東京パン屋駆け足紀行その4 スピカ・麦の穂

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2003年12月05日

「スピカ・麦の穂」はいちじく、りんご、ぶどう、花梨などの果物から起こした自家培養酵母と国産小麦で作っているパン屋さんである。天文をやったことのある人ならピンとくるかもしれないが、「スピカ」というのはおとめ座が左手に持っている麦の穂に輝く星の名前である。なんとシャレた名前だろう。私はまず、このネーミングにしびれてしまった。駅前商店街からは外れた静かな通りの小さなお店だが、かなりパンへのこだわりの感じられる雰囲気があった。お店に入って最初に思ったのは「うわ、ここは酵母でいっぱいだー」。昨日食べたルヴァンのパンと同じ甘酸っぱい香りが小さな店舗全体に充満しているのである。

20031205_東京パン_スピカ.J…

ここもルヴァンと同じくトレーに自分でとるのではなく、店員さんに言ってとってもらうシステム。その時はわからなかったのだが、ホームページの写真を見るとどうやら対応してくれていたのは店主の降矢恭子さんだったようだ。パンの種類が多いのでどれにしようかと思って見ていると、どれが焼きたてだとか親切に説明してくれた。

いろいろ説明してもらって、結局、焼きたてだったゴルゴンゾーラチーズのパンと、リンゴ果汁を使ったパン、それからお店と同じ名前がつけられている「スピカ」という星型のパイを買った。レジの横にたくさん予約のお取り置きがしてあるのが見えたので、「みなさん予約して買われるんですね」と言ったら、「うちは少量、多品種、高品質がモットーなので、お目当てのパンがあってもそれがいつもお店に出ているわけではないんです。だから、どうしても欲しいパンがある方は予約がいるんですよ。遠方から来てくださる方もいるんですが、目当てのパンがなくてがっかりして帰られることもあるので、予約はされた方がいいですね」とのことであった。確かに、スピカに限らず、パン屋さんめぐりでは目当てのパンがたまたま売り切れていたりして残念だったりすることがある。予約でお取り置きしてくれるのなら、これはありがたいシステムであると思った。

20031205_東京パン_スピカ_2…

さて、チーズパンとリンゴパンだが、チーズやリンゴなんかよりずっと「酵母」の味というか、酸味が前面に出ていて、私にはどちらもほとんど同じ味に思えてしまった。星型パイ「スピカ」は、サクサクで香ばしく、酸味がない代わりにほんのりチーズの香りがしてとてもおいしかった。（チーズが入っているわけではないようだ。ちなみに原材料はオーガニック国産小麦、自家培養天然酵母、活水、プラスマーガリン、塩（海の精）とのこと）。次に行くときも「スピカ」は絶対に買うだろうな。

お店情報
名前：スピカ・麦の穂
住所：東京都品川区旗の台5-28-13 シュロス旗の台1F
電話：03-3788-5536
交通：東急池上線長原駅徒歩6分
http://www.netv.ne.jp/nets/retail/nets0020.cfm

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