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父の様子を見に実家に帰った時、偶然、父の部屋で4冊のノートを発見した。ノートにはある女性の手記が書かれていた。
それは、女性が殺人を犯していったことが書かれてあった。最初は小学生の時で、2回目が中学生の時、3回目が専門学校の友人、そして、結婚するまで殺人は続いた。
しかし、感動的な結末を迎えるため、嫌な気分が一気に吹っ飛んだ。
ノートを読んだ亮太は、体が凍った。状況から考えて、これを書いた女性が自分の母に思えたからだ。自分は殺人者の息子なのか?
弟の洋平にノートのことを話し、両親のことを調べることにした。
そして、自分の推理が出来上がった時、父にノートのことを質した。
父は、ノートの内容は事実であることを認め、ノートが書かれた以降のことを話し始めた。
もう一つの読みどころは、シャギーヘッドが、このノートの内容にかかわってくることだ。
この店がオープンする前に、従業員募集の張り紙をだしたら、2人の女性が面接に来て良太は採用した。一人は、後に婚約者になる千絵だ。
もう一人は細谷という中年女性で、後に店にとってなくてはならない存在になる。損得勘定なしにシャギーヘッドと亮太のために働いた。また、千絵を娘のように可愛がった。
だいぶたって良太は、千絵とアルバイトの那智から、細谷は亮太のことが好きなんだといわれる。亮太は、そんなことは考えてもみたことがなかった。親子ほど年が離れているからだ。
この細谷が、後半、大活躍をする。
そして、最終的にこの2つのエピソードが結び付き、感動的な結末を迎える。
本書は、久々に出会ったすごい本だ。
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