2015年07月19日
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カテゴリ: 宮崎中央犬管理所


「呼吸が荒くて死にそうな犬が居るけど、どうにかならないの?」

「…今夜が峠でしょうね」

管理所の犬舎から出てきた見学者と、

管理所の職員さんの会話を耳にしながら、

ドキドキしながら犬舎に入った。



その仔の檻の前に立つと、

呼吸困難だったのが嘘のように、

「あっ!見つけた!」 という表情をした。

20150718r.jpg

その目は、とても生き生きとしていた。

檻の中に入ると・・・

「助けて!」 そう訴えかけてきた。

さっき檻越しで初めて会った時の目と、明らかに違っていた。

これまで多くの仔達と、この場所で会ってきました。

ですが、ストレートに 「助けて!」 と言われたのは初めてかもしれない。

20150718q.jpg

身動きさえできない体なのに、

キュンキュン言いながら這いずり、膝の上に顔をうずめてきた。

20150718o.jpg

「分かってるよ。一緒に帰るっちゃろ?」

この仔をレスキューし、直ぐに病院に連れて行きました。

骨はバッキリ折れていました。

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車のタイヤが、完全に体上を通過したのでしょう…

車の重圧に体が耐え切れず、皮膚がバーンと破裂していました。

20150718m.jpg
(とても酷い状態なのでぼかしをかけました)

傷口が肛門の横という事で、感染症の危険も大きいという事、

傷口が完治したとしても、半身不随だという事、

22キロの大型犬なので、

保護家に3頭目の半身不随の仔は、

負担がかかるだろうと、そういう理由もあり、

先生が心配して、遠まわしに言いました。

「山下さん、この仔は…安楽死を勧めるレベルですよ」

20150718n.jpg


この仔の顔を見た時に、「生きたい」と訴えかけてきました。

今、死ぬほど苦しいはず、死ぬほど痛いはず、

それでも、この仔の選択肢には「死」はありませんでした。

「治療をお願いします」

私はただ、この仔の気持ちを尊重するだけ・・・。

この仔に従うだけ・・・。

手術に立ち会いました。

この仔の痛みを共有する事が出来ない私には、

この現実を、この仔の痛みと苦しみを直視しなきゃいけない。

苦しみだけでも、共有するべきだと思って。

20150718k.jpg

術後です。

破裂してた皮膚は、無事に閉じる事が出来ましたが…

一番強い痛み止めも効かないくらいの激痛らしく、

朝までずっと鳴(泣)いていました。

痛みで眠る事も出来ない様子で、

睡眠薬を飲ませてみようかとも思いましたが、

腎臓に負担がかかることが怖くて、それもできませんでした。

ただただ、「大丈夫大丈夫」と、

横に寄り添う事だけしかできませんでした。

ただただ、痛みが少しでも和らいでくれる時が来るのを、

待つ事しかできませんでした。

自分の無力さを感じた・・・。



実は、このとき、東京行が決まっていました。

先日のブログ に書いた、あるプロジェクトへ向けての東京行でした…。

ほぼ、キャンセルする流れで考えていました。

それが当然の流れだろうと・・・。



私は・・・今まで沢山の人を裏切ってきた。

犬猫が病気になったり、けがをしたり、緊急レスキューが重なると、

どんなに大事に用事でも、犬猫を優先してきました。

携帯も放置し、人間社会を完全にシャットダウンしてきました。

何度ドタキャンしてきたか分かりません。

それだけその仔に時間も心も全て全て、集中していたかったんです。

決して、それが良いとは言いません。

むしろ、それは間違っていると分かっています。

それでも、私にとってはこの子達なんです。

この子達には私しかいないんだと・・・変わりはいないんだと・・・

だから、全力で向かい合いたい・・・向き合うべきだと、

そう思っていたのかもしれません。



出発ギリギリで、副代表から背中を押してもらった。

「保護家の子達は、私達の子でもあるんだよ。

私達に任せて欲しい…。留守はしっかり守るから、

ゆみさんの大事な人を裏切ったらだめだよ」


そして、かかりつけの病院にも、今回甘える事にしました。

留守中、この仔を先生にお願いしました。

20150718j.jpg

ガウガウのダッコは・・・

20150709b.jpg

専属スタッフを一人に決めて、

ダッコとの接し方を説明して、私は東京行を決めました。



扱いの難しいダッコと、レスキューしたばかりの治療中の仔を

置いて、東京行を決めた事・・・

正直とても怖かったです。

スタッフを信頼していないわけではなく、

もし、この選択が、優先順位が間違っていれば、

東京行の目的、プロジェクトもきっと失敗するだろうと…。



ですが・・・

それは間違いではなかった事が、ハッキリ分かりました。


・・・次に続きます。





追伸・管理所のゴールデンは返還、
ペキニーズは飼主さんが決まりました。
御心配おかけしてて申し訳ございませんでした。
沢山のシェア、本当にありがとうございましたm(__)m



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最終更新日  2015年07月20日 04時31分37秒
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