偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2009.11.26
XML
カテゴリ: 偐万葉

偐万葉・大和はまほろば篇(その7)

 本日は偐万葉といたします。大和はまほろば氏のブログにお邪魔し、同氏の俳句に下二句を勝手付けして和歌にするという、押しかけコラボ歌集です。
(上の句 <色字> が、まほろば氏の俳句。下の句が偐家持の作。
 括弧内の作者名は、偐家持が適当に付けてみました。
 写真は全てまほろば氏のブログからの転載です。)

  偐家持が大和国まほろばの麻呂に贈りて詠める歌32首

堰に来て 悲鳴を上げる 秋出水        流していたに 流されにけり (主客転倒)

鶏頭の 老いの一輪 倒れけり  寒き人の世 秋の夕暮

夜が明けて 落穂を拾ふ 鳩雀         和朝食かも 鳥も大和は (朝食バイキング)
20091029夜が明けて落穂を拾ふ鳩雀.jpg20091029朝寒やみち行く人の背の丸さ.jpg

朝寒や みち行く人の 背の丸さ       衣貸すべき 妹は朝寝か (偐長屋王)

昼飯は 激辛カレー 鷹の爪
      いづち ( こも ) れる ハゲタカファンド (今昔物語)
20091030昼飯は激辛カレー鷹の爪.jpg

柿日和 ひとり歩きの 心地よさ       雲にまかせて 長堤の道 (与謝柿村)

糸菊の 髪のほどよき カールかな
      ピアスはいづこ ブロンド娘 (クリサンサモン)
20091102糸菊の髪のほどよきカールかな.jpg20091105公園に人の気失せて夕紅葉.jpg

公園に 人の気失せて 夕紅葉
      内なる秋の 風の ( ) 聞くや (ヴィオロン)

媛眠る 陵とは知らぬ 浮寝鳥
       水沼 ( みぬま ) はなべて  ( すだ ) く宿なり (安眠鳥害)
20091106媛眠る陵とは知らぬ浮寝鳥.jpg

冬立つや 野山を走る 千の風  吹く青空に 白き穂の立つ 

煙立ち 秋の ( しま ) ふや  高麗 ( こま ) の里  行く人もなく 日は照りにけり
20091108煙立ち 秋の終(しま)ふや 高麗(こま)の里.jpg20091109桂川飛び越えてゆく尉鶲かな.jpg

桂川 飛び越えてゆく  尉鶲 ( ひたき ) かな
      言痛 ( こちた ) き人の 世にもあらねば (偐但馬皇女)

不況下に 背高泡立草の 良く伸びて        せいたらいかん あわててもいかん
            (馴化・セイタラアワテル草)
20091111不況下に背高泡立草の良く伸びて.jpg

時雨るゝや  木立の向ふ  こちら側
         されど明るき  遠き山の端 ( 明日香晴待 ( あすかのはれまち )

踏み込めば 踏み込むほどに 草紅葉
        わがみぢのぐの 秋にしあれば (晩年でん年)

踏み込めば 踏み込むほどに 草紅葉
        事業仕分けの 山の秋かな (民主しぐれ)

踏み込めば 踏み込むほどに 草紅葉
        オバマと談判 するほかなきか (普天間由紀夫)
20091113踏み込めば踏み込むほどに草紅葉.jpg20091114孫文の庭に咲きたる石蕗の花.jpg

孫文の 庭に咲きたる  石蕗 ( つは ) の花  天が下知る み代遠そけど

肌寒や 「熱いですよ」と 明石焼
       蛸名月の 冬の十五や (明石焼持)
20091114肌寒や「熱いですよ」と明石焼.jpg20091115明石へと戻る船追ふ秋の浪.jpg

明石へと 戻る船追ふ 秋の浪
       千々に砕けて 恋ひて死なまし (松帆夫人)

きずしにと 書かれてありぬ 秋の鯖
        よみあかしたる うへの 魚店 ( うをだな ) (さばよみすぎて)
20091117肌寒し薄日射しくる瀬戸の海.jpg

肌寒し 薄日射しくる 瀬戸の海  船呼び返す すべの知らなく

山茶花や 夜べの雨粒 載せゐたり
        ( ) のみし泣ける 涙の ( ) なく
20091117山茶花や夜べの雨粒載せゐたり.jpg20091118四国へと続く橋桁冬霞.jpg

四国へと 続く橋桁 冬霞   阿波道 ( あはぢ ) の山に 落つる日かなし

風の向き 教へてくれる  花芒 ( はなすすき )
       

       今立つ時と 我に言ふらし (明智光秀の誤算)

雨の朝  ( おとろ ) ひ目立つ 秋 薔薇 ( さうび )
      

        熟女の ( つや ) は なほしぞ残る (大野大町)

山里の 荒ぶる風や 一茶の忌
      なれど今宵は ボジョレーヌーヴォー (大林一酒)
20091119山里の荒ぶる風や一茶の忌.jpg20091121廃校の裏の山々紅葉せり.jpg

廃校の 裏の山々 紅葉せり
      坂の上なる 雲のいづこに (まほろ馬遼太郎)

青首を 一本貰ふ 新嘗祭  逝きにし父の ことぞ思ほゆ
20091123青首を一本貰ふ新嘗祭.jpg20091123廃屋の屋根にごろごろ烏瓜.jpg

廃屋の 屋根にごろごろ 烏瓜
       玉章 ( たまづさ ) の使 絶えしこの頃 (倦怠期)

冬の日を 受けてまぶしき 丸窓亭
         寄ればもみつ葉 音もなく散る (午後三時)
20091125冬の日を受けてまぶしき丸窓亭.jpg20091126次郎長が先頭を行く鴨の陣.jpg

次郎長が 先頭を行く 鴨の陣
        尻の石鴨 大鴨小鴨 脇固めてむ (向う水鴨)
          (注)575777の仏足石歌形式の歌です。

<参考> 大和はまほろば氏のブログ入口






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.05.06 17:54:14
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

けん家持

けん家持

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

けん家持 @ ひろみちゃん8021さんへ   >寒い中 遠い墓地まで お疲れ様で…
ひろみちゃん8021 @ Re:故智麻呂没後三年の墓参(02/25) こんばんは(^^) 寒い中 遠い墓地まで …
けん家持@ 今日郎女さんへ スモールプラネッツの関係では本名でご登…
けん家持 @ めぐの郎女さんへ   >先日はお寒い中、父の墓参にお付き…
けん家持 @ MoMo太郎009さんへ   >友人の墓参、付き合いの深い方   …
藤井今日子@ Re:故智麻呂没後三年の墓参(02/25) 先日はお寒い中、父の3回忌にご出席くださ…
めぐの郎女@ Re:故智麻呂没後三年の墓参(02/25) 先日はお寒い中、父の墓参にお付き合いい…
MoMo太郎009 @ Re:故智麻呂没後三年の墓参(02/25) 友人の墓参、付き合いの深い方だったんで…
けん家持 @ MoMo太郎009さんへ   >いずれも魅力的な写真で、こういう…
けん家持 @ ひろみちゃん8021さんへ   >自転車で走れるからこそ どこへで…

お気に入りブログ

掘り炬燵は どっち向… New! 龍の森さん

Going to a Go Go (… New! MoMo太郎009さん

雄略天皇御製  籠も… New! くまんパパさん

老人と海。 New! ☆もも☆どんぶらこ☆さん

春の全国火災予防運動 New! lavien10さん

雛祭り 3題 New! ふろう閑人さん

御褒美ランチ New! ひろみちゃん8021さん

私立高校無償化への… New! 七詩さん

2月楽歩会「観梅・… New! ビッグジョン7777さん

’25 日本水彩選抜展 ひろろdecさん


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: