ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.01.13
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カテゴリ: 国際経済
南海泡沫事件顛末記(53) 

終章 現在の危機

長くなった連載も、いよいよ最終回です。

昨日のno,52に、天下大乱の可能性を記しました。勿論大乱は経済合理性に合いません。どの国でも革命や、政治的混乱の時期には、経済は長い下落や停滞の時期を経験しています。ですから、昨日の指摘は、大乱の発生によって、経済はさらに落ち込み、混迷を深めることに繋がるだろうという、メッセージとしてお読みいただけると幸いです。

一つの史実を記しておきます。1929年に、米国ニューヨークのウォール街の株価大暴落に始まった世界恐慌に際し、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、29年9月の最高値が381ドルでした。このダウ平均の29年安値は、11月13日の198ドルです。そこから少し戻すのですが、やがてずるすると下げに転じ、31年9月には100ドルを割り込み、32年7月8日の大底時は、何と41ドルにまで下落しました。下落率は89%に達しました。

問題は、29年9月の高嶺381ドルを回復したのは、第二次世界大戦の終了から9年も経った1954年だったという事実にあります。戦争を挟んだとはいえ、回復には25年もの期間を要したということです。100年に一度という言説がマスコミに踊っています。だとすると、今年後半から回復すると言った類の、評論家の皆さんの発言を、そのまま受け入れることは出来ないように思います。

アメリカでは、バーナンキFRB議長が、ひたすら市場にドルを供給していますが、その資金が市場で活発に利用される状態には、なっておりません。景気の底抜けを辛うじて抑えている状態です。どうやら、米国景気の緩やかな回復が起爆剤となって、世界経済が回復に向かうシナリオは、描けそうもありません。

1973年の第一次オイルショック後の、世界同時不況は、77年頃からの自動車輸出を中心とした日本の経済回復が起爆剤となって、同時不況を脱しました。これがきっかけで、この時期に日本は、名実共に経済大国の仲間入りを果たしました。この故事に倣って、今回の世界経済の深刻な危機に際し、危機突破の起爆剤となりうる国は、どこかを考えると、その可能性を持つ国は、13億人の人口を抱える中国をおいてほかにない現実が浮かんできます。

中国も現在は不況に苦しんでいます。成長率で8%以上がほしい中国にとって、5%の経済成長は十分不況なのです。この中国経済が回復に入り、大量の輸入を再開することが出来るか否かが、世界経済の底抜けを防ぐ、ほとんど唯一の可能性であるように思います。



苦しい中で、対中投資を増やし、中国工場を充実させ、中国当局に中国の会社だと認めさせるところまで、現地に食い込んだ事業展開ができるかどうか。ここに今後の勝ち組と負け組みの分かれ道があるように思います。

17世紀、18世紀のバブルと、現在のバブル。紐解いてみると、あまりにも類似の点が多いのに驚きます。人間の欲には、いつまで経ってもの思いが致しますが、その代償は、今回の方が遥かに大きかったことになります。レバレッジの利かせ過ぎが、その原因であり、それを規制しなかった誤りは、金融工学に対する過信によるものでした。

                                  終り





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最終更新日  2009.01.13 13:43:26
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