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保護家の「老犬ホスピス棟」のココちゃんは、
今年6月に、熊本の被災地から来た仔です。
地震で家を失った高齢の飼主さんは、
熊本を離れ、息子さんがお住いの大阪に引っ越す事となりました。
色んな事情があり、ココちゃんを連れて行く事が出来ない…
ココちゃんの「命の橋渡し」をして下さった
熊本の愛護活動家、土田さんはこうおっしゃっていました。
「地震さえなければココちゃんの一生は
飼い主さんの元で終わったのでしょう。
今回の地震で住み慣れた熊本を離れる事になり、
離れ離れになってしまうのは
飼い主さんにとっても悲しい決断でした。
連れてこられた時、ココちゃんの
愛用のタオル、布団、洋服を持たせてくれました。
18年。この子が生きてきた犬生そのものが
飼い主さんの愛情そのものだと思いました。
大好きな家族に命を絶たれなかった事(センターの持込)が、
それは救いだったでしょう。」
私はあえて、なぜ飼主さんは大阪に連れて行けないのか、
飼主さんの情報等、詳しい事情を聞きませんでした。
「ココちゃんは飼主さんから愛されてた」
それだけ分かったから、もう十分でした。
それ以上は、自分自身の興味本位でしかないと感じたので…
ココちゃんは、日に日に元気を取り戻し、
自分の足で歩き回り、ご飯もモリモリ食べ、
皮膚も綺麗になっていきました。
保護家に来て3ヶ月・・・
あと2年位は大丈夫だろうと思っていたのに・・・
東京に研修に行ってた時に、
ココちゃんが倒れたと、スタッフから連絡を受けました。
ココちゃんは、リンパ腫でした。
抗がん剤使ったら余命3ヶ月~半年。
ステロイドで余命1ヶ月~3ヶ月。
何もしなければ余命1ヶ月未満。
生きれる永さではなく、ココちゃんが一番苦しくない方法、
ステロイドを選択しましたが・・・
その数日後・・・
この写真を撮った数時間前、
今夜が峠だと言われてました。
寿命を延ばそうとは思わない。
ただただ、苦しまずに、最期を迎えて欲しい。
ココちゃんは、無事、朝を迎えることが出来ました。
寝たきりのハクじぃちゃんと、
励まし合うかのように、寄り添って…
もう、あまり体を動かす事も出来ないココちゃん。
呼吸するのがやっとのココちゃんに、
酸素室をレンタルしました。
この酸素室のレンタル代(送料や保険含めて5万円)は、
浅田美代子さんからの寄付です。
「ココちゃんは、私もずっと気にしてた仔なの。
だから、ココちゃんにかかる費用はちゃんと私に甘えて!」
そう言って、先日お食事した帰りに私に託して下さいました。
ココちゃんには、私は申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
死が近くならないと、「その他大勢の1匹」に過ぎなくて、
死が近くなって、やっと1匹に集中できるような体制。
でも、ココちゃんを想ってくれている人は、
私だけではなく、実はこんなにたくさんいてくれてるんだと…
「ココちゃん、あんたは幸せやとよ」
自信もってココちゃんにそう言えました。
※「ひまわりの家」と山下由美は、一切関係ございません。
2009年に辞任後「いのちのはうす保護家」として独立しています。
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