2022年11月21日
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カテゴリ: 療養の家
全身麻痺、頸椎骨折、頸部外傷…

この世に誕生して
まだたったの30日なのに
なぜ、こんな試練を与えられたのか…


鳴こうと必死に口を動かしてるが
声を出すこともできなかった。



首の骨がバッキリと折れていた。
全身麻痺になるのは当たり前、
いいえ、生きてることが奇跡だった。

首の咬傷跡から考えると、
犬が首を咬んで振り回した際に、
頚椎が折れたのだろう…
でも、逃げる者を追ったり、
咬んで首(頭)を振るのは犬の本能。
決して犬が悪いわけじゃない。



首がかすかに動くだけで
足一本動かせない。
動くのは、目と口だけだった

それなのに…なぜこの子は
こんなにも「生きたい!」と
強く願うのか…願っているのか?



痛いだろうに…
それなのに…なぜ?
​なんでそんなに強い気持ちでいれるの?



懸命に生き抜こうとする生命力…
この子の強さと尊さを
感じずにはいられなかった。

一生寝たきりだろうと…
いいえ、生きることすら
難しい状態だった。

7月10日レスキュー
​命名「ネバー」​



寝かせたままでのご飯。
給水はシリンジ。
圧迫排尿、圧迫排便、体位交換、
介助は24時間体制だったが、
私自身は、キツイとか辛いとか、
感じる瞬間は全くなかった。​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​


きれいごとや嘘やカッコつけではなく、
一度も希望を捨てず介助してきたのは、
私の理念でもある口癖
「その子が望んでることに従うだけ」
この思いひとつだけだったからだろう。



そして、なんといっても
「ネバー」本人が、
生きる事を諦めてなかったから。



首を骨折してるため、
抱っこしてあげる事もできなかった。

まさに 「首の皮1枚でつながってる」 状態。



寝かせた状態で
肉球をにぎにぎしながら
刺激を与えるリハビリをスタート。



※レスキュー5日目 7/15
ネバーが顔を上げた!
頭を動かしてる!



頚椎がバッキリ折れてるから
難しいだろうと
宣告されてたネバーが…。



生きるのか?ネバー!
生きれるんだよね?ネバー!



※レスキュー8日目 7/18
本格的に、足のリハビリスタート。
嫌がっててかわいそうだからと
何もしないままでいると
関節が固まってしまう。
心を鬼に…なだめながらのリハビリ。



足を動かす脳の神経が
切断されてる状態らしいが、
いつか必ず、
神経回線が繋がると信じながら
リハビリの日々。



医学的なことは全く分からないけど
医学的根拠はあまり信じてない。
「回復はありえない」
そう診断された犬猫たちが
リハビリによって回復した例を
多くの子達が証明してくれたから。
だから、ネバーもきっと…



​※レスキュー12日目 7/22​
上半身がモソモソ動くようになった!
肉球をギュッと握ると
握り返してくれるまでに!



微かな小さな力だが、
原始反射のような反射的なものではなく
ネバーの意識で握り返している!
直感でそう思えた。



下半身、後足はまだ全然動かない…
後足のリハビリに時間をかけるようにした。



顔が汚れているのは、
首に刺激を与えないため。
顔を拭くことで
首に変な力が入ってしまうと
わずかに繋がってる頸椎が
ポキッと折れて死んじゃいそうだから…



​※レスキュー14日目 7/24​


しっかりとした力で
顔を持ち上げれるようになったネバー。
少しだけなら大丈夫では…?
シート越しではあるが
ネバーを抱っこした。

500gにも満たない小さな体…



レスキューして二週間目にして
初めてネバーを胸に抱いた。

我が子を産んだ時
初めて抱っこしたときのような感覚だった。
愛おしくて愛おしくて涙があふれた。
この日腕に感じたネバーの
小さな重み…今でもしっかり覚えている。



​※レスキュー15日目 7/25​
今までは、ベットで安静に寝かせていたが、
上半身が動かせるようになり、
少しの時間なら…と、広い場所で
寝かせるようになった。



ベットで寝かせていたときには
見られないような行動が出てくるようになった。



この日から私の姿が見えなくなると
後追いするようになったが、
上半身で這いずっての移動は
まだまだ難しいようだ。





​※レスキュー17日目 7/27​
24時間ずっとネバーについてるわけにいかない。
保護家には、たくさんの犬猫たちがいるのだから…

動きたい気持ちが先走り、
転げまわって移動したのか、
作業から帰宅したら…
ネバーの左手が脱臼してた。



麻痺の犬猫は痛覚がないため
脱臼は避けられないが、
元の位置に戻してあげれば問題はない。

どんどんネバーから目が離せなくなってきた。
人間の赤ちゃんでいう「這い這い期」?
こんなときでも写真を撮るのは
どうかと思われるかもしれませんが、
今後の安全対策のため、
二度と同じような事故が起きないために
記録を残さなければいけません…m(__)m



​※レスキュー19日目 7/29​
ネバーが「お座り」できるようになった!



まだ足の関節が固く、あまり伸びないため
ぶきっちょな座り方だけど嬉しい♪

人間の赤ちゃんと順番が逆だけど、
「腰が座る期」かな?
まだ後ろの支えがないと
コテンっと転げるため
まだまだ目が離せない。



​※レスキュー27日目 8/6​
上半身を支えられるくらいに
前足の力が強くなってきた。
前足の力だけで、移動もできるようになった。



右後ろ脚の関節も、柔らかくなってきて
ちゃんと曲げ伸ばしできるようになってきた!



腰の力もしっかりしてきたが
まだまだ支えは必要かな?



​※レスキュー28日目 8/7​
お座りの形もさまになってきた。
後ろの支えがなくても、転げなくなった。



だけど…なぜだろう?
回復していく度に
強迫観念に襲われるようになった。

ちょっとした軽い衝撃でも、
頸椎は折れてしまうんだよな…とか、
薄いペラペラな骨が
かろうじてくっついてるだけだもんな…とか、
細い神経がわずかに残ってるだけなんだよな…とか、
不安や心配を通り越した
強迫観念のようだった。



ネバーがスヤスヤ眠ってると
死んでるんじゃないか?!と、
その都度、呼吸の確認をくり返している
異様な自分に気付いた。
リハビリ疲れなのか?

生きてるだけでもありがたいことなのではないか…?
こんなにリハビリを頑張らせても良いのか…?
ネバーに無理させてるんじゃないか…?
ネバー give up?(絶対にあきらめない)
本当にこれでよいのか?ネバー…



​※レスキュー30日目 8/9​
本当にこれで良いのか?
リハビリを頑張らせすぎてるのでは?
そう迷いながらも
リハビリの手を止めずにきてしまったが
「これで良かったんだ!」
確信した日だった。



首が座り、伏せの体制が
出来るようになり、
前足が動き出した…を、通り越して
神経が完璧に通い出した。

残るは後ろ足二本!
ネバーは毎日毎日
リハビリ頑張っている。
ゴロゴロ喉を鳴らしながら
嬉しそうにリハビリ受けるようになった。





※レスキュー32日目 8/11
下半身麻痺は変わらずのネバー。
圧迫排尿時に摘便もしてたが
・・・ん?
明らかに自分で移動し、
自分の意志でしただろう場所に
便があった。



試しにトイレを設置してみると…



しっかり自分で便を出してた!
凄い…下半身もここまで回復したんだ!



下半身を引きずりながら
トイレに移動したのかと思うと
感極まって胸にキュ~っときた。



​※レスキュー34日目 8/13
えっ?!
ネバーが立った!!



こんなにも凄いことなのに、
当の本人は普通の顔して
ごはんを食べ始めた。

後足の位置はおかしいけど
ネバー、あんた立ってるんだよ?
立てたんだよ?

カメラを持つ手が震える…
当事者じゃない私の方が
感動のあまり動揺してる。
ネバー…(´;ω;`)



​※レスキュー36日目 8/15
えっ?!
ネバーが歩いたっ!!



まだ麻痺が残る左後足を
引きずりながら三本足で…
しっかりとした足取りで
ネバーは歩き出した!!



今まで見に行けなかった場所を
嬉しそうに歩き回りながら
ひとつひとつ探索するネバー。



今まで与えられた場所でしか
くつろげなかったネバーが
自分の意志で、
自分が決めた場所で、
自分が決めた子と一緒に、
ネンネできるようになった。



頸椎が真っ二つに折れてるような状態で
ここまで回復するとは…

「奇跡」が起きたのではなく、
ネバーの粘り強さと頑張りが、
ネバー自身が…
奇跡を起こしたのだと思えた。

​~・~・~・~・~・~​

時は流れ、
レスキューから4ヶ月…
ネバーは生後5ヶ月の
凛々しい男の子へと成長した。



骨折してる首の骨は
今でもバッキリ折れたまま。

大手術を受けない限り
頸椎骨折は元に戻らない。

首に爆弾を抱えてる状態は
もちろん変わりない。



こっちがひやひやするくらい、
激しい動きも多くなってきたが、
それでもネバーは動きを止めない…



わずかに繋がってる神経が
「俺たちだけでも頑張ろうぜっ!」と
一生けんめい進化したのか?

「俺たちが支えようぜっ!」と
首周りの筋肉が強くなっているのか?



残念ながら、左後足だけは
麻痺が残ってしまいました。



関節が固まってるため
ピンと伸びたままです。

ナックル足にならないよう
肉球部分のリハビリは
これまでも続けてきたので
肉球はしっかりと
地面に着くようになりましたが
まだ時々ナックル足になることもあります。



でも、ナックル足になる頻度は
徐々に減っていきました。
まだまだ成長期なので、
伸びしろはあります!
私もネバーもまだ諦めていません!



ただ、問題がひとつ…

後ろ左足が麻痺で痛覚がないので、
自分の足をかじっちゃうのです。

ネバー本人からすると
左後足の存在は、
歩行するときにいつもくっついてくる
邪魔な「異物」という認識しかないのです。



傷口からの感染症を防ぐため
左後足の断脚をするのが妥当…
ですが、断脚する際には
安全性を考えて大腿骨からの断脚になります。

まだ体が成長しきってない今は
断脚手術を避けたいと思ってます。
1才過ぎて考えていこうかと…



そんな状態ではありますが…
頸椎骨折をカバーしてくれる
首の筋肉もついてきたので
​「譲渡」活動をスタートします。​



​ネバー♂​
推定 2022年6月中旬頃生まれ

エイズ白血病 陰性
ワクチン接種済み

12月上旬去勢手術予定

生後5ヶ月ですが、
子猫の時に麻痺になったので
体は生後3ヶ月位の小さな体のままです。
成長はゆっくりゆっくりの子です。



人見知りはありません。

ずっと人間の手でリハビリを受けてきたので
人の手は大好きです。

一緒にゴロゴロ寝転がりながら
リハビリしてたせいか
横になるとずっと絡んできます。
ゴロゴロ喉を鳴らして嬉しそうに…



お膝に乗るのが大好きですが、
抱っこはあまり好きではないようです。

犬ともねことも仲良くできます。
物怖じしない子です。



ただ、どうしても妥協できない部分があります。
① 高さ100㎝以上のキャットタワーが
設置されてないお家。
高さがあるタワーは、
頸椎骨折のネバーには
ジャンプして降りたときに危険なので…

② フローリング中心のお家。
クッションフロアやカーペット等
床が滑らないと左後足がナックル足になり
擦れて出血してしまいます。
フローリングのお家への譲渡と限らせて頂きます。

こんな譲渡条件だなんて…(´;ω;`)

遠方への譲渡も大歓迎ですが、
頸椎骨折してるネバーなので
空輸はできません。
陸路で連れて行っての面談になるため
ネバーの体力も考えて
休み休み行っても
宮崎→名古屋までが限界かと…

どうか、ネバーが幸せになれますように…
良縁がありますように…

​​​​​​​​

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最終更新日  2022年11月21日 02時42分12秒
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