罰されたのは公子の方だったわ あなたが忘れたというなら、妾の私も黙らなくては…」青蓮は改めて賀連信の妾となり、これから一生、苦楽を共にすると誓った。「では誰なんだ?暉児(キジ)を殺したのは?」「…証拠はないけれど確信しています、海瑶夫人よ」信宅に主が戻ってきた。出迎えた妻妾たちは賀連信の受封を祝って拝礼したが、嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)だけはひざまずいたまま罰を請うという。「公子の苦難を知りながらおそばでお仕えできませんでした 弟が大事な時に出兵しなかったのは…私が命じたからです」方懐蕊は正室を廃して欲しいと言ったが、賀連信は夫だけでなく一族の繁栄も背負わねばならない方懐蕊の苦労を重々、理解していた。「私は再起を図る、再起できねば方家の婿とは名乗れまい、そなたを責めはせぬ」すると賀連信は駱青蓮の功績を認め、住まいを漣微居(レンビキョ)に移すと伝えた。「そう言えば海瑶がいないが?」「公子に合わせる顔がないと… 実は事前に世子より何かをつかみながら握りつぶされたようです」慕海瑶は賀連信が正夫人を許すと分かっていた。「公子には方氏一族の助力が必要よ 残念ながら見誤ったわ、夫となる人と駱青蓮を…」賀連信が妻妾たちを連れて朗月(ロウゲツ)閣を訪ねた。しかし思いがけず診察に来ていた医者と鉢合わせになり、海瑶夫人が懐妊したと知る。慕海瑶を訝しんでいたはずの賀連信は態度が一変、その様子を目の当たりにした方懐蕊は表情を曇らせた。つづく( ゚ェ゚)前フリが長かったけれど、これでようやく信宅での新生活が始まるのね…
2024.10.26
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岁岁青莲 Blooming Days第6話「世子の策略」これまで保身ばかりを考え暮らして来た沈静容(シンセイヨウ)だったが、駱青蓮(ラクセイレン)の誠意に心を打たれ、勇気を取り戻した。「これからはあなたを妹妹だと思う、あの証言も中途半端だった 実は…はっきり見たの、あれは嵐児(ランジ)だった」如画(ジョガ)が見張っていると、嵐児が慌てた様子で且歌苑(ショカエン)から飛び出して来た。そこで後をつけたところ、裏門で世子の侍従・宋安(ソウアン)と落ち合っている。「世子に言づてを…これで命を助けて欲しいの」嵐児は駱青蓮を始末できなかった代わりに包みを渡していたが、如画にはそれが何か分からなかった。嵐児は慕海瑶(ボカイヨウ)に捕縛され、朗月(ロウゲツ)閣に連れ戻された。慕海瑶は世子に何を渡したのか追及したが、嵐児はこれまで人間扱いされず虐げられて来たと鬱憤を晴らし、不敵な笑みを浮かべる。「あなたが私にお願い?ふっ、まさかあなたが下手にでるとはね」「いいわ、公子のため、どうかお願い」その頃、ちょうど駱青蓮と嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)が嵐児を捕えようと朗月閣に向かっていた。しかし一足遅く、中院ですでに息絶えた嵐児を発見する。慕海瑶は嵐児が男と密会していたと説明し、軽い罰を与えていたところ自害したと涙を流した。嵐児が世子に渡したのは隠し部屋から盗んだ翡翠の白菜と文だった。…賀連信(ガレンシン)が世子の罪証を隠し持っています下賜品を横領した翡翠の白菜、他にも賄賂の授受、官吏の恐喝、男妾を囲うなど、証拠の品は100点以上です…その夜、証人を失った駱青蓮は呂北逸(リョホクイツ)を逃がして捕まり、且歌苑に連行された。「お前の望みを叶える」賀連信は怒りに震えながら剣を振り上げたが、突然、安(アン)王からの勅命が届いた。「明日の王妃の命日、世子と信公子は青蓮姑娘を伴い、墓参りして孝心を表すように」賀連儲(ガレンチョ)は老三に不正を暴かれれば世子の座を失うと恐れた。そこで墓参りを利用して賀連信を始末しようと画策、道中に刺客を忍ばせる。一方、駱青蓮も脱走する機会をうかがっていた。墓参りの一行が山道に入った。爆薬を用意した刺客たちは世子を巻き込まないよう頃合いを見計らっていたが、その時、駱青蓮が急に具合が悪くなったと訴え、一行を止めてしまう。賀連信は馬を降りて逃亡しないよう警告したが、その時、激しい爆発音と共に山崩れが起こった。駱青蓮は何とが大岩の影に身を潜めて難を逃れたが、賀連信は落石で足を負傷してしまう。慕海瑶は世子が賀連信を見逃すとは思えなかった。しかし如画は助けに行けばなぜ内情を知り得たのか問われることになり、自白も同然だと止める。「邪魔しないで!公子に何かあったら許さないから!」そんな2人の言い争いをちょうど朗月閣にやって来た方懐蕊が聞いていた。方懐蕊はいきなり慕海瑶の頬を引っ叩いた。実は賀連信が道中で事故に遭い、生死不明だという。「公子が事故に遭うと知っていたのね、″旦那様が危ない″と言ったでしょう? 恐ろしい人!暉児(キジ)だけでなく夫まで奪うつもり?!」しかしその時、世子の来訪を知らせる前触れが聞こえた。賀連儲は護衛兵を引き連れ、信宅に乗り込んだ。実は賀連信の配下が山頂で待ち伏せ、自分の馬車を襲い、無垢な民まで巻き添えになったという。しかし思いがけず西曲(セイキョク)兵営にいるはずの老七・賀連倚(ガレンイ)が兵を連れて駆けつけた。「三哥の危難ゆえ参上しました、私が三哥を連れ戻し、自ら潔白を証明させます!」賀連儲は憤慨したが、七弟の精鋭を前に仕方なく引き上げた。すると宋安から老三だけでなく駱青蓮にも逃げられたと聞かされる。「全てが水の泡だ!草の根をかき分けても探せ!」賀連信を救ったのは駱青蓮だった。青蓮は幼い子供を助ける賀連信の姿に心を打たれ、洞窟にかくまい、薬草で手当てしながら苦労して担架を編んでいる。しかし駱青蓮を息子の敵と信じる賀連信は何か企みがあって自分を助けたと疑った。「私を狙ったのは世子か…実の兄に狙われる私を見て同情したのか?」「その様子ならあなたも同類ね、跡目争いをする人は皆、非情よね」一方、慕海瑶は兄・慕天殊(ボテンシュ)を頼った。賀連信が罰を受ければ妻妾はもちろん、一族も処罰を免れないだろう。慕天殊は賀連信を信じると安心させ、必ず疑いを晴らすと約束した。その夜、正夫人の弟・方爾格(ホウジカク)は慌てて駆けつけた。実は世子が父に罪を着せ、安王に裁いてもらうと脅してきたという。「″父親と一族の存亡は懐蕊にかかっている″と… 信公子が捕まれば方一族も確実に巻き込まれます」翌朝、駱青蓮は賀連信を連れて荒れ廟に移動し、医者を呼ぶことにした。しかしすでに自分たちの捜索で町は兵士だらけ。そこで顔を隠し、咳き込みながら病を装って医館に駆け込む。さすがに兵士たちも麻風(マフウ)と聞いて伝染を恐れ、近寄ろうとしなかった。駱青蓮は賀連信の足を医者に診せた。持ち合わせがない賀連信は治療代の代わりに高価な玉を渡し、わだかまりが解けないまま2人で急ぎ出発する。しかし運悪く官兵が荒れ廟の捜索にやって来た。駱青蓮と賀連信は咄嗟に庭の物陰に隠れた。するとまだ廟に残っていた医者が捕まり、玉を持っていたせいで賀連信の治療をしたことがばれてしまう。賀連信は医者を見捨てられず、兵士に襲いかかり医者を逃した。しかし足の怪我を狙われ、危うく斬られそうになってしまう。その時、背後から駱青蓮が兵士を短剣で刺した。駱青蓮のおかげで命拾いした賀連信だったが、こうして息子も殺したのかと逆上した。呆れた青蓮は自分が下手人なら賀連信を見捨ててとうに逃げていると反発、すると無理に足を動かしたせいで賀連信は急に意識を失ってしまう。賀連信は亡き母の夢を見ていた。「娘(ニャン)…会いたい…」駱青蓮は高熱でうなされる賀連信の汗を拭っていたが、その時、賀連信が不意に目を覚ました。「娘!」賀連信が母の手だと思ってつかんだ腕は駱青蓮だった。「大勢があなたを探してる、誰か頼れる人を…」「誰も信じるな、王府へ行って父王に頼るしかない」「正夫人や海瑶夫人は?」つづく( ๑≧ꇴ≦)久しぶりの馬芸!
2024.10.24
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岁岁青莲 Blooming Days第5話「陰謀の渦の中で」賀連信(ガレンシン)の長子・暉児(キジ)が急逝、駱青蓮(ラクセイレン)の閨房で発見された。確かに暉児は猫が死んだ件で駱青蓮を訪ねたが、一人で飛び出して行ってからのことは青蓮にも分からない。しかし慕海瑶(ボカイヨウ)の侍女・嵐児(ランジ)が駱青蓮と侍女が包みを持って出て行く様子を目撃し、不審に思って部屋の中をのぞいたところ、暉児を見つけたと証言した。賀連信は息子に脱走を知られた駱青蓮の犯行だと誤解し激怒、駱青蓮と呂北逸(リョホクイツ)を池に沈めるよう命じる。その時、侍従・蘇南春(ソナンシュン)が慌てて止めた。「安王のお言葉をお忘れですか?!」賀連信は駱青蓮を妾として扱わないと父王と約束していた。すると青蓮は自分が下手人を見つけたいと嘆願、もし見つからなければ潔く死を賜るという。賀連信は許可する代わりに呂北逸を拘束し、下手人を捕まえるまで水も食事も与えるなと命じた。駱青蓮は真っ先に驚秋(キョウシュウ)院に正夫人を訪ねた。悲しみに暮れる方懐蕊(ホウカイズイ)は門前払いしたが、中院から駱青蓮の訴えが聞こえて来る。「正夫人、ご存知でしたか?…小公子は本当は孤独だったのです」青蓮は暉児が猫だけが友だったと吐露していたことを明かし、安心して眠れるよう送りたいと懇願する。すると方懐蕊が門を開けた。駱青蓮は正夫人から使用人たちを取り調べる権限を得た。そこで翌日、全ての使用人たちを集め、1人ずつ部屋に呼んで質問する。使用人たちは部屋に入ってもすぐ出て来たが、最後に呼ばれた慕海瑶の侍女・如画(ジョガ)だけはなかなか戻らなかった。慕海瑶は悪知恵が働く嵐児と違って賢くない如画を心配し、しびれを切らして迎えに行ってしまう。その頃、青蓮はのらりくらりと如画を引き留めていた。青蓮は如画の集中力が切れた頃を見計らい、嵐児が白状したと鎌をかける。「海瑶夫人は殺す気などなかった、だけど如画のせいで誤って…」「嘘です!本当は嵐児が…(はっ!)」如画はうっかり口を滑らせそうになったが、その時、慕海瑶が現れ、強引に連れて帰ってしまう。駱青蓮は慕海瑶が下手人だと確信した。そこで隣の閨房に住む妾・沈静容(シンセイヨウ)を訪ね、何か見ていないか聞いてみる。沈静容は明らかに何か隠している様子だったが、頑なに知らないと否定した。暉児の出棺の日、世子・賀連儲(ガレンチョ)が父王の代理で見送りに来た。侍従・宋安(ソウアン)は駱青蓮がまだ生きていると知り呆然、密かに嵐児を呼びつける。「世子の銀子では不足だと?…あの女が死なないならお前が死ね!」宋安に脅された嵐児は駱青蓮が留守のうちに閨房に侵入し、急須の茶に毒を混ぜた。方懐蕊は慕海瑶が怪しいと知り、ひとまず自分の寝宮に呼んで足止めさせた。その間に流雲小築(リュウンショウチク)で沈静容を審問することにする。沈静容は何も見ていないと答えたが、方懐蕊は話すまで叩くと言い出した。焦った駱青蓮は自分が沈静容を説得したいと申し出る。実は策を用いて沈静容から証言を引き出すこともできたが、こうして正夫人に相談したのは沈静容を守ってもらうためだという。「姐姐を巻き込みたくはありません、でもこのままでは無実の罪で死んでしまう者がいます どうか私をお助けください、来世は牛馬となりご恩をお返しします」それでも沈静容は口を開かなかった。方懐蕊はやはり棒打ちすると決めたが、青蓮はならば自分を打って欲しいと罰を請う。「いいわ、容赦しない」「話します!」すると沈静容はついに勇気を出して証言した。「あの夜、丫头(ヤートー)が袋を抱えて青蓮姑娘の部屋に入るのを見ました 袋の膨らみからして子供の大きさかと…」ただ奴婢の顔までは暗くて分からなかったという。青蓮は沈静容に心から感謝したが、その時、突然、血を吐いて倒れた。駱青蓮は嵐児が毒を入れたお茶を飲んで倒れた。方懐蕊はすぐ医者を呼んだが、手の施しようがないという。すると虫の息となった青蓮は付き添っていた沈静容に呂北逸に伝えて欲しいと頼んだ。方懐蕊が驚秋院に戻って来た。「部屋から出ずに人の命を奪うとは大したものね」駱青蓮が毒を盛られたと聞いた慕海瑶は自分ではないと否定したが、少なくとも正夫人に疑われていることは明らかだった。「因果応報という言葉を知ってる?」「ええもちろん、私は公子に尽くしています、だから寵愛を頂けるのです」方懐蕊はそのふてぶてしさに嫌気が差し、そこで慕海瑶を帰した。しかし慕海瑶も本当に誰が駱青蓮に毒を持ったのか知らなかった。「まさか如画?…いいえ、嵐児だわ」沈静容は意識が朦朧とする呂北逸に許可なく水を飲ませ、出し殻を見せて解毒法を聞き出した。その様子を見た嵐児は危険を感じ、荷物をまとめて逃げることにする。しかし如画が偶然、嵐児の姿を見かけ、後を追いかけた。すると嵐児が沈静容と鉢合わせしそうになり、慌てて近くの且歌苑(ショカエン)に逃げ込んでしまう。嵐児は身を隠した部屋で美しい花瓶を見つけた。そこで花瓶の模様を見ようと手をかけたが、急に壁が開いて隠し部屋が現れる。一方、駱青蓮は沈静容の解毒薬のおかげで九死に一生を得た。「このご恩にどう報いたらいいのか…」「屋敷に来て4年、私は臆病過ぎた、保身ばかり考えていたわ あの証言も実は中途半端だったの」つづく
2024.10.23
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岁岁青莲 Blooming Days第4話「運命への立ち向かい方」安(アン)王は三子・賀連信(ガレンシン)の希望通り駱青蓮(ラクセイレン)を妾として娶ることを認めた。側仕えの蘇南春(ソナンシュン)は早速、祝言の準備に取り掛かろうと言ったが、賀連信はその前にやることがあると出かけてしまう。その夜、閉鎖された医館の前で飲んだくれていた呂北逸(リョホクイツ)の前に賀連信が現れた。賀連信はわざと駱青蓮を妾にすると教えて挑発、呂北逸を奮起させる。「お前は名誉挽回したいのだろう?」「そうさ、だが王爺の裁きを誰が覆せると?」「…私だ」三子側室・慕海瑶(ボヨウカイ)の企みは失敗。安王の歓心を買うどころか夫が駱青蓮を見初めたと知って激しく嫉妬した。そんな中、ついに駱青蓮が新しい妾として流雲小築(リュウンショウチク)に到着する。不満を募らせた駱青蓮は輿から降りるなり紅蓋頭を投げ捨てたが、慕海瑶から無礼だと叱責され、棒叩き20回を命じられてしまう。そこへちょうど賀連信の嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)が現れた。正夫人は意外にも駱青蓮を気に入り、罰なら公子に委ねようという。すると賀連信が安王の勅命を持って帰って来た。「三子・賀連信に駱青蓮を妾として与える、異論は認めない」賀連信が駱青蓮の閨房に入った。駱青蓮は約束通り妃候補選びに参加したので取り引きは終わったはずだと訴えたが、賀連信は歯牙にも掛けない。「父王から妾として扱わないよう言われたよ 夫婦になったのだ、妻の実家を脅すわけにはいかないな」賀連信は母・駱恭(ラクキョウ)が署名した契約書を目の前で燃やしてくれたが、駱青蓮は離縁状が欲しいと食い下がった。「では呂北逸のことはいいのか?」賀連信は駱青蓮を連れて馬屋に向かった。すると驚いたことに賤民となった呂北逸が信宅で下働きしている惨めな姿を目の当たりにする。…呂北逸、お前は志が高く、策士としていずれ誰かに招かれよう私に機会があれば賎民の籍から解放してやる…呂北逸は賀連信が青蓮を従わせるため自分を懐柔したと知りながら、甘んじて受け入れた。「逸哥哥、やめて!」青蓮は思わず駆け寄ったが、賀連信に引き戻されてしまう。「逆らいたいのなら逆らえばいい、だが覚悟しておけ、呂北逸は生かしておかぬ」翌朝、世子の賀連儲(ガレンチョ)は受封の件で一足早く四子・賀連修(ガレンシュウ)を祝いにやって来た。屋敷にはちょうど五子・賀連佐(ガレンサ)の姿もある。しかし賀連修は困惑した。「本当に私に爵位が?実は名簿を盗み見た者がいます 長兄が郡王、五弟が鎮護(チンゴ)将軍で…」賀連儲は最も重要な昭徳将軍が当然、四弟だと思っていたが、驚いたことに賀連信だったという。「もしや駱青蓮が私の母にそっくりだからか?」賀連儲は賀連信が遊び人とあって油断していた。侍従・宋安(ソウアン)は今から手を打つよう助言、実は信宅に同郷の侍女がいるという。「その者を使え」宋安から賄賂をつかまされた慕海瑶の奴婢・嵐児(ランジ)は、庭園を歩いて来た駱青蓮めがけて植木鉢を落とした。しかし運良く東籬(トウリ)が駆けつけ、駱青蓮を突き飛ばして助ける。2人が上階の露台を見上げると、ちょうど逃げて行く猫がいた。賀連信は駱青蓮にも側仕えが必要だと東籬を呼んでいた。「まさか本当にここの嫁になるのですか?」「…よく来たわ、手伝って」一方、慕海瑶もちょうど寝宮を出るところだった。その時、突然、猫に飛びかかられ肝を冷やす。嵐児は猫を捕まえ、さっきは盆栽にぶつかって危うく駱青蓮が怪我をするところだったと吹き込んだ。方懐蕊は妻妾たちに駱青蓮を紹介した。掟により妻妾の定員は正室1名、側室2名、庶室4名の計7名。信宅には嫡妻・方懐蕊を筆頭に側室として慕海瑶と李浅陌(リセンバク)、庶室として宋(ソウ)氏・葉秀(ヨウシュウ)、現在、療養中の寄柔(キジュウ)3名がいる。なお庶室の下となる妾には制限がなく、身分としては沈静容(センセイヨウ)と青蓮が最下位だった。慕海瑶が遅れて到着、これで妻妾が揃った。方懐蕊は一晩で心を入れ替えた駱青蓮を歓迎したが、そこへ泣きながら息子の暉児(キジ)が駆け込んでくる。「絨球(ロンチウ)が死んじゃった!誰かに殺されたんだ!うわーん!」すると慕海瑶が絨球は庭を走り回って盆栽を倒し、危うく駱青蓮が怪我しそうだったらしいと報告した。しかし予想に反し駱青蓮は否定せず、猫が苦手で振り払ってしまったと認めてしまう。「まさか死んでしまうと思わなくて…お許しください」方懐蕊は素直に罪を認めた駱青蓮に感心し、誠意もあったと許した。むしろ駱青蓮の自白を聞いてなぜ慕海瑶がそんなに驚いているのか分からないと怪しむ。「猫を殺して褒められるなら誰でも驚きます」駱青蓮が寝宮に戻ると、ちょうど東籬が帰って来た。「準備はできました、あとは古い衣を数着…」そこで青蓮は隣の閨房にいる沈静容を訪ね、古着をもらう代わりに公子からもらった反物を贈った。しかし沈静容は質素な方がかえって気楽でいいと遠慮し、青蓮は結局、古着と反物を持って閨房をあとにする。妾という身分ながら優しく気高い沈静容。青蓮はそんな沈静容に感銘を受け、やはり古着も返すことにした。「実家から届いたから必要なくなったと言って、迷惑になるわ」慕海瑶は駱青蓮と東籬の怪しい行動を知った。駱青蓮は古着をもらったがすぐ返し、東籬と言えば厨房で干し飯を手に入れ、門番と何やら話していたという。「古着…干し飯…門番?(はっ!)脱走よ!」一方、青蓮は閨房で東籬が戻るのを待っていた。その時、急に暉児が現れ、駱青蓮と2人きりで話したいと従者を先に帰してしまう。母には敵討ちを止められてがどうしても納得できず、父に審議してもらうというのだ。しかし青蓮があの時の閉じ込められていた娘だと気づき、暉児は自分の誤解だと分かる。「でも誰が殺したんだ?…はっ!あいつだ!許さないぞ!」暉児は下手人に気づいて飛び出した。驚いた青蓮は追いかけようとしたが、暉児と入れ違いで東籬が戻って来る。「準備ができました!お急ぎを!」慕海瑶は嵐児から駱青蓮たちが流雲小築を出たと聞いた。「行くわよ!逃さない!」そこへ突然、暉児が現れ、猫を殺したと慕海瑶にしがみついた。しつこく追求された慕海瑶は暉児を振り払ったが、暉児は勢い余って後ろに倒れ、頭を強く打ってしまう。慕海瑶は意識を失った暉児を見て呆然、確認すると息をしていなかった。「死んでる!私ったらなんてことを…公子に自首しなくては…」すると宋安から駱青蓮を殺せと指示された嵐児があることを思いついた。「犯人を捕らえましょう、ちょうど駱青蓮が逃げようとしています」OMG嵐児は暉児の亡骸を麻袋に入れて背負い、密かに駱青蓮の閨房に運び込んだ。その様子を偶然、窓を閉めようとしていた沈静容が見かけたが、見て見ぬふりをしてしまう。一方、賀連信は呂北逸を連れて逃亡しようとしていた駱青蓮たちを馬屋で捕まえ、連れ戻した。しかし急報を受け流雲小築に駆けつけてみると、青蓮の閨房で方懐蕊が冷たくなった我が子を抱きしめ、泣き崩れている。つづく( ̄▽ ̄;)Pさんが…ちょっと…
2024.10.22
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长相思 lost you forever第39話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は小夭(ショウヨウ)をおぶって寝宮まで送り届けた。塗山璟(トザンケイ)と顔を合わせても思いの外あっけらかんとしている小夭。瑲玹は未練が吹っ切れたことを期待したが、小夭は平気なふりをしているだけだと吐露した。「璟の沈んだ顔を見て気分が良かったわ、もし璟が平静だったら私は辛かったはず 私って素直じゃない、本当は私のこと忘れて欲しくないの 自分は平気なふりをするのに璟が平気なのは許せないなんて…哥哥、私ってどうかしてる?」「本気だったのだ」瑲玹は自分が塗山璟の力を借りたばかりに小夭を苦しめることになったと反省した。「奴が近づく機会を私が与えてしまった、私のせいだ」「璟とは出会う縁だったのよ、自分を責めないで、それに璟への想いに後悔はない 私が自分に損な真似すると思う?ふふ」小夭は笑顔で瑲玹を見送ったが、独りになると何とも言えない虚しさに襲われた。西炎王は紫金頂での祭祀の準備を五王・西炎徳岩(セイエントクガン)に任せた。「政を預かる重責は次の代に譲るべき時が来た…抜かりないようにな 祭祀の後に重要な発表をするつもりだ」徳岩は父王の言葉にすっかり舞い上がり、早速、辰栄(シンエイ)山に乗り込んだ。祭祀の準備を理由に紫金頂を明け渡すよう迫られた瑲玹。しかしあっさり引き下がり、五王が自分の兵を配備させても抵抗しない。小夭はその様子を回廊から眺めていたが、そこへ苗莆(ビョウホ)がやって来た。「王姫、辰栄府からお越しを請うと…」小夭を辰栄府に呼んだのは赤水豊隆(セキスイホウリュウ)だった。すると思いがけず小夭は豊隆から妻になって欲しいと求婚される。実は豊隆はこそこそしたくないとすでに塗山璟にも伝えていた。「悲しそうだったよ、だが私に誠意があるなら祝福すると言ってくれた」小夭は塗山璟の返答に傷ついたが、今は私情に惑わされている時ではなかった。「私を娶る本当の目的を教えて」中原の氏族の間ではすでに祭祀で五王が儲君に冊立されると噂が流れていた。瑲玹に娘を嫁がせた曋(シン)氏以外の六大氏族は五王側に付くと決め、瑲玹は生死の瀬戸際に立たされているという。赤水豊隆は瑲玹を救うため急いで族長になる必要があった。「中原の氏族は世家たる赤水氏に従う、族長になるには君を娶るのが近道だ」「本音を聞けて良かった…瑲玹が出した条件は何?」「…他の女子は娶るなと言われた、この場で誓うよ」小夭は思わず失笑した。「色気のない縁談ね、まるで商いの話をしているようだわ」「私たちらしい」すると小夭は一生の大事ゆえ考える時間が欲しいと頼んだ。一方、紫金頂を立ち退いた瑲玹は小月頂(ショウゲツチョウ)の草屋にいた。鈞亦(キンエキ)の報告では祖父が辰栄山を10万の兵で包囲し、五王の兵も放任しているという。そこで禺彊(グウキョウ)は命があれば直ちに2万の精鋭で奇襲すると言ったが、瑲玹は静観していた。辰栄馨悦(ケイエツ)は兄の縁談を後押ししようと小夭を寝殿に呼んだ。しかし瑲玹を見限った後ろめたさから、つい必死に言い訳してしまう。かつて西炎で人質として怯えながら暮らした経験は馨悦の心に暗い影を落としていた。「もう二度とこんな惨めな日々は送らないと誓った、必ず高みに上り詰めると…」何より辰栄王族の末裔であり中原の氏族たちの象徴でもある馨悦が平凡な結婚をすれば、かつての敗北と恥辱を連想させてしまうという。小夭は瑲玹なら理解してくれると慰め、久しぶりに話せたことを喜んだ。わだかまりが解けた馨悦は安堵したが、もし瑲玹を助けたいなら兄に嫁ぐべきだと助言する。「急いで、一刻を争うのよ?」瑲玹は小夭が戻ったと知って鳳凰樹林に向かった。しかし赤水豊隆が小夭に求婚したと知り、動揺を隠せない。愛する小夭を誰かに渡したくない本音と活路を見出すために嫁いでもらいたい現実。瑲玹は葛藤に苦しみ、思わず背を向けた。「どうしたの?…豊隆以上の婿が見つかると思う?」「確かに彼はお前に相応しい…私がいる限り不条理はさせぬ」すると小夭は瑲玹の力になるべく決意、早速、父の皓翎(コウレイ)王に縁談を知らせる文を送った。皓翎王は小夭を赤水氏に嫁がせることが果たして正しいのか分からなかった。しかしせめて自分がいる限りは力になってやろうと決める。一方、塗山璟は赤水族長の継承の儀にも顔を出さず、露店の酒屋で悲しみに暮れていた。「小六(ショウリク)…すまない、私は葉十七(ヨウジュウシチ)になれず、生涯を共にできぬ」するとひょっこり防風邶(ボウフウハイ)になりすました相柳(ソウリュウ)が現れた。「″六″とか″七″がどうした?算術の稽古か?」「小夭が婚約した、豊隆が小夭を娶る」寝耳に水だった相柳は呆気にとられた。「なぜ豊隆なんだ?」「家柄も才気も申し分ない、裏切り者の私を選ぶはずがないし、ましてお前のような…(はっ)」相柳は何が言いたいのか分かったが、少なくとも小夭がそんな条件で夫を選ばないことだけは知っていた。↓お前たち・・・族長となった赤水豊隆は辰栄府に氏族たちを集めた。実は行宮で西炎王たちの話を耳にしたが、五王は飴と鞭を使い分けて中原に威厳を示すべきと答えたのに対し、瑲玹は同じ国土にある城に何の違いもないと述べたという。「五王が王位について国を動かせば中原の氏族が心休まる日はなくなるだろう どちらを儲君とすべきかは明白だ」その時、瑲玹と因縁がある樊(ハン)氏族長と樊彰(ハンショウ)が難色を示した。すると次男の樊彬(ハンヒン)が父と兄を術縄で拘束、五王に加担する2人を排除してしまう。「長老が認めた次期族長は私です」中原の氏族たちは赤水氏と進退を共にし、瑲玹に従うと決めた。そこで西炎王に謁見し、王孫の瑲玹こそ儲君に相応しいと推挙する。西炎王は自分の決断に委ねて欲しいとなだめて帰したが、この話を聞いた五王は苛立ちを隠せなかった。父の冊立を信じる岳梁(ガクリョウ)は今さら誰も何もできないとなだめたが、七王の息子・西炎始冉(シゼン)は禍根を残さぬよう瑲玹を始末すべきだという。しかし五王は冊立後に動いても遅くないと止めた。祭祀を前に瑲玹は小夭と2人だけで酒を飲むことにした。どうやら瑲玹は奇襲するつもりはなく、手を出さないと決めたらしい。「どうする気なの?」「危機はいつも2人で乗り越えて来た、苦楽を共にする絆に乾杯しよう」小夭はまるで他人事のような瑲玹に困惑したが、勧められるまま酒を飲んだ。すると急に身体の力が抜けて眠ってしまう。瑲玹は小夭の美しい寝顔を目に焼き付け、苗莆に小夭を託した。「抜け道から逃してくれ…もう会えぬだろう」紫金頂で祭祀が始まった。西炎山と中原の氏族たちが見守る中、拝礼の儀を終えた西炎王はいよいよ重要な発表があると知らせる。しかしそれが″儲君の発表″と言った覚えはなかった。「噂は間違いだ、この場で儲君を冊立するつもりはない 今日、発表するのは私の後を継ぐ西炎の君主である 新たな君主に私が果たせなかった願いを託そうと思う」君主?!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…その時、衛兵に紛れていた小夭が物陰から弓矢を構え、五王に狙いを定めた。すると思いがけず西炎王が瑲玹を呼ぶ。「瑲玹、ここへ」西炎王は自分の王冠を外し、ひざまずいた瑲玹に自らかぶせた。「本日この時より西炎瑲玹は西炎の君主である この儀式ではあまりにも盛大さに欠け、一国の君主の戴冠式とは思えぬであろう だが忘れないでもらいたい 君主とは盛大な儀式ではなく、成し得た偉業によってこそ民の記憶に残るべきだと…」五王たちは呆然、そのまま崩れ落ちるように膝をつき、去って行く先王を見送った。( ๑≧ꇴ≦)哥哥!飴ちゃんどこ?!w先王が石段を降りていると、突然、鎧をまとった小夭がひょっこり現れた。「万一に備えて瑲玹がお前を去らせたと思っていたが?」「去ったと見せかけたのよ」小夭は徳岩が儲君になった場合、その場で殺すつもりだったと明かした。「皆すっかり阿爺に騙されたわ~瑲玹に譲るつもりならなぜ黙っていたの?哥哥が万一…」「瑲玹が辰栄山に隠し持つ精鋭兵のことか?」先王は全て知っていた。「もし瑲玹が起兵して王位を奪ったなら、私とよく似た君主となろう だが瑲玹は違う、私より慈悲と寛容の心を持っている その心で天下により多くの平和をもたらしてもらいたい」すると先王は瑲玹が全ての氏族を承服させるまで辰栄山に留まると決めた。「見せてもらおう、瑲玹がいかに明君となるかを…」つづく(シーズン最終話、なおシーズン2は12月放送予定です)
2024.10.20
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岁岁青莲 Blooming Days第3話「引き裂かれた恋人たち」妃候補選びで他の参加者に毒を盛ったと濡れ衣を着せられた駱青蓮(ラクセイレン)。釈明の機会を与えられ理路整然と反論するも、下手人を特定できる証拠はなかった。賀連信(ガレンシン)も手をこまねいたが、その時、突然、呂北逸(リョホクイツ)が現れ、追い詰められた青蓮を連れて逃げ出してしまう。呂北逸と駱青蓮は門を出ようとしたところで衛兵に捕まり引き離された。青蓮は無関係の呂北逸を見逃して欲しいと懇願、その代わり無実の罪を認めて死を賜ると号泣する。かつて王妃が我が子の命と引き換えに亡くなったように、自分も有意義な死を選ぶというのだ。「王爺(ワンイェ)、私は亡き王妃に似ているのでしょうか? もしそうなら呂北逸をお許しください…どうかお願いです」安王は駱青蓮の希望を叶えることにした。その時、思いがけず錦芳(キンホウ)が現れ、駱青蓮の潔白を訴える。「青蓮小姐(シャオジエ)と接したのは短い間ですが信じています、険悪な方ではないと…」しかし無実の証拠がないのも事実、そこで駱青蓮の代わりに自分が死を賜ると言った。驚いた安王と青蓮は止めようとしたが間に合わず、錦芳は自ら頭を打ちつけて絶命してしまう。安王は亡き王妃の側仕えだった錦芳の死を悼み、初めて本音を明かした。「王妃の死は私の心の傷だった、50を過ぎても未だ忘れられぬ 早くそばへ行きたいと願って来た、やっとこの思いを口に出せた」すると安王は老臣たちに必ずや下手人を見つけ出すと約束、錦芳に免じて駱青蓮を見逃してくれる。しかし老臣たちの面目のため呂北逸は末代まで賎民(センミン)に落とされ、駱青蓮もまた奴婢(ヌヒ)として五子・賀連佐(ガレンサ)に下げ渡された。安王の妃候補選びは中止となった。下働きとなった駱青蓮は佐宅に到着、すると駱家の側仕え・東籬(トウリ)が駆けつける。「みんなは大丈夫?」「落ち込んでいますが心配しないようにと、生きてさえいれば必ず再起できます」青蓮は自分のせいで賎民に落とされた呂北逸が気がかりだった。賎民の男は科挙を受けることも職に就くことも禁止され、婚姻も賎民同士が決まり、女は妓女になるしかない。東籬は小姐の代わりに呂北逸の様子を見に行ったが、ちょうど官兵が呂医館を閉鎖したところだった。東籬は駱青蓮に呂北逸の近況を伝えた。自暴自棄になった呂北逸は酒に溺れ、小姐を気遣う言葉もなかったという。駱青蓮は呂北逸の悲しみに理解を示し、元気だとだけ伝えて欲しいと頼んで仕事に戻った。賀連信は馬に目がない五弟を懐柔するため、駿馬を連れて佐宅を訪ねた。その時、ちょうど薪を持って厨房に入る駱青蓮を見かける。もてなしを受けた賀連信は汁物が美味いと絶賛し、味の決めては調理というより火加減だと言った。すると賀連佐は駿馬と引き換えに料理人と厨房の奴婢を交換してくれる。賀連信は早速、駱青蓮を連れて帰ることにしたが、青蓮は困惑した。「私は安王の奴婢、あなたの自由にはできないわ、離してください!」「妾より奴婢がいいのか?」その様子を偶然、佐宅を訪ねた賀連修(ガレンシュウ)が見ていた。五弟を訪ねた賀連修は三兄がまんまと駱青蓮を奪い取ったと明かした。「あの娘は我らにとって利がある…」つまり亡き王妃の生き写しである駱青蓮を大事にすれば三兄まで重用されるという。厄介払いできたと思っていた賀連佐と嫡妻は呆然、賀連信が遊び人を装いながら意外にも策士だと知った。四兄の入れ知恵で賀連佐は父王に謁見、うっかり三兄に駱青蓮を渡してしまったと報告した。経緯を聞いた安王は老三を呼ぶよう命じたが、思いがけず賀連信自ら釈明に現れる。「実は青蓮をわざと自宅に…私は青蓮を娶りたいのです 青蓮とは妃候補選びの前に出会いました、その時、純粋な輝きに惹かれたのです 父王の妃候補ゆえ想いを抑えましたが、今は抑えられません! まさか五弟の屋敷でボロをまとい、厨房の下働きに…ゥッ」すると安王は罪人を嫁にはできないが、妾なら良いと認めた。「信R、よいか、妾として迎えよ、だが妾として扱うな」つづく( ̄▽ ̄;)錦芳…すごいへっぴり腰だったけど…
2024.10.19
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岁岁青莲 Blooming Days第2話「妃候補への道」王妃の生き写しである駱青蓮(ラクセイレン)はなかなかの切れ者だった。賀連信(ガレンシン)はともかく青蓮と錦芳(キンホウ)を連れて屋敷へ戻り、早速、行儀作法を習わせることにする。しかしちょうど王府から帰る様子を四弟・賀連修(ガレンシュウ)に見られていた。屋敷に戻った賀連修は早速、嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)に老三が女子を馬車に押し込んでいたと報告した。いつの間に色好みになったのかと鼻で笑う賀連修、しかし阮之湄は間髪いれずに否定する。「そんな人じゃないわ」賀連修は妻の反応にいささか動揺したが、その時、阮之湄は慕海瑶(ボカイヨウ)に先を越されてしまったと勘づいた。「まずいわ、このままでは信公子が昭徳(ショウトク)将軍に封じられてしまう!」慕海瑶は錦芳がなぜ娘の指導を引き受けたのか分からなかった。賀連信の話では鸚鵡(オウム)を贈ったお礼だという。実は賀連信は鸚鵡に亡き王妃の最期の言葉を暗記させて贈り、錦芳を懐柔していた。「…私は公子に必要とされているのかしら」そんな中、信宅に突然、阮之湄がやって来た。阮之湄は血燕の差し入れと称し、侍女が止めるのも聞かず朗月閣(ロウゲツカク)に乗り込んだ。中院にいたのは慕海瑶と侍女だけだったが、衛兵が警戒している殿内が怪しい。すると突然、寝殿から賀連信が現れた。殿内では駱青蓮が助けを求めようともがいていたが、衛兵に拘束され、機を逃してしまう。賀連信は駱青蓮の存在を隠すため、阮之湄を庭園に連れ出した。しかし過去のわだかまりのせいでうっかり四弟が阮之湄を″こんな形″で送り込んで来たと嘆いてしまう。阮之湄はようやく賀連信が実は自分の来訪を察していたのだと気づいた。「ウッ…後継者の見込みなしと私を捨てて四弟に嫁ぎ、その上、私を疑うのか?!」「失ったものが多すぎて用心深くなったの」すでに外は暗くなっていた。するとにわかに屋敷内が慌ただしくなり、賀連信はそこで阮之湄を帰すことにする。ちょうどその時、呂北逸(リョホクイツ)が朗月閣に忍び込み、衛兵に包囲されていた。呂北逸は駱恭(ラクキョウ)が署名した契約書を盗み出し、駱青蓮を救おうとした。しかし予見していた慕海瑶の罠にはまって捕まってしまう。すると慕海瑶が駱青蓮を連れて中院に現れた。呂北逸は青蓮と一緒に死ねるなら本望だと言ったが、青蓮は北逸を救うため命乞いする。「哥哥だけはお助けください!私が全て悪いのです! 今から私はあなたの奴婢となり尽くします!」その様子を密かに阮之湄が見ていた。その夜、賀連信の長子・暉児(キジ)は逃げ出した猫を追いかけていた。しかし途中で見失い、偏殿の回廊に腰掛けて途方に暮れる。「絨球(ロンチウ)…みんな僕に遠慮して遊んでくれない やっと遊び相手が見つかったのに、お前まで僕を避けるのか?」「…この子が欲しいのは自由よ、外に出て好きなことがしたいの」猫は駱青蓮が監禁されている偏殿に迷い込んでいた。驚いた暉児は門の鍵をはずそうとしたが、猫のためではなく駱青蓮のためだという。「絨球が好きだから好きにさせてやりたい でもあなたは閉じ込められて悲しいのでしょう?」すると賀連信が現れ、明日になれば彼女は出られるとなだめて息子を帰した。賀連信は駱青蓮に登用試験を受けた呂北逸の答案を見せた。「まさか、だって官界は嫌いなはず…」実は試験で呂北逸は最優秀を取っていた。駱青蓮のため野心を隠していたが、仕官の道を諦めたわけではないのだろう。青蓮は暉児の言葉を思い出し、呂北逸を愛するからこそ手放そうと決めた。「でもなぜ私を慰めるの?さすがに良心が痛むのかしら?」しかし賀連信は何も答えず帰ってしまう。駱青蓮は心を入れ替え、全力で妃候補選びの準備に取り掛かった。やがて錦芳の苦労が報われ、駱青蓮は亡き王妃が王府に来た当時を彷彿とさせる佇まいと気品を身につける。安堵した錦芳は王宮へ戻った。しかし妃候補選び当日、思わぬ事件が起こる。駱青蓮は謁見の前に他の参加者3名と並んでお清めをするところだった。するとふいに突風が吹いて木の葉が舞い落ち、水盤に入ってしまう。運良く端にいた駱青蓮の水盤だけは無事だったため、皆で一緒に使おうと声をかけた。喜んだ3人はその水で顔を拭いたが、急に悲鳴を上げたかと思うと頬がただれてしまう。この一報は阮之湄の耳に入った。まさか他の参加者が怪我を負い、駱青蓮だけが助かるとは…。「まあいいわ、どうせ王府から追い出される」呂北逸は妃候補選びに参加した駱青蓮を心配し、王府の様子を探っていた。すると官吏たちが駆けつけ、事件を起こした駱青蓮が死罪になると噂している。その時、駱青蓮は参加者に毒を盛った罪で安王のもとに連行されていた。しかし安王は顔を上げた駱青蓮の顔を見て呆然、ついに亡き王妃・芙児(フR)が帰ってきたと歓喜する。一方、清康(セイコウ)殿には公子たちと負傷した参加者の父親たちが集まり、謁見を願い出ていた。安王は駱青蓮を連れて正殿に入った。娘を傷つけられた父親たちは怒り心頭、しかし安王は駱青蓮に申し開きの機会を与える。すると賀連信が確かに衆人環視の下、己の水盤に毒を盛って捕まる者がいるかと首を傾げた。「まさか自害しようと?」「それが狡猾なところだ!疑われぬための方便に過ぎない!」父親たちは猛反発したが、駱青蓮は冷静だった。「もし疑われたくないなら密かに毒を盛るのでは? 皆さんもご存知のはず、風に飛ばされた木の葉が水盤に入り、水が汚れたのです 私が風を起こしたとでも?」つづく(  ̄꒳ ̄)おじいちゃんwいやぁ、懐かしいわ~この感じw ←こればっかり
2024.10.18
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岁岁青莲 Blooming Days第1話「王妃の生き写し」…祁和(キワ)元年、先帝の崩御を受け幼君が即位丞相が全力で幼君を支えるも政局は混迷の度を深めたそんな中、側近の大将軍・賀雲朔(ガウンサク)は安(アン)王に封じられ、辺境へ赴任する当時の曲涼(キョクリョウ)は未開の地だった荒涼とした大地、野蛮な民、外敵の侵入に先住民の内紛しかし賀雲朔は戦乱を抑え、人材を登用徳をもって統治に務めること30年、ついに曲涼を繁栄に導いた…駱青蓮(ラクセイレン)は母が兄のために自分を売ったと知り猛反発。屋敷を飛び出して逃げ回っていたが、結局、連れ戻された。実は安王が曲涼に来て30年、皇帝から継室を取るよう詔勅が出たという。この機に誰もが妃候補選びに参加しようと血眼になっていたが、駱恭(ラクキョウ)もまた娘を安王の三子の側夫人・慕海瑶(ボカイヨウ)に預ける手はずを整えていた。娘に想い人がいようがお構いなし、駱青蓮は自分が側室に選ばれた暁には兄を登用するという約束を母が取り付けたと知っている。駱青蓮は深く失望し、帰りの馬車からいきなり飛び降りた。王妃が亡くなって30年、安王は秋が来るたび愛しい王妃を思い出してはふさぎ込んだ。四子・賀連修(ガレンシュウ)は父王が本当に継室を迎えるつもりか探りを入れたが、侍従・于徳常(ウトクジョウ)は答える立場にないと茶を濁す。「陛下は独り身の王爺(ワンイェ)を気遣い詔勅を出しました 確かに話し相手が見つかれば寂しさも紛れるかもしれません 私の願いは明日の妃候補選びに亡き王妃に似た方が現れ、王爺の孤独が癒えることです」一方、駱青蓮は屋敷へ戻り、母に妃候補選びへの参加を伝えた。ただし海瑶夫人の仲介を拒み、自分の力で選ばれたいという。翌日、妃候補選びが始まった。今日の予選に通ると数日後の本選へ進み、安王に選ばれれば王府に入って妻妾となる。その様子を物陰から亡き王妃の侍女・錦芳(キンホウ)が見ていた。妃候補選びの会場に海瑶夫人が現れた。すると思いがけず四子の嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)と鉢合わせになる。立場上、正室の之湄夫人が上だったが、海瑶は按察使(アンサツシ)である父の威光を笠に着て横柄だった。2人の夫人は夫の出世を助けるため、亡き王妃に似た娘を探した。しかしどちらの侍女も目ぼしい娘を見つけられず途方に暮れる。海瑶はせめて美人の娘を探せと命じた。その時、ちょうど顔を上げた駱青蓮は海瑶夫人と目が合ってしまう。海瑶はその娘が気に入り、近くで顔を確認することにしたが、その娘の頬には大きなあざが…。「ひどい顔で驚かせると思い、顔を隠していました」すると侍女・如画(ジョガ)は醜い顔をした娘を追い出してしまう。駱青蓮の作戦は成功、見事に妃候補から落選し自由の身となった。しかし錦芳は海瑶夫人を呼び止め、追い返した娘こそ亡き王妃の生き写しだと教えてしまう。「公子に″これでご恩はお返しした″とお伝えください」驚いた海瑶は慌てて後を追ったが、ちょうど娘の馬車が出たところだった。すると道端に敗れた薬袋が落ちている。袋には″呂(リョ)医館″とあった。駱青蓮は曲涼の名医・呂北逸(リョホクイツ)の薬を使ってあざを装い、難を逃れた。2人は晴れて結婚を決め、典宝(テンポウ)署官員の父・駱容与(ラクヨウヨ)も富より真心を求める娘の選択を認めてくれる。しかし婚礼当日、呂北逸が花嫁を迎えに駱宅に到着すると、突然、役所から官兵が駆けつけた。すると花嫁道具の中から賄賂で受け取った品が見つかり、駱容与はいきなり捕まってしまう。駱青蓮は困惑していたが、その時、群衆の背後にいる海瑶夫人に気づいた。海瑶は駱恭に渡した褒美を賄賂に仕立て、駱容与を捕縛させた。さらに駱恭を騙して天青会との契約書に署名させ、逆徒に与した証拠だと脅す。責任を感じた駱恭は自分の命で償う覚悟を決めたが、駱青蓮は家族を守るため王府に入ると約束した。呂北逸は落胆したが、愛する駱青蓮がどんな道を選ぼうと責めないと理解を示す。こうして家族と呂北逸は無事に解放された。するとそこに安王の三子・賀連信(ガレンシン)が現れる。「公子?!実はこの娘は…」「分かっておる…、でそなたは…」「賀 連 信 !」賀連信は自分を平気で呼び捨てにする娘に呆気に取られ、苦笑いした。翌日、賀連信は駱青蓮を連れて清康(セイコウ)殿の錦芳を訪ねた。青蓮を間近で見た錦芳は小姐が戻って来たと驚いてひざまずき、当時のことを思い出す。難産だった王妃は自分より赤子を助けるよう命じ、男子を出産したものの息絶えた。王妃を看取った安王は悲しみに暮れ、それ以来、30年間もひたすら王妃の帰りを待ち続けているという。「私と王妃はそんなに似ているの?」「その容貌からお人柄まで知るのは私だけ それゆえ公子や夫人たちがこぞって私を訪ねてきました 私の目を通して小姐に似た娘を探し出し、安王の観心を買うために… 小姐の名誉を汚すまいとお断りしてきましたが、でもあなたを見かけた あなたはお嬢様の生き写しです」錦芳は暇するするつもりだったが、小姐によく似た青蓮の世話役を買って出た。駱青蓮は錦芳が義理堅く温厚な良い人だと分かった。海瑶夫人も美人で有能、賀連信の周りには優秀な女子が多いらしい。「で、あなたは?私をどう使うつもり? 王爺も愚かではない、王妃に似ているだけで操れるとは思えないわ 遊び人を装っているあなたがこんな勝算のない賭けを?」安王が王妃の急逝直後に二子を世子に立てたことは周知の事実だった。それ以来、世子はやりたい放題、しかし王妃の息子ゆえ安王の信頼は厚いのだろう。「でも王妃に代わる女子が現れたら世子の座を守れるかしら?」つづく( ˙꒳˙ )この感じ、ちょっと懐かしいw
2024.10.17
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长相思 lost you forever第38話塗山璟(トザンケイ)への未練に我ながら戸惑う小夭(ショウヨウ)。ひたすら石段を登って振り切ろうとしても思いは募るばかりだった。するといつの間にか西炎瑲玹(セイエンソウゲン)が現れ、そっと外套を掛けてくれる。「…人生はやるせない、時々、思うの 自分の生死も手に負えないのに、それ以外のことで争ったり悩んだりする必要がある? 何の意味もないんじゃないかって」「誕生と死は手に負えないから他のことを掌握するんだ」瑲玹は登り疲れたという小夭の手を引き、峰の頂上まで連れて行った。「塗山璟!嘘つき!あなたは約束を破った!」小夭はようやく鬱憤を吐き出すと、瑲玹に自分の婿を選んで欲しいと頼む。「一緒に暮らせる人なら誰でもいい、ただ他に女子を持てば去勢する」確かに祖父の戒めは正しい。相手を間違えさえしなければ、敬い合いながら添い遂げることはできるだろう。「もう自分の目は信じられない、哥哥に頼むわ」(  ̄꒳ ̄)うん、その方がいいwその頃、西炎では五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)が瑲玹を弾劾する山のような奏状を父王に届けていた。辰栄(シンエイ)を併呑して以来、西炎王は中原の氏族が団結しないよう分割統治してきたが、瑲玹は曋(シン)氏を娶って徒党を組み、勢力を伸ばしているという。これに西炎ばかりか中原の氏族からも不満を訴える上奏文が続々と届いていた。「父王、このままでは瑲玹を支持する氏族らが割拠の野望をもちかねません」西炎王は紫金(シキン)宮の修築の完成を機に中原を巡視、紫金頂で祭祀を行なうと決めた。朝臣たちは謀反を心配して反対したが、西炎王はならばこの機に一掃すればいいという。西炎徳岩は東巡特使(トウジュントクシ)として父王に同行することになったが、西炎禹陽は応龍(オウリュウ)将軍と共に留守を任された。西炎王は巡視を強行し、沢(タク)州の行宮に入った。瑲玹は中原での近侍を務めたいと願い出たが、謁見すら叶わず、門前払いされてしまう。西炎王が瑲玹を避けているのは明らか、一報は皓翎(コウレイ)王の耳にも届いた。蓐収(ジョクシュウ)の話では各氏族が招かれた百花宴にも瑲玹は招待されなかったという。事態を重く見た皓翎王は直ちに小夭と阿念(アネン)を迎えに行かせた。しかし瑲玹は小夭が阿念だけ帰して残ったと知る。「師父が迎えを寄こしたのになぜ帰らなかった?!」「約束したはずよ?私たちは進むも退くも一緒だと… 私は爺爺に育てられた恩はないもの、哥哥には手を下せないでしょう?私に任せて」Σ(⊙∀⊙)ヒャーーーッ!百花宴が終わったその夜、西炎王が刺客に襲われた。しかし五王と衛兵が駆けつけ刺客を包囲、すると刺客は自害してしまう。検死の結果、刺客の背中には若木(ジャクボク)の樹液を使った入れ墨があり、彫ってから30年は経っていると分かった。若木と言えば瑲玹の母の一族である若水族が神木とあがめ、神聖な場所ゆえよそ者は近づけない。すると西炎王はすぐ瑲玹を呼ぶよう命じた。西炎徳岩の目論見通り父王は瑲玹の反逆を疑った。徳岩は警備を厳重にする傍ら密かに精鋭部隊を忍ばせ、瑲玹を決して生きて帰すなと釘を刺しておく。すると宮道の暗闇から防風邶(ボウフウハイ)が現れた。「お前が狙うべきは瑲玹の命だ」「分かっています」一方、紫金宮には西炎岳梁(セイエンガクリョウ)が瑲玹を迎えにやって来た。岳梁の口振りでは祖父の襲撃の黒幕が瑲玹だと疑われているらしい。曋淑恵(シンシュクケイ)はもちろん、側近たちも留まるよう懇願したが、瑲玹は拒めば辰栄山が包囲されてしまうと分かっていた。「辰栄山が陥落すれば犬死にとなる、お前たちの命を無駄にしたくない」瑲玹は鈞亦(キンエキ)だけ連れて宮殿を出た。しかし小夭が一緒に行きたいとついて来る。「何かあれば足手まといになる、迷惑だと分からないのか?」「それでも行く、私は皓翎王姫よ?手なんか出せないわ、もし止めるなら勝手に行くから」一方、知らせを聞いた塗山璟(トザンケイ)が辰栄府に駆けつけた。赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は瑲玹が刺客を放つとは思えなかったが、塗山璟は真実より瑲玹が疑われていることが問題だという。そこへ瑲玹と王姫が沢州へ向かったと報告が来た。「小夭も一緒だと?!」瑲玹と小夭は夜半に行宮に到着、正殿で祖父を待ったまま朝を迎えた。すると身支度を終えた西炎王の元に塗山璟と赤水豊隆が謁見を願い出ていると知らせが来る。西炎王はひとまず2人を脇殿で待たせ、正殿に入った。塗山璟と赤水豊隆は脇殿から正殿の様子に耳を澄ませた。その時、瑲玹と小夭が西炎王に挨拶する声が聞こえて来る。五王や老臣たちは瑲玹と中原の氏族が結託していると糾弾、しかし瑲玹は親交を深めたに過ぎないと否定した。すると西炎王は五王と瑲玹に中原の氏族をどう扱うべきか意見を聞きたいという。徳岩は飴と鞭を使い分けて威厳を示すべきと答えたが、瑲玹は違った。「西炎氏は中原の主です、軹邑(シユウ)城と西炎城に何の区別が? 辰栄山も西炎山も同じこと、いずれも国土の城と神山に違いありません」徳岩は瑲玹が失言したと確信し、刺客の入れ墨から瑲玹の仕業だと訴えた。すると黙って聞いていた小夭が祖父に発言したいと申し出る。「瑲玹と若水族の関係は周知の事実、まるで刺客が胸に″瑲玹″と彫ったようなもの 入れ墨は阿爺に疑念と殺意を抱かせるきっかけに過ぎない、簡単なことよ 瑲玹も五王も阿爺の血を引く者、王位を望むのは当然 五王?あなたも陰で努力しているのでしょうね?」 小夭から遠回しに疑われた徳岩は激怒、西炎の朝政に女子が干渉するなと声を荒らげた。「だったら娘(ニャン)が出征した時、何をしていたの?! あの時、女子は干渉するなと止めてくれたら私は孤児にならずに済んだわっ!」小夭は思わず感情的になったが、そこで西炎王が話を止めた。「瑲玹、お前は辰栄山で何をしてきた?」「私は宮殿の修築だけでなく、爺爺の教えに従って王孫としての勤めを果たしています」西炎王にはその答えで十分だった。「分かった、お前を信じよう、刺客を放ったのはお前ではない、帰るが良い」脇殿で話を聞いていた赤水豊隆は小夭の雄弁さに感心していた。普段は人当たりの良い小夭だが、まさかあの五王をやり込めるとは…。しかし塗山璟は瑲玹たちがこのまま無事に沢州城を出られるとは到底、思えなかった。その時、脇殿に西炎王が現れ、2人は足止めされてしまう。瑲玹は小夭と鈞亦を連れて城門に続く長い宮道を歩いていた。すると城楼に潜んでいた射手が一斉に矢を放ち、瑲玹たちが身動き取れなくなったところで精鋭部隊が現れる。その頃、西炎王は塗山璟と赤水豊隆を引き止め、碁の腕前が天下一という塗山璟と一局、手合わせしていた。瑲玹は小夭を守りながら神剣の力で精鋭部隊に応戦した。すると小夭が弓を招喚、城楼の射手を見事に射抜いて瑲玹を援護する。その時、外套をすっぽり被った防風邶こと相柳(ソウリュウ)が瑲玹に狙いを定めて弓を構えた。しかし小夭が瑲玹にぴったり張り付いているため、矢を放つ頃合いがつかめない。「ふっ、弟子が師父の仕事の邪魔をするとはな」瑲玹たちは精鋭部隊に邪魔され前進できず、いよいよ追い詰められた。「哥哥、あと1射よ…そうだ、阿爺の寝宮が近い」「それしかないな」そこで瑲玹は小夭の矢に術をかけた。すると西炎王の寝宮に向かって放った矢は空中で何百本にも増えて前庭に降り注ぐ。「刺客だっ!」将軍は直ちに西炎王に刺客が現れたと報告したが、西炎王は全く動じなかった。西炎王は瑲玹が叔父たちの力を利用して脱出したと分かった。一方、慌てて下がった塗山璟と赤水豊隆は、道すがら将軍から瑲玹たちが無事だと聞いて胸をなで下ろす。2人は瑲玹が五王の罠を逃れた上、逆に罪を被せたと気づき、その策謀に舌を巻いた。塗山璟たちは瑲玹たちに追いつき、帰り道の途中でひとまず水で乾杯した。赤水豊隆は瑲玹の脱出作戦に関心したが、実は小夭の策だったと知る。しかし小夭に合わせる顔がない塗山璟はどこか上の空だった。瑲玹と小夭は駆けつけてくれた2人に感謝して先に帰って行った。赤水豊隆は塗山璟の気持ちを分かっていたが、実は自分も小夭が好きだとほのめかす。すると塗山璟は小夭への想いが本当なら反対しないと言った。「璟、小夭を想うたび後ろめたさを覚えるのだな…だがもう妻子を持った」「分かってる」小夭は瑲玹の岳父・曋淑同(シンシュクドウ)が婿たちの無事を確認して帰ったと聞いた。存亡の機でも様子を見にきてくれた曋氏、これが婚姻の力なのかもしれない。「いつ馨悦(ケイエツ)を娶るの?」「私に会いにも来ない、私に嫁ぎやしないさ」瑲玹は無条件に力を貸してくれるお人好しは小夭だけだと笑った。この苦しい世の中では誰でも自分が一番、愛情では飢えを満たせず、暖も取れない。瑲玹は馨悦の判断に理解を示し、自分にとって要求を満たし合える公平な関係が理想だと話した。「割り切っているのね?」「お前も割り切れ」「哥哥の言う通りだけど、それで心が満たされる?」瑲玹は久しぶりに小夭をおぶって帰ることにした。辰栄山に赤々と広がる鳳凰樹、かつて小夭が自分をおぶって鳳凰樹林を歩いてくれた日が昨日のことのように思い出される。「哥哥…必ず生き抜くわよ」「はお」つづく( ˙꒳˙ )おんぶ…必要?w
2024.10.16
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长相思 lost you forever第37話小夭(ショウヨウ)を守るため何としてでも中原(チュウゲン)に留まらねばならない西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。そのため赤水豊隆(セキスイホウリュウ)の提案を受け入れ、あらかじめ祖父の了解を得てから小夭と阿念(アネン)に報告した。「…側室を娶る」しかし相手は辰栄馨悦(シンエイケイエツ)ではなく意外にも曋淑恵(ハンシュクケイ)だった。瑲玹を慕う阿念は呆然、居たたまれなくなり席を立ってしまう。曋氏と言えば中原六大氏族の筆頭で、辰栄王族とも縁を結んでいた。瑲玹の話では曋氏の族長が自分に好感を持ち、力を貸してもらえるという。すると小夭は気まずそうにうつむく瑲玹の手を握り締めた。「生き抜くためだもの、どんな手段をとっても構わない」辰栄府に西炎の使者が到着、西炎王の王命が下った。瑲玹は罷免を免れ、さらに曋氏の娘・淑恵との縁談を賜る。祖父を密かに祭っていた赤水豊隆もその孝行心により不問とされ、改めて名将として王墓に祭ることが許された。するとそこへ皓翎(コウレイ)の使者として蓐収(ジョクシュウ)が現れる。皓翎は両王姫に対する瑲玹の情義に鑑み、紫金宮と王墓の修築に当てるよう建木と帰墟水晶(キキョスイショウ)を下賜した。結局、王墓の祭壇に乗り込んだ西炎岳梁(セイエンガクリョウ)は氏族への謝罪を命じられ、直ちに西炎へ連れ戻された。今回も何とか乗り切った瑲玹。しかし小夭は瑲玹の縁談が叔父たちへの宣戦布告になると心配になる。すると瑲玹は全て分かった上で、曋氏との結盟こそ自分が採る道だと断言した。「小夭、婚礼の場では私を祝うな」「…はお」西炎瑲玹と曋淑恵の婚礼の日。辰栄府には多くの氏族が招かれ、その中には塗山璟(トザンケイ)の姿もあった。塗山璟と目が合った小夭は何とも言えない悲しみを覚えたが、急に胸が苦しくなり、蠱虫(コチュウ)が暴れ出したと気づく。…相柳(ソウリュウ)に何かあったのかしら…すると塗山璟が駆けつけ、術を使って痛みを抑えた。「ありがとう、塗山族長」他人行儀な小夭に胸を痛める塗山璟、その時、ちょうど吉時となった。西炎瑲玹と曋淑恵の婚儀が始まった。しかし小夭は塗山璟がいることに耐えられず、途中で列から離れてしまう。その背中を見た瑲玹はふと幼い頃に小夭と交わした約束が頭をよぎり、感傷に浸った。…妹妹になればずっとそばにいられるわ!…そうだな!私はずっとお前の哥哥だ!何があろうと一緒にいよう!…約束よ?私たちは永遠に離れない!…約束だ!小夭は中庭でひとり悶々としていた。すると防風邶(ボウフウハイ)として招かれていた相柳が現れる。小夭は自分の感情も相柳に伝わっていると知り、相柳がわざと蠱虫で自分を苦しめたと気づいた。実は頭が9つあっても心はひとつ、身体の痛みなら9分の1でも心の痛みはそのまま伝わるという。相柳は己の心ひとつも守れないのかと嫌味を言いながら、小夭を気晴らしに連れて行くことにした。( ゚д゚)へえ…心はそうなんだ ←なぜか妙に感心w塗山璟がようやく祝宴に現れた。瑲玹はおおかた小夭と会っていたのだろうと思ったが、小夭なら防風邶と出かけてしまったという。驚いた赤水豊隆はなぜ止めなかったと聞いたが、塗山璟は苦渋の表情を浮かべた。「妻がいる私に止める資格はない…」小夭は久しぶりに相柳と毛球(ケダマ)に乗って空を飛んだ。「そう言えばどうして髪の色を戻さないの?」「初め防風邶に成り済ました時、霊力ではなく薬草で染めた、それ以来、習慣になってな…」小夭は相柳の思わぬ一面にくすっと笑った。すると相柳は照れ隠しに小夭を連れて海に飛び降り、海底に引きずり込んでしまう。かつて塗山璟に義理立てして相柳からの口移しの息を拒んだ小夭。しかし今では命を賭すべき相手はいない。小夭は目を閉じて相柳に顔を近づけたが、相柳は自分の気持ちを押し殺して笑い飛ばした。「いいから息をしてみろ」小夭は驚いたことに海底でも息をして話すことができるようになっていた。「はっ!…なぜ黙っていたの?酷い人!恨んでやる!」「生きるための代償だ、お前ももはや怪物だ!」相柳はやはり恨まれたと知って傷つき、泳いで行ってしまう。焦った小夭はからかわれたことに怒っただけだと釈明したが、仕方なく自分の腹を叩いた。すると騙された相柳は瞬時に引き返し、結局、小夭に捕まってしまう。小夭は相柳と一緒にしばし水中散策を楽しんだ。その時、貝殻から美しい歌声が聞こえてくる。「鮫人(コウジン)だわ!」「なぜそれを?」相柳は驚いた。確かに小夭を貝殻の中で治療していた時、ちょうど発情期に入った鮫人の求愛の歌を聞いている。小夭は美声と言えば鮫人だと誤魔化したが、相柳は小夭が当時、目覚めずとも意識があったと知った。「ついてるな、滅多に聞けない求愛の歌を2回も…いや、1度目で出会うとは」一方、感情を押し殺して瑲玹の婚儀を立派に仕切った辰栄馨悦。しかし祝宴を終えて居所に戻ると悲しみを抑えきれなくなってしまう。赤水豊隆は嫁がないと決断したのは妹だと呆れ、瑲玹に執着するなと叱った。翌朝、瑲玹は朝餉に阿念と小夭を招いた。曋淑恵は従妹とは言え身分の高い王姫に丁重に拝礼したが、小夭は気遣い無用だという。「嫂嫂(ソウソウ)、頭を上げてください、もう身内なんですから」しかし面白くない阿念は急に怒って帰ってしまう。阿念は居所で独り悶々としていた。すると小夭が駆けつけ、側室を蔑ろにすれば瑲玹を軽んじたことになると叱る。「阿念、淑恵を敬うことが瑲玹のためになるのよ?」阿念は仕方なく瑲玹のために譲歩すると約束したが、馨悦のように感情を抑えられないとぼやいた。しかし小夭は瑲玹のそばにいる女子が誰であれ気にさえしなければ阿念は阿念のままで良いという。「瑲玹のこと、どんなに力を持ったとしても今まで通り阿念を可愛がるはずよ その気性の荒さを改めるだけでいいの」「姐姐…私って本当に愚かね…何から何まで心配をかけて…」「ふふ、愚かな方が幸せになれる、天下一、幸せな女子になって」瑲玹は小夭が相柳と遊びに出かけて祝宴をすっぽかしたことに怒っていた。するとその夜、小夭が哥哥のご機嫌うかがいにやって来る。「婚礼を抜け出したから怒っているのね? でもあなたの作り笑いを見るのも、塗山璟と顔を合わせるのも嫌だった すぐ忘れられると思ったのに、忘れることがこんなにも難しいなんて…「その通りだ、感情は操れない」しかし瑲玹は自分だけはずっと小夭のそばにいると励ました。青丘で防風意映(ボウフウイエイ)が無事に男子を出産した。太夫人は曽孫を腕に抱いて感激、しかし父である塗山璟に笑顔はなく、虚ろな表情を浮かべている。片や塗山篌(トザンコウ)は赤子の顔を愛おしそうに見つめ、祖母に名前をつけるよう頼んだ。すると太夫人は″瑱(テン)″と名付け、その直後、息を引き取ってしまう。塗山府は悲しみに包まれた。藍枚(ランマイ)は夫が御霊に付き添っている間に塗山璟との接触を試みたが、塗山篌に見つかってしまう。小夭は塗山家の太夫人が逝去したと聞いた。そこで弔辞を記した対聯(ツイレン)を送るよう指示したが、実はその日に防風意映が男子を出産したと知る。小夭は祝いの品を送るよう冷静に対処したが、内心、激しく動揺していた。小夭は陵墓へ続く長い石段を登りながら、すでに晩年を生きているような無力感に襲われた。必ず戻ると約束した母の笑顔、哥哥との悲しい別れ、そして自分のためなら全てを捨てると約束してくれた塗山璟…。どんなに歩いても次々と浮かんで来る塗山璟との美しい思い出に、さすがの小夭も途方に暮れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)17!後ろ!後ろ!…みたいなw
2024.10.14
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长相思 lost you forever第36話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が塗山璟(トザンケイ)を見つけてくれたおかげで西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は検分前に帳簿の整理を終えていた。結局、帳簿を調べても何も見つけられなかった西炎岳梁(セイエンガクリョウ)。瑲玹も小夭(ショウヨウ)も岳梁がこのまま引き下がるとは思えなかったが、ひとまず乗り切った。そこで小夭は塗山璟の祖母を治療するため青丘へ出かけたいと頼む。実は小夭は皓翎(コウレイ)で医書や処方箋を調べ尽くし、ある治療法を見つけていた。しかし縁談のための取り引きではなく、あくまで医者としての本分を果たすためだという。瑲玹はうっかり防風意映(ボウフウイエイ)が婚約解消に応じずとも退婚させる方法があると口を滑らせた。「つまり防風意映が命を落とせばって言いたいのね… 私が欲しいのは添い遂げてくれる人、心の善良な人でなければ私を大切にできない 突然、私が冷たくなっても受け入れてくれる人じゃなきゃ」「冷酷無比だと恐れられていても身内には情が深い者もいるだろう?@俺」小夭はもちろん哥哥だけは違うと笑い、すぐに戻ってくると言った。仕方なく瑲玹は小夭を送り出したが…。塗山府では塗山璟が小夭を迎えてくれた。小夭は塗山璟が瑲玹のために手を尽くしてくれることに感謝し、思わず自分から唇を重ねてしまう。「璟って本当に優しいのね」「…優しくなんかない」塗山璟は小夭に大事な話があったが、その時、薬籠(ヤクロウ)の準備ができたと声がかかり、結局、伝えられずに終わってしまう。一方、西炎の朝廷では瑲玹の帳簿に問題がなかったことから、擁護の声が上がり始めた。岳梁は応龍(オウリュウ)将軍のせいだと恨みを募らせたが、思いがけず朗報が入る。「樊彰(ハンショウ)が来ました、瑲玹の秘密をお話ししたいと…」小夭は塗山璟の祖母に霊薬を飲ませた。病を根本から治すことはできないが、2年は延命できるはずだという。「はっ!本当だ、気分がいいわ!王姫、ありがとうございます!」太夫人は感激もひとしおだったが、その時、機を見計らっていた防風意映が急に立ちくらみを起こした。驚いた太夫人は名医である王姫に診て欲しいと懇願、すると脈診した小夭は呆然となる。実は意映は懐妊していた。…あなたが違うと言えば信じる、塗山璟、違うと言って…小夭は心の中で願いながら塗山璟の言葉を待ったが、弁解しないことが答えだと分かった。太夫人が跡継ぎができたと大喜びする中、小夭は独り寝殿を出た。塗山璟は慌てて後を追いかけ、小雪の舞う中庭で小夭に事情を説明する。「三月前、防風意映が自害しようとして看病を任されたんだ」その翌朝、目を覚ました塗山璟は防雨意映の隣で寝ていたという。罠にはめられたと気づいた塗山璟は思わず意映に斬りかかろうとしたが、結局、殺せなかった。経緯を聞いた小夭は防風意映が意識を朦朧とさせて色欲をかき立てる媚薬を使ったと分かった。「でもなぜ?私のもとで医術を学んだあなたがこんな毒牙に引っ掛かるなんて…」「薬を入れたのは奶奶(ナイナイ)だ…」実はあの夜、塗山璟は祖母に勧められた汁物を疑いもせず飲み干していた。「太夫人だったのね…あなたを責めないわ、でも私たちの縁はここまで」すると小夭は塗山璟からもらった魚丹の首飾りを返して帰ってしまう。阿念(アネン)は退屈で小夭が帰るのを今か今かと待っていた。するとようやく小夭の姿が見える。「姐姐!お帰り!哥哥ったら手伝わせてと言っても子供みたいにあしらうの! 姐姐から哥哥に話して!ね?姐姐~姐姐~!」阿音は小夭の腕をつかんで懇願したが、そこへ突然、瑲玹が血相を変えて駆けて来た。「阿念!やめろ!」その時、小夭が激しく血を吐いて倒れてしまう。( ゚д゚)・・・@阿念小夭は悲しみを我慢し過ぎて心脈が傷ついていた。医者は薬よりも気持ちを静めて穏やかに過ごすことが大事だという。小夭は平静を装っていたが、瑲玹は無理に笑う必要ないと言った。「そうしたいわけじゃない、慣れてしまったの 同じ1日なら笑顔の方がいい、心が傷ついてもせめて気丈に振る舞いたいから 少し眠れば平気よ…もう行って」すると小夭は目を閉じてしまう。瑲玹は塗山璟に関わる物すべてを紫金宮から排除した。その夜も心配で小夭の寝所を訪ねたが、ちょうど目を覚ました小夭から大袈裟だと呆れられてしまう。「男を理由に死んだりしないわ、大したことない」「私も何度も自分にそう言い聞かせたよ、″大したことない″と…」瑲玹は小夭が強がっていると分かっていたが、そうしなければ耐えられないことも身をもって知っていた。「悲しむな。塗山璟よりいい男はいる」すると小夭は背を向けてしまう。「悲しんでなんかいないわ」瑲玹は小夭が泣いていると気づいたが、黙って帰ることにした。その時、ふいに小夭が腕をつかんで引き止める。「哥哥…離れないでね」「離れない、ずっとそばにいるよ」岳梁は樊彰の告発で瑲玹が辰栄山陵園に私兵を隠していると知った。そこで氏族たちを集め、辰栄王の墓を守る陣を勝手に破ってしまう。静養していた小夭は外の騒ぎに気づき、弓を招喚して寝殿を飛び出した。一方、赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は岳梁の暴挙に猛反発。しかし岳梁は氏族たちに面白いものを見せると笑う。陵墓に駆けつけた小夭は物陰から弓を構え、岳梁に狙いを定めた。すると瑲玹が急に岳梁に歩み寄り、わざと自分が盾になる。結局、小夭は岳梁を仕留められなかったが、実は瑲玹はすでに手を打っていた。陵墓に隠されていたのは私兵ではなく辰栄炎灷(シンエイヒエン)の霊位だった。実は赤水豊隆が隠れて祖父を祭っていたという。「洵(シュン)山の役で敗れた祖父の亡骸はなく、墓もない 悲嘆に暮れた私は一族に黙って祭壇を作り、祖父を祭った、過ちを認め、罰を受ける」すると辰栄熠(ユウ)は息子の孝行心に思わず涙し、自分が代わりに罰を受けると言った。しかし辰栄王の墓地に押し入ったことの説明を求め、西炎王の判断を仰ぐという。紫金宮に戻った瑲玹は小夭の寝殿を訪ねた。「ごめんなさい、哥哥の策を台無しにするところだった」「西炎王の孫を殺せばどうなるか考えたのか?」「分かってる…でもあなたを失う方が嫌なの」すると瑲玹は小夭の肩を抱き寄せた。「私を失うことなどない」「そうね、今の哥哥なら何が起きても自分の身を守れる」小夭との強い絆を感じ、久しぶりに心が満たされる瑲玹。しかしその夜、西炎から思わぬ報告が届いた。岳梁が瑲玹を罷免し、辰栄山には別の者を送るよう上奏したという。瑲玹と赤水豊隆はいつもの峰で待ち合わせした。すると豊隆は中原に残れる方法があると伝え、妹が渡しそびれた劄記(サッキ)を勝手に贈ってしまう。瑲玹は驚いたが、これは無事に施工の儀を終えてこそ受け取れた物だと気づいた。「馨悦(ケイエツ)を娶れば氏族たちもお前を家族とみなすさ、お前への想いは明白だ」「…たやすく決められぬ、まずは馨悦の考えを聞こう」馨悦は今の瑲玹に嫁ぐのは嫌だと断った。確かに瑲玹に思いを寄せていたが、中原を追われそうなった今、一緒に危険を犯す勇気はないという。赤水豊隆は申し訳なさそうに瑲玹に報告したが、実は婚姻の件で別の提案があった。瑲玹が紫金宮へ戻ると、ちょうど小夭と阿念が談笑していた。2人の笑顔を見た瑲玹はふと応龍(オウリュウ)将軍からの返信を思い出す。…確かに第一王姫の出生の噂を聞いたことがありますが、真相は分かりませんただ王姫大将軍は兵士たちの前で赤宸(セキシン)と心を通わせていると公言したことがあります″赤宸を好いている″と…瑲玹は小夭が赤宸の娘だと確信していた。…いつかこの秘密が世に知られたら小夭を守れるのはこの世で私しかいない小夭、私を失えばお前は耐えられぬお前には幸せで生きて欲しい、他には何も望まぬ…つづく(  ̄꒳ ̄)馨悦、お前もかw
2024.10.12
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长相思 lost you forever第35話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)とのわだかまりが解け、従兄弟同士の絆を深めた塗山璟(トザンケイ)。辰栄(シンエイ)府を訪ねた本来の目的は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)に離戎昶(リジュウチョウ)を引き合わせるためだった。中原で長年、差別を受けてきた離戎氏。離戎昶は賭場など下層の商いで祖先の名を汚して来たが、王孫の下で再興を図りたいという。こうして瑲玹は新たな同志を迎えた。小夭(ショウヨウ)は娘を案じる父のため皓翎(コウレイ)国に一度、帰ることになった。実は塗山璟も祖母の具合が悪いとの知らせを受け、青丘(セイキュウ)に戻らねばならないという。名残惜しそうに抱き合い、再び離ればなれになってしまう小夭と塗山璟。一方、青丘では防風意映(ボウフウイエイ)が塗山篌(トザンコウ)から塗山璟の想い人が皓翎の第一王姫だと聞いて驚愕していた。小夭が無事に五神山に到着した頃、赤宸(セキシン)を調査を命じられていた瀟瀟(ショウショウ)が紫金宮に戻った。確かに百黎(ヒャクレイ)にある赤宸寨(サイ)は赤宸と妻の居所だったが、民に尋ねても誰も口を開かなかったという。居所には赤宸の絵姿だけで妻のものはなく、分かったのは西陵(セイリョウ)氏の巫女ということだけだった。「西陵氏の巫女?」報告を聞いた瑲玹は姑姑と赤宸の噂を思い出し、今度は老桑(ロウソウ)に密命を下した。「内密に西炎に帰れ、応龍(オウリュウ)将軍に密書を届けてくれ」一方、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は愛する瑲玹の力になろうと歴代の辰栄王が治世を記した劄記(サッキ)を自ら書写していた。塗山璟は急ぎ青丘へ戻ったが、防風意映とは距離を置いた。すると防風意映は塗山璟の退婚の意思が固いと分かったのか、身を引いてくれるという。喜んだ塗山璟は早速、祖母に報告したが、その時、意映が自害したと知らせが入った。すぐ気づいた侍女が医者を呼んで事なきを得たが、太夫人は意映を傷つけた孫に激怒、罪滅ぼしに看病するよう命じる。その夜、責任を感じた塗山璟は意映の居所で寝ずの番をすることにした。すると夜更けというのに太夫人がやって来る。「お前は病み上がりで意映まで倒れた、汁物を作ったの、飲みなさい…意映の分もあるわ」( ̄∀ ̄)ニヤリ紫金宮の″竣工の儀″を迎えた。赤水豊隆は塗山璟の姿がないことを訝しんだが、吉時となり儀式が始まってしまう。すると氏族たちが見守る中、突然、大明殿が崩壊した。辰栄馨悦は儀式のあとに手紙を入れた劄記を贈るつもりだったが、無駄になってしまう。↓ガラガラガッシャーン!( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ポカーンこれを受け五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)は工費の着服が疑われるため、早急に使臣を派遣して詳しく調べるべきだと上奏した。瑲玹に恨みを持つ樊(ハン)氏と鄭(テイ)氏が扇動、氏族たちが瑲玹の工費の着服が原因だと騒ぎ立て、間に入った城主・辰栄熠(シンエイユウ)は説得に失敗していた。小夭は父が紹介してくれた鋳造師を招き、新しい弓を頼むことにした。すると思いがけず名匠とは思えない若い娘が現れる。「あなたが弓が欲しい人?私は金天星沈(キンテンセイチン)」金天星沈はいきなり王姫の手を確認し、自分以上に荒れていると驚いた。「人を殺そうと思ったらよほど稽古しないとね」王姫を気に入った金天星沈は滅多に手に入らない名器を紹介した。ある男の注文で最高傑作の弓を完成させたが、なぜか男は使えないと怒って帰ってしまったという。弓を見た小夭はひと目で気に入った。しかし弓の実力を発揮させるには主人と認めてもらう必要があり、そのためには九頭蛇の血が必要だという。「ふっ、だから買い手がつかないのね、ではこの弓を頂くわ」瑲玹は禺彊(グウキョウ)から崩壊した大明殿の調査報告を聞いた。大明殿が崩れたのは枓栱(トキョウ)が割れたことが原因で、割れた場所には白蟻がいたという。調べてみると玉山の万年玉髄で育てられた白蟻で、昆梧(コンゴ)木も食い荒らす特殊な蟻だった。誰かが故意に放ったのは明らか、すでに怪しい者を捕らえに行かせたが、そこへ衛兵が駆けつけ、大工の彭山(ホウザン)がすでに自害していたという。「口封じされたな」小夭は辰栄山へ持ち帰る珍しい霊草や薬材を手に入れ、整理していた。すると阿念(アネン)が血相を変えて現れ、瑲玹が大変なことになったと報告する。「大明殿が崩れて岳梁(ガクリョウ)が検分に遣わされたって!哥哥を潰すつもりよ!」驚いた小夭は侍女たちにすぐ荷物をまとめるよう命じ、辰栄山に帰ると決めた。阿念は一緒に行きたいと頼んだが、小夭は珍しく姉として妹を諭す。「瑲玹はやめなさい…瑲玹は女子に情を求めていない 自分に想いを寄せる女子に利用する価値があるなら拒まないわ 女子を娶ることで争いが避けられるの 私だって本当は嫌よ、でも平凡な民の命のはかなさを思えば賛同できる 阿念、父王に良い人を選んでもらいなさい」「でも…40年、忘れようとしても無理だった 望みはないと分かっている、他の女子がいてもいい、私に優しければそれでいいの」「自分に厳しくなりなさい!王姫たるものが男に依存して生きると?!」「私は姐姐ほど強くない、分かるの、哥哥を失ったら生きる喜びも失ってしまうと…」阿念は両親の他に頼れるのは小夭だけだと訴え、自分の力になって欲しいとすがった。その頃、任務を終えた老桑が西炎から紫金宮へ戻った。瑲玹は待ちかねていた応龍将軍の返信を読んだが、文をその場で燃やしてしまう。「小夭のために中原に留まらなければ…何としてでも」しかし肝心の塗山璟の行方がまだ分からなかった。そんなある日、赤水豊隆は離戎昶から知らせを受けて賭場に駆けつける。すると自暴自棄になった塗山璟が酔い潰れていた。五王の息子・西炎岳梁がついに辰栄山に乗り込んできた。すると帳簿を全てかき集め、厳しく調べるという。鈞亦(キンエキ)は戦々恐々だったが、瑲玹はすでに塗山璟が整理したので抜かりはないという。しかし何事も″絶対″はない。もし祖父が調べれば早晩、あかるみにでるだろう。そこへ瀟瀟が駆けつけた。「殿下、王姫がお戻りです」外は雪になった。瑲玹は外套を持って小夭を出迎えたが、驚いたことに阿音が一緒だと知る。外套がひとつしかなく戸惑う瑲玹、しかし気を利かせた瀟瀟が外套を持って駆けつけた。( ๑≧ꇴ≦)哥哥w阿念は瑲玹から外套をかけてもらいながら、黙って帰ってしまったことを謝罪した。しかし瑲玹は今までと変わりなく笑って済ませてくれる。「小夭、なぜこんな寒いうちに戻った?風邪でも引いたらどうする?」「五神山にいれば風邪は引かなくても心配で病になるわ、ふふ それで爺爺は修築を他の者に任せるつもりなの?」「分からぬ、検分次第だろう」小夭はたとえどんな犠牲を払おうと瑲玹を中原に留めると誓った。「恐れたりはしない、勝てばいいだけ…血を流すことも恐れない」一方、皓翎王は小夭から届いた文を読んでいた。「″錦上に花を添える″には時機を見ねばな」蓐収(ジョクシュウ)はここで瑲玹に助け船を出さねば花を添える機会も来ないと諫言したが、皓翎王は厳しかった。「″九死に一生を得る″、それが王の道だ」小夭は弓の主人となるべく相柳(ソウリュウ)を呼び出した。どうやら相柳が頼んだ弓は無事、小夭の手に渡ったらしい。相柳は一粒の血を放ち、小夭自ら手に入れろと言った。すると小夭は見事に血の鳥を射止め、弓の主人となる。「霊力の弱いお前が良くここまで上達した、もう私が教えることは何もない」「ご教授に感謝します、師父」「私は用がある、もう行くぞ」相柳は歩き出しながら後ろを気にしていた。しかし小夭は引き留める様子もなく、そのまま帰ってしまう。↓もはや師父扱い?( ̄▽ ̄;)つづく( ゚ェ゚)いや〜回りくどいのよ、蛇夫はwさてボロボロ17、一体、何があったのでしょうか?!
2024.10.11
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长相思 lost you forever第34話その夜、小夭(ショウヨウ)は激しい雷鳴で目が覚めた。すると回廊から護衛・苗莆(ビョウホ)の声が聞こえる。「王姫、塗山(トザン)少主がお見えです」「璟(ケイ)?」小夭が慌てて門を開けると、憔悴した塗山璟が傘もささず、びしょ濡れになって立っていた。西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は夜更けに突然、訪ねて来た塗山璟を小夭に会わせてやった。しかし塗山璟が帰るまで安心して眠ることはできない。あの様子から自分にとっては朗報だと分かったが、小夭を思うとやはり胸が痛んだ。塗山璟は祖母が半月の命だと明かし、3日後に族長の座を継ぐことになったと伝えた。「拒めなかった、すまない…また君を失望させて」「分かったわ、大丈夫…あなたの心は柔らかい、その柔らかさに私は惹かれたの」一方、青丘では族長の座を奪われた塗山篌(トザンコウ)が母の霊廟で酒を飲みながら腐っていた。すると防風意映(ボウフウイエイ)が現れ、実はまだ勝算があると励ます。そんな2人の悪巧みをちょうど夫の様子を見に来た藍枚(ランマイ)が聞いていた。皓翎(コウレイ)王は塗山家から届いた招待状を小夭に譲った。「父王は優しい、これで堂々と見に行ける」瑲玹はこんな事態になっても参列する小夭を心配したが、小夭は愛する塗山璟の晴れ姿を目に焼きつけておきたいという。「心配しないで、失ったものに未練を残さない、私が男のために泣き暮らすと思う?」小夭は精一杯、強がって見せた。青丘で塗山璟の族長継承の儀が行われた。すると晴れ渡る空に九尾の印が現れ、太夫人や長老たちは吉兆だと大いに喜ぶ。実は継承式で毎回、吉兆が現れるとは限らず、まさに天が塗山璟の就任を認めたという証しだった。小夭は祝宴の気分ではなく、独りで裏庭に出た。すると方風邶(ボウフウハイ)として参列していた相柳(ソウリュウ)が現れる。小夭は自分の命を取り引きに使った相柳にどこか冷たかったが、相柳は落胆する小夭をわざとからかった。「塗山璟が族長を継承しなければ妹のこと、退婚に同意したのにな…ふっ」「不運には慣れているの、幸運に恵まれた時もそれが消える覚悟はしている 誓いの言葉も本気で信じてはいないわ 悲しくないと言えば嘘になるけれど、泣くほどでもない」「可愛げのない女子だな」相柳は小夭の強がりを見抜き、気晴らしに賭場へ行こうと誘った。離戎(リジュウ)氏が営む地下賭場は青丘にもあった。あの″二つ頭の犬″と塗山璟が親しいとは意外だったが、小夭は早速、試合をのぞいてみる。すると40年前に23話で戦っていたあの少年がいた。相柳の話では奴隷主との契約で40年間、連勝すれば自由の身になれるという。「今日が最後の日だ…40年も勝ち続けられたのは、九尾狐の檻にいたお前と同じ 心に目標を定めて果てしない日々をただ耐え続けたんだ そして砂粒ほどの小さな希望をあきらめなかった」その時、少年と対戦相手は相打ちとなり、共倒れになってしまう。観戦者たちは諦めて引き上げ始めたが、小夭だけは少年を鼓舞し続けた。「立って!勝てば自由になれるのよ?!立って!立って!」もはや体力の限界に来ていた少年、しかし小夭の声が届いたのかよろよろと立ち上がり、勝者となった。喜んだ小夭は塗山璟のことも忘れて大興奮、思わず相柳に抱きついてしまう。(´-ω-`)小夭…そういうトコだぞ?小夭は大勝ちして賭場をあとにした。すると闘技場から解放された少年が現れ、以前にも会ったことを覚えているという。実はあれから相柳は7回も少年の試合を見に来ていた。少年は相柳の下で働きたいと頼んだが、断られてしまう。「あなた名前は?」「奴隷11と呼ばれていた」そこで小夭は左耳のない少年に″左耳(サジ)″と名付け、困った時は辰栄山の瑲玹を訪ねるよう勧めた。「私は小夭よ、私の名を出せば仕事をくれるわ」小夭は勝った銭を全て左耳に渡し、見送った。しかしその後ろ姿を眺めているうち、小夭はかつて同じように闘技場から逃げた相柳の姿が重なる。「私があなたを救いたかった…そうすればあなたは自由でいられた ただの防風邶でいられたはずよ? 誰かに恩や情を返す必要もなく、負うべき責任も守る道義もなかったのに…」相柳は決して小夭と相容れないのだと思い知らされ、あえて自分から突き放した。「お前が私を救うだと?…思い上がりもいい加減にしろ!」小夭は急に声を荒げた相柳に怯えて後退り、そこへ思いがけず塗山璟が現れた。すると小夭は塗山璟の手を引き、慌ててその場から逃げ出してしまう。小夭は塗山璟を連れて黙って歩いた。しかしやがてふと塗山璟の手を離してしまう。「小夭、私から離れて行くのか?」「そのつもりはない、でもあなたが族長になった姿を見た時、失望や迷いを覚えたわ 私たちはそれぞれの道を歩き始めたと感じたの でも今は平気、簡単に諦めるべきじゃない、いつか道を1つにできるはずだわ」小夭は左耳の諦めない姿に感銘を受け、前向きになっていた。「私はわがままで冷めたところがあるから、まず自分を守ろうとする 人の言葉も心から信じられない、こんな私を受け入れるのは大変よね」「言ったはずだ、まず私が君を信じると」すると塗山璟は小夭を強く抱きしめた。(´-ω-`)小夭、ホントそういうトコだぞ?萃苑(スイエン)では五王・西炎徳岩(セイエントクガン)が七弟・西炎禹陽(セイエンウヨウ)から興味深い話を聞いていた。実は塗山璟が小夭のために退婚を申し出たという。どうやら瑲玹に力を貸すのも小夭のためらしい。気がつけば中原の氏族に影響力がある四大世家のうち3家が事実上、瑲玹の後ろ盾となっていた。瑲玹の血縁にある西陵(セイリョウ)氏はもちろん、瑲玹の腹心である赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が族長となれば赤水氏が味方になるのもやぶさかでない。しかし五王は勢いづく瑲玹が己を過信しているはずだと踏み、それを逆手に取ると決めた。「40年前、辰栄山に仕込んだ奥の手を使う時が来た」紫金宮の修築を進める瑲玹のもとに曋淑同(シンシュクドウ)と樊彰(ハンショウ)がやって来た。2人は城主が決めた″竣工の儀″の日取りを上奏、しかし瑲玹は工期が短いと難色を示す。しかし2人から最上の吉日だと説得され、仕方なく施工を急がせるしかなかった。辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は塗山璟と小夭が来たと聞いて木樨(モクセイ)園に駆けつけた。もし兄に見つかればまた一騒動、しかし塗山璟は涼しい顔で琴を弾いている。そこで小夭はひとまず馨悦と一緒に部屋を出ることにした。すると案の定、塗山璟がいると聞きつけた赤水豊隆が乗り込み、塗山璟と取っ組み合いの喧嘩になってしまう。塗山璟と赤水豊隆は久しぶりに思い切り殴り合い、落ち着いた。実は豊隆は小夭を取られたことより、自分に隠し事をしていたことが許せなかったという。塗山璟は小夭が王姫でなかった頃に知り合い、好きになったと明かした。今の小夭なら自分より豊隆や防風邶の方がふさわしいと分かっていながら、どうしても諦められないという。「いつからそんな臆病になった?!お前は俺の兄弟分だ、釣り合わないわけがない」「お前のことだ、兄弟分に譲ってくれると分かっていた、だから言えなかったんだ もう怒らないよな?」「…いいや!」すると2人は笑い合った。瑲玹は辰栄府を訪ねた。塗山璟と赤水豊隆の顔はあざだらけだったが、すでにわだかまりが解けたことに気づいて安堵する。つづく(  ̄꒳ ̄)小夭、いやホントお前のそういうトコだぞw
2024.10.09
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长相思 lost you forever第33話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は塗山璟(トザンケイ)の枕元でうたた寝しているに小夭(ショウヨウ)を見つけた。しかしまだ夢のようで、そっと手を伸ばして小夭の頭を優しく撫でてみる。「小夭…」ようやく小夭が戻って来たと実感し涙ぐむ瑲玹、その時、小夭がふと目を覚ました。すると瑲玹は態度を一変させ、自分ではなく塗山璟の元に駆けつけたとへそを曲げて出て行ってしまう。小夭はこの数十年、ずっと瑲玹を気にかけていたと弁解した。塗山璟の命が危ういと知って駆けつけたものの、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)に真っ先に尋ねたのは瑲玹のことだったという。すると瑲玹は小夭を抱きしめた。「お前を失うかと思った…」「安心して、哥哥、これからは十分に気をつけるわ」瑲玹は相柳(ソウリュウ)がどうして小夭を救えたのか不思議だった。小夭の話では蠱虫(コチュウ)が功を奏したのだという。「蠱虫を通じて正気を送り込んだあと、血呪(ケツジュ)の術で命を長らえさせたのよ」瑲玹は取り引きした以上、一時しのぎでは困るとこぼし、実は辰栄山の峰ひとつと交換する約束だと明かした。…まさか条件を出していたとは恐れ入ったわ…小夭は相柳に恩返しできるか心配だったが、どうやら取り越し苦労だったらしい。一方、相柳は金天(キンテン)谷の金天星沈(キンテンセイチン)を訪ねていた。金天星沈は注文を受けた弓を45年も鍛え続け、残る部品は弦だけだという。そこで相柳は弦を託し、また3ヶ月後に来ると約束して帰った。( ̄▽ ̄;)え?相柳だったんだ、てっきり青丘の兄だと思ってたw小夭は塗山璟が目覚めるまでそばにいたいと頼んだ。仕方なく瑲玹は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)と辰栄馨悦に医術に通じる小夭に塗山璟を任せたいと伝え、許可をもらう。そこへ思いがけず禺彊(グウキョウ)がやって来た。小夭は呆然、刺客が来たと激しく動揺したが、実は禺彊は瑲玹の配下になったという。すると馨悦は兄たちの話を邪魔しないよう小夭を連れ出し、この37年間の出来事を話して聞かせた。その夜、小夭はこっそり木樨(モクセイ)園に駆けつけ、塗山璟のそばに付き添った。主人と小夭の仲睦まじい様子を見て嬉しそうな式神。「私の死を知って生きる意欲を失ったと聞いたけど、そんなに私を想っていたなんて… 私を命と同じくらい大事だと想っているなら、何があっても私を見捨てないわよね でも懸命なあなただからきっと答えてくれない、口にしてたがえたら嘘になってしまうもの それにあなたが約束してくれたとしても私が信じない 人の心は世と同様に移ろいやすい、自分のことも信じがたいわ…璟、早く目を覚ましてね」西炎国と皓翎(コウレイ)国に瑲玹から小夭が目覚めたと知らせが届いた。西炎王はちょうど罪人の処刑を命じるところだったが、報告を聞いて恩赦を与えると決める。一方、皓翎王は滋養のため小夭に万年水髄(スイズイ)を届けるよう命じた。蓐収(ジョクシュウ)は直ちに調達に向かったが、運良く阿念(アネン)の寝宮に山ほどあると分かる。すると阿念は小夭が心配だとおくびにも出さず、霊獣が食べ飽きてるので譲ってもいいと言った。「礼なら霊獣に言って」小夭は塗山璟を中庭のあずま屋へ連れ出した。24話の夢が叶い、塗山璟の黒髪をとかしながら山歌を口ずさむ小夭。すると式神が現れ、主人が目を覚ましたと身振り手振りで伝えた。しかし小夭が確認すると塗山璟は眠っている。「また邪魔したら縛るわよ?」その時、薬湯を届けに来た静夜が驚きのあまり盆ごと落とした。小夭はその意味を悟り、ゆっくり振り返る。「璟…目覚めたの?声をかけてくれればいいのに…」「声を出したら君が消えてしまいそうで…」2人は硬く抱き合い、互いの無事を喜んだ。「わっ私は何も見ていません!」焦った静夜は急いで引き返してしまう。小夭の甲斐甲斐しい世話のおかげで塗山璟がついに意識を取り戻した。「小夭、私は君の夫として堂々と一緒にいたかった 王姫である君に釣り合うためには塗山璟でいなければならない だからこの名を手放せなかったんだ、だが間違っていた、この名を捨てるよ 君と一緒にいられるなら夫婦を名乗れずとも、君の下僕になったとしても構わない ただそばにいて君を守りたい…この命より君の方が大事だ」塗山璟は生きている限り小夭を手放せないと涙してしまう。すると小夭はこれまで見捨てられてばかりだった自分にとって″手放さない″という言葉が何より嬉しいと笑った。瑲玹は塗山璟が回復したと聞いて辰栄府に駆けつけた。久しぶり集まった同志で囲む食卓、その時、辰栄馨悦は塗山璟と小夭の様子から2人の関係に気づいてしまう。馨悦は小夭と2人だけになってから遠回しに探りを入れた。すると小夭は隠し立てもせず相思相愛だと認めてしまう。一方、瑲玹と赤水豊隆は病み上がりの塗山璟に早速、資金繰りを頼んだ。塗山璟は銭なら工面できると快諾したが、早急に青丘へ戻り、祖母に全て話すつもりだという。瑲玹にはその意味が分かったが、赤水豊隆は首を傾げた。「私は小夭に想いを寄せている」塗山璟の告白を聞いた豊隆は呆然となった。「つまり愛する小夭の後を追うつもりだったのか?!」豊隆はあろうことか自分の屋敷で小夭と塗山璟が蜜月を過ごしていたと知り激怒、塗山璟を殴ってしまう。瑲玹は興奮する豊隆を外へ出した。どちらにしても防風(ボウフウ)家が退婚に応じるとは思えないが、塗山璟は身分も何もかも捨てて小夭を選ぶという。「祖母が認めてくれなければ塗山璟の名も捨てる、葉十七(ヨウジュウシチ)に戻るだけだ」その時、小夭が現れた。小夭は塗山璟が身ひとつになっても気にしないという。瑲玹の前で見つめ合う2人…。瑲玹は自分には決して叶わぬ夢を手に入れた塗山璟が何とも妬ましかった。瑲玹は小夭を連れて辰栄山に戻った。すると山は鳳凰樹林で真っ赤に染まり、思い出の鞦韆(シュウセン)まである。瑲玹は正直に塗山璟を待つだけ無駄だと言った。「哥哥、心配は無用よ?失敗続きだったから常に最悪の想定をしているわ ″期待しなければ永遠に失望しない″って言ったでしょう?」「結果がどうあれ私がついている」瑲玹と小夭は硬く手を握り合い、しばし昔を懐かしむように鳳凰樹林で過ごした。一方、青丘に戻った塗山璟は祖母に改めて退婚を願い出ていた。もし同意しないのなら縁を切る覚悟だという。全てを聞いた太夫人は王姫に激怒し、どんなに身分が高くても嫁には決して迎えないと退けた。そこで翌日、家族を集め、長老と相談の上、3日後に塗山璟を族長に指名する儀式を行うと伝える。驚いた塗山篌(トザンコウ)は他にふさわしい者がいると猛抗議、すると塗山璟も兄の方が族長に相応しいと推挙した。「お前の同情などいらぬ!」塗山篌が怒号を響かせると、太夫人が突然、激しく喀血してしまう。実は太夫人の余命は半年しかなかった。つづく( ๑≧ꇴ≦)あ~またかwでも想定内?w
2024.10.08
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神隐 The Last Immortal第10話「暴かれた嘘」鴻奕(コウエキ)は阿音(アイン)を励まそうと得意の幻術で花吹雪を見せた。しかし阿音はどこか上の空、やはり古晋(コシン)が華姝(カシュ)に求婚するせいだろう。図星だった阿音は慌てて空元気を出し、これから凝雲(ギョウウン)山を見つけに行こうと誘った。古晋への未練を断ち切るようにむやみに飛び回る阿音。鴻奕は他の結界に飛び込むなど危険だと叱ったが、その時、偶然、孔雀族に襲われる鷹族公主・宴爽(エンソウ)を目撃する。すると阿音が加勢するより早く鴻奕が飛び出し、宴爽を救った。顔を合わせれば喧嘩になる2人だったが、宴爽もこの時ばかりは颯爽と現れた鴻奕の姿に思わず見惚れてしまう。鷹族と孔雀族は停戦したはずだった。しかし面目を潰された華衍(カエン)が報復して来たという。宴爽はそもそも古晋が遮天傘(シャテンサン)を貸したからだとぼやいたが、阿音は鷹族が孔雀族の領土を狙ったことが発端だと古晋をかばった。すると宴爽が出たら目だと反論する。実は孔雀王は100年前の戦で鷹王に負け、焦って修練した結果、自分で内丹を傷つけていた。古晋と阿音が偶然、宴爽から華姝を助けた時も、先に鷹王を襲ったのは華姝だという。あの時、碧血霊芝(ヘキケツレイシ)で父を治したかったのは華姝ではなく宴爽だった。仙界では鷹族が開戦を迫ったと伝えられていたが、実際は鷹族が失踪した師兄を探すため、孔雀族の聖地である無極洞(ムキョクドウ)を開けて欲しいと頼んだだけだという。「証拠なら鷹島に証拠があるわ!」一方、古晋はなかなか華姝に求婚する気持ちになれず、祝宴の時間まで中庭で酒を飲んでいた。ふと気がつけば阿音のことを考えてしまう古晋…。その時、華姝の侍女・紅雀(コウジャク)が侍女を叱る声が聞こえて来た。)<待って!それは殿下の大切な鵲羽灯(ジャクウトウ)よ?七夕に贈られた貴重なものなの古晋は真身に戻った阿音が暴れながら″鵲羽灯″と叫んでいたことを思い出し、やはり阿音が正しかったと分かった。華姝は古晋との約束を破って誰かと密会し、しかも静養していたと嘘をついていた。青衣(セイイ)は師叔が傷つくのも無理はないと慰めたが、古晋は気落ちしているわけではないという。確かに梧桐(ゴトウ)島で助けられた縁で近づきたいと願ったが無理強いしたこともなく、なぜ嘘をつく必要があったのだろうか。すると青衣は師叔の冷静さに困惑した。「人間界の恋愛話本によれば、誰かを愛すると善悪の区別ができなくなると… 殿下の嘘を見過ごして己の本心に背けますか? もし分別ある行動を取れるなら…それは愛じゃない、恩義を感じているだけです」( ๑≧ꇴ≦)青衣!人間界上がりなのに悟ってるw古晋は気持ちの整理がつかず、ともかく求婚は考え直すことにした。しかし青衣が早とちりして孔雀王に婚書と結納品の鳳冠を渡してしまったという。Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!古晋は婚書と結納品を取り戻すため孔雀王を訪ねることにした。すると通りかかった裏庭で偶然、華姝と瀾灃(ランホウ)帝君の密会現場を目撃する。華姝は帝君からもらった首飾りを返し、二度と会えないと別れを告げていた。実は人質となった兄を救うため、遮天傘を煉化してしまったという。大澤山を守る宝を無断で我が物にしたと分かれば大事、そのため華姝は古晋の求婚に応じると説明した。驚いた瀾灃は贖罪のために嫁ぐなどあってはならないと反対し、華姝を抱き寄せる。その様子を目の当たりにした古晋は自分の愚かさに気づき、阿音にまで理不尽な思いをさせてしまったと後悔した。…10年も執着し、盲目になっていた…↓(∩ω∩`)確かに見たくなかったわw一方、鷹島では宴爽が鷹族と孔雀族のこれまでの戦書や戦報を証拠に華姝の嘘を暴いていた。しかも華姝は遮天傘を煉化して自分の神器にしていたという。「煉化しないと天罡(テンコウ)星は使えないもの」阿音は古晋の優しさにつけ込み神器を奪ったと激怒、百鳥島にいる古晋に知らせることにした。孔雀王の誕辰の宴が始まった。華黙(カモク)は娘と入場しながら、古晋から婚書の無効と遮天傘の返還不要という書簡が届いたと知らせておく。安堵した華黙は真っ先に孔雀族の恩人である古晋に感謝の杯を捧げたが、古晋は衆目の中ででわざわざ鳳冠の返却を求めた。「若かりし頃、華姝殿下から受けた恩には感謝しています そのため遮天傘と炫星鳳冠(ゲンセイホウカン)をお貸ししました 危機を脱した今、大澤山は争いに介入しません、早期に鳳冠をお返しください 遮天傘は恩返しとして贈りましょう」招待客たちは驚いた。誰もが孔雀族は大澤山の庇護を得たと思っていたが、古晋の様子ではあきらかに距離を置きたがっている。すると同席していた瀾灃は華姝の面目を守るため、その場で求婚の意があると宣言した。その時、突然、阿音の叫び声が聞こえて来る。「師兄?!…阿晋!私よ!結界を解いて!」華姝は古晋に頼まれ、仕方なく結界を解いた。すると阿音は華姝が大澤山の遮天傘を我が物にしたと激怒する。古晋は自ら華姝に譲ったとなだめ、求婚したのも自分ではなく帝君だと明かした。拍子抜けする阿音だったが、その時、思いがけず帝君に謁見できた宴爽が上申したいと訴え出る。北海で静かに暮らして来た鷹族。数百年前から霊力の高い弟子たちが失踪し、いくら探しても消息はつかめなかった。しかしついに孔雀族の領土である無極洞の外で同族の霊力が見つかり、鷹王は捜索を願い出たという。孔雀王はこれを拒否、この時、もし百鳥島を打ち負かせば捜索を許すという戦約が結ばれた。結局、華姝が遮天傘を手に入れ、鷹族は降参するしかなかったという。宴爽は証拠として開戦帖を招喚した。寝耳に水だった古晋は図らずも遮天傘を貸して孔雀族に加担してしまったと知る。瀾灃は帝君として公正に判断し、孔雀王に捜索を許可するよう命じた。すると万儀(バンギ)派も客観的に判断するため、同行すると申し出る。孔雀王は腸が煮えくり返る思いだったが、招待客たちの手前、了承するしかなかった。宴爽の嘆願が叶い一件落着、しかし古晋は捜索の許可だけでなく、10年の休戦協定を100年に延ばすよう提案した。「私の遮天傘が原因で鷹族を敗北させてしまった、私に免じてお願いします」「もし断ったら?」すると古晋は神剣を招喚し、巨大な剣気を誇示した。「停戦を断るなら、再び戦が起きた時、大澤山は鷹族のために剣を抜くでしょう」孔雀王は100年の停戦に同意した。華姝は従順だった古晋の反発に誰よりも驚き、侍女に命じて裏庭に呼び寄せる。「負傷した父を助けるため仕方なくて…」「殿下、もう十分です、鷹族は仲間を捜索したいだけだった まさか北海を見下すためにわざと遮天傘を煉化したとでも?」「わざとじゃない、緊急事態じゃなければ決してしなかったわ」「…華姝殿下、尊師は私を守るため遮天傘と大澤山をつなげていました 半神でも煉化には半月以上かかります」古晋は華姝の嘘に気付いていたが、百鳥島を一人で背負っていた華姝に同情したのも事実だった。「恩返しに遮天傘を贈ります、私にできるのはここまで…どうかお元気で」華姝は呆気に取られながら古晋の背中を見送った。しかしこれも全て阿音のせいだと逆恨みする。「利用価値のないものは必要ない、特に鷹族の味方は不要よ」宴爽は父への報告のため急いで帰って行った。仙車で帰路についた古晋たち、しかしどこか気まずく誰も口を開かない。古晋は華姝への感情が子供じみた憧れに過ぎず、阿音への想いとは違うことに気づいた。そうとは知らず、阿音は自分が華姝を追い詰めたせいで古晋を傷つけたのだと誤解してしまう。「阿晋、ごめんなさい、急に真相を暴露してあなたの顔に泥を塗ってしまった」「何を言ってるんだ?俺は…」「俺が行けと煽ったんだ」鴻奕が咄嗟に阿音をかばうと、古晋は2人の関係を怪しんでしまう。すると鴻奕が古晋と阿音を励まそうと朗報を伝えた。「晨敏(シンビン)が言ってた、幽冥(ユウメイ)界に梧桐の木があるって」古晋は青衣だけ仙車で先に帰し、人間界に降りた。鴻奕の話では皇城の城門が幽冥界へつながっている唯一の道だという。すると急に烏が集まって来た。実は烏は人間界の悪夢を集め、牛車が烏たちを幽冥界へ運び入れるという。「阿玖ったら物知りなのね!」「俺は博識だからな」古晋は2人の何気ない会話にも内心、おだやかではなかった。(´-ω-`)<俺だって博識ですけど…ボソッ鴻奕の説明通り東市街から牛車が現れた。古晋たちはこっそり荷車に乗り込んだが、急に重くなったことを訝しんだ牛が急に止まってしまう。すると勢い余って阿音が古晋の胸の中に飛び込んだ。見つめ合う古晋と阿音。その時、鴻奕は阿音がよからぬ想いを抱けば主従契約の罰を受けると思い出し、咄嗟に阿音を引っ張って古晋から離した。古晋たち結界から幽冥界に入った。部外者は滅多に入ることができないだけに、阿音は噂で聞いていた不気味な場所とは違うと驚く。山間亭には多くの店や露店が集まり、まるで人間界のように賑やかだった。古晋たちは幽冥王に謁見するため鐘霊(ショウレイ)宮を訪ねた。阿音は門前でまたも鳳隠(ホウイン)の仙元を感じ取ったが、あっけなく門前払いされてしまう。実は鐘霊宮の規則で謁見は毎月1日のみ、今日は2日だった。「どうしても謁見をお望みならあちらへ…」宮殿の向かいに修言(シュウゲン)楼があった。修言楼では令牌を買うことができるという。しかしすぐ謁見できる″特等令牌″の値をつけるのは楼主だった。特等令牌が出たのは3000年でわずか2回だけ。その時の値は九頭蛇(キュウトウジャ)の内丹10個と梧桐の木で交換したという。…本当に梧桐の木があるとは…古晋は阿音がまたしても仙元を感じ取ったことに驚いていたが、その時、楼主が現れた。つづく(´⊙ω⊙`)はっ!修言だ!…って化粧こっ!w宴爽の陳情がワケワカメ数年前に同族の霊力を見つけた→戦約を結んだ→100年経過したえ?どういうことなんです?
2024.10.07
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神隐 The Last Immortal第9話「宿命の星」主従契約に反する想いを抱き、発作で倒れた阿音(アイン)。閑善(カンゼン)から古晋(コシン)に好意を抱いたのか聞かれても笑って否定したが、確かに気がつくと古晋のことばかり考えていた。阿音は古晋のことを考えまいと独り散策に出かけた。今夜は七夕、鵲羽(ジャクウ)仙路は天河を見に来た仙族たちで賑わっている。阿音は人混みを避けて静かな場所を探したが、その時、偶然、瀾灃(ランホウ)帝君と華姝(カシュ)を見かけた。華姝への想いを込めて″鵲羽灯″を贈る瀾灃、すると華姝が受け入れてくれる。すると喜んだ帝君は華姝を待たせ、贈り物を取りに戻った。阿音は華姝のもとへ駆けつけ、古晋を蔑ろにするなと憤慨した。しかし華姝は悪びれる様子もなく、仙僕が口を出すなと蔑む。阿音は遮天傘(シャテンサン)を返すのが嫌で華姝が曖昧な態度を取っていると気づき、早速、古晋に言いつけることにした。すると華姝は阿音を捕まえ、術をかけて自分たちを見た記憶だけ消してしまう。翌朝、華姝が禁谷を訪ねると、古晋は殊勝にもまだ山梨の木の下で自分を待っていた。そこで昨夜は急に体調をくずして出掛けられなかったと嘘を付く。すると阿音が駆けつけ、公主が来なかったのは他の人と会っていたからだと暴いた。しかしなぜか記憶がおぼろげで相手が誰か思い出せない。困惑した古晋は興奮気味の阿音をなだめたが、阿音は古晋が自分を疑っていると誤解し、怒って行ってしまう。華姝は居所に戻っても阿音のことが気がかりだった。すると侍女・紅雀(コウジャク)が帝君を籠絡できた今、もはや古晋など用済みだと笑う。しかし天帝の後継者である瀾灃が原則を曲げてまで孔雀族側に立つとは思えず、後顧の憂いは絶えなかった。その時、百鳥(モモトリ)島から急報が届く。…大殿下が奇襲をかけ、鷹軍営で捕らわれの身に…その夜、阿音は鴻奕(コウエキ)と一緒に酒を飲んで憂さ晴らしした。こうなったら早く凝雲(ギョウウン)山を探して古晋とおさらばしたいが、結界を作って姿を隠した山を見つけるのは至難の業だと嘆く。卵の妹にも毎日のように念を送っているが、全く反応がなかった。「妹が化身するとしたら山にある湖なの…ヒック」すると鴻奕は一緒に探すと申し出た。「阿音…君の心に入りたい」鴻奕は阿音を抱きしめようとしたが、その時、突然、阿音が消えてしまう。🦊<チッ!主従契約め!古晋は阿音を連れ戻した。すると泥酔した阿音は真身の水凝獣(スイギョウジュウ)に戻ってしまう。その時、運悪く華姝が訪ねて来た。古晋は咄嗟に阿音を寝台に隠して結界で閉じ込め、急いで対応に出る。「あ、酒に酔った猫が暴れていて…え?何ですか?」「明日の朝、帰ることになったの、それから話があって…」しかし阿音が″鵲羽灯″と叫びながら興奮し始めたため、古晋はそこで話を切り上げてしまう。華姝は遮天傘のことで相談があったが、仕方なく諦めた。一方、競技大会で大澤山に滞在する機会を得た鳳鳴(ホウメイ)は羅盤で仙脈を探し当てていた。しかし遮天傘の影響が残っているのか、侵入しようとした瞬間、腕に激痛が走る。その時、異変を察した青衣(セイイ)が禁足地に駆けつけた。鳳鳴は物陰で息を潜めていたが、思いがけず閑竹(カンチク)が現れ、難を逃れる。「師叔?2日ぶりですね、人間界に2年間も?」「…遅くなったが皆には言わないでくれ」(  ̄꒳ ̄)師叔…まさかw閑竹は禁足地の見回りを口実にして衍天(エンテン)殿へ戻った。今のところ結界に問題なくは仙脈も落ち着いていたが、閑善は目下の心配は古晋だという。実は2人を占ったところ、もし古晋と阿音が結ばれることがあれば、これが古晋の劫だと分かった。驚いた閑竹はならば急いで華姝との縁組を進めてはどうかと提案する。一方、妖界では鷹族と孔雀族が対峙していた。息子の華衍(カエン)を人質にされた孔雀王・華黙(カモク)は卑怯だと激怒したが、鷹王・宴丘(エンキュウ)と公主の宴爽(エンソウ)は降参しないなら華衍の内丹を潰すと迫る。その時、大澤山から華姝が戻って来た。すると華姝はすでに上君に昇格、遮天傘を見事に操って鷹族を退ける。たまりかねた宴爽は一族を守るため降参し、泣く泣く投降書を渡したのだった。鳳鳴は負傷しながらも仙脈の場所を特定した。合流した灼影(シャクエイ)は鳳鳴を手当したが、手首に傷跡が残ってしまう。「これでいい、天罡(テンコウ)星による傷跡には見えない」すると灼影は大きな種を渡し、仙脈に仕掛けるよう頼んだ。「気をつけろ、そいつは確実に芽を出し、霊力を吸い取って飲み込む」鳳鳴は遮天傘がなくてもまだ天罡星の気が仙脈を守っていると心配したが、灼影の話では仙脈の結界が消失しかけているという。どうやら遮天傘はもう戻らないらしい。「天の助けだな…ふっ」閑善と閑竹は古晋を呼び出し、華姝に縁談を申し込むよう勧めた。ちょうど孔雀王の誕辰祝いに招待されているため、婚書を持って話をまとめて来いという。すると閑竹は尊師が飛昇した時に残してくれた半神器・炫星鳳冠(ゲンセイホウカン)を招喚、これで求婚すれば間違いないと太鼓判を押す。しかし美しい鳳冠を見た古晋はなぜか真っ先に冠を付けた阿音の姿が思い浮かんだ。阿音は古晋が百鳥島へ求婚に行くと知った。なかなか決心がつかない古晋だったが、阿音に背中を押されて出掛けてしまう。しかし阿音は独りになると急に涙があふれ出した。孔雀王は古晋の来訪を心から歓迎した。従者の青衣は師叔がいつ求婚話を切り出すのか待っていたが、古晋は遮天傘を貸したことで誤解を招いたと思い、早急に返却して欲しいと頼む。驚いた孔雀王は静養中の華姝が自分で返すはずだと時間稼ぎ、ひとまずその場は逃げ切った。青衣はいらぬ気を回し、師叔に代わって勝手に婚書と結納品の鳳冠を孔雀王に届けた。喜んだ孔雀王は早速、娘に朗報を伝えたが、華姝は古晋に興味はない。「受け取るべきではありませんでした」しかし孔雀王は古晋に嫁げば大澤山と身内になり、遮天傘を返さずに済むという。華姝も確かに古晋は善良だと認めたが、気ままな性格で向上心がなく、常に中立な大澤山では百鳥島の後ろ盾にもならないと言った。「瀾灃はいずれ天帝になる、そうすれば私は天后よ?鳳族も一目置くでしょう 同じ仙禽(センキン)なのになぜ我々は鳳族の臣下なの? 父王、私の夫は九重天(キュウチョウテン)宮と仙界の主でなければ…」一方、大澤山では鴻奕が元気のない阿音を励ましていた。つづく( ゚ェ゚)あ~なるほど、孔雀族は仙禽だから仙界なのか(←今さらw)それにしてもかなり遠くまで離れられるようになったよね@主従関係w
2024.10.06
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神隐 The Last Immortal第8話「雷鳥と雷劫の賜物」閑竹(カンチク)は青衣(セイイ)を同行して南天洞府(ナンテンドウフ)を訪ね、大量の書物を借りた。しかし飛行中の帰路で突風にあおられ、青衣が背負っていた書物の1つが落下してしまう。閑竹は風向きから人間界に落ちたと気づいた。そこで青衣を先に帰して人間界へ降り、無事に書物を回収する。すると偶然、男たちに追われる娘を目撃、閑竹は男たちを追い払ったが、美しい皖月(カンゲツ)に魅了されてしまう。( ゚ェ゚)え?師兄の恋愛ネタまでぶっ込んできたwその頃、大澤(ダイタク)山は試練競技会の準備でてんやわんやだった。古晋は飛昇天劫(ヒショウテンゴウ)が近いため観心谷にこもることにしたが、偶然、大会の優勝賞品が年に1つしか取れない″陰火陽冰(インカヨウヒョウ)″だと知る。一方、灼影(シャクエイ)は密かに梧桐(ゴトウ)島に潜入していた。「なぜ来た?結託が知れたらどうする?」「心配ない、教わった秘法で結界に入った」鳳鳴(ホウメイ)は鎮魂塔(チンコントウ)を守る古木・揺籃(ヨウラン)を甲斐甲斐しく世話していながら、その裏で灼影と通じていた。鳳族の掟では鳳皇を継承できるのは火鳳だけ、なぜ真の実力者である自分が鳳皇になれないのか。灼影は妖族と偽ってそんな鳳鳴の野心につけ込み、互いに火鳳玉の破壊を望む者同士として手を組んだ。そこで灼影は青霖(セイリン)から預かった羅盤を差し出し、これで仙脈のありかを探して欲しいと頼む。実は火鳳玉が仙脈で守られているため灼影は近寄ることもできなかった。「主の話では大澤山の試練競技会は事を進める好機だ」鳳鳴は灼影の素性を怪しみながら、結局、羅盤を受け取った。↓よく見る顔なのに何のドラマか思い出せない( ̄▽ ̄;)試練競技会当日、大澤山に多くの仙門が集まり、瀾灃(ランホウ)帝君が参加者6名を発表した。壇上に並んだのは万儀山・霊風(レイフウ)や梧桐島・鳳鳴ら5人、すると最後に古晋の名が呼ばれる。すると閉関したはずの古晋がやって来た。驚いた阿音は競技中に雷劫に遭遇すれば危険だと引き留めたが、その時、孔雀族公主・華姝(カシュ)が現れる。古晋は華姝に見とれていたが、急に阿音の手を振り切って壇上に上がってしまう。古晋は阿音のため陰火陽冰を手に入れようと急遽、競技大会に参加を決めた。競技は帝君が放った天界の雷鳥から紫電を仙器に集めるというもの、最初に戻った2名が勝者となる。こうして6人は帝君の開始の合図と同時に雷鳥を追って舞い上がった。会場では瀾灃が鷹族との諍いが絶えない華姝を労った。華姝は感謝して下がったが、瀾灃は華姝が落とした飾り袋を拾う。実はその袋は幼い頃、瀾灃が華姝に贈った星を入れた袋だった。一方、霊風たちは雷鳥に手を焼いていた。そんな中、鳳鳴は顔見知りの古晋に声をかけ、麟粉(リンプン)で雷鳥の気を引き、催眠術をかけようと提案する。2人は雷鳥を誘き寄せることに成功、しかしあと一歩というところで霊風が雷鳥に攻撃し、怒らせてしまう。仕方なく古晋は興奮した雷鳥を捕まえに向かったが、鳳鳴は運良く雷鳥が放った紫電を手に入れた。最初に戻った鳳鳴が勝者の1人となった。最後の一枠を古晋と霊風が争う中、急に暗雲が垂れ込め、運悪く雷劫が訪れてしまう。Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!今かよ?!@古晋その時、巻き込まれた霊風が雷に打たれて落下してしまう。阿音は必死に雷劫に耐える古晋を見かね、無謀にも駆けつけた。「どうして来たんだ?!打たれたら死ぬぞ!」「いいから早く!陣形を!」しかし閑善(カンゼン)は2人を見守りながら、確かに古晋と霊脈で通ずる阿音なら力になれるかもしれないと期待した。古晋は阿音の加勢で雷劫を乗り切り、雷鳥を捕まえて戻った。こうして古晋は下君(カクン)に昇格し、競技会でも2人目の勝者となる。帝君は鳳鳴と古晋に職位を選ぶよう命じたが、古晋の目的は賞品のため職位はいらないと断った。すると阿音をかばって最後の天雷を受けた古晋が倒れてしまう。( ゚ェ゚)え?雷劫って打たれなきゃダメなんじゃ?古晋が目を覚ますと阿音が付き添っていた。しかし阿音は華姝のために無茶をした古晋に冷たく当たる。すると古晋が阿音に優勝賞品の陰火陽冰を渡した。「鴻奕(コウエキ)が言っていただろう?これで霊力を消耗せずに済むって」古晋が競技会に出たのは阿音のためだった。誤解していた阿音は深く反省し、お詫びに古晋と華姝の仲を取り持とうと思いつく。そこで青衣が教えてくれた話本を参考に桃花の下で古晋に告白させることにした。大澤山に桃花の木はなかったが、禁谷の山小屋の横に特別な山梨の木があり、仙力を10刻ほど注げば桃色の花が咲くという。ちょうど明日は七夕、阿音は早速、古晋に計画を教えた。↓反省する阿音華姝は古晋に興味などなかったが、七夕の誘いに快く応じた。かつて火鳳の降誕を潰しながら無傷で済んだ古晋、恐らく身上に何か秘密があるのだろう。何より遮天傘(シャテンサン)を使い続けるためには古晋をつなぎ止めておく必要がある。 片や瀾灃も長年、上君止まりで上神する気配もなかったが、今や帝君となった。「わざと落とした星の袋が功を奏すかどうかね…」すると目論見どおり瀾灃が訪ねて来た。瀾灃は華姝に星の袋を返しに来た。今も華姝が星の袋を持っていてくれたことに感激した瀾灃は明日の七夕、一緒に出かけようと誘う。「実は200年前から公主のことを思っていた」「考えさせてください」↓チョロいチョロいw古晋は禁谷の山梨の木に桃色の花を咲かせようと懸命に仙力を送り続けた。しかし七夕当日になっても桃色の花は咲かない。見かねた阿音は古晋を休ませ、試しに自分が仙力を与えることにした。「やめておけ、お前の仙力じゃ到底無理d…ブハーッ!」阿音があっさり桃色の花を咲かせるのを見た古晋は思わず茶を吹き出してしまう。山梨の木は桃色の花で満開となった。阿音はこれで休めると喜んだが、古晋に引き止められ、告白の予行練習に付き合わされてしまう。「…君が好きだ」しかし阿音は急に気分が悪くなり、逃げるように帰ってしまう。阿音は回廊で倒れ、ちょうど通りかかった青衣が寝殿に運び込んだ。心配そうに見守る閑善と鴻奕、すると阿音はすぐに目を覚ます。実は閑善は阿音が主従契約の発作で倒れたと知っていた。「契約に反する想いを抱いたことが原因だ、正直に答えなさい 古晋を傷つけたいと思ったか?」「まさか!」「では古晋に惚れたか…」つづく( ๑≧ꇴ≦)孔雀公主www闇堕ちの青霖より根っから真っ黒の孔雀公主…嫌いじゃないw
2024.10.05
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神隐 The Last Immortal第7話「解かれた封印」帰墟(キキョ)山で4つ目の鳳隠(ホウイン)の仙元を手に入れた古晋(コシン)と阿音(アイン)。2人は急いで立ち去ることにしたが、その時、乾坤袋(ケンコンタイ)に忍び込んでいた鴻奕(コウエキ)が飛び出した。すると主守の晨敏(シンビン)公主に見つかってしまう。実は鴻奕の両親は200年前の仙妖大戦で公主の母である白芷(ハクシ)天后に殺されていた。鴻奕はこの機に報復しようと企んでいたが、晨敏の仙力で拘束されてしまう。そこで古晋は丁重に拝礼して帰墟山へ入った事情を説明し、お詫びに賭場で手に入れた晨家の家紋を贈った。おかげで晨敏は怒りが鎮まり、鴻奕を解放して消えてしまう。しかしその家紋は灼影(シャクエイ)の罠だった。帰墟山の護山大陣が突然、魔陣に変わり、古晋たちは魔物に襲撃された。阿音は乾坤袋の鷹族公主・宴爽(エンソウ)を解放、その大きな翼で敵を撃退してもらう。しかし灼影が配下を率いて現れ、阿音が捕まった。「霊気は魔気へと変わった、逃げられぬぞ?…古晋、久しぶりだな」「はっ!炙火(シャカ)の結界で見た黒影…お前だったのか!」↓鷹公主がカッコいい灼影は古晋が晨敏への贈り物に紋章を選ぶと予想し、あらかじめ紋章に魔気を仕込んでいた。案の定、晨敏は紋章を受け取って石碑にはめ込み、あふれ出した魔気が護山大陣を侵してしまう。「火鳳玉を渡せ、さもなくば小娘を殺す」古晋は仕方なく火鳳玉を招喚し、自ら灼影のもとへ届けた。しかし灼影が火鳳玉に触れようとした瞬間、魔族たちははね飛ばされてしまう。古晋は無事に阿音を取り戻し、4人で五行陣法を開いた。しかし多勢に無勢、灼影の渾身の一撃で陣が壊れ、4人は深手を負ってしまう。その時、古晋の元神(ゲンシン)剣が現れ、長剣になった。神剣とは知らない灼影たちは無謀にも独りで歯向かってきた古晋にとどめを刺そうとしたが、古晋の放った神気をまともに浴びて全滅、驚いて撤退する。すると古晋は阿音を心配し、真っ先に駆け寄った。鴻奕は怪我をした阿音にこっそり霊丹を渡そうとした。しかし古晋に見咎められてしまう。「狐血丹だろう?これは精華を高める一方で、狐族の主への服従を強いられる …話がある、こっちへ来い!」古晋は鴻奕が妖功の精華を高めるのが目的で阿音を欲しがっていると気づいた。「ならば阿音の同意を求めるべきだ、強要するな、お前を軽蔑する」「いいだろう、それは使わない、平等な勝負だ…お前も阿音が好きなんだろう?」古晋は思わぬ指摘に動揺、阿音はあくまで師妹であり仙僕だと否定し、自分の心は華姝(カシュ)にあると訴えた。その話を2人を追ってきた阿音が聞いてしまう。灼影はまたしても火鳳玉を奪えなかった。激怒した青霖(セイリン)は罰として一撃を与えたが、実は火鳳玉には禁制が敷かれ、触れることもできなかったという。「なるほど、確かに仙族は仙脈と仙器を使って禁制を敷いた… これを″あの者″に渡せ、仙脈を探しに行かせるのだ」しかしこれまで大量の妖丹を吸って生き延びてきた青霖の肉体にも限界が近づいていた。「九尾狐の身体を手に入れなければ…」すると青霖は鴻奕の身体に弑神花(シシンカ)の種が侵入していることを思い出した。古晋たち4人は友となった。宴爽は鷹族と孔雀族の戦に加勢するため一足先に飛び立ち、一方、古晋と阿音は鴻奕の内丹を治すため大澤山へ連れて行くことにする。すると道中、長旅に備えて独りで食料を集めに出かけた鴻奕の前に叔母の鴻若(コウジャク)が現れた。鴻若は一緒に帰るよう説得したが、鴻奕から拒絶されてしまう。そこに虎族の林墨(リンボク)が現れ、叔母を傷つけないよう鴻奕をたしなめた。「この男のために三重天に留まって両親を見捨てたんだな…叔母とは認めない!」憤慨した鴻奕は逃げようとしたが、鴻若の妖力に捕まってしまう。その時、鴻若は鴻奕の身体が弑神花の種に侵されていると気づいた。恐らく傷を負った時に侵入したのだろう。鴻若は無理に連れ戻すのをあきらめ、その代わり壇木(ダンボク)の玉を鴻奕の腕にはめた。驚いた鴻奕は腕輪を外そうとしたが外れない。「いずれ十尾(ジュウビ)の血が目覚めたら狐族の王位を奪う!覚えてろよ!」青霖は魔に侵された鴻奕を発見、密かに身体を乗っ取ろうとした。しかし壇木の玉に跳ね返され、反噬をくらってしまう。鴻若が自らの妖元を費やしてまで鴻奕を守るとは意外だったが、青霖は思わぬ敵役を見つけた。「弑神花の種を己の身体に移し、妖力の半分を鴻奕に与えた 鴻若よ鴻若、妖族の長老にして狐族の王… あの身体を奪い、仙族と妖族に戦を仕掛けてやろう」↓姑姑、なぜタネを捨てなかった?w古晋と阿音は鴻奕を連れて無事、大澤山の山門へ到着した。すると閑善(カンゼン)と閑竹(カンチク)が出迎えてくれる。古晋と阿音は鴻奕の身分を隠すため阿玖(アキュウ)と紹介したが、前狐王と交友があった閑善はすぐ気づいた。「鴻軒(コウケン)の九男だね?…君は父上によく似ている」師兄たちは2人を救ってくれた恩人である鴻奕の静養を快諾してくれたが、念のため隠妖符で鴻奕の妖気を消した。師兄たちは帰墟山に魔物が現れたと聞いて驚いた。九淵(キュウエン)の封印に問題があれば三界に知らせがあるはず、もしくは魔物が蘇生したのだろうか。古晋は魔物の目的が火鳳玉だったと教えたが、師兄たちは首を傾げた。確かに真神が与えた玉だが、火鳳玉は仙元を育む神物に過ぎず、魔物には無用だという。「だが万が一に備え、この件を瀾灃(ランホウ)帝君に上申し、三界に警戒を促そう」天帝代理の瀾灃は大澤山からの報告を受け、妖界に合同調査を持ちかけた。すると妖族たちはこれが妖界を探る口実ではないかと揶揄し、断ってしまう。そんな中、鴻若だけが妖王に警戒を促した。「陛下、不可解な点が…魔物は兆候もなく現れ、姿を消しています この隠密な動きは青霖を想起させます」しかし妖王・林森(リンシン)は青霖なら封印されているため安心だとなだめた。かつて魔族を率いて仙族をも虐殺した青霖は妖族の恥、もはや自分たちの敵でもあるという。天宮の主管の職を選ぶ50年に一度の試練競技会が大澤山で開かれることになった。古晋は真っ先に司禄(シロク)仙君である華姝も参加するのか確認したが、孔雀族と鷹族が交戦中のため、分からないという。そこで古晋は賭場で手に入れた碧血霊芝(ヘキケツレイシ)を華姝に届けようと思いついた。しかし袋は空っぽ、宴爽の書き置きが出てくる。…碧血霊芝は持ち主に返せ…師兄は悔しがる古晋を見て遮天傘(シャテンサン)が孔雀公主を守ってくれるとなだめた。近況で戦局が逆転したことを訝しんだ師兄たちは古晋から遮天傘が消えていることに気づき、見当がついたという。「遮天傘を貸すのも厭わぬとは…公主への真心だな」( ゚ェ゚)え?師兄、怒らないんだ…古晋は師兄に仙魔大戦で水凝獣族の故郷・凝雲(ギョウウン)山と共に戦った南天洞府(ナンテンドウフ)を訪ねたいと頼んだ。すると南天府主と面識ある閑竹が口を利いてくれるという。「この件は阿音には内緒にしてください、凝雲山探しが徒労に終われば落胆しますから」そうとは知らず、阿音は華姝ばかり気にかける古晋への不満を募らせていた。阿音は鴻奕の内丹の治療を始めた。しかし古晋が駆けつけ、止める。「毎回、仙力を消耗していたら、半年も経てば修行の精華を損なうぞ?」すると鴻奕は″陰火陽冰(インカヨウヒョウ)″が手に入れば阿音も仙力を消耗せずに済むと教えた。阿音は自分なら大丈夫だと強がって見せたが…。つづく( ゚ェ゚)管理人的メモ師兄の見分け方閑善→東華から大澤山を引き継いだ師兄、金色の簪、判官筆
2024.10.04
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长相思 lost you forever第32話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)がなぜ禺彊(グウキョウ)を何度も見逃したのか分からなかった。しかし瑲玹はもう襲われることはないと自信を見せる。「小夭(ショウヨウ)の命を狙った者には容赦ないのに、己を狙う刺客には寛容だな」「私が苦難を受け入れるのは小夭に苦痛も屈辱も味わせないためだ」「ふっ、自分は後回しか、皆が忠義を尽くすわけだ」すると豊隆は自分もその1人だと言った。一方、海底で療養する小夭は相柳(ソウリュウ)のおかげでゆっくりと快方に向かっていた。「小夭…目覚めた後に私を恨むなよ」元神の小夭にはその意味が分からなかったが、相柳は退屈そうな小夭のため海上へ出てくれる。小夭の治療のため満月の時は海底から離れられず、相柳も満月を見るのは久しぶりだった。しかし急に暗雲がたれこめ、穏やかだった海が荒れて巨大な渦ができる。相柳は眠っている小夭に怖くないと声をかけ、珍しく自分の過去を明かした。あれはまだ辰栄(シンエイ)国が滅ぶ前のこと。相柳は闘技場から逃げ出し、渦の中で死にかけたところを大将軍の義父に救われた。義父は相柳に傷を癒す術を教え、辰栄王に治療させるとまで言ってくれたが、相柳は逃げてしまう。極北の地へたどり着いた相柳は思いがけず雪に救われ、結局、100年以上も隠れ住んだ。雪に気づきを得た相柳は義父から学んだ功法から修練法を編み出し、そのため霊力を使う時には雪が降るのだという。実は白い衣を好むのも保身の術のなごりだった。相柳の話はそこで終わった。しかしそれからどうなったのか、小夭にも見当がつく。西炎との戦の末に辰栄は滅び、洪江(コウコウ)も凋落、恐らく相柳は恩返しのため養子になったのだ。奇しくも軍師となり、従兄と敵同士人なってしまった相柳。その時、肉体の小夭が悲しそうな表情になり、相柳は困惑した。「どうした?…幻術でも見るか?」そこで相柳は雪を降らせた。元神の小夭は自分が眉間に皺を寄せていると気づき、慌てて皺を伸ばして口を緩ませる。すると肉体の小夭の顔も穏やかになり、それを見た相柳は安心した。小夭が襲撃されてから37年が経った。今や辰栄山にも見事な鳳凰樹林が広がり、瑲玹は母から受け取った若木(ジャクボク)花を眺めながら小夭の帰りを今か今かと待っている。…いつか愛する人にこの若木花を贈りなさい…しかし一方で紫金(シキン)宮の資金繰りは苦しくなっていた。塗山璟(トザンケイ)が倒れて以来、帳簿の管理が塗山篌(トザンコウ)に代わり、銭をごまかすことができない。実はその頃、辰栄府では塗山璟が死の淵をさまよっていた。塗山璟はいよいよ薬もまともに飲めなくなった。静夜(セイヤ)は王姫が回復すれば主人も助かるはずだと期待したが、王姫の消息が分からぬまま、ついに命灯(メイトウ)の炎が消えかかり、揺れ始める。赤水豊隆は中原の神医を連れて駆けつけたが、あと数日の命だと宣告された。鳳凰樹が大きく育ち、瑲玹は朝雲峰と同じ鞦韆(シュウセン)を掛けた。その時、毛球(ケダマ)の鳴き声が響き渡り、相柳が来たことに気づく。相柳は峰で瑲玹を待っていた。「私の条件をのめば小夭を帰らせる」相柳は辰栄山の峰のひとつを要求した。瑲玹が西炎王となった暁には放浪の末に亡くなった反乱軍の兵士を故郷で眠らせ、その峰を禁地にして欲しいという。「約束しよう、だが私が王になれずとも、そのことで小夭を煩わせるな」「いいだろう」その頃、小夭は暇を持て余していた。この十数年、瑲玹は何かと贈り物をくれたが、塗山璟からはなしのつぶて。もしや防風意映(ボウフウイエイ)を娶ったのかもしれない。疑心暗鬼になる小夭だったが、貝殻に戻ってきた相柳から耳を疑うような話を聞いた。実は自分が昏睡してから塗山璟も眠ったまま意識が戻らず、命は残りわずかだという。驚いた小夭は塗山璟を助けたい一心で懸命に相柳に語りかけたが、突然、自分の身体に引き戻された。元神が肉体へ戻り、小夭はついに目を覚ました。しかし相柳の姿はなく、後ろ髪を引かれる思いで毛球の背中に乗る。相柳は密かに小夭が無事に飛び立つ様子を見守ると、誰もいなくなった貝殻に戻った。すると寝台の上に小夭がこぼした涙がある。相柳は小夭が名残惜しんでいたことに気づき、思わず涙を集めて大事そうに握りしめた。紫月宮に小夭が戻ると知らせが届いた。喜んだ瑲玹は小夭の寝殿を掃除させ、調度品を全て対にするよう命じる。しかし小夭が真っ先に向かったのは辰栄府だった。辰栄馨悦(ケイエツ)は小夭が訪ねてきたと聞いて慌てて正門に駆けつけた。「小夭!本当にあなたなのね!」馨悦は思わず小夭に抱きついて涙したが、小夭がまだ瑲玹に会っていないと聞いて困惑する。「璟が重病だと聞いたわ、青丘へ見舞いに行きたいの、一緒に来てくれる?」「先に辰栄府に来て正解よ、璟哥哥はここにいるの」馨悦は小夭を木樨(モクセイ)園に案内した。しかし塗山璟の命灯が燃え尽きたと知り、馨悦は慌てて兄を探しに向かう。悲しみに暮れていた静夜だったが、王姫の姿に気づき、一縷の望みに懸けた。「少主は悲嘆のあまり気が散じ、五臓を傷つけて自ら死を選ばれました 王姫!どうかお助けください!」「死を選んだ?一体、何があったの?生きる気力を失うなんて…」「お分かりにならないのですか?! 梅林で少主は息絶えた王姫を抱き、燃え盛る陣の中に座っておいででした 陣法に精通する少主なら怪我をしていなければ逃げられないはずありません 自ら逃げなかったのです!猛火に焼かれても王姫と離れまいとしたのです! そのお気持ちが分からぬのですか?!少主は死んでも王姫と共にと願われたのです!」瑲玹は小夭の寝殿の出来栄えに満足していた。しかし鈞亦(キンエキ)が駆けつけ、王姫が辰栄府にいると知る。「無事に戻ったのならいい」憮然としながらもあからさまに嫉妬できない瑲玹。一方、小夭は塗山璟に自分の血を飲ませるため、ひとまず胡珍(コチン)と静夜を下げていた。もはや薬も受け付けない塗山璟だったが、小夭は自分の血を入れた薬湯を口移しで飲ませてみる。その時、命灯に小さな炎が戻った。「早く目を覚まして」小夭は塗山璟の胸に顔をうずめた。すると主人が息を吹き返したことで式神が現れ、仲睦まじい2人の様子を見て照れてしまう。辰栄府に瑲玹が到着した。静夜は主人の寝殿に王孫が入ることをためらったが、瑲玹は無視して入ってしまう。すると看病で疲れた小夭が寝台にもたれて居眠りしていた。「…小夭」つづく( ๑≧ꇴ≦)さすが17!あざと過ぎるwこれは夢見る乙女の心を鷲づかみだわ~
2024.10.02
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长相思 lost you forever第31話小夭(ショウヨウ)を襲撃した沐斐(モクヒ)が辰栄(シンエイ)府に捕まった。瑲玹は黒幕を暴こうとしたが、沐斐は拷問にかけられても口を割らないどころか、自分を殺せと開き直る。沐氏は今や沐斐ただ1人、黒幕は初めから沐斐を捨て駒にすると決めていたのだろう。しかし瑲玹は瀟瀟(ショウショウ)から思わぬ情報を手に入れていた。実は沐斐の侍女が暇を出されたその後、密かに息子を産んでいたという。沐斐は慎重を期して母子と滅多に会わなかったが、瑲玹はその息子が沐斐の子だと勘づいた。「口をつぐんだまま死んでも構わぬ、ならばお前の息子にあの世への供をさせてやろう もし私の問いに答えれば息子だけは見逃してやる、小夭を襲った理由だけでいい」沐斐は沐氏一族を滅ぼした赤宸(セキシン)の娘である小夭を襲ったと白状した。実は沐斐も五神(ゴシン)山での″第一王姫お披露目の儀″に参列、小夭の目を見た時、赤宸の娘だと確信したという。そこで真偽を確かめようと五王と七王に謁見し、赤宸と西炎王姫大将軍の密通の噂は本当なのか尋ねた。七王は確かに当時、そんな噂があったと口を滑らせたが、皓翎(コウレイ)に嫁ぐ前のことだったという。すると五王はさも真実を隠すように慌てて七弟を止め、沐斐の憶測が事実だと匂わせた。瑲玹はありえないと沐斐の推測を否定した。そもそも小夭が赤宸の娘なら皓翎王が気づくはず、少しでも疑念があれば盛大にお披露目の儀を開くはずがない。沐斐も冷静に考えてみればその通りだと気づいたが、後の祭りだった。「後悔してももう遅い、お前の命で償ってもらう」瑲玹はかつて小夭も同じように赤宸の娘ではないかと悩んでいたことを思い出した。しかし赤水豊隆(セキスイホウリュウ)には師匠と姑姑の名誉に関わることだと訴え、沐斐の話を2人だけの心に留めておきたいと頼む。豊隆も対応を誤れば西炎王と氏族たちが対立すると危惧して了承した。「中原の安寧のためにも言動には気をつけるよ」その頃、相柳(ソウリュウ)の懸命な治療が功を奏したのか、小夭は危機を脱して元神が目を覚ました。しかし相柳の姿はなく、気がつくと自分の肉体が横たわっている。Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!<私は誰?ここはどこ?!死んだ?死んだのか?!小夭はともかく急いで帰ろうとしたが、自分の肉体から離れることができず、助けも呼べなかった。「今頃、瑲玹が心配しているわね」小夭が襲われた理由が判明、赤水豊隆と辰栄馨悦(シンエイケイツ)は沐斐に協力した仲間を突き止めた。関わったのは沐斐の他に赤宸に一族を滅ぼされた3人、申柊(シンシュウ)・詹雪稜(センセツリョウ)・晋越剣(シンエツケン)。しかし詹雪稜は樊彰(ハンショウ)の許嫁、晋越剣も鄭(テイ)氏の娘の許嫁だったことから、樊氏と鄭氏が助命を求めているという。味方を増やす良い機会、豊隆と馨悦は大事をなすためには諦めることも必要だと説得したが、瑲玹はどうしても受け入れなられなかった。瑲玹は父が戦死した時、祖母や母、姑姑が泣き崩れる姿を目の当たりにした。西炎の初代王后で祖父と共に戦った祖母、若水(ジャクスイ)族の族長として勇敢に戦った母、そして国のために戦死した王姫大将軍の姑姑、瑲玹が知る限り誰よりも強い女子たちが弱々しく途方に暮れる姿は見る者の心を痛めたという。瑲玹はその時、祖父より強くなって3人を守り、二度と同じ経験をさせまいと誓った。しかしその時を待たずして3人は逝ってしまう。「私が強くなるために小夭を傷つけた者を見逃せば昔の自分の誓いを破ることになる 目的のために小夭の敵討ちをあきらめれば、いつか目的のために君たちを切り捨てるだろう 私は君子でもないし、女子を喜ばせることもできぬ しかし自分の身内や友、配下は必ず守ってみせる もし君や瀟瀟、金萱(キンケン)が傷つけられたら、絶対に許さない そのせいで険しい道になろうと喜んで進むさ」豊隆と馨悦は瑲玹の力強い言葉に感銘を受け、なお一層、信頼を深めた。瑲玹は赤宸のことで小夭が勘繰られないよう沐斐の身柄は辰栄殿に任せた。申氏・詹氏・晋氏は自分で罰することにしたが、叔父たちにはまだ手を出せない。「この借りはいつか必ず返す」詹雪稜は女子であることに免じ、瀟瀟が苦しませず暗殺した。後の2人は拷問にかけ、小夭が受けた苦痛をそのまま味わせる。こうして片を付けた瑲玹は寝殿で眠っている分身の小夭に報告した。「お前の敵は討った…それと引き換えに今までの努力が水の泡となるがな 一からやり直しだ、また私を支えてくれ」貝殻に相柳が戻って来た。元神の小夭は必死に声をかけたが、どうやら相柳には自分の声も姿も分からないらしい。すると相柳が自分のために心の臓から血を分け与え、霊力まで注ぎ込んでくれた。『私が目を覚ましたらいくらでも血をあげるわね』しかし相柳は無理がたたって卒倒してしまう。『相柳?!相柳?!…やだ死なないわよね?』←他人事w西炎の朝議、小夭の襲撃事件は西炎王の知るところとなった。七王は嬴(エイ)氏と褚(チョ)氏が沐氏の血を絶やさぬため沐斐の助命を願い出たと上奏したが、西炎王は西陵珩(セイリョウコウ)の血を引くのも小夭ただ一人だと指摘、小夭には同情しないのかと牽制する。「私は中原の氏族の代わりに思いを述べただけで…」「中原の氏族と懇意だとは初めて知った」父に結託を疑われた七王は激しく動揺し、その場で崩れ落ちるようにひざまずき、許しを請う。一方、皓翎王は小夭が襲われたと知り、すぐ連れ帰るよう命じていた。しかし蓐収(ジョクシュウ)の話では瑲玹が救える人物を見つけ、今は動かせないという。沐斐はすでに八つ裂きの刑に処され、西炎王は助命を願い出た族長の交代を命じていた。すると皓翎王も自国にいる嬴氏・褚氏・樊氏・鄭氏を追い出すと決め、今後はこの4氏族の入国を禁じてしまう。相柳はようやく意識が戻り、化粧箱を取り出した。「瑲玹から届いた霊薬だ、役には立たんがな」小夭は瑲玹が自分の居場所を知っていることで安堵したが、塗山璟(トザンケイ)の様子が分からず悶々となる。一方、瑲玹は辰栄山で小夭の好きな鳳凰の木を植えていた。「鳳凰樹が大きくなったら朝雲峰と同じ鞦韆(シュウセン)を掛けてやるつもりだ」「いいですね!殿下が王姫の背中を押す、子供の頃と同じです!」老桑(ロウソウ)が昔を懐かしんでいると、鈞亦(キンエキ)が駆けつけた。約束の場所に相柳はいなかったが、書き付けがあったという。「…目覚めてはいないが一命を取り止めた」瑲玹は喜んだが、塗山璟の容体は悪化の一途をたどっていた。ある夜、瑲玹の寝殿に刺客が侵入した。しかし寝台で眠っていたのは瑲玹の分身、禺彊(グウキョウ)こと玄冥(ゲンメイ)はあっけなく捕まってしまう。「また会ったな、衛兵の目を逃れ、よくたどり着けた」禺彊は瑲玹に誘き出されたと気づいたが、瑲玹はあっさり解放した。「行け、次は罠にかからぬよう気をつけろ」禺彊は懲りずに下山した瑲玹を襲撃した。しかしまたしても失敗、捕まってしまう。瑲玹は仕方なく禺彊を地下牢へ連行し、数々の残酷な刑具を見せた。「ついに本性を現したな!そんな恐ろしい刑具で痛めつけるつもりか!」禺彊は瑲玹への憎しみを募らせたが、実はその刑具を自ら設計したのは200年前の軹邑(シユウ)城の城主だった兄・玄庭(ゲンテイ)だった。今では城主が代わり、これらの刑具は使われていないという。その証拠に瑲玹は玄庭が書き残した刑罰記録を禺彊に渡した。「当時、私は祖父から玄庭の処断を任された、殺したことに後悔はない 納得できないならまた私を殺しに来い」つづく( ๑≧ꇴ≦)ダメだ~あの巨大貝殻が出てくると急にドラマがネズミーになってしまうwww小夭、早く復活してくれ~!
2024.10.01
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始まりました!ハニーちゃん、相変わらず妖艶で情感たっぷり、まさに砂漠一の美女!でもお話は想像と全く違いました( ̄▽ ̄;)オホホホ~適当に紹介していまい失礼いたしましたさて漠风吟は9月29日から絶賛配信中です!VIP→初日1~6集で1話ずつ更新会員→初日1~4集で1話ずつ更新なお非会員は10月6日からとなります※詳しい配信予定やあらすじは公式HPで必ずご自身でご確認ください〓〓イントロダクション〓〓大漠では常に水が不足し、部族間では湧き水の奪い合いが絶えなかった争いが激化して淘汰されながら、時が流れ、雲沛・天都・麻随の3城が鼎立する弱小部族が大漠で生き残るためには部族一美しい娘を領主に献上しなければならなかったそんな中″大漠奇巻″という書物が現れ、再び部族間の均衡が崩れ始める″大漠奇巻″を手に入れた者が最高の資源を手に入れる…雲沛城主・那戦はこの書物を手に入れようと各部族との和親を決めたしかしこれが再び争いの火種となってしまうその頃、麻随で謀反が起こり、城主が弟に殺された父を失った九公主・格心薇は母と乳母と3人で脱出、わずかな護衛と共に天都へ逃げる城門で庇護を求める3人だったが、報告を聞いた北靖領主・霍擎雲が受け入れを拒否格心薇たちは矢の雨にさらされ、逃げようとした母の背中に矢が命中してしまう母は娘だけでも逃がそうと乳母と一緒に強引に馬に乗せ、雲沛へ行けと命じて絶命した一方、厄娜泣族の娜袖・皇北霜は和親のため雲沛に向かっていたしかし自由奔放な皇北霜は和親を嫌い、道中の野営からこっそり逃げ出してしまうすると広い砂漠で偶然にも皇北霜と格心薇が出会ったそこへ厄娜泣の侍衛が追いつき皇北霜は捕まるが、格心薇は一行が雲沛へ向かうと知って同行させてもらう雲沛に行きたくない皇北霜と雲沛へ行かねばならない格心薇利害関係が一致した2人は義姉妹の契りを交わし、名前と身分を交換することにした格心薇は皇北霜の護衛や侍女にここで去ることを許したが、皆がついて行くと決める翌朝、偽の皇北霜と偽の格心薇は互いの無事を祈りながら別れたしかし道中、大漠一の美女と言われる格心薇を探していた黄天狂の首領・若問が現れ、偽物とは知らずさらってしまう一方、皇北霜は道中、砂漠で動けなくなっている男を見つけた車の窓から顔を出した娘の美しさに息をのむ霍擎雲すると娘は親切にも水を分けてくれる霍擎雲は自分が追い払った娘とも知らず心を奪われ、皇北霜もまた母を死に追いやった敵だと知らずに男を助けたが…※中文のため正確性は限りなく低いのでご了承ください(^ꇴ^)現在6話まで視聴本編はハニーちゃんが雲沛へ辛くも到着した5話からでしょうか時々、不自然なカットがあって残念音声は言わずもがな…ですがそれを十二分に補うハニーちゃんの美しさよォォォォ~( ˶´꒳`˵ )あ、でもイールンはいつものイールンだった…いやどういう意味?wそしてすでに男主1も2も脱いでます←またいらぬ情報wハニーちゃんと女主2の話が並行して進んでいきますお目当てがハニーちゃんだったので女主2は″必殺!早送りの術″炸裂かと思われましたが、女主2のキャラが意外に面白いそんなわけでよく分からないながらも楽しんで視聴しています!
2024.09.30
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长相思 lost you forever第30話何者かの陣に閉じ込められ、襲撃された小夭(ショウヨウ)。梅の木から伸びた鞭に打たれたかと思うと急に静かになり、今度は獰猛な獣が現れた。小夭は護身用の短剣で獣と戦ったが、危機一髪のところで獣が消えてしまう。「出てきなさい!次は何?!どんな手を使うか見てやるわ!」そこへ見知らぬ男がやって来た。男は赤宸(セキシン)に一族を滅ぼされた沐斐(モクヒ)だった。沐斐は氏族の敵を討つため、赤宸の唯一の子である小夭を殺すという。「勘違いも甚だしい!赤宸は赤の他人よ!私の父は皓翎(コウレイ)王だもの!」しかし復讐に駆られた沐斐の耳に小夭の訴えは届かなかった。霊力の弱い小夭はなす術なく両手を縛られ吊し上げられた。沐斐はまず赤宸に滅ぼされた詹(セン)氏と晋(シン)氏のため暗器を放ち、小夭の血を捧げる。真っ白な雪の上に滴り落ちる鮮血、小夭は皓翎王が自分の父だと訴え続けたが、沐斐は聞く耳を持たなかった。「父さん、母さん、兄さん、義姉さん…どうか安らかに」すると無数の梅の花が暗器と化し、小夭の身体をめった刺しにして息の根を止めた。↓カメハメハ〜!(残酷な映像が苦手な方は次の動画を飛ばしてください)辰栄残党軍の陣営にいた相柳(ソウリュウ)は突然、激しい胸の痛みに襲われた。小夭の身に危険が迫っていると気づき、慌てて飛び出す相柳。同じ頃、政務中だった西炎瑲玹(セイエンソウゲン)はふいに胸騒ぎを覚え、思わずうなだれた。「父が戦死した時と全く同じだ…」瑲玹は暗衛を呼び、直ちに小夭を迎えに行くよう命じた。「私も行く!」一方、青丘でも塗山璟(トザンケイ)が小夭の異変に気づいていた。それは病み上がりの祖母に薬湯を届けていた時のこと。肌身離さず持っていた玟小六(ビンショウロク)お手製の香袋が落ちてしまう。瑲玹たちが梅林に到着すると、ちょうど辰栄馨悦(シンエイソウエツ)が令嬢たちと王姫を探しているところだった。ともかく手分けして小夭を探すことにしたが、その頃、ひと足先に塗山璟が血だらけで倒れている苗莆(ビョウホ)を見つける。驚いた塗山璟は式神を招喚して付近を捜索、するとすでに息のない小夭を発見した。塗山璟は小夭を救うため自分の全霊力を使い果たす覚悟だった。しかし小夭は息を吹き返さず、身体は次第に冷たくなっていく。「小夭…全て私のせいだ、何があろうと君と離れるべきではなかった!」塗山璟は小夭を抱きしめながら涙に暮れたが、その時、陣が炎に包まれてしまう。小夭を失った塗山璟は絶望のあまり共に果てようと決意、自分の身体を盾にして小夭が燃えないよう守った。「小夭、私は君だけの葉十七(ヨウジュウシチ)だ、一生、君のそばにいると言っただろう? 私を見捨てないでくれ、君がどこへ行こうと私は付いて行く…」そして小夭と塗山璟は激しい炎にまかれてしまう。瑲玹たちは梅林の中で燃え盛る炎を発見した。「あの中に小夭がいる!」瑲玹は矢も盾もたまらず駆けつけようとしたが、絶殺陣に入れば生きて出られるはずがない。鈞亦(キンエキ)は仕方なく取り乱す主人を手刀で打ち、眠らせた。そこで瀟瀟(ショウショウ)は鈞亦に主人を任せ、配下を連れて絶殺陣に向かう。陣の中ではすでに梅林が焼き尽くされ、ほぼ鎮火していた。すると小夭を抱きしめたまま大やけどを負った塗山璟を発見する。瀟瀟は塗山璟の腕を外そうとしたが、塗山璟は小夭を手放すまいと拒むかのようになかなか離れなかった。瑲玹が目を覚ますと紫金(シキン)宮だった。小夭も戻ったと聞いた瑲玹は急いで会いに行ったが、小夭はすでに息がないという。「殿下、王姫はすでにお亡く…」「でたらめを言うなっ!」医者の言葉を聞いた瑲玹は烈火の如く怒り、誰も王姫の死を口にできなくなった。塗山璟が霊力を注いでいたおかげか小夭はまるで眠っているように美しいままだった。瑲玹は引き続き霊力で小夭の肉体を守らせることにしたが、どんな神医にも助ける術はないという。その頃、相柳は毛球(ケダマ)に乗って懸命に小夭を探していた。辰栄山の結界を破って曲者が侵入した。報告を聞いた瑲玹は小夭の世話を任せて自ら宮門へ出たが、曲者が相柳だと知る。「私を殺すため、はるばる辰栄山へ来たか?!」鬱憤を晴らすにはちょうど良い相手だったが、相柳は殺すために来たのではないと否定した。「昔なじみを救うために来た、私を阻めば妹妹はあの世行きだぞ?」「箝口令を敷いたのにどうやって嗅ぎつけた?」実は玟小六がかつて軒(ケン)に埋め込んだ蠱虫は相柳に移し替えられていた。「救えるのか?」「小夭を渡せ、私なら救える…差し出さねば小夭は死ぬ」玉の寝床に横たわった小夭の姿にさすがの相柳も血の気が引いた。しかし元神を探ってみると、まだ一縷の望みが残っていると分かる。「いつ目が覚めるかは分からない、数年後か数十年先か…」瑲玹は悩んだ。しかし小夭が助かる望みがあるなら、それがどんな策であろうと試してみようと腹をくくる。「彼女を連れて行け、ただし傷つけたら辰栄残党軍を掃討し、お前を八つ裂きにする」「傷つけなければ掃討せず、八つ裂きにはしないと?」すると相柳は霊薬を要求、さらに小夭を救えた暁にはどんな望みにも応えるよう迫った。「小夭を救えたらな約束しよう」「今の言葉を忘れるな」瑲玹は相柳に小夭を託し、瀟瀟に密道へ案内するよう命じた。瀟瀟は襲撃事件を捜査、瑲玹に報告した。王姫の手足には刺し傷があり、さらに両脚を6カ所と両腕を4カ所、刀で切りつけられ、全身に無数の暗器が刺さっていたという。敷かれていたのは火陣だったが傷は水霊術と木霊術の達人によるもので、少なくとも3人が関わっていると判断した。「これは王姫を狙うため、長い時をかけ周到に練られた謀です ひとりは曋淑恵(シンシュクケイ)の友でしょう、曋淑恵が辰栄小姐と王姫を招くと知りうるような…」「探し出せ、だが決して殺すな」一方、塗山璟は傷が深くないにも関わらず、昏睡していた。瀟瀟の話では死を望むあまり生気が戻らないという。瑲玹は塗山璟が小夭と死を共にする覚悟だと知り、その誠意に感銘を受けた。「霊薬を贈れ、小夭が峠を越せばあいつも目覚めよう」塗山璟は辰栄府で療養していた。赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は瑲玹と塗山氏に亀裂が入らぬよう、太夫人にうまく話をしてくれたという。あとは相柳が小夭を救ってくれることを願うしかない。一方、塗山璟には胡珍(コチン)と静夜(セイヤ)が付き添っていた。胡珍は主人がなぜ死を望むほど悲しんでいるのか分からなかったが、静夜は再び琴を弾かせてくれた王姫こそ主人の命を握っていると気づく。その頃、相柳は小夭と貝殻の中に閉じこもり、自分の心の臓の血を与えていた。情蠱により一心同体となった相柳と小夭、今やそれが小夭を救える唯一の手立てとなる。つづく( ๑≧ꇴ≦)まさかの女主死亡!
2024.09.29
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长相思 lost you forever第29話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が来るのを待ちながら、祖父の戒めの言葉を思い出していた。『爺爺!小夭(ショウヨウ)を玉(ギョク)山にはやらないでください!』『瑲玹、今のお前では小夭を守ることはできぬ』小夭を愛するがゆえ自分の心を押し殺さねばならない瑲玹、そこへ豊隆が現れた。豊隆は私兵集めに苦心する瑲玹のため一度、赤水に戻って勇猛な男たちを連れて来るという。しかし瑲玹は反対した。実は西炎軍の糧秣(リョウマツ)と武器を盗まれ祖父が激怒、軹邑(シユウ)城にも戒厳令が敷かれている。豊隆は仕方なく年明けまで待つことにしたが、瑲玹の本当の不安は辰栄府にいる小夭と塗山璟(トザンケイ)が2人きりになることだった。五神(ゴシン)山に瑲玹から文が届いた。喜んだ阿念(アネン)は内容も知らず強引に父から瑲玹の文を奪い取ったが、瑲玹が辰栄馨悦(シンエイケイエツ)を娶ると知る。王族の縁談は政(マツリゴト)の駒だと分かっていても深く傷つく阿念。そこで瑲玹を諦めるため、思い切って父に婿選びを頼んだ。塗山璟は防風邶(ボウフウハイ)こと相柳(ソウリュウ)に呼び出され、歌舞坊の個室に入った。実は清水(セイスイ)鎮まで荷を運んで欲しいという。塗山璟は西炎の糧秣と武器を盗んだのが相柳だと分かった。「頼まれる義理はない」「これは取り引きだ」塗山璟は相柳が小夭を盾にして脅していると気づき、不快感をあらわにした。「取り引きの条件が小夭なら応じる気はない…だが荷を運ぶ件は引き受けた 小夭に弓術を教えてくれたことには感謝している、その恩を私が返そう」「代わりに恩を返すだと?小夭が承知するかな?」「私と小夭の問題だ、気遣いは結構、もちろん貴殿の意に染まぬなら断ってくれ」すると相柳は悔しさをにじませながら積荷を渡す時と場所を教えた。琴を習うという口実で密会を重ねる小夭と塗山璟。そんなある日、小夭は塗山璟の琴が聞きたいと頼んだ。しかし手首の怪我のせいで以前と同じように弾けなくなった塗山璟は困惑してしまう。すると小夭はもし腕前が落ちたとしても弾く喜びは変わらないと励まし、何より楽を学んだことがない自分には良し悪しなど分からないと笑った。「何を弾こうか?」「酒席で私が歌った歌を覚えている?」小夭は塗山璟の伴奏で山歌を歌った。木樨(モクセイ)園から聞こえて来る美しい琴の音。塗山璟の侍衛・胡珍(コチン)と侍女・静夜(セイヤ)は主が弾いていると気づき、思わず涙した。まさか再び主の琴を聞ける日が来ようとは…。皓翎では漪清(イセイ)園で阿念の婿探しの宴が開かれた。しかし結局、瑲玹しか目に入らない阿念にとって、宴はただの時間潰しでしかない。一方、小夭は瑲玹の心配をよそに塗山璟との蜜月に夢中になっていた。瑲玹は赤水豊隆と落ち合った。すると豊隆はいつの間にか赤水に戻り、霊力の強い兵士を連れてきたと報告する。瑲玹は呆然、なぜ何も言ってくれなかったのかと困惑した。「色恋より友情の方が大事だろう?内緒にして驚かせたかったんだ!」瑲玹の真意など知る由もなく、豊隆は満足げに友と肩を組んだ。小夭は赤水豊隆と辰栄馨悦に琴を披露することになった。そこで慌てて塗山璟から一番、簡単な曲を教えてもらったが、付け焼き刃の演奏は散々たる結果に終わる。豊隆は頭を抱え、小夭には別の才があると前置きし、今後は演奏を控えた方が良いと伝えた。すると率直な馨悦は従兄の名誉のためにも塗山璟が師だと言わないでくれと頼む。「上達は無理ね」「何ですって?!」小夭は思わず馨悦に木の実を投げ、追い回した。辰栄府で気の合う仲間たちと楽しい日々を送る小夭。しかし新年が近くなり、塗山璟は一族の祭祀に出席するため青丘へ戻らなければならなくなった。豊隆と馨悦の手前、小夭は別れを惜しむ時間がなかったが、静夜に塗山璟のための薬を持たせて戻る際、すれ違いざまに塗山璟から書き付けを受け取る。こうして後ろ髪を引かれる思いで帰路に着いた塗山璟。一方、恋文を読み終えた小夭はしばし雪を眺めながら愛しい人に思いを馳せた。新年早々、五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)のもとに中原に詳しい沐斐(モクヒ)が訪ねてきた。沐斐は瑲玹が王姫を辰栄府に滞在させていると報告、これも赤水豊隆を取り込むためだという。「実は王姫大将軍のある噂を耳にしました、ただならぬことなのでご相談に…」小夭は馨悦に誘われて梅林の宴に参加した。曋淑恵(シンシュクケイ)たちは歓迎してくれたが、小夭は王姫である自分がいると氏族の娘たちに気を遣わせると気づき、護衛の苗莆(ビョウホ)と散策に出かけてしまう。雪景色の梅林はひときわ美しかった。「次は瑲玹と一緒に来ましょう…苗莆?」実は小夭は誰かが仕掛けた陣に捕まり、苗莆と離ればなれになっていた。すると梅の木の枝が伸びて鞭となり、小夭に襲いかかる。「私を殺したいの?!だったら隠れていないで出てきたら?!」その時、梅の木の鞭が消え、今度は狼が現れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!バイ◯ハザード?wそれにしてもまさか相柳が17にやり込められちゃうなんてねw
2024.09.27
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长相思 lost you forever第28話小夭(ショウヨウ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)のため辰栄(シンエイ)城の招きに応じた。屋敷で暇を持て余していた辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は大歓迎。父や兄は忙しく、母も長年、赤水(セキスイ)にいるため、遊び相手になって欲しいという。すると豊隆(ホウリュウ)が駆けつけ、小夭の好物だと聞いた瓜を山のように差し入れた。しかし兄の贈り物を見た馨悦は呆然、もっと王姫に似つかわしい貴重な品を贈れと叱られてしまう。そこで豊隆は酒豪の小夭と猴妖(コウヨウ)王が霊果(レイカ)で醸した名酒・猴児酒を酌み交わし、龍石が埋め込まれた賽子を振って遊んだ。豊隆は小夭と意気投合、こんなに気の合う女子は初めてだと妹に報告した。「小夭は何もできない令嬢とは違う、賽子に飲み比べ、拳遊び…最高の遊び仲間だ」頭を抱えた馨悦は兄に贈り物禁止を言い渡し、小夭のことは自分に任せるよう告げた。馨悦は役立たずの兄の代わりに化粧道具を小夭に贈った。「使い方を教えてあげる、西炎城の流行りも知ってるわ」実は馨悦は幼い頃、人質として西炎城に住んでいた。父が中原を任されたのを機に馨悦と母が西炎城に居を移し、兄は赤水に残ったという。「西炎の重臣たちは元辰栄王族の父に中原を任せることに反対だったから… それから数十年、二心なしと判断されて帰郷を許されたの」馨悦は思えばあの時、瑲玹と小夭に出会っていればと悔やんだ。しかしその時にはすでに小夭は天下をさすらい、瑲玹は人質として皓翎(コウレイ)にいたという。小夭は囚われの身だったという馨悦に親近感を持ち、それ以来、2人は姉妹のように親しくなった。赤水豊隆は練兵に要する費用と物資を従兄弟である塗山璟(トザンケイ)に調達してもらった。当然、私兵の件は一切もらしていないが、塗山璟も薄々、勘づきながら、何も聞かず力を貸してくれたという。瑲玹は塗山璟の協力に感謝しながらも、求める見返りが財物でないことを思うと複雑だった。塗山璟が辰栄府に滞在することになった。小夭は馨悦から従兄がいても構わないかと聞かれ、思わず防風意映(ボウフウイエイ)も一緒か確認してしまう。「いいえ、独りよ、彼女を招くものですか」馨悦はしかめっ面になり、優しい許嫁という意映の評判など嘘だと訴えた。「あれは芝居よ、前に長老の誕辰祝いで一族が勢揃いしたの 殿方たちは雪の中、狩りに出かけたんだけど、璟哥哥は怪我で行けなかった でも彼女は狩りに出かけてしまったわ、しかもなかなか山から戻って来なくてね 璟哥哥のことなんてどうでもいいのよ、彼女の目的は将来の族長夫人の座だから」その夜、豊隆と馨悦は中庭の涼亭で小夭と塗山璟を歓待した。小夭は馨悦が披露した琴の腕前を絶賛、しかし馨悦は塗山璟には及ばないという。「琴を弾くの?聴いたことがないわ」塗山璟は小夭の言葉に困惑したが、その時、豊隆が芸を見せたいと席を立った。すると豊隆は火球を作り曲芸を披露、最後に大きな花火となって空中で弾けてしまう。その時、激しい火花で一瞬、視界が見えなくなった。小夭はその隙に思わず隣の席にいた塗山璟を引き寄せ、頬に口づけしてしまう。宴もたけなわ、小夭たちもすっかり酔いが回った。すると馨悦が次は小夭の番だと急かす。小夭は琴棋書画に通じていないと断り、その代わり山歌(サンカ)を披露することにした。舞いながら歌う小夭の妖艶な姿、その様子を眺めながら、塗山璟はふと15年だけ待つと誓った小夭との口づけを思い出す。しかしそんな2人の密かな情愛の裏で、清水鎮へ戻った相柳(ソウリュウ)は再び血生臭い日々に身を投じていた。翌朝、小夭は馨悦に塗山璟が琴の名手なのか尋ねた。馨悦は従兄に勝る子弟などどこを探してもいなかったと絶賛したが、行方知れずとなって戻ってきた時には人となりが一変、更に脚と手に深手を負ったのか、琴も弾けなくなっていたという。「璟哥哥の法術の源は琴の音だから霊力も半減したわ」そこで小夭は手ほどきならできるはずだと訴え、この機に塗山璟から琴を習いたいと言った。「私から頼んでみるわ」一方、瑲玹は鈞亦(キンエキ)から逐一、小夭と豊隆の様子を聞いていた。報告によれば2人は意気投合、しかしまるで兄弟のようだという。瑲玹は失笑したが、実は辰栄府に塗山璟も滞在していると聞いて動揺した。「4人で宴に興じたそうです 誰も侍女を帯同しておらず詳細は不明ですが、王姫は上機嫌でお戻りになったとか」「上機嫌?」すると鈞亦は辰栄馨悦からまた文が届いていると報告した。念のためまた多忙を理由に断るか確認したが、瑲玹は珍しく会うという。瑲玹と馨悦は山間の川辺で逢い引きした。そこで馨悦は素足をさらし、水につけて自慢の赤い爪を見せる。瑲玹は咄嗟に目をそらしたが、馨悦は小夭の足の爪にも同じ紅い色を塗ったと話した。すると瑲玹は馨悦の足を見つめながら、小夭の爪を想像して顔をほころばせる。「小夭が宴で山歌を歌ったの、歌ってあげる」瑲玹は小夭が隣で自分のために歌っているような錯覚に陥ったが、ふと現実に戻った。「遅くなった、公務が山積みゆえ戻らねば…」琴を習うという口実で塗山璟と2人きりで過ごすことが叶った小夭。そこで小夭はまず塗山璟の脚の傷を確認した。王姫となった今なら妙薬や霊薬を入手することも可能となり、見た目なら綺麗に戻せるという。「君は気になる?」その時、小夭が塗山璟の傷痕にそっと唇をつけた。「私が気にすると思う?」「なら治さなくていい」実は馨悦の話を聞いた小夭は傷のせいで塗山璟が周りから奇異の目で見られることを心配していた。しかし塗山璟は小夭がそばにいれば、他人の目など関係ないと微笑む。すると愛しい小夭の顔をながめているうち我慢できず、唇を重ねてしまう。「君を独り占めしたくなった…もしくは君があまりに美しいから…」小夭は塗山璟の腕に抱かれながら、女子の幸せを実感していた。つづく(๑•̀ㅂ•́)<想い人が来てくれたのに賽子ふっちゃうやつ、いる?ザワザワ(*´・ω)(ω・`*)ザワザワ(๑•̀ㅂ•́)<いねーよなあ?!
2024.09.26
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