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構築された仏教思想 蓮如 ともに泣く求道者【電子書籍】[ 佐々木隆晃 ] そう真宗は、蓮如をして完成されたものと考えるべきものであった。 蓮如は他力の信心を明らかにするにあたって、善導、親鸞の六字釈を承けて、南無阿弥陀仏の六字の名号を解説している。 前節でふれた文正元(一四六六)年、蓮如五十二歳の「御文章」では、「南無」は思いはかることのできない阿弥陀仏の願いのはたらきをたのみたてまつる信心を、「阿弥陀仏」は南無とたのむ者をただちに光明を放って摂取したもういわれを表していて、南無とたのむときに摂取不捨の利益にあずかるという道理を表す「南無阿弥陀仏」であることを明らかにした。 蓮如はさらに、南無とたのむ「機」をたすけたもう阿弥陀仏の「法」という形で、南無阿弥陀仏は機法一体の道理を表しているということを説く。 ということなのだ。 南無とたのんで阿弥陀仏と応える。 たのむとこたえる。 それが南無阿弥陀仏だというのだ。 私は、それで納得してしまった。 なるほど真宗の極意とは、そういうことなのかということに。 「南無」の二字は衆生の信心であり、これを「機」という。 「阿弥陀仏」の四字は衆生を救う力、はたらきであり、これを「法」という。 この機と法とは一つであって別々のものではないという機法一体をもって、蓮如は「南無阿弥陀仏」の六字を解説する。 先述の通り、「機法一体」という言葉は主に西山派で用いられていた、仏教教義に関する呼称である。 浄土真宗では覚如や存覚もわずかに用いているが、この言葉を積極的に使って他力の信心を人々に説いていったのが蓮如である。 そう南無阿弥陀仏しかないのだ。 南無とたのみ阿弥陀仏とこたえる南無阿弥陀仏その後それは、仏の方から私に呼びかける声となるのだ。 やっと真宗の極意が見えてきた。 もう少しだ。(12/19記)
2025.03.07
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がんとの賢い闘い方ー「近藤誠理論」徹底批判ー(新潮新書)【電子書籍】[ 大場大 ] 本書の構成は、まず 近藤氏は、今までは胃がんだけではなくあらゆるがんに対し手術は、受けるべきではないと、説いています。 自身は、なにも前向きに行動せずに安全地帯に居座り手術の甲斐あって治ったものは、「がんもどき」でどうせ手術をしなくても治っていたとし手術後に再発したものは、「本物のがん」ですでに転移する運命にあったから、最初から手術をしなくても結果は、一緒だったと、説きます。 このように「逆算」をしたいわゆる後出しじゃんけんのような理論は、決して患者のための前向きな議論ではなく自身の主張を魔もrための後ろ向きなこじつけでしかありません。ほか多数の近藤誠批判を展開した後表題であるがんとの賢い闘い方について述べる2部構成になっている。 結局がんにかかったら、まず悪あがきをしろという考えかな。 ところで件の著者の批判の矛先である近藤誠医師は、令和4年の盆に急性心不全で73歳で亡くなった。 本書は、平成27年に出されたものだから、近藤医師の反論は、望めたのだろうが、そのことについては、どこにも触れられていないのは、残念だ。 しかしながら、たしかに書店に行けば、近藤医師の本がずらりと並べられてあったのは、たしかだ。 私も数冊読んだことがあるが、理路整然としてわかりやすかったことを覚えている。 それは、ともかく著者は、 「治らないのなら、治療の必要性は、なにもないだろう」と思われる方も多くいらっしゃることでしょう。 でもそんなことは、決してありません。 「完治する」と「治らないで死ぬ」との〇か☓かの二択で考えることは、正しくありません。 がん治療自体は、いつも不確実なものであり「必ず大丈夫」「100%確実」という表現は、安易には、言えるものではありませんが、前向きに最善を尽くすことでたとえ治らなくてもさまざまな苦痛から解放(緩和)され残された人生をよりよく過ごすことは、いくらでも可能となります。とまとめる。 実をいうと、私の親戚は、親も含めてがんだらけでがんと診断されたら、最後死にほかならないということなのだ。 こんなに不安なことがあろうか。 ただ上記のように二択で考える必要はないという考えは、これからのがん罹患者にたいする福音の一つでもあるような気もする。 近藤氏亡き後近藤理論を云々かんぬんしてもどうしようもあるまい。 本書における近藤氏批判は、抜きにして今後がんに向き合う基本的な心構えをさらに厚くした本が欲しいと私は、思う。 がんは遺伝ではないというが、遺伝もあるらしい。 その場合は、すでにディスアドバンテージだということだ。(12/18記)
2025.03.06
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最後の封印 〈新装版〉【電子書籍】[ 今野敏 ] 本作は、 自分の愚かさに 歯 嚙 みするがいい。 いいか。あんたたちミュウ・ハンターもデビル特捜も、まったく同じ目的のために動かされているんだ。 皮肉なことに、ひとつの目的のために、君たちは表層的な戦いを演じているのだよというミュウという新人類をめぐってミュウ・ハンターVS.デビル特捜の戦いの話。 今野得意の武闘が出る。 その表現力は、正確だ。 だから、その道における今野は、私が口出しできるものではない。 反面今野は、本作において うろたえている警官のひとりを、蹴りの一撃で倒し、驚いて振り向いた残りのひとりの頭を両手でつかんだ。 頭を引き落とし、膝を叩き込む。と、警察に悪意と敵意むき出しだ。 つまりだ。 今野は、この時点で警察小説作家の肩書を自ら投げ出した。 今後私は、今野を警察小説作家などと言わない。 上記の表現から、そういう目でもう見ることはできない。 ちなみにミュウというのは、我々人類とは違う遺伝子を持った新人類のことだ。 この新人類を狩るミュウ・ハンターとそれを護るデビル特捜は、国連が背景にいて両者を操っている。 このミュウに関して今野は、 進化と呼ぶのならそれもかまわない。 しかし、遠い過去からミュウのような存在はいたのだ。 それを私は知っている。 彼らは、ブッダでありキリストであり、そして、多くの高僧、聖者だったのだと表現しているが、果たして彼らは、本作におけるミュウと同等に論じていいのだろうか。 この辺にもまた今野の勇み足の片鱗が見える。(12/18記)
2025.03.05
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構築された仏教思想 親鸞 救済原理としての絶対他力【電子書籍】[ 釈徹宗 ] 私は今、歎異抄を一生懸命読んでいる。 勿論歎異抄は、親鸞聖人の全てではない。 歎異抄は、伝聞だ。 だから、歎異抄のみを持って親鸞聖人を語ることはできない。 したがって親鸞聖人の真意を知るには、本書のような参考文献が必要になる。 まず親鸞聖人の教えでいちばん重要な信の問題は、2つに分けられる。 要約すれば、「第一の深信」は、自分は永遠に救われることのない罪深き存在であることを深く信じる。「第二の深信」は、阿弥陀仏は間違いなくあらゆる苦悩の存在を救済すると深く信じる、ということになる。 善導の「二種深心」解釈における最大の特色は「深心」を「深く信ずるの心」と解釈することにある。 智顗の「深心」理解を見ると、「 深 とは仏果深高心をもって、 往求 するゆえに深心という。また、深理に従って生ず、また 厚楽善根 に従って生ず。ゆえに十地経にいわく、深広心に入り、涅槃経にいわく、根深して抜き難い、ゆえに深心という」(『仏説観無量寿仏経疏』) として、深く高く広い勝れた心と解釈している。 またそう理解するのが一般的である(藤永清徹「二種深信(上)」)。 しかし善導はこれを「深く信ずる心」として、「信」に立脚する仏教すなわち「救い型宗教」的性格を強く打ち出したのである。 それにしてもこの二態の深心をどのように理解すればよいのであろうか。「第一の深信」と「第二の深信」とは、互いに相反するものであり、対立項である。と、自分が永遠に救われることのない存在だと信ずることと阿弥陀様が間違いなくあらゆる苦悩の存在を救済すると信ずることだとする。 信に関しては、上記のように様々な論が飛び交っており一様ではないが、親鸞聖人の理論によれば、自分が悪だからこそ阿弥陀様が救うのだというのだ。 そして私がする称名も しかし、親鸞は、 自分の称名を仏の呼び声であると、転換する。 それこそが親鸞における他力の念仏である。 ここにおいて、重要になってくるのが「 聞名思想」(阿弥陀仏の名号を聞くこと) だ。親鸞は、「名号を称すること、とこえひとこえ、きくひと、うたがふこゝろ一念もなければ、実報土へむまるとまふすこゝろなり」(『一念多念文意』) と著している。明確に「称名」と「聞名」を同一視している。と、聞名とするのが親鸞理論の大きな特徴なのである。(12/17記)
2025.03.04
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脂肪と疲労をためるジェットコースター血糖の恐怖 人生が変わる一週間断糖プログラム【電子書籍】[ 麻生れいみ ] 本書は、徹底した糖質カットの本。 糖質をカットしまくってケトン体でエネルギーを稼げというのだ。 さらにケトン体は、 正常細胞は、ブドウ糖の供給が途絶えても緊急用の代替エネルギー「ケトン体」を皮下脂肪から作り出す事が出来ます。 でもがん細胞の栄養源にはならないためがん細胞だけを兵糧攻めできることがわかりました。 がんがケトン体で治る…。 まるで宝の箱を開けたような興奮に包まれました。とがん細胞をやっつけるものでもある。 つまり本書には、糖質カットによりケトン体を作り出せば、がんも治るということが書かれているのだ。 また本書では、血糖値の上がり下がりが極端なジェットコースター血糖がアルツハイマー型認知症を惹起していると、指摘する。 ジェットコースター血糖をおこしインスリンの分泌が多い状態では、記憶力が衰えやすいことも確かめられています。 インスリン分泌が多い人の脳には、「アミロイドβ」という物質が蓄積していてこれがアルツハイマー型認知症を引き起こすとも言われているのです。 実際にジェットコースター血糖が起きている人は、血糖値が正常な人よりも1.5倍認知症の発症が多いというデータもあるようです。 がんとアルツハイマー型認知症に関しては、本書によれば、糖質制限が重要だということになるのだが、ご飯を食べずしてあるいは日本酒を嗜まずしてなにが幸せなのだろうか。 昔伊奈かっぺいが言っていた。 しょっぱいもの食べねで100まで生きるよりおらあ、しょっぱいもの食べて50で死んだ方がまだましだ、と。 私は、その通りだと思う。 それにしてもまたこんな極端な糖質カットの本がまた出てきたんだなと、私は、暗然たる思いになってしまって悲しくなった。 著者は、管理栄養士で医師でも看護師でもない。 だが、書いてあることは、的確だ。 それだけに恐ろしい。 糖質の摂りすぎが。(12/16記)
2025.03.03
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発現 (文春文庫) [ 阿部 智里 ] しかしどうなんだろうね。 つまらない小説は、ポイ捨てしても構わないんじゃないか。 このごろそういう小説が多くて困っている。 書いた本人は、わかるのだろうが、読み手が理解できず困っている。 その理由は、何か。 それは、作者の筆力のなさである。 そのことをただ独りよがりという表現で終わしたくないのだが、残念ながらこの作家は、その部類に入る。 この小説において何を訴えたかったのか。 ポエムならそれでもいいだろう。 しかし小説の形を取っているのならば、少なくとも根拠をきちんと書くべきではないのか。 読み手が理解できない以上にこの作品は、世の中のことをこの作家自身が理解していない。 社会を知らなすぎる。 その欠点を補う方法は、一に取材二に取材だろう。 取材をしてリアルが増す。 そういうのがないから、本作は、ゆるりとした出来になって結局読み手から見捨てられるという結果に陥るのだ。 しかしさあkindle unlimitedもこういう作品を入れてほしくないよな。 何回か書いているが、だから立花隆が小説を読まないのはむべなるかなだ。 まあでもミステリーリーダーを生業としている私は、読んでなんぼのもの。 今回も完読了したのだった。(12/16記)
2025.03.02
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不快韓 橘結城 今話題の最低国家韓国は、李明博の時代 この発言から、ネズミ男は民主党政権を自分の部下組織と考えていたのです。 それを裏付けるように、当時の首相、野田は2011年10月19日、韓国を訪問し5兆4000億円もの援助を約束しています。 この時期は日本が福島原発事故の復興に全力を挙げなければならない大切な時でしたが、日本のことなど眼中になく、民主党政権幹部は自分たちの利益関係者や母国へ貢ぐことしか考えていなかったのです。と、当時の日本の民主党政権が韓国の傀儡だったと本書は、明らかにする。 李明博が竹島に上陸したわけは、 有頂天となって竹島に上陸した 李明博 によって、在日や帰化人達が韓国の兵士達だということが公になったのですが、その最も忠実な兵士が民主党政権でした。 韓国に忠実な兵士達が日本の政権トップに就いたのですから、もうたまりません。 国益は奪い去られ、日本はガタガタにされていきました。 まず彼らがやったことは事業仕分けという名目での日本技術、日本人魂の崩壊作戦です。とする。 このとき野田は、竹島が日本の固有領土であるということが書かれた古文書を韓国に手渡してしまった。 これこそ国家反逆罪ではないのか。 民主党立憲民主党の問題は、あの超巨大地震それに伴う原発事故処理もさることながら、実は、本書にかいてある韓国問題に深く関わっておりその闇は、果てしないということにある。 この本を読めば、立憲民主党の危うさがわかるしそして今回の韓国の内政事情と絡めて彼の国の危険性がはっきりする。 韓国には、関わらないほうがよろしいということだ。(12/15記)
2025.03.01
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指先の戦慄【電子書籍】[ 新津 きよみ ] 本作は、全10作の短編からなる。 本作のトップに持ってきたのがとてもじゃないが、理解不能な話でこれをトップに持ってきたことによって作者の印象が大きく変わってしまったのは否めない。 なぜならば、 次に来る9作が全て洗練されている話になっていたからだ。 何でもカテゴライズ化分類する癖がついてしまっているのでこの作家の傾向も何とかそのようにしたいと思ったのだが、 あえて言うならば、ホラー・サスペンスか。 欠点は、先ほど書いた一番トップの作品のようにその根拠がしっかりと書かれていないこと。 だから、それが霊的な現象なのかあるいは、 何かのトリックがあるのかが非常に曖昧だ。 また作者は、本作において ミステリーを批評しているが、彼女は、ミステリーのなんたるかを知らないで書いているから、 ドツボに落ちたという感じだ。 あえて書けば、 ミステリーは、動機・機会・方法そして警察組織を知っていること刑事法の知識が豊富であることそして物語性が高いということになろうが、彼女はトリックなどというものは、 完全犯罪にはありえないことだなどと嘘吹いているけれどもそれでは、 面白さが半減してしまう。 彼女にミステリーを話す資格はない。 左手の話は、私は左ききを矯正することに賛成だ。 見てみたまえあの左手箸のみっともなさ。 大事な人誰にでも尽くす女の話は、最終的に自分には、全く何も尽くさないということがポイントだった。 指も歯のように乳指永久指があるというような発想は、この作家の独壇場だろう。 借りたものは、いいものにして返すという女の人の話は、ついに子供もまた変えて返すというところに至ってしまった。 さくらんぼのヘタを結ぶ話は、下手くそながらも夫を取られた女が努力してさくらんぼのヘタを結べるようになった話だ。 女王様にとことん尽くしたアッシー君が最後は、女王様の依頼により殺してしまうという話は、なかなか発想的に面白い。 いたずら電話の声違いでその声と思った人を殺してしまう話は、単純だ。 雪女が戻ってくる話は、夏に読んだら、涼しいだろうな。(12/14記)
2025.02.28
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馬渕睦夫が語りかける腑に落ちる話 ウクライナ戦争の欺瞞 戦後民主主義の正体【電子書籍】[ 馬渕睦夫 ] 国際社会における民主主義は、DSが作り出した幻であるというのが筆者の主張である。 DSとは、 まずは、ディープ・ステート(deep state/略称:DS)という概念について整理していきましょう。 〝影の政府〟とも訳されるDSとは、狭義にはウォール街やロンドン・シティに 跋扈 する国際金融勢力およびそのネットワークを指しますが、広義においては政府を陰から操る勢力を指します。 たとえばロスチャイルドやロックフェラーのような巨大財閥が水面下で国際政治に影響を与えていることは、いまや常識でしょう。 彼らがこれまで批判されないのはメディアを支配していることもありますが、政治家のように表舞台に立たなかったからです。というものである。 彼らは、 〈世の中の一般大衆が、どのような習慣を持ち、どのような意見を持つべきかといった事柄を、相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすることは、民主主義を前提とする社会において非常に重要である。 この仕組みを大衆の目に見えない形でコントロールすることができる人々こそが、現在のアメリカで「目に見えない統治機構」を構成し、アメリカの真の支配者として君臨している〉(エドワード・バーネイズ『プロパガンダ』成甲書房)である。 この論理にのっとって筆者は、DSに抗っている政治家は、プーチン、トランプ、故安倍だとする。 すなわちウクライナ戦争もプーチンが仕掛けた侵略戦争ではなくDSに抗ったプーチンの行動だとする。 私は、一方的に筆者を責め立てようとは思わない。 だが、逆に言えば、今までウクライナは、善でロシアは、悪という一方的な話に一石を投じた筆者の姿勢は、評価できる。 特に筆者は、日本のメディア報道の在り方について批判している。 たしかに国連総会では、ロシアに批判的な国とそうでない国との比率は、拮抗していた。 それをあたかも全世界がロシアを批判しているような報道をした日本メディアには、問題がある。 筆者によれば、中国も北朝鮮もDSの仕掛けによるものだとする。 中国は、このごろDSのいうことを聞かなくなったから、どうやら粛清されるらしい。 北朝鮮は、DSの悪の仕掛け言って請負的な国だと、指摘している。 こういうねじ曲がった国際観もあっていいのではないか。(12/13記)
2025.02.27
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二丁目のガンスミス ー恋わずらいの銃弾ー【電子書籍】[ 柊サナカ ] 結局このシリーズ二作で作者は、なにをいいたかったんでしょうね。 私には、チンプンカンプンで理解不能な作品だった。 銃というものの違法性を正面から見据えると、本作は、成立しない。 それで美夜を危機に立たせたり最終盤においては、いわゆるズルの一手である思わせぶりを使ったりしたのだが、これじゃあ読み手は、ついてこないよ。 つまり銃というものを題材にすることは、とても難しい。 果敢に二作挑戦したが、その蘊蓄には、脱帽するものの別に読みたいような話ではなかった。 京介の料理話が時々入るが、これはこれで別個に仕立てた方がよかろう。 華奢な女性が銃を極めることなどほぼ不可能なことだということ。 このことは、真理だ。 つまり本作は無理の上に無理を重ねた蘊蓄作品ということになる。 こういう作品を読了すると、知の巨人立花隆の話を思い出す。 小説は、時間がもったいないから読まないということ。 それを知ったうえであえて私が小説を読んでいるのは、私がミステリーリーダーだからだ。 読んだうえで本ブログにアップするのが私の生業である。 したがって時間の問題ではないという論理が成立する。 けれどもたしかに立花隆のいうことは、正しい。 その微妙な均衡についてどう考えるかという瀬戸際にきているとも考えられる。 魅力のない作品は、先に進まない。 本作もなかなか先に進むことがなかった。(12/13記)
2025.02.26
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二丁目のガンスミス【電子書籍】[ 柊サナカ ] これまた新機軸の話だ。 なにに分類したらよいのかわからない。 ただ銃の話が延々続く。 火縄銃もだ。 そこに男女間の恋愛っぽい話も入る。 まさに何でもありだ。 第一話の話における銃暴発に関し怪しむ鑑識がいる。 どうやらこの人が次の本では、カギになりそうだ。 まあこの辺も銃に関しては、警察は、鑑識ではなくて科捜研だけどね。 そもそも拳銃を持っていい人は、警察官等法令で持っていよろしい人以外日本にはいない。 だから、そもそもこの話は、違法なのだ。 そういうところの気配りがないと、リアリティがないから、先に進まない。 しかも恋人が高校生なんだろう。 これは、ダメだね。 女性も淫行に問われる。 なんちゃって四角四面に評したら、何も面白いことはないな。 そもそも読み手である私は、楽しみながら読了したのだから。 こまいことはともかくとにかく銃についての蘊蓄がいっぱい詰まっているということ。 それにVRまでつけて今風にしている。 さて次作は、どんな展開になるのやら。(12/11記)
2025.02.25
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豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件【電子書籍】[ 倉知淳 ] 作者は、作者なりにかなりひねりながら、トリックを折り込んで本作を作り上げた。 本作は、 6作の短編からなる。 はっきり言っていずれも傑作だとか佳作だとかというレベルまでも達していない。 このレベルならば、色々なミステリー作家が書いているものである。 この作家が魅力的なのは、 やはり筆力が非常に高いということではなかろうか。 だから、引き込まれる。 豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件は、 戦中の軍隊のスパイに対する諜報機関による犯罪だった。 ABC の殺人は、次から次へと起こってしまう殺人事件の標的に自分もなってしまう話。 社内偏愛では、 コンピューターに愛されてしまった社員が仕事を辞めなければならない破目になった話。 薬味と甘味の殺人現場は、一種のダイイングメッセージだろうか。 被害者の口にネギがさされその頭にケーキが並べられているという話。 夜を見る猫は闇夜に向かって見つめている猫の話だ。 猫丸先輩の出張は、産業スパイの話。 ということで 一つ一つが非常に練りに練られているのだが、何か一つ物足りなさを感じてしまった。 その理由の一つは、 単純すぎるトリックではなかろうか。 例えば、猫丸先輩の出張における社内大捜索は、どう考えても捜索中の社員しか犯人を考えられないあるいは、 被害者の狂言なのだけれどもそれに対して延々と私説を書いていくというところこれは、叙トリとはまた違った認められない方法ではなかったか。 確かに読み手に本作のような底が見えてしまっている作品では、読み手は、ただただ結論が欲しいのである。(12/8記)
2025.02.24
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堕ちてゆく【電子書籍】[ 岩井志麻子 ] 本作は、堕ちてゆく女のリレー バージョン。 実に不快な話ばかりだ。 こんな話ばかり読んでいたら、精神衛生上良くない。 でも私のポリシーは、完読了だから、 途中でやめるわけにはいかない。 しかも岩井志麻子と言ったら、ちょっとは名の知れた作家だから、実を言うと、実は面白いんだろうなと思いながら、読み始めたのだった。 しかし今書いた通り不快以外の何物でもないのだった。 人を殺したり殺されたりする話というのは、それは然るべき捜査機関つまり警察に捜査されて犯人がきちんと捕まらなければならない。 それが 小説であっても常識的なルールではないのか。 捜査をしていって犯人が挙がらないという話でもいいけれどもただ単に川に浮いていたとか他殺なのに自殺と決められてしまうような事件の根拠が書いてないから、 本作は上滑りになってしまったのだ。 この作家は、こんなふうな作風だったのかと、 実は、とてもびっくりした。 もう少しまともな本を書いている作家だろうなと、思っていたからだ。 とにかく右肩下がりの話だ。 出てくる女は全て不幸な死に方をする。 しかしそんな死に方を書いて何を読み手に訴えたかったのだろうか。 私は、この作家の精神的構造がとても不安でならない。(12/7記)
2025.02.23
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ろくでなしとひとでなし【電子書籍】[ 新堂冬樹 ] この話は、普通の若いOLが転落している姿を描いたものである。 この女に共感した読み手は少ないのではなかろうか 。 そういうのが売れるという時代なんだなという今の時代の愚かさを感じてしまうのは、私だけだろうか 。 会社における人事に彼女は抗う。 しかし残念ながら、 何ともしがたいものであった。 そこで彼女は、一計を案ずる。 まず人事に対する答えを留保して有給休暇を目いっぱい使いマッチングアプリで金持ちの御曹司に目をつけ結婚までこぎつけるまでの涙ぐましい 策略が描かれていくのだ。 私も途中まで彼女を応援したのだが、ある一点から、 この女ちょっとやりすぎじゃねえかと、思い始め逆にこの女が奈落の底に落ちていけば良いのにと思ってしまうのだった。 作家 にしてみれば、 それが狙いだったのかもしれない。 とすれば、 私は、作家のねらいにまんまとハマってしまったということになる。 人の運命というのは、一体何だろうか。 運命というものに乗らなければ、 沈んでしまう。 最初から沈んでしまう運命もある。 だから、 本作では沈んでしまおうとする自分を救うために運命に抗った。 その結果抗わないよりもさらにひどい結果になったのだった。 だから、人事に私情ができるだけ入らない組織に就職すべきだということになろうか。(12/7記)
2025.02.22
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完璧な小説ができるまで【電子書籍】[ 川崎 七音 ] 話が緩い。 切れが悪い。 おかげで250ページ足らずの本に3日もかかってしまった。 何しろ私のポリシーが完読了にあるから、途中で投げ捨てるわけにはいかないのだ。 山のシーンなら、まず森村の作品を参考にすべきだろう。 姫野が山で殺された状況が全く本作では、読み手に伝わってこないのだ。 最終盤の種明かしは、男二人に女一人の関係、ミステリーリーダーには、全部みろっとめろっとお見通し状態だった。 ということであまりにも物足りないのだが、ただ小説の出来上がりというものについて出版社、担当編集者などの動きが面白かったな。 これは自分の経験譚だろうから、まちがいないのだろう。 しかしミステリーを書くのであれば、まず刑事法をきちんと理解してほしい。 警察捜査段階では、黙秘権とは、言わない。 供述拒否権という。 留置施設の檻の色が白というのは、初めて聞いた。 取調べの際机にチェーンをかける? 誰に聞いた話だ? せっかく書いたのに一つ一つの緩さが目につきすぎてちょっと商業化しにくいのではないのか。 そもそも明らかな誤認逮捕なのだから、姫野の死因についてきちんとつまびらかにしなければいけない。 そうでなければ糞をして尻を拭かないようなものだ。(12/4記)
2025.02.21
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あと20年! おだやかに元気に80歳に向かう方法 [ 保坂 隆 ] 齢68にしてガタが来てしまった。 原因不明の皮膚病が左手やら腹に出始め薬をいくら塗っても治る気配がない。 三週間前にひいた風邪が治らない。 咳と痰止めの薬も飲んだが、治らない。 定期検診の結果もこれまでになくひどい。 著者は、そういう諸々は、成長の証だから気にするなという。 物忘れなんかは、気にするなそれは、認知症ではないただしアルツハイマーは別だという。 つまり老年に差し掛かったら、やりたいようにやってよろしいというスタンスなのだ。 検診の数値など気にするなそんなことに汲々してつまらない人生を過ごすなとなると、老人に対する応援歌だ。 そもそも現役ではない。 今の仕事は、まあいわばボランティア的なものだ。 現役に混じって現役のふりをしてもしょうがない。 そういうことに対する警告なんだろうな、体の不調は。 そういう潮目に今私はある。 それを否定できない。 無理はせずゴロゴロしなさいと本書はいう。 そういう時が来たのだという自覚も必要だ。 だからといって卑屈になることもない。 私は私だ。 今の私はこうだ。(12/2記)
2025.02.20
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こわれもの【電子書籍】[ 浦賀和宏 ] 作者は、有り余る才能を発揮できないまま志半ばにして逝ってしまった。 本作ものらりくらりとしているうち最終盤を迎える。 最終盤まで読まないとこの謎は解けんぞ的な作風である。 話の軸に予知能力があるものだから、サイコスリラー的な小説だ。 その予知能力を持っている小母さん神崎について本作の主人公である漫画家陣内は、彼女の超能力を固く信じる。 そこが本作の味噌である。 登場人物は、神崎の娘、陣内の婚約者、陣内を付け狙う男、その愛人、彼女は陣内の助手に採用されてしまう、助手の細野、担当編集者、そして陣内の多くのファンだ。 かなりの筆力を持っているから、読み手は、最後まで息つく暇もなく読了してしまう。 しかし問題の最終盤が消化しきれない。 こんな最終盤でいいのだろうかという疑心暗鬼に苛まれてしまう。 朝ドラ理論では、追いつかない。 どんでん返しがミステリーのお約束だと思っている向きには、たいへん楽しめる作品だ。 しかし仔細にミステリーとして評価すれば、少なくともこの話の大きな軸である予知能力についての説明不足が否めない。 警察が出てこないのだが、少なくとも死体が出れば、警察は、それが事件なのか事故なのかはきちんと捜査する。 冒頭の交通事故は、最終盤にどんでん返しとなるが、警察は、単なる事故で片付けるわけがない。 ビルの飛び降りもあまりにも安易な話だ。 つまりだ、作為があれば、予知は、完成する。 それくらいは、ミステリーリーダーにとっては、全部みろっとめろっとお見通し状態だ。 長々のお話本当にご苦労さまでしたということになる。(12/1記)
2025.02.19
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ただ一人の幻影【電子書籍】[ 森村誠一 ] 私は、森村は、本当に素晴らしい作家だと本作を読んで思った。 23年に亡くなったのだが、その10年くらい前のあの超強大地震の後に書かれた短編集である。 森村の作品には、必ず、テ、があるから、それでホッとするのだが、今回は、それ以上に円熟した彼の世界が凝縮されていたなと思った。 いわば、それは、ミステリーという枠から離れた、モリムラ、という独自の世界を作り上げたという感じだ。 このことは乱歩にも正史にも清張にも言えることであるが、森村は本作でさらにその一歩先の、モリムラ、という世界にたどり着いたのだ! さて本作は、8作の短編からなるが、その底流に流れているのは、あの大東亜戦争の記憶、戦後10年あたりの東京での大学生活、登山、恋愛である。 森村は、小説家としてそれらの記憶をただ捻じ曲げることはしないで、ひたすら登場人物の応援団としてその応援側が勝つような仕組みを作り上げた。 だから、応援者は悔しい思いをしない。 結婚詐欺の話では、詐欺を仕掛けられた新婦の方も詐欺師だったなどという大転換があるが、それは、ミステリー作家の性そこを除いてもストーリーとして十分通用する。 小さい頃のいじめに対する考えも今の子達とは違って徹底して復讐することに挑む。 復讐される方は最期の灯明に向き合っていたなどというのは、いかにも、モリムラ、だ。 DVに関するエピソードは、東野の容疑者Xを彷彿とさせるものだった。 となると森村が先でしたなあ。 それにしても世の中は、これで終わりということがなく次から次へと災害やら大事件が続く。 超巨大地震でおしまい、などということはないのだ。(12/1記)
2025.02.18
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正義の天秤 毒樹の果実【電子書籍】[ 大門 剛明 ] 警察官による薬物犯罪の捏造は、まず当該警察官が所持罪に問われるものじゃないのか。 その危険を冒してまでかような現代の監視カメラ社会においてハブのパケを車の中に隠すだろうか。 明らかに被疑者が使用した場面は、何の手も加えられていないのだから、そこを押して捜査を進めるだろう。 本シリーズを通じて法曹界を一生懸命書いているけれど、本件薬物犯罪で強制採尿する際の令状は捜索差押許可状だから誤りなきように。 つまりこの種の小説を書こうとするならば、法曹界やら警察やらをしのぐ法律の知識が必要だということだ。 騙されやすい読み手からすれば、アリバイが成立してさらに真犯人が自首してきたことで無罪予定の被告人がもっと人を殺すと述べたことに関し、このシリーズをずっと通して出てきた高野弁護士弁護にかかる高野弁護士の恋人殺人者を忘れるようなことはないと思うけれど、その前アリバイ証言を翻した証言者の存在があってそっちに目を向けさせられたな。 これも叙トリか。 いずれにしろ本作のように実に複雑な事件よりも単純な事件の方がけた違いに多いわけでとすれば、本作を読んで法曹界司法界がこんなものなのかなんて思われてしまったら、次代のエースが育たないのではなかろうか。 いずれにしろ無罪を勝ち取ることは、実に難しいことだ。 捜査側は、有罪の確信をもって逮捕起訴しているのだから。(11/29記)
2025.02.17
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遺書配達人【電子書籍】[ 森村誠一 ] 森村の場合は、型がしっかりできているから、すぐ彼の作品とわかる。 しかも本作は、短編集だが、棟居がきちんと出ているからな。 私は、森村の作品については、テ、という表現をしているが、本集でも飽くなき、テ、が出てくる。 交通事故、微物鑑識、山。 そして生前は写真俳句にも力を入れていた。 だから本集の作品にそれとはなしに俳句も配されている。 森村の書いた俳句の本を読んだ。 彼は、添削をよしとしない孤独のハイカーだ。 本作で、 どこにも行くところがないという身は、つまり、社会から求められていないという疎外感となる。 定年直後は、長年ご苦労さまでしたと家族も大切にしてくれたが、毎日、家でごろごろしている夫と父親を見る彼らの目が冷たくなったように感じられる。 山形のひがみかもしれないが、もはやなにも生産せず、家族になにももたらさない夫や父親は、粗大ゴミのように見えるのではないだろうか。 山形は家の中に居たたまれなくなって公園や図書館に出かけて時間を 潰したが、とても潰しきれない。 山形は平均寿命までの膨大な時間をおもうと途方に暮れた。 朝起きて、今日はどのようにして時間を過ごそうかとおもい悩む。 リタイア後、したいこと、行きたい場所はおおかたし尽くし、行き尽くして、なんの当ても予定もない。 同時期にリタイアした友人は、『歳時記』を持って一日中環状線に乗っていると言った。 山形にはとてもそんな真似はできない。 卵を産まなくなった鶏は 潰しが利くが、生産性を失った働き蜂は、どこにも居場所も行き場所もなくなってしまう。という記載があった。 このことは、和田秀樹も同様のことを書いている。 つまりだ、ボランティアでも低給でもいいから、人との交わりが必要なのだということだ。 それにしても齢68にして途端にガタついてきた。 とにかくできるだけ私を雇ってくれる組織には、まだまだ貢献したいのだが、こうなると、私と体の我慢比べ競争なのかもしれない。 とにかく脳が錆びつかないようにブログアップだけは、欠かさないようにしたい。(11/28記)
2025.02.16
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いつかの人質【電子書籍】[ 芦沢 央 ] よく描かれた作品である。 物語性が非常に高い。 だから、 物語に感情移入できる。 そしてそれは、 読み手の勝手なのだが、出てくるキャラクターに関して好きにもなれるし嫌いにもなれる。 この作家の作ったキャラクターは、嫌いだから、私は、まだこの作家をこのブログのカテゴライズにはしない。 この段階でまだ小説のカテゴリーに入れている。 本件に関しては、動機はあり機会もしっかりしており方法もそれほど難しいものではない。 警察の動きも微に入り細に入り描き切っているし本作においては、 刑事法を論議する余地もなくそして何より物語性が実に高いのである。 宮下愛子という女性が失明したのだが、それは、誘拐事件にはならない誘拐のような事件で過失で階段から転げ落ちて失明したものである。 その後立ち直る。 両親はその育成にまるで腫れ物にも触るような感じのだ。 それはそうだろう。 親が一緒についていての出来事だったのだから。 そして題名を見てわかる通りこの子がまた中学生になってさらわれるという話なのだ。 しかし斬新ではないか。 なかなかこういう発想には至らない。 だから、ある意味この作家は、ミステリー作家として優れたものを持っているのではなかろうかと、期待しつつ先に述べたように出てくるキャラが好きじゃないのでまだカテゴライズしていないということなのであるが、おそらく近い将来この作家のカテゴリーができていることだろうと、私は、想像する。 とにかく面白かった。(11/28記)
2025.02.15
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安倍氏殺害犯と日本の闇 統一教会、CIA、米国共和党との恐るべき関係 橘結城 とにかくこれら3冊に関しては、刑事司法とりわけ検視、解剖の点ででたらめが多く信用ならない。 一事が万事この調子であり、その嘘を一体どこから持ってきたのかと言わざるを得ない。 ただ安倍氏が暗殺された背景に関しては、この本では、イルミナティ、前読ではハリー・S・トルーマンそして伊勢谷は、WGIPとしている。 それらは、たしかに深部ではつながっている同根である。 戦後レジームからの脱却は、またこの暗殺で遠くなってしまった。 私が役にも立たない一冊も含めて読んだ安倍氏暗殺シリーズの本では、そのバックが我々日本に対して大きな口を開けて牙をぶんぶんうならさせているということだ。 それは、まちがいのないことだ。 今回の暗殺が山上一人の犯行でその動機が統一教会にあるとするのは、ここまで読み進んでくると、それは違うという点が見える。 安倍氏の死体の状況からどうやら弾丸は、山上の銃から撃たれたものではない。 これに関しては伊勢谷がかなり詳細に書いている。 この段階でいったい誰がということは、わからないけれども背景がはっきりしてきた。 反日云々の問題ではなくて実は、イルミナティによるWGIPによって我々は、化かされていた。 今こそ目覚める時だ日本人は。 しかしそれにしても安倍氏は、なぜこのことを明らかにしておかなかったのだろうか。 もはや今や日本の政治経済は、ガタガタである。 復興させられてまたドツボにはめられている。 反日は、ベクトルが違う。 現に大東亜の国々の人々は、今も日本を尊敬してくれているというじゃないか。 その辺に日本の活路があるような気もする。 もはや米国の言いなりでは成り立たない。 この安倍氏が主張した「戦後レジームからの脱却」は、今の日本の喫緊の課題である。(11/26記)
2025.02.14
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元首相暗殺の黒幕 ベリー西村 ようするに 猿(日本人)を「虚実の自由」という名の檻で我々が飼うのだ。 方法は、多少のぜいたくさと便利さを与えるだけでよい。 そしてスポーツ、スクリーン、〇〇〇(3S)を解放させる。 これで真実から、目を背けさせる事が出来る。 猿(日本人)は、我々の家畜だからだ。 家畜が主人である我々のために貢献するのは当然のことである。 そのために我々の財産でもある家畜の肉体は、長寿にさせなければならない。 (化学物質などで)病気にさせしかも生かし続けるのだ。 これによって我々は、収穫を得続けるだろう。 これは、戦勝国の権限でもある。(ハリー・S・トルーマン) というのが大東亜戦争の米国のスタンスであり、それ以前もそしてそれ以後も今も変わらぬ米国の考えだということ。 そのことを安倍氏は、とっくの昔に見破っていて「戦後レジームの脱却」という名称で果敢に挑んでいたこと。 だからその利益の逸失を危ぶんだ米国のイルミナティが早急に手を打ってきたということ。 それがあたかも真実のように語られてはじめて来たということ。 いずれにしろこのシリーズつまり安倍氏暗殺のなぞ解明シリーズは、前読伊勢谷武に収斂されると言って過言でない。 この一冊も含めた他の三冊は残念ながら力不足を否めない。 前の杉原光将にあっては、歯牙にもかけられない為体だ。 売れればいいと思って無責任なことを書くのは、いかがなものか。(11/26記)
2025.02.13
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安倍氏銃撃事件徹底分析 杉原光将 前読伊勢谷武の本に継いであと3冊kindleUnlimitedで安倍晋三氏暗殺に関する本を読んだのだが、伊勢谷ほどしっかり話を紡いだものはなかった。 特に本書は、ひどいものだった。 本書の評価は、うそつきの最低本。 本当にこれだけの中身のない薄っぺらな本は、読んだことがない。 本書の主張は、警察が恣意的に安倍氏の暗殺の真相を隠蔽したというものだ。 安倍氏暗殺の真相を語ることはなかった。 だから、題名だけで人は飛びついてしまうということになろうか。 そもそも警察がこんな著者のいうような誰の目にも明らかなミスをするものか。 論旨がその点から抜け出さないためたとえば、他の同様の本で安倍氏が戦後レジームからの脱却を画策したなどの仮定も出すこともなくたった41ページの作品は、何の根拠も示さず終わってしまった。 警察がいい加減な捜査をしたのならそのことをきちんと証拠を入れて主張してほしかった。 そしてその結果がどうだったのかを書かなければ、本書のような作品は、意味がない。 日本の司法がその威信にかけて少なくとも安倍氏の検視解剖に関しては、一寸のスキもなく実施したはずだ。 それを根っから何の根拠もなくただの想像で書くんだから、なんと浅薄な。 少なくとも安倍氏暗殺に関しての他の3冊はよろしいとしてこの1冊は読むに値しない。 読むだけ無駄だとあらかじめ警告しておく。(11/26記)
2025.02.12
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銃弾の真実 アベ元首相暗殺の謎と隠された歴史の闇 伊勢谷武 楽天には、入ってなくてがっかりした。 本作は、kindleunlimitedで読んだ。 610ページもの大作だった。 先の安倍晋三(本作では阿部信三)元首相暗殺事件は、疑惑の銃弾がありあるいは、発見されず従って山上一人の犯行にあらずという観点から話が派生し安倍さんが生前話していた戦後レジームの脱却の真の意味がWGIPからの脱却だったという真相に行きつくまでの話だった。 本作を読めば、アベさんの死因は、ともかく昭和8年から同32年までに生まれたWGIP世代がいかに日本をぼろぼろにしてしまったかということがはっきりわかる。 作中サヨクの若い女性記者を議論の末転向させるというのは本作の花だったね。 結局ルーズベルトの策略に日本はやられたということだ。 あの原爆2発がなぜ日本に落とされたかの真実が本作では、読み手にしっかり迫ってくる。 結局日本はアメリカの掌中で踊らされていた孫悟空だったのだ。 そもそも日本に原爆を落とす必要性はないというのが米国幹部の判断だった。 それが非道にもルーズベルト、フーパ―の線で落とされ終戦を迎えた。 それからがWGIPの大活躍だ。 私たちは悪い国民だ、侵略者だとさんざん脳裏に刷り込まれ今まで生きてきた。 しかし東南アジア諸国の考えは違う。 今回の大東亜戦争は、白人の有色人種植民地生活からの日本による解放だったのだ。 もう太平洋戦争なんて言うまい、語るまい。
2025.02.11
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色悪党【電子書籍】[ 安達瑶 ] 安達瑶は、安達Oと安達b の合作作家だ。 Oが男性bが女性だそうだ。 本作は、エロ小説だ。 それ以外の何物でもない。 安達瑶という作家がかつては、こういう作品も書いていたんだなということがただわかる作品だ。 かつてこういう作品を書いていたらからと言ってなにもミステリーを書いてはいけませんというわけではありませんから…。 でも安達瑶がミステリー作家だという前提でこの作品を選んで読みだせば、えっどこにミステリーがあるのだと、かなり脳がうやむやぐちゃぐちゃになってしまうことは、間違いのないことだ。 要するに本作の話は、高校時代のいじめ被害者の復讐譚。 そこに様々な性的表現が出てくるものだから、なんだこの作家は、工口作家かと、言いたくなる訳だ。 又私のように先に降格警視シリーズを読んだ者からすれば、安達は、昔こういう猥褻なモノを書いていたんだなと、その沿革を思った。 しかし私にとってそういう沿革は、不必要なもの。 私に必要なのは、上質なミステリー。 そして読書家の私は、いつのころからか完読主義者になったものだから、本作も読了した。 結局中味のないエロ小説。 謎の美女は、同じクラスの同じような体型の女の子。 大体そんなこと全部みろっとめろっとお見通しじゃないかってえの、こんちきしょうめ!悔しい!!!(11/21記)
2025.02.10
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新装版 ジェネラル・ルージュの凱旋【電子特典付き】【電子書籍】[ 海堂尊 ] 救急救命棟にドクターヘリをと念じつつその独特の哲学でICUを仕切る速水の話。 今回は、あの白鳥もそれから田口も前に出てこない。 問題は、その指揮権だ。 速水は、明らかに越権している。 しかしそれは、誰もが認めていること。 そうしないと、人命が救われない。 そういう中で速水に賄賂授受容疑が誰が書いたかわからない投げ文でかかる。 速水は、それを認める。 ただし彼は、受け取ったが私用には使っていない。 すべて病院のICUのために使用したという。 ということで本作では、エシックスなどの聞きなれない言葉が登場し意味もとれぬままあたふたとしながら読み進む私だった。 何しろミステリーとかサスペンスというのがない。 ガチの医療小説だ。 このせわしない現場は、経験者でなければ、書けない。 だから、医療小説は、面白い。 なぜなら、知らない世界の人たちがあれよあれよと動き出すからだ。 そして海堂尊は、一人一人のキャラクターをうまく表現する。 だから、私は、脳内に鮮やかにそのシーンがよみがえるのだ。 誰が犯人だなんて心配は、この小説では、何もする必要がない。 だがその心配を海堂は、きちんと主張する。 誰が告発者なのかということだ。 でもそんなことは、どうでもいいことだ。 結局速水は、好きな看護師と北海道に3年間行くことが決まったのだった。(11/18記)
2025.02.09
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赤い蛍は死の匂い【電子書籍】[ 日下圭介 ] ミステリーこうあるべしという見本だった。 たしかに日下の文章は、読みづらい。 しかしそのトリックは、よく練られていて見事だ。 本作では、手紙のトリックが使われた。 手紙の消印で腐乱死体の死亡推定時間を警察は割り出した。 その結果見事なアリバイ工作が成立した。 日下の文章が読みづらいのは、文章が美しくないということと一つの話に次から次へとトリックやら伏線を詰め込むからだろう。 だから、読み終えると、えっこの話は、一体何だったのだという気分になってしまう。 そもそもこの小説からは、2〜3個の話がさらに作れるもの。 ところで本作は、平成10年ころの作品だ。 私達の年代には、スーッと通る話もいわゆる令和世代にはちょっと理解しがたい麺もあったのではなかろうか。 本作の肝である手紙のトリックなど手紙を書かない世代には一体全体なんのことやらということではないのか。 尤もそんなこと私が心配することではないが…。 総じて本作は、上質なミステリーだった。 現代のミステリー作家は、少なくとも本作をきちんと読みこむべきだ。 そうすれば、ミステリーの何たる火が分ると、私は思う。(11/17記)
2025.02.08
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ボケずに大往生【電子書籍】[ 和田秀樹 ] つい最近までこの種の本を読んだことはなかったが、 このところ立て続けに読んでいる。 ゆっくりと私にも老いが忍び込んでいるということが多々あるからだ。 そもそもこの本を書いた和田秀樹は、私と5歳くらしか違わない。 彼は、もうすでに60の齢を超えている。 前読の和田の著書では、自分でやりたいことをどんどんやれば良い前頭葉を活性化しろという風な論調 だった。 本書は、同じ人が書いた本 なのだから本の論調は変わりはない。 今回は、せっかく精神科医が書いた本だから、認知症についての知識を抜き書きしておこうと思う。 まずその予防法について。① 生活習慣病の予防・治療 認知症になりやすい原因として過度の肥満、高血圧、高コレステロール、糖尿病といった生活習慣病が大きなリスクファクターとされています。 ただし、多くの医者が当然のように主張している説には多くの問題点があります。 とはいえ、適切な予防と治療が認知症発症を防ぐことを意識することが大切です。② 運動 運動は前頭前野をはじめとする脳の組織を刺激することが明らかになっています。 ウォーキングなどの軽度の運動を習慣化している人は、していない人と比べてアルツハイマー型認知症のリスクが3分の1になるという研究結果も出ています。 また膝、腰などの不調によって外出頻度が低下し、それが認知症につながるケースも多いのですが、運動は膝、腰などのメンテナンスにも欠かせません。③ 食事 日本の高齢者の「タンパク質不足」がしばしば指摘されていますが、最近のデータでは 70 歳以上の高齢者の5人に1人はタンパク質が足りていないというものもあり、肉類、魚類の日々の摂取が重要です。 また、認知症予防には脳内の神経伝達物質の「セロトニン」を増やすことが重要なのですが、セロトニンの前駆体となる物質は腸で作られます。 したがって腸内バランスの維持に不可欠な野菜類、海藻類、発酵食品などの食品摂取も重要になってきます。④ 好きなこと、趣味を続ける 脳を元気にさせ認知症を予防するには、脳が喜ぶことを継続することが必要です。 それには「好きなこと、やりたいこと」を趣味にするのが最も効果があります。 「他人より上手くなろう」「いい点数を出そう」といった競争心を持たず、楽しさに徹することが重要です。⑤ 人とのコミュニケーション 高齢者が家に閉じこもってしまうことで起こる最大の弊害は、他人と接しないことに尽きます。と書いている。 これらのことは、自分にとっては、当然のことなのだが、この5項目のどれかが失われば、認知症の坂を転げ落ちることになるのだろうか。 その認知症で一番多いのがアルツハイマー型認知症である。 アルツハイマー型認知症では、このような記憶障害から始まって、通常は徐々に症状が進行してきます。 症状が現れて4、5年以上経過した中期では以下のような症状が出てきます。・日時の感覚が曖昧になり、現在と過去の区別がつきにくくなる。・服装がルーズになり同じ服を着たり、季節に合った服が選べなくなったりする。・同じ商品を大量に買ったり、家にあるものを重複して買ったりする。 これらの症状が出る前に、当然、医師の診察を受けるべきですが、末期になるとさらに症状は以下のように深刻化してきます。・一人で着替えができなくなる。・言葉の意味が失われ、会話が成り立たなくなる。・着替えや入浴を 億劫 がり、勧めると怒り出す。・家族の名前や顔が区別できなくなる。・食事の介助が必要になり、歩行が覚束なくなる・これまでと別人のような性格になる ということだ。 それで人は、様々なパズルを始めたりするのだが、そのことについては、和田は、否定的だ。 好きでもないものを無理してする必要はないというのだ。 とにかく脳が喜ぶことを率先してやれというのが和田の主張である。(11月16日記)
2025.02.07
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汚れた手をそこで拭かない【電子書籍】[ 芦沢央 ] さてこの手の作品を何て呼べばいいのだろうか。 心理サスペンスとでも呼ぶのかな。 私は、この手の作品は、ミステリーではないと思う。 しかしながら、 その心理面の揺れがとても面白いものに仕上がっている短編集であることには、間違いない。 例えば、 教員が過ってプールの水を抜いてしまいそれを補填しなければならない危機に接した時に取る対応策とか長い間脚立から落ちて死んだ人について自分に責任があるのではないかと思っていた男の話などいずれも普通のミステリーでは考えられない軽い話なのだが、 本作では、見事に充実した話に仕上がっている。 認知症の妻がだんだんだんだん悪くなっていることを短編で表現した点は、かなりの高評価だと私は、思う。 老人といえば、 認知症。 認知症といえば、 真夏の熱中症。 電気代がもったいなくてクーラーもつけないから、熱中症で死亡するのだなどということも今や常識にはなっているけれども本作では、なんと盗電がその裏側にあってその結果過電流が流れて盗電されていた家のブレーカーが落ちてしまったということから、 エアコンが効かなくなったという風な話もある。 先のプールの話では、プールの水を抜いてしまった教師以上に頭の回る先生がいて彼は、 競馬狂なのだが、それですった金を補填金でごまかそうなどということを考えている。 この辺の思考は非常に優れていると私は、思う。 それから、アイドル男子からちょっと太めの女の子が声をかけられて肉まんなどと言われて肉まんを頬張ったというエピソードについては、 この子が吐露した話が本当のことだろうと私は、思う。 そういうのは、 価値観の多様化というものであってアイドルから声をかけられたから、 舞い上がってしまうような人は、そうはいないということになるのではなかろうか。 その辺の人間観察が見事な作品だったと私は、思う。(11/14記)
2025.02.06
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正義の天秤【電子書籍】[ 大門 剛明 ] このシリーズ先にアイギスの盾を読んでいた。 といってももうどんな内容だったかは忘れた(今日、何読んだ? 240817)。 ただ本作は、アイギスの盾の前に読むべきだった。 鷹野という医師免許を持った弁護士の由来がわかるからだ。 本作を読むと、師団坂法律事務所というのは、実に大きな弁護士事務所だということがわかる。 そこに乗り込んできた鷹野が徹底した大鉈を振るいリストラを完工してしまう。 ただしルーム1だけだが。 残された者達は、小説になりやすい個性的な面々。 彼らが冤罪やら司法取引やら様々な争点を抱えた難事件に立向かう話だ。 鷹野というのは、ある意味作者の等身大なんだろうな。 刑事法あるいは刑事裁判に対してかなり批判的な人なのだろう。 世の中にこんなに多くの冤罪があってたまるものか。 そもそも警察捜査の段階で有罪にするだけの証拠が揃わなければ、警察の幹部は、ゴーサインを出さないだろうしその場合は、必ず検事と調整するはずだ。 話を変えてしまうが、本作はミステリーと呼ぶわけには行かない。 そもそも全部後出しだもの。 ミステリーというのは、動機、機会、方法、警察組織、刑事法、物語性、そして伏線回収があってなんぼのものだ。 それらがほぼ見受けられない本作は、ミステリーとは、到底呼べない。(11月14日記)
2025.02.05
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定年後の20年はこう愉しみなさい【電子書籍】[ 鈴木啓三 ] なにしろ1993年の本。 30年以上前の代物だ。 結局その30年前には、定年退職後というものについて深く考えられることがなかったんだろうな。 いわく今でいう認知症予防については、◎ ボケ予防5つのポイント 1 感動する心を持ち続ける 2 感謝する心を持ち続ける 3 趣味を持つ 4 社会性を失わない 5 目標に向かって努力するということである。 そのうちの趣味については、 1 スポーツ 2 趣味・創作 3 娯楽 4 観光・行楽を上げる。 私には、スポーツは、水泳とウォーキング、趣味・創作は、料理、ピアノ演奏、ギター弾き語りがある。 また娯楽は、2NKと称して妻と一緒に仙台を中心に飲み歩いている。 ちなみに2NKというのは、2人の飲み方研究会の略称だ。 観光・娯楽は、妻と京都旅行を楽しんでいる。 別にボケ防止とか老化予防とか老いてしまったからと言って上記のような趣味を持ったわけではない。 大体現役時代からやっていることなのだ。 やはり今の高齢者と呼ばれる方々は、昔書かれた本によるべきではないのかなと、本書を読んで思った。(11/11記)
2025.02.04
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六人の嘘つきな大学生【電子書籍】[ 浅倉 秋成 ] 久しぶりに小説を読んだ。 さてこの作品は、果たしてミステリーと呼べる代物なのか。 トリックはありましたな。 かなり練り上げたトリックだった。 おっとその前にこの作品の概要を説明しなければなるまい。 本作は就活のうちの最終段階つまり何回かの試験や面接の結果残された六人の話だ。 彼らが最終段階で議論をしてそこで内定者が出る仕組みなのだが、なんとあの超巨大地震がやってきて最終的に一人だけが内定となると変更されてしまった。 そこに怪文書現る。 その犯人が誰なのかということ。 つまりWho done it?と言うわけだ。 でも人が殺されたり物が盗まれたりするという具体的な犯罪は存在しない。 だから警察も刑事法も不要というわけだ。 そうすると残されたのは、動機、機会、方法、物語性、伏線回収ということになる。 本作の前提は、集合した六人のうちの誰かが犯人ということ。 この大前提は覆らない。 犯人は、一人なのだが、さらに本事件の解を解いたのがひとりいるということ。 最初の語り部は、途中悪性リンパ腫で死んでしまう仕掛けもある。 本作における動機は、当該会社に入りたいこと、機会は特に詳らかにされていないが、方法は、怪文書を六通作ってそれぞれがその封筒を開けることによって誰かの過去が暴かれるということなのだった。 その結果いじめの加害者だったとか詐欺商法の片棒だったとかキャバレーにつとめていたとかの事実が次々に判明し、その写真は証拠品として提示されるが、その写真には同一の傷がついていることから同一のカメラから撮られたものではないかという推測に至った。 撮影日時があって、どうやら同日の近接時に撮影されたものだということがわかる。 ここからがお粗末な事実の開示になるのだが、例えば慶応のキャンパスは、三田だけじゃないから、この写真を撮影することは不可能だったとか、酒飲みでない人が酒の種類を知らないなどのつまらん仕掛けで犯人はお前だということになるのだけれどそれにしても今風の話今の子は、こんなふうなつまらん話を喜んで読むのんかねえ。 あーあだ。(11/10記)
2025.02.03
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ぜんぶ、すてれば【電子書籍】[ 中野善壽 ] 中野善壽という人は、実業界では名にし負う有名人らしいけれども私は、この本で初めて彼に出会った。 最終的には、 寺田倉庫という会社の CEO だったらしい。 始まりは、 伊勢丹であった。 先輩と喧嘩して同社を辞めてから、実業界を漂流したらしい。 行く先々で企業経営に成功したらしいということ。 なぜ人の言うことを聞かないかというと、自分の考えていることが正しいしそれに基づかないと世の中がつまらなくなるという哲学があったからな のだ。 例えば 小学校時代の野球で大量点差で負けていた試合で監督からせっかく出してもらった試合でバントのサインが出たのに空振りを2回もしてしまう。 そして 監督に逆らう。 逆らって言う。 こんな場面でバントはないでしょうと。 結果ビンタを張られそのチームではその後1回も試合に出してもらうことはなかったそうだけれどもそういう生一本なところが 彼にはある。 本書は、断捨離の本とも言えよう。 その根本には、 「捨てる」ことについての話を進める前に。 僕は捨てる以前に、モノをできるだけ「持たない」ライフスタイルを選んできました。 家は台湾に一応ありますが、賃貸暮らし。 家具もごく限られた最小限のものだけで、 日本で仕事をするときには、ホテルなどに滞在しています。 クルマもなし。 高価な腕時計にも興味はなく、 仕事の打ち合わせを時間内で終えるための液晶時計が一つあれば十分です。というようなことがありさらに鞄 さえも 鞄の中に入れるのは、下着と靴下、iPad、家の鍵、眼鏡くらい。 出張先での服は現地で調達する。 どうせ一カ所の滞在は長くても三泊四日だから。 あとは携帯電話、小さな財布、薄い手帳、 渡航に必要な貴重品を忘れないようにするだけ。 鞄を一つだけと決めて、サイズをコンパクトにするだけで、 自然と持ち物は減ります。 たくさん入らないから、数を絞らざるを得ない。 もしも鞄を二個も三個も持って、大きなトランクまで引っ張るとなれば、 入る分だけモノを詰め込もうとしてしまう。というものらしい 。 彼は、空海を信奉しておりそれで 朝からせっかちに過ごす僕ですが、 どこにいても出かける前に欠かさない習慣が一つあります。 お祈りです。 お祈りといってもささやかなもので、手を合わせて自分自身に誓うもの。 自分の名前と住所を言って、「今日もがんばります」と。 そして、「明日 迄 の食べ物はいただいているので、 資源をさらに増やせるように精一杯がんばります」。 最後に、「お導きには従います」。 この三つを必ず口にするんです。 持てる力を尽くして、流れには逆らわない。シンプルな信条です。 きっかけは、自己啓発系の本を読んで影響を受けてですが、 二十五歳くらいから五十年以上継続しています。 単純なものですが、「自分に祈る、自分に誓うっていうのはいいな」 という実感があるから、ずっと続けています。 ものごとがどうしてもうまくいかないときは、自分自身に負けているとき。 自分に負けないためにも、毎朝誓って姿勢を正すことが大事です。 だから、遅刻しそうだとしても、絶対に省きません。というような日常も醸し出しているということだ。 参考にはなるけれども私は、この人の生き様は、真似できない。 やはり本とというものは、何の役にも立たないというのが結論だった。 そしてその役に立たない本を次から次へと捨てるのが彼であり 役に立たなくても本はきちんと 残して 取っておくというのが渡部昇一流であってそれに信奉した 私も右ならへなのである。(11月9日記)
2025.02.02
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美しきイタリア 22の物語【電子書籍】[ 池上英洋 ] しかしさあミステリー読みを休んでこういう本ばかりを読んでいると、ミステリーとこういう本の差は歴然としているなあと分かる。 立花隆がよく書いていた。 ミステリーに時間を取られるならば、 少しでも多くの本を読んで知識を身に着けたいと。 そういう彼の哲学か痛いほどわかる。 そしてこのような人生論あるいは旅の話歴史の話科学の話を読み継いで行くと、その事実のほんの切れ端でも小ネタとして頭に残るのだ。 ミステリーにはこういうことは決してない。 だから、 ミステリーをやめて立花の言うようにそれ以外の本に回るかと言うと、そんなことは決してない。 何しろ私は、ミステリー リーダーなのだから。 さて気になったところをつまみ抜き書きしたのでそれについてちょっと解説してみよう。 まずサンタクロースだ。 北欧のイメージが強いサンタ・クロースだが、前述したようにもともとはトルコに起源があり、その後イタリアで育まれた伝説をもとにしている。 聖ニコラが贈り物をしたという他愛のない話だが、贈った相手は子どもというより適齢期の娘たちで、可愛らしいプレゼントでもなく結婚のための持参金という、現実的で切実な問題がからむ話だったのだ。 という話で北欧の話ではないことこの本の主題であるイタリアが中心になっているということ隣の人があまりも貧乏なのでそれをに金子を恵んでやったということが元の話 らしいけれどもこんな話しても誰も喜ばないだろうなと私は、思う。 この本の中心は、ローマ帝国だ。 ローマ帝国の宗教は実は多神教 だったということなのだ。 それが徐々にキリスト教となっていくわけだが、そのキリスト教に帰依した女性の話。 激怒した総督は彼女を牢屋に入れ、棄教させるべく拷問にかける。 ところが彼女は責め苦をうけながらも嬉々として、これは大きな喜びであると語る。 同書は比喩表現に富んでいて、ここではアガタは自らを麦にたとえ、麦はよく突きつぶしてもみ殻を取ってからでなければ収穫できない。 それと同様に、自らの魂も、刑吏たちにさんざん肉体を切り刻まれ、さいなまれてから、ようやく楽園に入ることができるのだと説く。 この一節は、キリスト教における「殉教」に対する一般的な理解をよく教えてくれる。 そもそもキリストからして、自らの肉体を犠牲にして磔にされることで人類の原罪を 贖ったという出発点をもつ宗教である。 そのため信徒たちは、自らも同様に犠牲になることを受け容れやすいのだ。 禁教時代の殉教者たちの勇敢な死に方には、もちろん後世からの誇張がおおいに加えられているだろう。 しかし、闘技場などで猛獣の餌にされるような残酷な刑死を遂げるにあたって、信徒たちが見せた態度のなかに、それまでローマ市民たちが目にしたことのないパターンのものが混じっていたことも確かだろう。 そのことは、禁教時代の迫害の激しさに反比例するように信者数の増加が見られた要因のひとつといえるだろう。 これほどの固い信仰を持てるというのは、当時のローマ帝国にあってあるいは、 ヨーロッパにあってキリスト教というものの 魅力が多々あったということなのだろう。 私には、よくわからないが。(11月9日記)
2025.02.01
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ゲゲゲのゲーテ【電子書籍】[ 水木しげる ] 最近老いてからの本を立て続けに読んでいるが、本作もまた老いてからの水木しげるにインタビューしたもので彼がゲーテの愛読者であることから、そのゲーテの語録とともに水木サンの語録も付け加えた形のつくりになっている。 その老いに関する本の多くがまずは、インプットよりもアウトプットと主張している。 そもそも読書の後どれだけ頭に残っているかということ。 すなわち記憶としてどれだけ残っているかということなのだが、それはほとんどないと言ってよい。 それが私の本業であるミステリーともなるとほぼ百%記憶にないといって差支えない。 だから無理して覚えようとせずとにかくアウトプットしろというわけだ。 さて件の水木サン貧乏や戦争でかなり苦労したもののその本質は自由人ということだ。 気に入らないものは好きになる必要がないとは言うし、辞め時もいいしとにかく無理せず自然流というのが彼の真骨頂なんだろうな。 だから、 『河童の三平』は、もともとは紙芝居として描いたもので、自分自身でも楽しく、あまり苦労もなく、受けもよかった。 そこで、続編をやれということになり、「より 面白くしてくれ」という注文に応えて、人間の居ない山奥に住んでいる河童の集団を都会に出してしまったところ、収拾がつかなくなって、あわてて終りにしてしまいました。 やはり創作というものは、誰がなんといおうと、強い気持ちで、わがままに自分の楽しみを追い求めるべきなんです。 その行為が金銭的に報われるほうがいいに決まってますが、結果の善し悪しには運がつきまといます。というもの。 芸術家は自分が納得しなかったらダメだということ人の入れ知恵でも駄目だということなのだ。 水木サンは、かなり反骨精神旺盛だ。 たかが帽子のことで、稀代のぐうたら生徒ということにされてしまった。 僕は、夜間中学に入れたのですっかり安心していたのだが、日本は、ちょうど日本軍が仏印(フランス領インドシナ)に進駐した頃だったから、全国民が緊張と胸さわぎを感じている時だったのである。 数学の答案用紙に、答えが書けない(即ち、わからない)ので、「アーメン」と書いて提出した。 アーメンというのは「かくの如し」という意味だから、文字通り、 アーメン なのだが、校長室に呼ばれて、「ふざけすぎだ」と叱られた。 僕は、ただ白紙で出すのも愛嬌がないと思って、ユーモアを示したつもりだったが、世の中は、どんどんギスギスした感じが強くなってきた。 これが戦時中のことだから、すごい豪のモノということになろう。 そしてゲーテについては、 人に「ゲエテをどう読んだか」などときかれてドギマギすることがよくあるが、簡単にいえば、父親がたよりなかったから〝代理の父親〟みたいな気持ちで愛読したわけだが、もう一つは、僕は、ゲエテのような生活がしてみたかったのである。 家は四階建てで屋根裏部屋があり、部屋数は多く、美術品がたくさん飾られており、近くには、散歩に適した所があり、ガーデンハウスなぞという別荘がある。 宮殿で美しい女性に囲まれ、皇太子の頭をなでてみたりする。 近所には、シラーという意見の合う友人がおり、家には、ヨーロッパ中の文化人が訪問してくる。 時たま、ナポレオンなんかも戸をたたく。 こんな生活を僕は空想して楽しんでいた。 ゲエテが関心を持ったり体験したりしたことを、僕もできるだけ真似をしてみようとも思った。なのだとか。 父親がダメならその代わりにゲーテの教えを自分のモノにするというその発想が面白い。(11/7記)
2025.01.31
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老いの品格 品よく、賢く、おもしろく【電子書籍】[ 和田秀樹 ] この本の結論は 私はこの本で、こうでなければならないという高齢者像を押しつけるつもりはありません。 それでも一つ心にとめておいたほうがいいと思うのは、 自然に歳をとるにまかせていると、みっともない老人になるケースが多い ということです。 一般的には歳をとるほど、前頭葉が萎縮して思考の幅が狭くなる、不安に振りまわされやすくなる、お金に対する執着心が強まりケチになる、といった傾向があります。 歳をとって大らかになるとか、酸いも甘いも噛み分けられるというのは、じつは自然な老化によるものではなく、そうなろうという意識を多少なりとももっていないとなれないものなのかもしれません。 長年、高齢者と向き合っているうちに、私はそのことに気づきました。 と、いうことである。 誰でも老いるのであり認知症になる。 ただし重症化するのは80になったあたりらしい。 だから、 いずれにせよ、認知症を過度に恐れることはないのです。 ボケの恐怖にビクビクしながら過ごしていても、何もいいことはありません。 認知症予防のために、いわゆる脳トレのパズルなどをやるのも悪いことではありませんが、たいていつまらないので続かないし、続けたとしてもそのパズルの成績が上がるだけで、脳が元気になるわけではありません。 それよりも、くだらない話でもいいから、 誰かと会ってしゃべるなど人とコミュニケーションをとるほうが脳の活性化につながる し、気持ちのうえでも元気になると思います。ということだ。 身も蓋もないところを抜書きしたが、老人は意識して品格のある老い方をすることつまらないパズルを解くよりも人とお話しなさいということがポイントだ。 たしかに体が言う事を聞かず思ったようにいかないことが多くなった。 けれどもこのことで癇癪を起こすなら、もう一度最初から時間をかけてやり直すとか別の方法にチャレンジすることのほうがよほどよろしいということでしょうね。(11/6記)
2025.01.30
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私人逮捕!【電子書籍】[ 安達瑶 ] 本作は、 降格警視に出ていた榊鋼太郎の単独の4話からなる短編集である。 話は、連続しているので1つ1つ章として片付けてもいいのかもしれない。 そうなると、 短編ではなく1つの作品となるのかもしれない。 本作のような事件は、日常発生しているけれども本作のように頻繁に榊鋼太郎のように頻繁に私人逮捕の現場に出会えるということは、勿論小説 だから、このような話を作り上げることができるということであって、一般人は、そうそう事件に遭遇できるわけではない。 それはともかく魅力的なのは、 その四角四面な正義感にある。 その彼も業務妨害容疑事件では、 シェアハウスに住むT大生から論破され這々の体で帰ってくる事件もあった。 しかし本当にT大生だったのかどうかは分からない。 しかも法学部だというではないか。 それなのに本のの一冊もなかったというではないか。 榊鋼太郎によれば、 法律の議論をしていたら、負けるから、這々の体で帰ってきたというのだった。 最終的には、この男は、 幼女誘拐監禁事件の被疑者なのだった。 幼女誘拐監禁 と言うと、どうしても悲惨な場面を思い出してしまうけれども作者は、 そこの部分をオブラートで包んでしまった。 それが安達流なのかもしれないけれどもミステリーとしては、いかがなものか。 私人逮捕するたびに警察が迷惑顔をするというのは半分あたりで半分間違いだろう。 少なくとも彼の活躍によって市井の犯罪は減っているわけだから、警察が表だって臭い顔できるわけがないじゃないか。 それは、毎回毎回彼の私人逮捕に付き合っていれば、何らかの嫌悪感も出ようが、 毎回同じ人が彼に付き合うわけじゃないだろうから、特に私人逮捕してもらって警察が困るようなことはないはずだ。 逆に警察官が不足している今だからこそ彼のような正義感がいて欲しいと願うのが本当なんだと思う。 いずれのエピソードも我々にとって非常に身近な問題でありふむふむと納得しながら読んでいた。 多くのミステリーの中安心して読める作家の1人(2人?)なのかもしれない(12/10記)
2025.01.29
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病気の9割は歩くだけで治る! 〜歩行が人生を変える29の理由〜 簡単、無料で医者いらず【電子書籍】[ 長尾 和宏 ] ようするに歩け歩け歩け歩けば、健康になれると、いう話。 walkingはとにかくいいことだらけなのだ。 まず世の中の老化の慨念から 年を取れば取るほど、誰だって病気や障害が増えます。 膝が痛い、腰が痛い、目がかすむ、耳が遠い、トイレが近い――。 これらは、「病気」というより、「年のせい」です。 でも今は、すでに書いたとおり、こうした当たり前の老化現象にそれらしい病名がついて医療化されています。 病名がつくから、患者さんも治すために病院に足繁く通います。ということ。 ふむ実にシンプルだ。 これなら、体の不具合を歳のせいにできる。 最近新聞広告に夜间トイレに起きるのは夜尿症という立派な病気だというのがあって愕然としたが、そんなこと著者によればあたり前のことということになる。 なんかほっとした。 ただ老化が進んでいるのはまちがいない。 walkingによって運動不足が解消され脳の血流がよくなって認知症も防げるというのがおおまかな本書の骨子だ。 そして効果的な歩き方として著者は 歩くと「幸せホルモン」のセロトニンが脳内で増えるのです。 また、たとえば腕を組んで、手をつないで、肩を寄せて歩くと、オキシトシンというホルモンの分泌も高まります。 これは、出産時に子宮を収縮させたり、乳汁を分泌するときに働くホルモンですが、「愛情ホルモン」ともいわれていて、安心感や幸福感、信頼感を高めてくれます。と、手つなぎ肩よせを提唱する。 妻と一緒ならば、そのように歩きなさいと、いうわけだ。(11/6記)
2025.01.28
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歩くだけで不調が消える 歩行禅のすすめ【電子書籍】[ 塩沼 亮潤 ] 重要なのは その答えは、「ルーティン」 です。 ルーティンとは、日々、習慣的に繰り返す決まりきった仕事や一連の 所作 のことを指します。 世界的に有名なイチロー選手が、バッターボックスに立つ前の動作や日常習慣などにおいて「同じパターンの繰り返し」を大切にしながら自己管理していたエピソードはよく知られていますが、実は、仏教の教えにおいてもルーティンは非常に重要な意味をもっているのです。 約2500年前に、お釈迦様が「同じことを同じように繰り返していると、悟る可能性がある」 とおっしゃいました。 また、 伝教大師 最澄 は「 最下鈍 の者も、十二年を経れば必ず 一 験を得ん」 という言葉を残しています。 どんなに愚かな者でも、 12 年間、一つのことに取り組み続けていると、必ずなにか秀でるものをつかむことができるという意味です。 お寺で修行させていただく毎日は、まさにルーティンの連続です。 朝は5時に起床。 6時には全員で本堂に集まり朝の勤行。 7時から作務(掃除などの雑事)をして──毎日、同じことを同じように繰り返す規則正しい生活のなかで、僧侶としてふさわしい内面を磨いていきます。 では、普通の人も朝起きて、歯みがきをして、食事をして、仕事に行って……と毎日同じことを繰り返していれば、やがて悟ることができるのでしょうか? 残念ながら、漫然と、あるいは嫌々ながら同じことを繰り返すだけでは、悟りの境地に達することはありません。と、ルーティンであると、説く。 そのうち吾々のような凡人がルーティンとして取り入れるべきものとしてウォーキングを著者は上げる。 だから歩行禅なのだが、具体的には◎ ここから、あの岬(1・5キロメートルほど先)までウォーキングで往復します。 海辺を歩いて岬まで着いたら、帰りも同じ道を折り返して、このスタート地点まで戻ってきてください。◎ 往路は、人生のなかで 懺悔 しなければならない過去や日常で人に迷惑をかけたことなど、思いつくだけ思い出してください。 あの出来事、この出来事、自分の罪や過ちをできる限りたくさん思い出して、心のなかで「ごめんなさい」と唱えながら歩いてください。◎ 復路は、人生のなかで感謝すべきこと、ありがたいと思えることを、できる限りたくさん思い浮かべてください。 そして、心のなかで「ありがとう」と唱えながら歩いてください。 ◎ ルールは、絶対に人としゃべらないこと。お友達同士で参加している場合でも、往路、復路とも心のなかでの「ごめんなさい」「ありがとう」に集中してください。 ◎ 往復のウォーキングを終えてここに戻ってきたら、座って坐禅を組みます。◎ いま自分が置かれている状況や、与えられている環境と向き合いながら、 25 分ほど坐禅を続けましょう。ということだ。 つまり懺悔、感謝、禅定ということだ。 だから著者が言わんとしていることはルーティンとして朝5時に起きしかる後ウォーキングを始め行きは懺悔帰りは感謝をして帰宅後坐禅をしましょうということだ。 確かに歩行禅いうものなのだろうが、最初の懺悔というのは実に難しいんじゃないかなと私は思う。 感謝ならいくらでも出てきそうなのだけれど。 今私は毎日水泳を続けている。 だから勤務日事務所にいるときだけ昼休み歩くことにしている。 そのときくらいしかウォーキングの機会はない。 したがってこの歩行禅を実際にやる機会はなのかもしれない(11月5日記)
2025.01.27
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一生ボケない脳をつくる77の習慣【電子書籍】[ 和田秀樹 ] 結局私はこのような本を読む破目に至りました。 本書では脳の機能のうちボケに関しては前頭葉の機能が一番大事でありそれは 前頭葉の主な機能は、①意欲と感情のコントロール、②思考のスイッチング、③クリエイティビティ(創造性)です。 それゆえ、前頭葉の老化によって、①自発性や意欲が減退する、感情が老化する、②ある感情や考えから別の感情、考えへの切り替えが悪くなる・できなくなる、③新しい発想や、創造的なことができなくなる、という症状が起こります。 具体的には例えば、感情のコントロールがきかなくなるために怒りっぽくなり、さらに感情のスイッチングがうまくいかないために、一度怒りだしたらいつまでも怒っている、といったことが起こります。 また、自発性や意欲が減退するため、何かにつけて面倒くさくなったり、体を動かすのが億劫になります。 創造性がなくなるので、アイデアも出てこなくなり、考え方も平板になります。ということだ。 そしてこの前頭葉の機能不全の他に老化と言うのは① 前頭葉の萎縮……脳の前頭葉は、人間らしい「知性」─意欲・好奇心・創造性・計画性などを司る部分ですが、早い人で 40 代から縮み始める、つまり老化し始めます。 萎縮が進むと、感情のコントロールがきかなくなったり、思考が平板になったりします、② セロトニンなどの脳内伝達物質の不足……セロトニンの減少は「うつ」を引き起こしやすくします。 一時的な減少でも意欲低下やイライラなどの心の不調をもたらします。③ 動脈硬化……脳の血管は非常に細く、動脈硬化を起こすと即、血流が悪化するため、とりわけ深刻です。 脳の動脈硬化が進行すると、自発性がなくなります。④ 男性ホルモンの減少……男性ホルモンは、実は女性にもあり(量は男性の 10 分の1~ 20 分の1)、大脳の視床下部から「分泌せよ」との指令を受けた脳下垂体が、男性の場合は主に精巣と副腎、女性の場合は卵巣や副腎に働きかけることで分泌されます。 しかし司令塔がいくら頑張っても加齢により精巣や卵巣、副腎の機能が衰えると、男性ホルモンは減少します。ということらしい。 いずれにしてもどこのどなたさんにしても老化を避けることができない。 そのために一体どのようにすべきかということなのだろうが、たとえば、 日記はあくまでプライベートのもの、自分だけがわかればよいのですが、ブログやFacebookは不特定多数の人たちに公開されるだけに、他人にもわかるような書き方でなければそこに「書き出す」意味もなくなってしまいます。 それゆえ、日記よりはるかに言葉遣いや表現に気を使うことになるので、「表現力=出す力」のトレーニングになります。 多くの人は日常、「考えて文章を書く」という機会はほとんどないのではないでしょうか。 仕事の予定を手帳に書き込む、会議の要点をノートに記録する、電話の内容をメモする─これらはあくまで書き「入れる」作業であり、記憶や考えを書き「出す」作業とは一線を画します。というように日記は日記でも私のようにブログアップすることは有効なことらしい。 そしてなにより 前頭葉は「快体験」を求め、 「我慢」や「節制」を強いられると働きが鈍くなる。 「我慢しない」ことは老化防止のためには「必要悪」と心得、 意識的に「我慢しない生活」を心がけると、老境にあっては前頭葉のため我慢しない生活が重要だとする。(11/5記)
2025.01.26
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闇猫・冴子 アンダーワールド【電子書籍】[ 安達瑶 ] 前2作より断然素晴らしい出来の小説だった。 題材が本当にありそうな医療界の不正だ。 こんな不正が実際にあるかどうかはわからない。 しかし儲からない医療法人のためにホームレスを使うという方法は、この作者が考えたのか本当にあったのかはわからないが、私は、たぶん作者の創作ではないのかなと考える。 というのは、そういう事件の記事を新聞で読んだことがないからだ。 そこに結城冴子と割屋を絡ませてくれたから、もうこのシリーズのファンには、言う事無しの作品となったことだろう。 本作でも冴子の本名やそのバックグランドが明確にならなかった。 ということは、これから先もこのシリーズは、続くのだろうか。 私は、それを望む。 ある意味本作は、サイコサスペンスだ。 もう一度先に戻って本作における不正医療は、 「『あ』からいきます。 亜急性硬化性全脳炎、亜急性細菌性心内膜炎、アルツハイマー病、アレルギー性紫斑病、アンジェルマン症候群、 胃 巨大 皺襞 症、一過性脳虚血発作、腓骨筋萎縮症、ウィリアムズ症候群、牛海綿状脳症、鬱血性心不全、A型肝炎、壊死性腸炎、円形脱毛症、延髄外側症候群、黄疸出血性レプトスピラ症、オールブライト遺伝性骨異栄養症、オリーブ橋小脳萎縮症、肝硬変、肝細胞癌、冠動脈疾患、ギランバレー症候群、急性心筋梗塞、急性腎不全、急性前骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、クラインフェルター症候群……『か』行まで来たが、まだ読み上げますか? ここまでで普通の人間なら既に死んでるんじゃないですかね? おたくの 藪 院長が下手くそな手術をする前に!」と、生活保護を受けているホームレスにこれだけの病名をつけて不正受給していたということだ。 下手くそな手術をして死んだら、臓器の不正売買に及ぶということだ。 それを闇猫冴子とヤメ検の上法曹資格喪失者の割屋に絡めたあたりが痺れる。(11/3記)
2025.01.25
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ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら [ 眞邊明人 ] 本作は、徳川家康を総理大臣に坂本龍馬を官房長官にその他歴史上の偉人を本内閣の要職に据えあのコロナ禍の時代の日本の舵取りをするという話だった。 AIやその他の技術を駆使して実態はないが、コンピューターを通じて映像その他としてヴァーチャル・リアリティで政治を司る。 本作には、多分に作者の意図が入っている。 しかしながら、読み進んでいくうちにふむなるほどと妙に納得してしまう。 作者にとって徳川家康は、最高の偉人なんだろうな。 その次が坂本龍馬。 織田や豊臣はランク外のようだ。 それは、ともかく家康が本作のようなセリフを吐いたのかどうかは、わからない。 ただ本作における家康のセリフは、政治の要諦だろう。 小説では、徳川家康は、世界平和と国民の生活の向上すなわち経済力向上を目指す。 それは、目的であり目標であるが、それで終わりというものではない。 それに対して坂本龍馬には、なんだかわからんがとにかくこの社会を変革したい、その先はわからんなどというセリフを吐かせて目標や目的のない人物像を描いている。 秀吉は、稀代の悪人である。 過去の偉人は、その人生においてなにをしたかがはっきりわかるから、AIも分析しやすいだろう。 だから、本作のような話は、さもありなん、ふむふむとなるのだが、いまの政治家たちには、この本をしっかり読んでもらって日本の舵取りを誤らないようにしてほしいものだ。(11/3記)
2025.01.24
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闇猫・冴子 暗黒調書【電子書籍】[ 安達瑶 ] 前作のような切れ味なし。 舞台は小学校。 中心はそのPTA。 当該校におけるいじめは、よく2時間ドラマなどで題材にされる。 ボスママは、地域のボスの奥さんでその息子もクラスでボスを気取るという図式だ。 そんな話は、今まで何度もみてきた。 けれども本作がそれらと一線を画すのは、結城冴子が絡んでいるからだ。 しかしながら本作では、最終盤まで結城冴子の名前は、出てこない。 更紗という友人の娘と一緒に流れ着いた街で小学校の騒ぎにまきこまれるという話だ。 サイドストーリーとしてロリコンオヤジは誰だという謎も出てくる。 安達瑶というのは、安達Aと安達Bの二名からなるペンネームだそうだ。 だからときどき話が噛み合わなくなる。 例えばロリコン野郎はどこの誰なんだという段になって、更紗は、結構そのダンスの先生といい仲のはずなのに、同一人物が更紗に近づいてきたら、臭いのなんのと生理的な毛嫌いを口にする。 本作においては、その更紗の担任の男性教員が準主人公となるのだが、彼がそのきらびやかな社長が乗るような大型セダンを目にしてその男が誰かわからない、推測もできないなどということは、あるまいに…。 割屋が法曹資格を喪ってなお結城冴子とつるんでいるあたりが本シリーズの面白みなんだろうな。 さて次作は、どんな飛び道具を持ってくるのだろうか。 楽しみだ。(10/31記)
2025.01.23
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代謝がすべて やせる・老いない・免疫力を上げる【電子書籍】[ 池谷 敏郎 ] 本書のような本は、今まで何度も何度読んだわけだが、わかっちゃいるけど、やめられないというのが現実だ。 ようするに筋肉量の増大が必要でその筋肉があるのは下半身ということその下半身の筋肉を増量するために何をするかというと、 代謝の良い体をつくるという意味では、9種類の必須アミノ酸のなかでもとくに意識して摂ってほしいものがあります。 それは、「BCAA(Branched Chain Amino Acid:分岐鎖アミノ酸)」と呼ばれている、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」という3つの必須アミノ酸です。 これらは、運動時に筋肉のエネルギー源となる必須アミノ酸として知られていて、筋肉を構成している必須アミノ酸の4割近くを占めています。 「筋肉の合成を促す」「筋肉の分解を抑制する」という働きがあり、筋肉を増やすには欠かせない栄養素なのです。 この3つのアミノ酸のなかでもとくに大事な働きを担っているのが「ロイシン」なので、筋肉を増やすにはロイシンが多く含まれているタンパク質を選ぶことも大切です。 ロイシンを多く含む食品には、マグロの赤身やささみ、鶏むね肉、大豆、チーズなどがあります。ということ。 ロイシンは、マグロの赤身やささみ、鶏むね肉、大豆、チーズなどに含まれているのだが、残念ながら私ども夫婦はとにかく鳥が苦手なのでここにリストアップされたもののうち鶏を抜いたものをせっせと食べるほかない。 刺身は、いつも食卓に上がり大豆とチーズはいつも常備しているから、意識して毎日出すように心がけよう。 次に大好きな糖質制限について、 この流れを止めるには、血糖値を上げる直接の原因である「糖質」の投入を減らすことです。 糖質を多く含むのは、ごはん、パン、 麺類などの主食と、いも類、甘みの強い果物やスイーツなどの甘いもの。 これらはすべて、食べると、消化酵素によってブドウ糖(正確には単糖類……第5章で説明します) にまで分解され、小腸で吸収されたあと血管内に入って血糖となり、血糖値を上げてインスリンの分泌を増やします。 内臓脂肪の蓄積が気になりはじめた人は、糖質をいつもの半分に減らしましょう。 このとき、毎食の主食を半分にする方法もありますが、毎回、ごはんを半膳にする、パンを半分にするのは意志の強さを必要とするかもしれません。 たとえば、友人との外食や接待の席で、自分だけ「ごはんは半分に」とは言いづらいですよね。 残すのも気が引けます。 そこでおすすめしているのは、1日のトータルの糖質量を考えて、3食のうち1食だけ主食を抜く方法です。 3回の食事のうちどのタイミングでもいいのですが、家で食べることの多い朝食がいちばん習慣にしやすいかもしれません。 私自身も、朝食で「主食抜き」を続けています。 最近の朝食の定番は、数種類の野菜と果物を使った手作りジュースと、蒸し黒豆をトッピングしたヨーグルト、そしてコーヒーです。 黒豆とヨーグルトでタンパク質が摂れて、野菜と果物でビタミンやミネラルが摂れるので、手軽に用意できる割に、不足しがちな栄養をカバーできるところが気に入っています。 ちなみに、ゴルフなど運動量の多い日にはバナナを1本追加してエネルギー不足にならないようにします。というが、朝食は、まさにここに書いてある通りの生活をしている。 実は、今私のマイブームがご飯なのだ。 急に食べるようになってしまった。 日本酒に目覚めてから、コメに目が行くようになりその結果お昼はおにぎり夜の〆もおにぎり的な生活が続いている。 ほんの少しの糖分がインシュリンを呼び込み血糖を増やすという仕組みのようだ。 もう一度この本をもとに自分の食生活や運動を見直したいと思う。(10/30記)
2025.01.22
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知っているようで、知らなかった 自衛隊の今がわかる本【電子書籍】[ 菊池雅之 ] 結構深く自衛隊に入って記事を書いたのだが、何か物足りない。 兵器である艦、航空機を写真でいくら見てもぴんと来ない。 ただ戦争の危険性はあるということは、感じる事が出来た。 これらのアイテムの数とか軍事費をよく比較するが、それは実態に合ったことなのだろうか。 つまりいくら金をかけても古い兵器をいくらもっていても仕方ないだろう。 自衛隊には、特殊作戦群というものがあるらしい。 それは、 特殊作戦群は、2004年3月27日に発足した。 英語表記は、Speciaru Forces Groupとし SFGpと略す。 1989年のマルタ会談を経て東西冷戦が終結し世界は、民族間対立に端を発した地域紛争や対テロ戦争という新しい時代へと突入した。 日本もあらゆる脅威に立ち向かうため’90年代に入ると、すぐに特殊部隊を創設すべく研究が行われた。 そして’99年ころ第1空挺団内に特殊作戦群編成準備室が立ち上がる。 そして「精鋭無比」と称される第1空挺団の中から優秀なものをピックアップし徐々に部隊の形を整えていった。 この準備期間彼らの存在は、極秘扱いとなっており「S(エス)」と隠語で呼ばれていた。 ’4年の特殊作戦群の隊旗授与式(発足式)は、マスコミをシャットアウトして行われた。 習志野駐屯地内の体育館で石破茂防衛庁長官(当時)より初代群長が隊旗を受け取った。 特殊作戦群長は、1佐のものが務め群本部、本部管理中隊、そして中核となる3個特殊作戦中隊(各中隊長は3佐)計300名という構成となっている。というものだとか。 そのほか警察との給料比較やら防衛大臣の着任期間の比較などの記事もあった。 結局いろいろな記事がまじりあってしまってまとまりのない本になってしまった。 食べ物は、罪がない。◎ ミリメシ・ミシュラン!海自の「金曜カレー」 いちばんおいしいのは、やっぱり金曜日に必ず出されるカレーだ。 昔は、土曜日のお昼に出されていた「土曜カレー」であったが、土日が休みとなったことを受け「金曜カレー」となった。 航海中に曜日感覚を失わないようにするためのルーティンだ。 各艦、各基地、ひとつとして同じ味は存在しない。 一般公開などでカレーを食べるチャンスはあるので皆さんもぜひお試しあれ! さすが海自だ。 この記事を読んだら、私も土曜は、カレーとルーティン化しようかなんて考えてしまった。 しかも一つとして同じ味は存在しないというではないか。 こりゃあ多分私は、この話にのめりこんでしまうだろうな。 ところで先の特殊作戦群の隊旗授与式では、石破総理が群長に授与したんだね。(10/30記)
2025.01.21
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鎌倉署・小笠原亜澄の事件簿 極楽寺逍遙【電子書籍】[ 鳴神響一 ] 相変わらず突っ込みどころ満載の鳴神響一だ。 なぜ元哉と亜澄のコンビが延々と続くのか私には、わからない。 それはともかく大事な捜査本部の会議で二人に任せておけばいいんじゃないかみたいなこの二人を放し飼いにしておくような言動があること自体私には、理解できないことだ。 そもそもこの作家は、叙トリ大王だ。 最後の最後に商店街のオヤジの目撃情報をだとは、一体何事だ。 それまで何の情報も捜査本部には入っていないんですぞ。 さて真犯人だが、これも後出しの極みだ。 たくさんの登場人物を出しておいて周辺の情報をいっぱい混ぜながら、真犯人の情報については、まともに出さない。 こんなことミステリー作家に許されていいのだろうか。 例えば、ミステリー作品において鉄壁のアリバイがある場合それは、そこで読み手は、彼がきっと犯人だろうと推測する。 鉄壁のアリバイがあるからこそそのアリバイ崩しがこの作品のテーマだろうと推測するわけだ。 亜澄が推理して真犯人に迫った理由に高価な絵の一点の誤りを見つけたことにある。 けれどもこのことも後出しだ。 この二人の捜査官の動きは、あまりにも常軌を逸しているが、その時に得た情報は、逐次捜査本部に報告していたのだろうか。 そして本件について亜澄のような視点から捜査をすることを考える捜査官は、はたしていなかったのだろうか。 本作は、どうもその辺の詰めが甘すぎて好きになれない。(10/30記)
2025.01.20
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実践 ポジティブ心理学 幸せのサイエンス【電子書籍】[ 前野隆司 ] せやからでやちゅうねんと突っ込みを入れたくなるような本。 独り善がり本の最たるものでしょうなあ。 読み手に読んでほしいのなら、もう少し丁寧にさらに構図も考えてわかりやすくすべきでしょう。 何しろ本書は、新書なのですから。 いつの間にか、 ポジティブ心理学を知る上でもうひとつの柱となる重要なキーワードが「レジリエンス」 です。 近年、心の病の予防や回復の重要な要素として注目されている考え方で、一言でいうと「回復力」。 あらゆる状況に対しての反応の仕方を制御し、挑戦や逆境から立ち上がる能力と定義されます。 よく耳にする言葉として、「心が折れない」などといいますが、レジリエンスは心が折れないだけではなく、折れそうになったものが戻る力という意味も含んでいます。 ヤシの木みたいな感じといえばいいでしょうか。 台風がやってきてもポキッと折れるのではなく、暴風や豪雨によって揺れてしなりながらも、台風が去ったあとでは元に戻っているというしなやかな感じ。などという言葉が飛びかうのだが、それは、何を前提にしての話なのだろうか。 そして心が折れないしなやかな状態というのは、どのようにして得るものなのだろうか。 そのノウハウがわからん。 幸せは、 身近な夢や目標は達成しやすい分だけ幸せを感じる頻度が増え、日常的に幸せを感じやすい、というような話をしました。 このようなときに幸せを感じるのは、何かを成し遂げると分泌される神経伝達物質のドーパミンという報酬系ホルモンのおかげです。 たとえば草野球の試合で勝ったときに「やったあ!」と思いきり喜びを表現したり、ずっと行きたかった場所に行けたときに心の底から感動したり、夢を思い描いたときにワクワクしたりすると、ドーパミンが分泌されます。 逆に、「たかが草野球の試合に勝ったくらいじゃ、そんなに喜べない」とか「今日の仕事の目標は達成できたけれど、普通にやっていればできるから別に……」と思っているとドーパミンは出ません。 自分が達成したことに対して感動したり満喫できる人のほうが、そうでない人に比べて幸せなのです。 満喫の効果の研究があります。 たとえば、定期的に集まって勉強会を開いているグループがあるとします。 勉強会が終わったあとに「今日も終わりました。はいどうも」と言って終わるのと、「今日はずいぶん活発な意見が出て充実していましたね! 素晴らしい!」と言うのとでは、その場の満喫度がだいぶ違ってきます。 やはりその場を楽しんで満喫できる人のほうが幸せです。と、ドーパミンの分泌によってもたらせられるそうだ。 この抜き書きにあるようにせやからでやねん的なことにならずドーパミンを分泌したいわけだから、そのためにどうすれば、いいのかということがないのですなあ本書には。 ということで大変つまらない思いに駆られました。(10/29記)
2025.01.19
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歌舞伎町特別診療所 闇の争覇【電子書籍】[ 今野敏 ] 誰だ今野敏が警察小説の第一人者だなんて言ったのは。 私は、それは、納得がいかないな。 結局彼は、空手の有段者にして自分でも道場を開いているということであり武闘小説家とでもいうジャンルの作家なんだよな。 今から五年くらい前のことある人から今野敏は、警察小説家だよね、なんていわれて私は、肯定したのだったが、否そんなことは絶対ありませんぞ。 そもそも刑事法の大オンチだし警察の組織もろくろく知らないときたもんだ。 そんな奴がなぜ警察小説の第一人者などということができるのか。 それはともかく本作は、新宿歌舞伎町界隈の中国マフィアなどの争いをめぐる武闘の話だ。 医者が入ってくるということは、その違法性が考えられるわけだが、それは、つまり臓器売買だったのだな。 それに武闘大会でメタメタにやられ自分の人生が終わってしまったと感じた男の一大リベンジ話が入るのだ。 今野の武闘話を延々読んでいると、もう飽きてしまうな。 これ以上今野の作品を読まなくてもいいようになってしまうのだ。 しかしそれにしても最近の小説における警察官は、立派でない人が多いね。 読んでいてなんかイライラする。 そういう人を小説に用いないと、読者がついてこないんだろうな。 そんなことよりきちんとした警察官に探偵役をさせてしかるべくなぞ解きをするオーソドックスなミステリーが読みたいものだと私は、思う。(10/29記)
2025.01.18
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闇猫・冴子【電子書籍】[ 安達瑶 ] さて話は、高級コールガールと検察とヤクザの話。この3者がくんずほぐれつにまじりあってこんぐらがってさて最終的にいったいどうなることやらという話のなのだった。その検察について、 最初に緻密なストーリーを作って、そこに都合のいい事実を当てはめてゆくことは検察の 常套手段だ。 瓶坂もそしておれ自身も、そのストーリーの作り方が抜群にうまいからこそ出世してきたんだ。 なのに、こんな雑な事実認定の遣り方は、常に緻密な仕事をするおれとしては到底容認できないものだったし、こんなレベルで瓶坂がヨシとするのも不可解だったと、かなり詳細な記述をしているところから、どうやらこの話の取材源は、検察らしい。 高級コールガールを介して甘い蜜を吸おうとする検察官とその不正を暴こうとする検察官のせめぎあいにヤクザも入りドタバタ劇を演じていくことになる。 そして問題は、この作品あと2冊もあるのだ。 つまりシリーズ化しているのだ。 立て続けに読みたいとは思わないが、本作の後の顛末が一体どうなっているのかということは、知りたい。 私の予想では、この女は、検察のSとしてこれから活躍するんじゃないかなんて甘い考えを持っていたのだが、そうではなかった。 時には、危険な目に遭いながら、なんとか生ききったという感じかな。 この第1作目では、結城冴子の出自がまだ明らかにされていないから、それがこれからの読み手にとっての関心ごとということになるかな。 それから証拠改竄で逮捕された検事の行く末も気になる。 あと四国に残してきた青年もいったいどうなることやら。 最終盤銃であっけなく関係者が死んでしまうのはいかがなものかな。 ただ話の流れだから、それはそれでありか。(10/28記)
2025.01.17
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