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☆toshi☆
このブログでは，日々の出来事や中学・高校数学について書いて行きたいと思います．
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2007.01.01
カテゴリ： 数学について
この命題クイズは実は「2004年慶應義塾大学総合政策学部の入試問題」でした．
しかし正確に解くためには高1で学習する命題について，次の知識が必要です．
1. 命題が「真→真」のとき，真
2. 命題が「真→偽」のとき，偽
3. 命題が「偽→真」のとき，真
4. 命題が「偽→偽」のとき，真
ここで注目すべきは3と4です．
これは「間違ったことが仮定ならば結論にどのような事柄が述べられても真である」ことを意味します．
このことに着目して問題を考えます．
「わたしが天使なら，Bも天使です」
と言ったことが真実となり，「AもBも天使」ということになる．
正解は1番ですが，他の選択肢も確認しておきます．
2番はBが悪魔ということですが，それだと天使であるAが嘘を言っていることになるので間違い．
次にAが悪魔の場合を調べてみましょう．
Aが悪魔の場合，3番にしろ4番にしろ「わたしが天使なら」という仮定が偽の内容であるため，命題全体としては「真」であることになります．
しかし，これだと悪魔であるAが真実を言っていることになるので間違いということです．
したがって，正解は1番の選択肢ということです．
この問題のポイントは
「間違ったことが仮定ならば結論にどのような事柄が述べられても真である」
にあります．
例として次のような命題を考えてみます．
「もしこの世に僕と君の二人しかいなかったら僕達は結婚する」
この命題も真となります．
この世に僕と君の二人しかいなくても結婚するかどうか分からないんじゃない？
と言われそうですが，確かに結婚するかどうかは分からないです．
何故か？
「この世に僕と君の二人しかいない」という仮定自体が偽であるため，結論がどのような文章であっても命題としては真になります．
分かるかな・・・？
「この世の中が何もない世界なら僕は空を自由に飛ぶことができる」
これも真．
「もし僕が女性なら世界一の大金持ちになっている」
これも真．
とにかく「仮定が間違っていれば(偽ならば)結論に関わらず命題は真である」ということです．
確かに分かりにくいかもしれません．
あまりにも分かりにくいため，こういう話があるくらいです．
--------------------- 1＝2ならば私はローマ法王 -----------------------------
昔，バートランド・ラッセル(1872-1970)というイギリスの論理学者が，講演会でこれを説明していたところ，納得できない聴衆の一人が立ち上がって，
「それならば，1＝2から，あなたがローマ法王であるということを証明してみてください」
と言いました.
ラッセルは賢い人でしたから，ニヤリと笑ってこう言ったそうです．
「私とローマ法王の集合をAとしましょう．
Aには二つの要素があります．
でも，1＝2ならば，集合Aの要素は一つだけだということになります．
私もローマ法王もAの要素ですから，それは実は一つのものです．
だから．私はローマ法王です．」
分かるでしょうか？
命題の中で最も難しいと思われる部分について書いてみました．
この部分に疑問点がなくなれば，命題についてはほぼ疑問点が解消されたと思ってよいでしょう．
しかし正確に解くためには高1で学習する命題について，次の知識が必要です．
1. 命題が「真→真」のとき，真
2. 命題が「真→偽」のとき，偽
3. 命題が「偽→真」のとき，真
4. 命題が「偽→偽」のとき，真
ここで注目すべきは3と4です．
これは「間違ったことが仮定ならば結論にどのような事柄が述べられても真である」ことを意味します．
このことに着目して問題を考えます．
「わたしが天使なら，Bも天使です」
と言ったことが真実となり，「AもBも天使」ということになる．
正解は1番ですが，他の選択肢も確認しておきます．
2番はBが悪魔ということですが，それだと天使であるAが嘘を言っていることになるので間違い．
次にAが悪魔の場合を調べてみましょう．
Aが悪魔の場合，3番にしろ4番にしろ「わたしが天使なら」という仮定が偽の内容であるため，命題全体としては「真」であることになります．
しかし，これだと悪魔であるAが真実を言っていることになるので間違いということです．
したがって，正解は1番の選択肢ということです．
この問題のポイントは
「間違ったことが仮定ならば結論にどのような事柄が述べられても真である」
にあります．
例として次のような命題を考えてみます．
「もしこの世に僕と君の二人しかいなかったら僕達は結婚する」
この命題も真となります．
この世に僕と君の二人しかいなくても結婚するかどうか分からないんじゃない？
と言われそうですが，確かに結婚するかどうかは分からないです．
何故か？
「この世に僕と君の二人しかいない」という仮定自体が偽であるため，結論がどのような文章であっても命題としては真になります．
分かるかな・・・？
「この世の中が何もない世界なら僕は空を自由に飛ぶことができる」
これも真．
「もし僕が女性なら世界一の大金持ちになっている」
これも真．
とにかく「仮定が間違っていれば(偽ならば)結論に関わらず命題は真である」ということです．
確かに分かりにくいかもしれません．
あまりにも分かりにくいため，こういう話があるくらいです．
--------------------- 1＝2ならば私はローマ法王 -----------------------------
昔，バートランド・ラッセル(1872-1970)というイギリスの論理学者が，講演会でこれを説明していたところ，納得できない聴衆の一人が立ち上がって，
「それならば，1＝2から，あなたがローマ法王であるということを証明してみてください」
と言いました.
ラッセルは賢い人でしたから，ニヤリと笑ってこう言ったそうです．
「私とローマ法王の集合をAとしましょう．
Aには二つの要素があります．
でも，1＝2ならば，集合Aの要素は一つだけだということになります．
私もローマ法王もAの要素ですから，それは実は一つのものです．
だから．私はローマ法王です．」
分かるでしょうか？
命題の中で最も難しいと思われる部分について書いてみました．
この部分に疑問点がなくなれば，命題についてはほぼ疑問点が解消されたと思ってよいでしょう．
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最終更新日
2007.01.01 21:48:26
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