良さんの読書日記

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2018.06.18
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テーマ: お勧めの本(7418)
カテゴリ: 日本文学
風は西から 村山由佳 、幻冬舎、初版2018年3月30日

 〝ブラック企業〟という言葉が世に知られるようになって久しい。労働基準法を無視したケタ外れの長時間・過密労働に低賃金、こうした超劣悪な労働をさせている企業のことだ。
 藤井健介と伊東千秋は恋人同士で、結婚も考えている。健介は大手居酒屋チェーンの『山背』で、千秋は食品会社『銀のさじ』で働いている。健介は会社から店長を任せられるが、長時間労働に耐えられず、精神的に追い詰められ、自殺してしまう。
 なぜ、健介は死ななければならなかったのか。千秋と彼の両親の3人は、『山背』とたたかうことを決意する。

 ひとつ例をあげる。『山背』では売り上げに占める人件費の割合が、一定の水準を超えるとテンプクという。店長は本社に呼び出される。これをドッグ入りという。役員たちに罵倒され、言葉のリンチをうける。

 第二に、ブラック企業とのたたかいを描いている。千秋ら3人は、『山背』の労働実態を調査することから始めた。そして、最終的に裁判に持ち込む。
 つまり本書は、恋愛小説を得意とする著者が描く現代のプロレタリア小説である。 なお、『風は西から』という題は、奥田民生さんの楽曲からとっている。

ホーム・ぺージ『これがミステリーの名作だ』も御覧ください。

http://bestbook. ife.coocan.jp








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Last updated  2018.06.18 08:37:06
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