8月28日の日記で、コナラの木に「クヌギ」という名札が掛けられていたことを記しましたが、それがこれです。
<参考> 青雲会囲碁大会・秋の気配
2016.8.28.
確かに、コナラとクヌギはよく似た木であるから、花園中央公園のこの名札について小生も長らく疑うということもなく来ました。
しかし、先日、見上げると実はコナラのそれであったという次第。
花園中央公園の桜広場の一角に、コナラとクヌギが並んでいる場所がある。ホットケーキみたいな茸が生えている切株のスグそばがその場所。
こちらは、何の木とも表示はないのであるが、上の2枚の写真を見比べて戴いてもお分かりのように、殆ど区別がつきません。葉の方も下の2枚の写真のようによく似ています。クヌギの葉の方がコナラのそれよりも幾分細長く大きいのであるが、別々に見て区別できる人はそんなには居ないでしょう。
しかし、実は一目瞭然。全く違う。
友人の小万知さんは、コナラの実はベレー帽を被っている、と仰っていましたが、それに倣うなら、クヌギの実はアフロヘアーのカツラを被っていると言うべきでしょうか。
コナラもクヌギもシイタケの原木になるほか、薪炭その他様々に利用され、古来から生活に密着した樹木である。そういうこともあってか、コナラもクヌギも万葉に登場する。
〇コナラの歌
下野
三毳
の山の
小楢
のす
まぐはし兒ろは
誰
が
笥
か持たむ (万葉集巻 14-3424)
(下野の三毳山に生えるコナラのように美しいあの子は、どんな男を夫として、その笥を持つのだろう。)
〇クヌギの歌
紅
は 移ろふものぞ
橡
の
馴れにし
衣
に なほ
及
かめやも (大伴家持 万葉集巻 18-4109)
(紅色は華やかだけれど、すぐに色褪せるもの。地味なつるばみ色に染めた衣にどうして及ぶことがあろう。)
コナラは、若い可愛い娘の比喩として使われているのに対して、クヌギ(つるばみ)は(それで染めた衣のことであるが)、古女房の比喩として使われているところが面白い。
クヌギは「国木・クニキ」の転訛だとも言われている。
クヌギの実の落ち方も、アフロヘアーのまま落ちる奴、ヘアーはそのまま残し丸坊主で、つまり「実(身)一つ」で落ちる奴とそれぞれであるが、どちらが正規の落ち方なんだろうか(笑)。上の右の写真の実は蓋の中で反転しているから、この後は丸坊主で落下するのだろう。それに対して左の写真のように蓋を付けたまま落ちている奴もいる。発芽ということで言えば、丸坊主で地面に落ちた方が有利かとも思うが、これはどちらにせよ「ドングリの背比べ」に過ぎないのかも知れない。
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