2017年11月19日
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テーマ: 動物愛護(608)
​下記は、上記リンク記事の続きとなります。​
​↑を先に読んで頂けると助かります。

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「犬の家」を見学させてもらった後、コーディネーターとして
日本から一緒に来てくれたトミーから、​
「山下さん、どうでしたか?」
そう聞かれたときに、私は答えが出てきませんでした。

「・・・分からない」
本当に分からなかった。

この感覚は、11年間味わってきたあの時の感覚と同じでした。

管理所の檻の前に立つあの感覚…。

両隣りにある檻の通路を歩く感覚…。

私は、「無」になって通路を歩きまわっていました。



正確には、感情のスイッチがいつの間にか
Offに切り替わっていました。

テレビやネットの「半身麻痺の犬が治る」という
モニター越しの情報で、私は勝手な希望を抱いて来ました。
実際は、9割の犬は半身不随のまま…という事でした。

もちろん、誰も嘘は言っていない。
ただ、小さな部分が大きく取り上げられすぎて、
私が勝手に都合良く解釈していただけです。



ここにいる半身麻痺の犬達は、スタッフさん達から
献身的なお世話を受けています。
1頭1頭、名前が付けられみんなから想われています。



ただ・・・

一日のどのくらいの時間を、
この四角い箱の中の中で過ごしているんだろう…

そう考えると、とても複雑な思いがしました。



それは、もちろん、ここにいるスタッフ皆さんの方が、
私が抱いた感情よりも、もっと強い願いだと思います。

この保護、管理方法でしか、
この子達を助けることが出来ないのです。
守ってあげる事が出来ないのです。



ケージの並び方にも、スタッフ皆さんの愛を感じました。
相性の良し悪しはもちろんの事、
強い子の隣には弱い子を置かないとか、
隣り合わせだけではなく、向かい側の犬にも、
配置を考えているように思いました。



この子達が幸せか幸せじゃないかなんて、
外部の私には分かりません…。



ここに居る子達は、スタッフ皆さんから
愛されている子だから…。



きっと、私の「いのちのはうす保護家」の
麻痺っ子たちを見て、可哀想だと涙を流される人と、
ここで感じた私の感情は、同じ気持ちなのかもしれません。



可哀想に・・・
そう感じてしまう私は、失礼なんだろうなと思います。



だって・・・

自分の小ささに情けなくなるくらい、
スタッフ皆さんが、優しくて素晴らしい人たちだったから。



皆さんが、今、出来る事を一生懸命されていて、
私なんかまだまだだと感じさせられました。



皮膚病が激しく、治療を頑張っている子も沢山いました。



この仔は、他のサイトでも何度か見たことある子でした。
だからかな?初めて会ったとは思えなかった。
長い期間、ここに居るんでしょうね…
不思議とみんな、この子にカメラを向け、
不思議とみんな、upする写真に選んでいる。
400頭いる中で、この子に何か感じるものがあるのでしょうか‥。



この子は、
後足の関節から切断されていましたが、
歩行は出来るようなので、いずれナコンパトムに
移動できるのだと思います。







瀕死の状態の仔が2頭いました…。

この子は、寝たきりの状態で、
床擦れの治療痕がありました。



スタッフ皆さんの献身的な介護が続きます…。





責任者のカーンチット・ワーピライさんに聞いてみました。

​「24時間敷地内に寝泊まりしてて、​
息抜きしたい、遊びに行きたいと思いませんか?」
そう質問した時に、

「いいえ、ここには心優しいスタッフばかりなので」
の返答に、私の胸がざわざわしました。

​「でも、でも、本当は、夜の街にお酒飲みに行きたいとか、​
ありますよね?」
こんな失礼な質問にも、カーンチットさんは、
ニコニコ笑顔で本音を話して下さいました。

​「もちろん、その気持ちもありますよ」​

このときに、不謹慎かもしれないけど、
自分と同じ人間なんだと、ホッとしてしまいました。



「犬の家」施設前には、オシャレなカフェがありました。
多分、「犬の家」の見学者をターゲットにしようと、
一般の方がオープンさせたのでしょうか…。


カフェの看板犬を見て・・・
なんだか悲しくなりました。




カットも綺麗にしてもらってて、
とても幸せな子です。

それなのに、道路の向こう側は・・・

こんなに近いのに、なんだか全く違う世界。
数メートルの道路が、遠い不思議な距離に感じました。



感情のスイッチがオンになったのは…
日本に帰国して直ぐの事でした。

保護家から届いた「みんな元気にしてるよ~」という
麻痺っ子の犬達の写真を見た瞬間でした。

写真を見ながら、皆の声(特にやらかしサンバァ(笑))が、
写真から聞こえてくるようでした。

「さほど広くはないけど、部屋の床はよく滑るから
後足が動かなくても、立てなくても、
素早くスイスイと移動できるし、まあまあ楽しいかな」

「時々、掘り出し物が出てきます。
今日はフカフカな枕を見つけられて幸せ…」

「ごはんとお散歩の時間が一番大好き!」

時に、良い匂いに釣られて遊んでいると、
何だか知らないけど、「ギャ~!!」と大きい声を出されて
驚かされる事も多々あるけれど…」

「何か知らないけど、皆が自分を見て笑ってくれる。
そんなみんなを見ていると、なんだか自分も嬉しくなってくる」

時々、場所争いやご飯の取り合い等、
ケンカもしながらも、毎日色んな刺激の中で
​麻痺っ子たちはみんな笑顔です。

何が幸せで何が不幸なのか・・・
まだ答えを出せずにいますが、
頭から離れないのは、
「犬の家」の半身麻痺の犬達に
私が出来る事ってなんだろう…という事でした。

先ずは自国から!先ずは宮崎から!先ずは保護家から!
頭では分かっているんです。
でも、私はあの子達に会った…出会ったから…。



次は、ナコンパトムの施設の事をご報告いたします。
ナコンパトムの施設は、「犬の家」で治療完治した子、
半身麻痺が完治した子が移動する施設です。

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いのちのはうす保護家」
お問合せ先は、
HP内の「お問合せフォーム」からお願いします。
皆様のご協力ご支援どうかよろしくお願い致します。
宮崎銀行 加納支店 普通口座 104601
口座名義:動物たちの未来のために 代表 山下 由美
郵便貯金 17310-434961
口座名義:イノチノハウスホゴヤ
〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581
      山下 由美

090-4484-5165


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最終更新日  2017年11月19日 02時41分33秒
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