「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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赤い靴の女の子時代背景と考察3
赤い靴履いてた女の子_時代背景と考察3,野口雨情,『赤い靴』と『しゃぼんだま』事象はひとつづきだった,岩崎きみ,夢破れたユートピア農場,幕末明治&箱館戦争&明治の北海道開発<幕末昂じて次世代に引き摺った戊辰の影
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幕末昂じて『はっ?ひふへほっ!』:次世代に引き摺った戊辰の影
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赤い靴履いてた女の子_時代背景と考察(その1)
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その2
<現在頁:
その3
【別途お楽しみ系】:
人とペットHOTスクープ
赤い靴履いてた女の子_時代背景と考察_No.3
人物ネットワークと、行動範囲から考察
野口雨情の童謡「赤い靴」_なるほど、雨情の心に残った訳
赤い靴履いてた女の子
異人さんに連れられて行っちゃった・・・
初めに:現頁シリーズ内容は、「定説」を覆す為のものでもなければ、異説否定でもありません。
想像以上に広範囲だった人間ネットワーク領域を素人の一人として、知りえた範囲。
ふと気になった事のMEMOと、加味考察にすぎません。
SERIES_No.1~No.3の頁内概要
MENU大脈_
No.3
(現在頁)
◇
『赤い靴』考察_No.3(現在頁)
>No.2&No.1(MENU現在枠下側スクロール)
■なるほど、野口雨情の心に残った訳,
・『赤い靴』と『しゃぼんだま』・・・事象はひとつづきだった。
■
開墾の精神は、どんな人々に、どのように発生するか?(ジャパニーズフロンティア
・士族の志と平和への祈り:ユートピア農場
『赤い靴』考察_No.1
(前々頁)
■キリスト者達の『夢農場』終焉:「赤い靴」がなぜか今だに曳き摺る暗い戊辰の影_蝦夷開発
■0_野口雨情,■1_岩崎きみ,■2_岩崎かよ,■3_鈴木志郎,■Y_岩崎かよと鈴木志郎の軌跡,
■4_岡その,■5_佐野安吉,
■X_岩崎かよが何故函館を目指したか?幾つか考察_病弱な子と未婚の母
(キリスト者としての縁,児童福祉施設充実の街=函館への開眼
■6_岩崎辰蔵,■7_チャールス・ヒュエット夫妻,■8_篠崎清次,■a_篠崎清次ネットワークの力,
■b_ドレーパー宣教師,日本基督教団函館教会,東奥義塾(青森)との太いパイプライン,
_鈴木志郎のレイアウト模索,■C_脇山義保,
『赤い靴』考察_No.2(前頁)
■重要キーワード
◇A_平民社:幸徳秋水,◇B_函館平民新聞読者会,◇C_北海道国有未開地処分法,
◇D_平民社農場:(原子基,深尾韶,■佐野安吉),
■その時、誰はどこに居た?何を思った?誰に合った?接点模索,■みんなの行動考察表
■野口雨情が、どうして他人の子に、そんなに祈っていたか
■なぜ?きみちゃんの身上を、書面上「佐野安吉」の名にしたか?
なるほど、野口雨情の心に残った訳
SERIES_
No.1
<
No.2
<No.3(現在頁)
▼心系愚話
▼資料&理屈系
他項目は、誤記あるかもしれませんが、それなりに調べた事加えて考察して
ますが、真下枠は「心」のみ。何月何日、何処で誰が!証拠は?そんなの全部
有りません。活字から得たものでもありません。学説!とかじゃなくて完全に
単なる私的愚見解!(ちょっとオタク&危ない系みたいで恐縮)
追い詰められた人の気持ち
になって考えてみました。
開墾の精神ジャパニーズフロンティア
士族の志と平和への祈り
ユートピア農場・・・はこちら
◆失った事ある人、◆夢中すぎて突如失って、自責の念に駆られたことある人
◆守りきれなくて悔いた人、◆昔熱かった人、
◆愚かと自哂しつつ、虚空に奇跡を夢見たことある人
心系:『赤い靴』と『しゃぼんだま』・・・事象はひとつづきだった。
志郎とかよの間に生まれた岡そのさん(主人公の子、きみちゃんの異父妹)は、こう語る。姉が居ることはずっと母に聞かされきた。
しかし、父が異なる事は知らなかった。母は天涯、本当に『外人さんと一緒に外国へ行った。』そう思い込んでいた。
追い詰められた人の気持ち_仮にシュミレーションしてみます。臭いメロ系でなくて。
(注!)繰り返しますが、この枠の会話的部分は、史実ではないですヨ!共感疑似体験して頂く為のモノ
■志郎は雨情に、告白しただろうか?について
本来なら、こんな話を同僚に喋ってしまうことは考えられないようでいて、
彼らのケースなれば、ありえる話と感じています。共に志して、共に屈した同士。
「うちのかみさんはサ、俺の前に、男が居てサ、子供まで産んでてサ」
・・・なんていう話、普通は喋りません。ところが、普通じゃなかったとしたらどうでしょうか?
記者にとって、思想の弾圧は生殺し、半殺し同然。彼らは社会主義者だった。思想が弾圧されている。
どこの新聞社に行けど、真実を書くは不可の時代。現実の壁。平和を愛し不戦を唱えるは愚か夢。
今度こそはと共に手を取り合って小樽へ。結果はおんなじ。ぼろぼろになって。己ならずや、ふりかえる
なれば家族の犠牲。
野口雨情が生後僅か7日の長女を失ったのは明治41年。
時代柄、思想の弾圧。報道は規制だらけ。記者として真実を書けず、二転三転。
屈してばかり。その上、子迄失って。さぞ嘆いたことでしょう。
「俺は、最低男だ。家族を幸せにしてやれない最低男どころか、子供まで。人間の屑とは俺のことだ!」
・・・などといった場面に、仮に遭遇したケース、我が身に置き換えて考えてみました。
「そんなことないよ。君は悪くない!絶対にそれは違う!」・・・10回も20回も言ってあげるけれど、
・・・語りながら、自分で、それだけじゃ、慰め足りないような錯覚に突如襲われる。
「あの子を死なせたのは、俺のせいだ!俺が死なせたも同然だ!
・・・馬鹿みたいに夢中になって、全部俺のせいだ・・・
平和の為だ!愛の為だ!自由の為だ!・・・偉そうに言って、家族死なせてたんじゃ
話になんない。・・・俺なんて偽善者!
・・君は俺と違って偉いよ。大切な子供、ちゃんと育てているよ。俺と全然違って立派だよ。」
そんな時、なぜか、つい猛烈に正直になってしまってっこと・・・経験ないですか?
大きな大きな・・・巨大な悲しみを背負った人を見て、耐えられず、言葉だけで救いきれず。
親兄弟にさえ告白しないような事さえ、こんな時って、意思と裏腹、ふと喋ってしまう・・
・・・(これはあくまで大勢の人じゃなくて、極一部だとは思いますが、)
「・・・実は・・・そうじゃないんだ。俺なんて・・・。」
志郎にしてみれば、既にできあがっていた結果故、苦しみを背負う妻を救いたくとも、何も
できずにいる自分が常に歯がゆかったことだろう。農場の夢に屈した後、ふと思わないだろうか?
愛する妻を守りきれない愚かな自分。力不足の蒼い自分。
もしも許されるなら、たとえ貧しくとも、きみちゃんを引き取って、一緒に育てることは、できぬものか?
草木の生い茂る開墾村から屈して脱した後だ。札幌、小樽。人が暮らす町の暮らし。
短い札幌時代、それとなく探しているような様子、ことによれば、雨情にも見えていたかもしれない。
否、今さら引き取るは身勝手というもの。それは許されまい。されば、せめて、
外人夫妻に愛され幸せな姿、元気な姿を、こっそり遠くから一度でいいから、
妻に見せてあげられないものだろうか・・・。
ヒュエット夫妻と、志郎夫妻の軌跡は、明治40年代前半に近場で漸近状態。それでいて、
会えたかどうかは不明。多分ニアミス。ヒュエットも超多忙ながら、夫婦の所在を探したかもしれない。
その矢先、ヒュエット夫妻帰国情報を志郎が得ていたとしたら・・・
まさに、「異人さんに連れられて、行っちゃった。」
▼この辺の史実、ヒュエットの軌跡については、
No.1
<
No.2
ご参照
ヒュエット夫妻はこの前の段階38年に大急ぎ一時帰国&欧州の旅の為、暫し日本を離れ、半年後
再度来日して、本当の帰国は41年ながら、志郎が入手しえた情報は38年情報ではなかろうか。
再来日と知らず、既に手遅れと失望の志郎。「異人さんに連れられて、行っちゃった。」
・・・そこには、失意&自責の志郎の姿があったかもしれない。
きみちゃん死亡は上記のとおり44年だが、志郎夫妻は知るよしもない。
その一方で、ヒュエット夫妻が日本を完全に立ち去ったのが明治41年。
いうなれば、永久に子を失ったのは、野口雨情だけじゃなかった。同年に、志郎も、
我が子同然、愛する妻の子を永久に失った。二度と会えない異国の彼方。
1922(大正11)年の野口雨情が発表した二曲。
「しゃぼんだま」の歌詞にあらわれる「うまれてすぐにこわれて消えた・・・」も
「異人さんに連れられて、行っちゃった・・・」も意識の中、ダブる。
しかも、二度と会えない状態にせよ、きっと生きているに違いないと祈った友人の子も、
発表段階で真実を知ってしまった。生きていない!我が子と同じ世界へ旅立ったとは・・・!
きみちゃんの存在は、雨情にとっては、他人の子ながら、意識の中、生き形見。
どっちも、こわれて消えた。「うまれてすぐにこわれて消えた・・・」
発表前に削除された第五番目の歌詞。
生まれた日本が恋しくば、青い海眺めているんだらう。
異人さんにたのんで、帰って来。
帰って来い!帰っておいで!・・・祈りの気持ち。天国の娘は帰れない。
せめて、あいつの子は、あの子だけは、帰って来い!帰っておいで!
こんなに、こんなに、ずっと心の中、祈り続けてきたというのに・・・!
生まれてすぐに、どっちもこっちも・・・「うまれてすぐにこわれて消えた・・・」
若さにまかせて、無我夢中。熱く思想に動いたあの頃の自分達。屈して、壊れて消えた。
生々しい悲しみも、歳月の中、ゆらり、ゆらり、しゃぼんだま。
こわれて消えたしゃぼんだまも、行っちゃった・・・も、
夢も、行き先は皆同じ。全部、しゃぼんだま。
ゆらり、ゆらり、浮かんでは消えてゆく。それは、遠い歳月の彼方。
いくつも、いくつも、しゃぼんだま。
『蒼い時』を既に過去となした一人の男。脳裏の中揺れている。
ニ曲共に発表は、1922(大正11)年。この時、野口雨情は40歳。通り過ぎた過去。
遠い過去。消えた。消えた。あの子も。あいつの子も。夢中だった若き日の俺達も・・・。
どんなに生々しい悲しみだったとしても、遠い昔に過ぎ去った悲しみは、
長い歳月を経てみるなれば、不思議と涙は流れてこない。なぜかしらないけど。
ふんわり、ふんわり、透明な球体が、幾つも幾つも宙を舞う。す~っと、自分が現世を離れて、完全に浮遊してゆく。
ふと、もう一人の自分がそんな自分を見て、思わず哂う。不思議だ。悲しみなのに、なぜか、微笑みさえ浮かぶ。
シャボン玉飛んだ。屋根まで飛んだ。
屋根まで飛んで、こわれて消えた。
シャボン玉消えた。飛ばずに消えた。
産まれてすぐにこわれて消えた。
風、風、吹くな。シャボン玉飛ばそ。
・・・・ しゃぼんだまの中、ふんわり浮かんでるのは・・・今の自分。
夢中すぎて失った。夢中すぎて、逝かせてしまった。愚かな自分。
野口は石川啄木の評を見ても、穏やかな人物。過激な思想家ではない。
とはいえ、あの頃は(明治40年代前半)筆を持つ者にとって、思想の制約。書きたいことをありのままに
書けない。食うだけなれば、己を屈して捩じ上げて、鼻摘んで書けば食える。
戦争バンザイ!日本は強い。敵は木端微塵!連勝!連勝!・・・ウソばっかり。
鼻摘んで、尻捲って、書けば食える!ウソ、ウソ、ウソ、嘘ばっかり。
だが、人は誰しも、蒼い頃って清い。蒼い頃って熱い。
日頃大人しい男もブチ切れ。上司と馬があわなかったの裏は、記者としての「真実」への拘り。
平和を愛する人の本音。今度こそはといいつつ、札幌、小樽、家族は放浪の巻き添え。
そんなに粘って、歯を食い縛って、一体何が残っただろうか。
野口雨情が子を失ったのは、1908(明治41)年。丁度この「記者として血の熱き頃」。
札幌の『北鳴新聞社』にも、小樽の『小樽日報』にも辞表を叩き、それでも己に屈するまいと・・。
破滅寸前まで夢中になって、必死になって、頑張りすぎる程に頑張った時の喪失は自責。
あんなに躍起になって、必死だった自分。でもそれで何が得られただろう。
・・・しゃぼんだま。・・・全部、しゃぼんだま。
シャボン玉消えた。飛ばずに消えた。産まれてすぐにこわれて消えた。
透明な球体に浮かんでいるのは・・・昔の自分。
蒼くて、力不足で、熱いだけ熱くて、つまるところ愚か・・・そんな若僧時代の自分。
されど、今思えば、それもひとつ、眩しい過去の自分。生まれては消えて、また生まれて消え去ってゆく。
目に映る光景は見知らぬ他所の子供達。シャボン玉に夢中で、無邪気な歓声まで聞こえてくる。
遠くから、ぽかんと、一人の四十男が、見とれてる・・・。
野口雨情;自責の子と、生き形見
赤い靴の女の子
因みに野口雨情は、この子の他にも逝かせてしまってはいる。とはいえ、父として蒼かった頃、
己が夢中すぎた頃に失った子には、罪悪感が付き纏う。
失ったことありますか?守りきれなくて、悔いたことありますか?
夢中すぎて、うっかり失った苦い経験ないですか?
どう考えても、誰が聞いても、しかたないことだと、
冷静になれば、自分でも解る。
それだというのに、ずっとずっと悔いが残って、
歳月の経過と共に、悲しみが消えて追憶が微笑みになっても、
・・・それでもずっと思って止まない・・・。
赤いくつはいてた女の子、 異人さんにつれられて行っちゃった。
横浜のはとばからふねに乗って、異人さんにつれられて行っちゃった。
今では青い目になっちゃって、異人さんのお国にいるんだろう。
赤い靴見るたび考える。 異人さんに逢うたび、考える。
本来なれば、いくら親しい心の友とはいえ、他人の子の安否にそんなに執着してられない。
ところが、野口雨情にとっては、異人さんと一緒に外国へ行ってしまったという友人の子は、
同じように、親が会いに行けない世界へ行ったに他ならない。
されど、友の子は、生きている。その子の健在は己自身の夢であり祈り。
その子が、せめて、その子だけは元気でいてくれますように。
同じような思想。同じような親から生まれて、ほんの幾つか違うだけで、結局同じような年齢の小さい子供。
いうなれば、生き形見。死んだ子の年を数えるは虚しい。
無意識に、人の子ながら、ふとした時、今頃どうしているだろう。どんな姿してるかな。
■
他人の子に祈る気持ち・・・解り難い場合:「無意識なる祈りの対象代入行為」
失ったことありますか?人に限ると「解らん!」とおっしゃる率が高くなるので、あえて、
愛犬なども含めてお考え頂くと、感じて頂ける皆様の幅が少し広くなると思います。
人ならば、同年齢の子を見れば当然、愛犬などに於いても、同犬種
見た時、どんなお気持ちでしょうか?思わず心中呟いていませんか?
「沢山食べて、大きくなれよ。元気に育てよ!可愛い。可愛い。ずっと元気でいれよ。」
以来、この子が特別可愛いくなる。他の子よりも、ずっと可愛い。いつもいつも気になってゆく。
関連_
祈り、帰って来い!帰っておいで!_祈りの対象代入行為
(こちらも類似ですが前後枠が解説史実系)
露と消えた五番目の歌詞_祈り及ばず
昭和53年(1978)、未発表の謎の歌詞が発見された。
生まれた日本が恋しくば、青い海眺めているんだらう。
異人さんにたのんで、帰って来!!
会いたい。会いたい。夢でもいいから、一度でいいから、あの子に会いたい。
しかし、我が子は、けっして会えない世界。
自分で言いながら、情けなくて哂っちゃいながら、呟いたことありませんか?
「帰ってきて。帰っておいで。帰ってきてくれないか。」
初めのうちは、本気でそう言って泣いていて、だんだん歳月。泣かないけど、むしろ、
自分で自分を哂っているくせに、まだ懲りず、やっぱりボソッと呟く。
「帰っておいで。かまわないから。驚いたりしないから。帰っておいで。」
友人の子に託して、心は、帰って来い!帰って来てくれ。
青い海を眺めて、そう言っているのは・・・野口雨情自身。
だが、不幸にして発表前に事実を知ってしまったのだろう。帰って来れない。
我が子と同じ。天上の彼方に消え去ってしまった。
シャボン玉飛んだ。屋根まで飛んだ。屋根まで飛んで、こわれて消えた。
シャボン玉消えた。飛ばずに消えた。産まれてすぐにこわれて消えた。
◆尚、上記数段枠内:【『赤い靴』と『しゃぼんだま』・・・事象はひとつづき】について:
駄文でお解り頂けますとおり、けっしてどこかの立派な専門家による見解ではありません。
○○説は違うといった異論でもけっしてありません。現代も明治もおんなじく人の心として感じた私の駄文。
屈した夢の農場_「平民社農場」
開墾の精神は、どんな人々に、どのように発生するか?(ジャパニーズフロンティア
禄を失った士族達とその二世達
篠崎清次は、平民社農場 設立計画に際して、その株主は東京、横浜、横須賀、富士南、函館、
小樽の同志。 ネットは道内ならず関東に及ぶ。 彼の交友ブレーン。この時、株主も大事だが、
実際に労働に勤しむ者達も当然必要だ。希望者あれど、単身の若者は可愛そう。
それに子孫が残らねば、途絶えてしまう。意味がない。
かよと志郎の縁談は函館にして急遽降って沸いたのではなくて、かよの義理父、佐野は共鳴して、
志を持つ若者に娘を託そうと決断した可能性を感じてやまない。
平民社農場開始の前、入植者が入る以前の草分け部隊。三人の男が原生林に鎌と鉈を手に入った。
士分が明確な原子基と、深尾韶。そして三番目の男の名は、まさに
佐野安吉
だった。
道どころか、獣道すら無い。まずは皆が入植できる小屋を建てた。
彼らのユートピア農場計画。
それは、争いのない平和の為に。その世界を創ろうと・・・
。
彼の尊い志が立証された。ここに確かに、彼の『ならず者説』は、溶けて消える。
しかし、佐野だけは、農民となされている。きっと何かある。まだ物悲しい。
彼の尊い魂を誰か救ってあげて欲しい。(私的にも、もう少し頑張りますが・・。)
▲
佐野安吉は、ならず者ではないです!
。
身分=農民の訳:維新で賊軍となった徳川家臣や加担明確な近隣譜代等の二男三男は、士分でありながら、背に腹かえられず、
婿養子として民に下る例も。また断固ニ君に仕えずの意地、官職を一蹴、職に『農』を選択した者も。資料乏しく詳細目下草の根
分けて発掘中。といっても親戚ではありません。親戚だったら掘るのに、こんなに苦労しない!
主人公の女の子=きみちゃんの母、岩崎かよは静岡県民。
この家系は何やら労苦が多い。かよの母も離婚。上記、
佐野安吉
と再婚している。
この時代、文壇で活躍する「新時代の強い女」といわれる一部の女性や、女性記者(▼※これもあくまで一部)
でもない限り、余程でなければ、そう簡単に離婚はしない。皆耐えるしかなかった時代。
▲※印:新時代の女性記者の生き様:
No.2
表内の
幸徳秋水
の内縁の妻。管野須賀子。12名が処刑された
幸徳事件(大逆事件)で連座死刑。彼女は幸徳秋水の前にも二人程結婚&離婚。思想に生きた女性。
その一方で、この時代の女性の離婚及び、私生児について。
かよの義父、佐野安吉は1850年生まれ。かよの母は、二度目の夫である佐野安吉と同世代なのか、
ぐんと若いのか不明ですが、もしも維新(1868年)段階で夫婦として成り立つ年齢層に達していた者で
あった場合、家と家の思想の食い違い、幕軍加担なのか、官軍なのかによって離縁が生じた時代。
しかも、静岡県民であることから、集団移住の徳川家臣団との血の繋がりも一応考察の範囲。
前夫がならず者でなくても、この場合なれば離縁はありえます。
その場合、かよは、貧苦を強いられた没落士族ニ世。しかも賊となされた幕軍側。
かよ本人の離婚については、彼女世代では、上記は無関係ですから、未婚の母になった訳として
考えられる内容は異なります。単純に相手が悪かったか、相手が認知しなかったか、突如財力を
喪失して認知不可の身に落ちたなど、比較的現在の世に共通するケース。
それに加え、この頃なれば、思想取締りによって入牢した人物、もしくは獄中死の人物の可能性。
社会主義者
なれば、現代人にとっての感覚としては、
いわゆる罪人とは異った見解ながら
刑務所行き
は多々有る。
また、現代の感覚では完全なる善人も、貧困の余り、
罪を犯した悲しい実態も猛烈に多い。あまりにも人々は貧しすぎた。
少々脱線ながら、貧困の余り、罪を犯し、
死刑となった「或る女性」
の話。
(注:他府県です。)
病床の夫を救いたい一心、薬を買いたい一心、美貌の若妻は終いに我が身を落とし春を売る。それでも借金返済に
追われ、ついに殺人。男を惑わす悪婦&卑劣のレッテル。死刑判決前の段階、状況から同情した人物が居た。
命だけは救い、終身刑にできぬものかと故郷に打診。この頃、都会の刑務所は貧困原因の軽犯罪者やら、思想的に
捕縛された者やら、刑務所満杯。その為、終身ならば故郷側との発案。しかし故郷側は、不名誉の極み一蹴。死刑。
この女性の出生は不遇。直系親族は故郷に居なかった。愛に恵まれず育ち、やっと見つけた最愛の人は病身。
愚かかもしれないけど、必死で必死で愛の為についに罪。なんで神様は巡りあってあげなかったのだろう?
この事件:大きい字で、もう少し詳しくはこちらの頁:【明治大正の事件と「女性」】
(脱線から、話を元に戻します。再び、赤い靴の主人公=きみちゃんの母、岩崎かよの話)
北海道農場開拓精神_ジャパニーズフロンティアと「禄を失った士族達の家系」
食い詰めて、裸一貫賭けに出るしかなかった者は多い。
北海道の移住はゴールドラッシュのごとくながら、
やはり耳に入る
。まさに想像を絶する。
絶望しかないとの事実が。この地で這い蹲って惨めに生きるよりも過酷な現実が待ってるだけだと。
それにもかかわらず、やってきた者の多くは、やはりその根底は思想。歯を食い縛ってやるしかない!
その為、勿論、江戸時代の身分から言うと、お百姓さんも居ますが、禄を失った没落士族系が目立つ。
また、身分的にお百姓さんの中、徳川時代以前、なんらかの士分にあった家系の者も多く居ます。
彼らは家系上、学問を心掛けて育てられていますから、苦学して同様の判断基準を備えています。
岩崎かよも、佐野安吉にも、かよの夫、鈴木志郎にも士族の臭いをふと感じています。
(注:現在頁下側バナー群団一番上:
賊達の明治開拓時代
について
登場一家は静岡出身ではありません。この時代については何処とか誰とか抜きで読み流して下さい。)
江戸時代、「北辺の守り」
という言葉がありました。
襲い来る諸外国の脅威。それに対処すべく、尚かつ、開墾の精神。ジャパニーズフロンティア。
これは、結果として、なんと皮肉なことに、結局維新後の明治になりかわってしまったも同然ですが、
警笛が鳴ったのは、幕末どころか、もっともっと早期でした。
箱館戦争の時、榎本武揚が提出して揉み消された嘆願書にその言葉もありますが、
この台詞は、八王子千人同心(関連:◆
蝦夷移住の八王子千人同心
,◆
八王子千人同心蝦夷移住隊の農耕
)
であり(関連:
蛮舎の獄
)であり、赤蝦夷日誌、開国兵談であり、
漂流民
であり・・・と多岐に跨る。
幕末じゃなくて、もっともっと早期から。
それだというのに、先送り、先送りで、ついに、戦争時代。大敗北。
それに加えて、切羽詰って猛烈ピッチの開拓北海道は、一般に見え難い裏側に、
蝦夷残酷史。
終いに勝海舟がぼやいています。略意:
「明治の残酷と来りゃあ、これじゃまるで、
江戸時代の野蛮のほうが、よっぽどマシだサ。そうとしか言えねえな!」
・・・(関連:
■蝦夷残酷史が解る頁その1
,
■その2_徒刑囚の箱館
)
文章解説(c)by rankten_@piyo:20110614;
写真等、素材については頁下表示
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