2017年03月10日
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カテゴリ: 保護家の仔達
三年前に管理所からレスキューした「ジロ」





「番犬」 が欲しいとの言葉に、お断りする事も考えながら、

「番犬なんて言い方してごめんね。うちの家族になってくれる?」

この人は多分、言葉を知らないだけなんだろうと…

この最後の一言に、私は騙されました。


ジロが緑内障で目が見えなくなったから

保護家に戻したい・・・そう言ってきたのです。



ジロを譲渡して2年・・・

既に、ジロにとっての飼主はK氏でした。

どんな飼主でも、ジロにとって一番信頼している人だったのです。

「吠えるから訓練所に入れたら、
今度は全く吠えなくなって困ってる」

「緑内障なのを隠して譲渡したんじゃない?」

バカバカしい話にも付き合いました。

ジロの幸せのためにと、怒りたい気持ちを抑えながら、

色んなアドバイスをスタッフがしてきましたが、

盲目になってしまったジロは、k氏にとって「邪魔」だったのでしょう…

k氏は、とうとう保護家にジロを連れてきました。



二年経った今、戻すとか返すんじゃなくて、

目が見えなくなったから棄てるという意味なのだと告げ、

念書を声に出して読み上げるよう指示しました。

「内容に納得がいかなければ、サインしない方が良いですよ?
その代わり、ジロはそのまま連れて帰って下さいね」

ご自身で納得の上、書いてもらいました。


k氏「うちに来て直ぐ目がおかしくなったから、
貴方達がそれを隠して譲渡したんじゃないの?って娘がね~…」

「うちに居た頃の1年間のジロの写真、見せましょうか?
カメラ目線、皆と遊んでるジロの写真いっぱいありますよ?
見ての通り、うちには盲目の犬、手の無い犬猫、半身まひの犬猫、
ハンデのある子は沢山いますので、
騙してまで譲渡したい…その意味が分かりません(笑)
いえ、逆にkさんの言ってることは名誉棄損、
私達とここに居る子達に、とっても失礼で迷惑な行為なんですよ」


窓口スタッフの方を見ながら・・・
k氏「私だってジロへの愛情はあるのに、この人がきつい事言ってきて、
私ビックリしたんですよ。とても傷ついたんですよ。
あの言い方は酷いです。」

「kさん、結果どうなってますか?結果が全てでしょう?
うちのスタッフもkさんの言葉にビックリしただろうし、
同じ様に傷ついてますよ?」

k氏「ジロが人を四回咬んだんです!私たち家族には咬まないけど」

「それはジロがかわいそうでしたね。
目が見えないから怖くて咬むこともあるのに、
咬ませない状況を作ってあげるのがKさんでしたよね?」

半身不随のサンばあを見ながら
k氏「この仔とか見てて、可哀想って思う気持ちは私にもあるんですよ」

「可哀想?(笑)それ、ちょっと違うんじゃない?
サンばあは、半身不随になったから飼主に棄てられたんですよ。
kさんのやってる事もその飼主と全く同じですよ?(笑)」

「でもね、もらって直ぐ目がおかしいな~って気付いたんですよ。
まさかこんなはずじゃ…と思いますよ。
でも、可哀想だから保健所には連れて行けないじゃないですか~」

どの犬も絶対に病気をしない保証はないんですよ。
ペットショップで買う犬も同じことですよ?
病気になったから、他の人に丸投げするのは捨てる事と同じですよね」

「いいえ!ジロへの愛情はあったんです!本当です。
だから私も辛いんですよ」

「私もkさんにジロへの愛情があったと思います。
でも・・・その愛情に深さがなかったんですね~
私は、一度自分が責任背負った子は、たとえ寝たきりになっても
24時間ほとんど睡眠取らずに看てますよ。
それが本当の愛情じゃないんでしょうかね~」

「ジロは、うちに居るより、お友達の犬達と一緒に居る方が
幸せだと思うんですよ」

「kさん、ドッグランの犬達見たでしょう?
あの中に目が見えなくなったジロを入れたらどうなると思いますか?
怖くて威嚇するジロは殺されますよ?
人間と同じ理性は犬にはないんですよ?
ジロは殺されるかもしれない…
kさんは、そういう所にジロを捨てていくんですよ?」


「・・・・・・・」

「まぁ、そんな事にならないように、うちのスタッフ達が
懸命にジロの居場所を模索してるんですけどね!」


帰り際、
「あの…フードとおやつをもってきたんですよ」

「あ~うちはいりませんよ。kさんはどうせ二度と犬は飼えないから、
どなたか知り合いにあげたらどうですか?」

ジロは、k氏の声を聞いて、尻尾を振った…
それなのに、ジロに声をかける事無く、
ジロの姿に目を向ける事無く、ドアを閉めた…
ジロは後追いして鳴いた…
kさん、あなたのいう「愛情」はそんなものでしたか…

ジロにとって、二年ぶりの保護家は、
もう知らない場所だった・・・



ただひとつ・・・



私の相棒カムカムとジロは、

お互いに覚えていた…

二人の関係性が、二年前と全く変わらずそのままだった。



ジロは、「老犬ホスピス棟」に移動した。



ここは、老犬や体にハンデのある子達のスペース。



目は見えないけど、チャンスがなくなったわけじゃない!

きっと、今度こそ本当の良縁があるかもしれない!

ジロの本当の犬生はこれからです!





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最終更新日  2017年03月10日 03時02分28秒
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