ギリシャの気候
地中海性気候に属し、全体的には温和で過ごしやすい。夏(6~9月)は晴天が続き、日中の気温が30℃を超え、日差しもきつい。ただ湿度は低いので、日本のような蒸し暑さはない。冬(12~3月)は、1年の間で一番雨の多い季節となる。最も気温が下がるのは1月で、アテネの月平均気温は10.3℃、北部のテッサロニキでは5.2℃となる。

山間部では降雪もある。


年間の平均気温はアテネが18.4℃、テッサロニキが15.6℃。 (2018.10.07 23:09:38)

偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2018.10.07
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​  日は、1枚の写真をネタに、ブログ記事を書いてみることとします。
 先日の墓参の折に撮った、写真がもう1枚ありました。
 少しピントが甘い写真であるが、カマキリの写真がそれである。
 わが家の墓は道沿いにあるので、墓石の立ち並ぶ共同墓地の奥へと入って行く必要がないのであるが、時々は何と言って用もないのに、墓石と墓石の間の狭い通路を通って奥へと立ち入ることがある。
 前頁のチカラシバの写真を撮ったのは、その通路でのことでありました。その近くのお墓の敷石の上にカマキリが居た。体長12cmメートル程度のやや大きいカマキリ。小生と目が合った。カメラを構えて近付くと、彼も身構えて、自身を大きく見せようとでもしたのか、前肢を踏ん張るようにして上体を反らすような仕草をした。
 蟷螂の斧ではないが、鎌を振り上げてこちらを威嚇でもするかと思って期待したが、じっと固まったまま。ということは、こちらを天敵・捕食者と見て、動かないという選択をしたのか、或は、こちらを餌と見て、捕食の機会をうかがっていたのか、それは彼に聞いてみないと分からぬことであるが、暫しにらみ合いが続く。​

(カマキリ)
 違ったアングルから撮影しようと小生が立ち上がった瞬間、彼は身を翻して背後の草叢へと逃げ込みました。
 小生が立ち上がったので、その大きさの圧倒的な差を認識して、これは叶わぬと「敵前逃亡」を図ったものか、小生の動作を「休戦」のシグナルと理解して、退却を選択したものか、これも彼に確認してみないことには、どちらとも言えない。お蔭で違うアングルの写真は撮り損ねたという次第。
 カマキリも色々種類があるようだが、これはチョウセンカマキリかと思う。勿論、「挑戦蟷螂」ではなく「朝鮮蟷螂」である。普通に我々がカマキリと言っているのは、このカマキリである。
 日本に居るカマキリは、他には、オオカマキリ、コカマキリ、ヒナカマキリ、ハラビロカマキリ、ウスバカマキリである。これらはカマキリ目のカマキリ科に分類される。もう一つのグループは、ハナカマキリ科に分類されるもので、ヒメカマキリ、サツマヒメカマキリ。
 生物分類学上、カマキリ目に最も近い虫はゴキブリ目の虫だという。
 従って、ゴキブリ亭主にカマキリ女房は「似た者夫婦」ということになる。
 カマキリの学名はMantodea。
 漢字では、鎌切、蟷螂。
 カマキリという名については、鎌で切るからという説と鎌を持つキリギリスの意だとする説があるそうな。
 地方によっては、拝み虫、斧虫、疣虫などとも呼ばれるとのこと。
 拝み虫は、前肢の鎌をもたげた姿が拝んでいる姿に見えることからだが、英語でこの虫は​​​Praying mantisというから同じ発想である。斧虫は鎌を斧と見立てたものというのは容易に察しがつくが、疣虫の方は、疣を取る薬としてカマキリを粉末にしたものを使用したからだとか。
 積雪地では、カマキリは雪に埋もれない高さに卵を産み付けるので、来たるべき冬の積雪の高さを予知する能力がある、ということが言われるが、これは、雪に埋もれている卵も見られることから、伝説に過ぎないようである。英名のmantisはギリシャ語のmantis(予言者)を語源としているが、雪の積もる高さを予言する能力はないという訳である。
 カマキリというと交尾の際にメスがオスを捕食してしまうという話が有名であるが、それは、カマキリは動くものは何でも餌とみなすようにプログラムされているからのよう。然らば、オスがメスを捕食しても不思議はないのに、逆のケースは観察されないらしい。カマキリの交尾は相互に出すフェロモンによって相手を認識してこれを行っているようだが、オスはフェロモンによってメスを認識すると、「動くものは餌」というプログラムが制御されるのに対して、メスはそうでないので、オスと餌との区別が出来ないらしい。
 男は色恋に寝食を忘れるが女性はそうでもない、むしろ食欲を優先するということか、などと人間に当てはめて考えるのは意味のないことでありますが、「花より団子」という言葉がどちらかと言うと女性をからかう場合に使用されることを考え合わせると生物の雌雄一般に何か共通するものがあるのかも・・と考えるのも勿論、無意味であります(笑)。
 カマキリを詠んだ短歌があるかと調べると、この2首が見つかりました。
<蟷螂の短歌>
わが取れる 紗の燈籠に 草いろの 袖をひろげて 来る蟷螂 (与謝野晶子)
月の前に 鎌ふり立つる 蟷螂は 青萱の葉の 光る葉にゐる (北原白秋)


​ で、万葉集にカマキリが登場するかと言えば、勿論、登場しない。
 万葉では、秋​に鳴く虫は、鈴虫、松虫、コオロギ、キリギリス、みんなひっくるめて「こほろぎ」であるから、昆虫図鑑の虫の分類のような訳には行かない。カマキリなんぞは鳴きもしないから、お呼びではなかったのだろう。
 ということで、偐万葉がそれを補うべく偐家持が1首。
台風が 日本海行く 秋の日の 墓参にあひし 蟷螂ぞこれ (藤原鎌切)
本歌)秋風の 寒く吹くなへ わが宿の
          浅茅がもとに こほろぎ鳴くも(万葉集巻10-2158)

 万葉時代に、鎌切が居なかった訳ではない。万葉集の歌に登場しないだけである。藤原鎌足というのが居たが、これは勿論、カマキリではない。
 カマキリの話だけに「キリ」もないこととなりますので、「キリ」のいいところで切り上げるのが得策。
 カマキリについては十分に書き​​足りました。
 これを「カマタリ」と言いますな。
 では、オアトがよろしいようで・・。
<参考>
カマキリの神話
https://www.jataff.jp/konchu/mushi/mushi06.htm
カマキリ・Wikipedia  https://ja.wikipedia.org/wiki/カマキリ






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最終更新日  2018.10.07 22:14:29
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Re:カマキリ(10/07)  
ウーテイス  さん
積雪地では、カマキリは雪に埋もれない高さに卵を産み付けるので、来たるべき冬の積雪の高さを予知する能力がある、ということが言われるが、これは、雪に埋もれている卵も見られることから、伝説に過ぎないようである。英名のmantisはギリシャ語のmantis(予言者)を語源としているが、雪の積もる高さを予言する能力はないという訳である。➡ギリシャでは雪は降るのか?
何故予言者と言う名前?

蟷螂➡聊斎志異に、蟷螂:トウロウの軍隊の話があります。
処で、
相変わらず、文字がビッシリ敷き詰められていますね、

間合いが無い、
落語では、まあい なく 喋るのを 間が無い 間抜け
間が抜けているから、
間抜けとは喋り言葉だけにいうのか?
間合いの無い文章にも メヌケが適用されるのか
知らないですね。。。。

余計な事書くのは、雉が、啼くのに似ているのかも・・・

キジも鳴かずば、撃たれまい。

鳴いて居る場所知られる・・・・美味

出発点は、貴兄ですが、シツコイのは僕の悪癖
研究職だったから、徹底的 習い性
途中で止めたら、発明なんて完成しません・・・
👣からづ?

憎まれっ子世に蔓延る 元粗暴犯 (2018.10.07 21:02:43)

Re:カマキリ(10/07)  
ウーテイス  さん

Re:カマキリ(10/07)  
☆もも☆どんぶらこ☆ さん
私も昨日三重県の農場公園に行った時に、大きなカマキリを見ました❗
ジっーと見つめると向こうも見てきますね❗頭が三角で目が大きくて、
仮面ライダーのような顔でした✨。
雄と雌の違い面白いですね❗
万葉の頃、鳴かないカマキリは、歌には詠まれなかったんですね!
(2018.10.08 09:08:11)

☆もも☆どんぶらこ☆さんへ  
けん家持  さん
  >私も昨日三重県の農場公園に行った時に、
   大きなカマキリを見ました❗
 伊賀のモクモク手づくりファームですね。小生も二度ばかり行ってますが、あそこなら、カマキリやその他の虫もいくらでも見られるでしょうね。
  >ジっーと見つめると向こうも見てきます
   ね❗頭が三角で目が大きくて、仮面ライ
   ダーのような顔でした✨。
 あのようにじっと動かないのは、それが彼の護身術であると同時に狩猟スタイルだからでしょう。小枝などでからかうと立ち向かって来ますから、結構気性も荒いようです(笑)。仮面ライダーはカマキリよりトンボという感じですが、カマキリの三角形の顔もつぶさに見るとなかなか愛嬌のある顔です。
  >雄と雌の違い面白いですね❗
 雄というのは、その生物の種が環境の変化に適合して生き抜いて行けるように、異なった遺伝子を待つ多様な個体を造り出すために発明されたものなんでしょうが、何ともよくできたシステムです。
  >万葉の頃、鳴かないカマキリは、歌には
   詠まれなかったんですね!
 秋の虫はまとめて「こほろぎ」、蝉も「ひぐらし」が登場するだけで、アブラゼミ、クマゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシなどは出て来ない。トンボもアブも何トンボ、何アブというようなことは気にもしていない。生物分類の界門綱目科属種とは無縁の世界の万葉ですが、花に比べて虫の歌は格段に少ない。虫は歌には馴染まないということであったのか、万葉人にとって関心のないものであったのか。虫だけに無視されがちであったのか(笑)。
 花に喩えて怒る女性はいないでしょうが、虫に喩えると怒られる、というようなことが原因でしょうか(笑)。
(2018.10.08 10:35:33)

Re:カマキリ(10/07)  
ビッグジョン さん
>カマキリの話だけに「キリ」もないこととなりますので、「キリ」のいいところで切り上げるのが得策
>カマキリについては十分に書き​​足りました。
 これを「カマタリ」と言いますな


秋の夜長に、カマキリにまつわるお話、拝読
最後のオチまで、その種類やら、別名、人間の色恋に例えてみればと
興味深く読ませてもらいました。
というのも、ボク自身、数回にわたってブログに書いたこともあり
カマキリには思い入れが深いのです。 (2018.10.08 18:06:50)

ビッグジョン7777さんへ  
けん家持  さん
  >秋の夜長に、カマキリにまつわるお話、
   ・・興味深く読ませてもらいました。
 秋の夜長の長話。「カマキリとカマタリは似て非なるもの」というフレーズを思い付いて、それに持って行くための、あれやこれやのカマキリ談義という次第でありましたが、カマキリの話にしては「切れ」に欠けるオチでありましたでしょうか(笑)。
  >というのも、ボク自身、数回にわたってブロ
   グに書いたこともあり、カマキリには思い入
   れが深いのです。
 そうでしたか。カマキリへの思い入れの件は存じ上げませんでした。
 さしずめ、鎌切、鎌足に鎌入を加えて日本三鎌ですな(笑)。
われはもや かまきり見たり 思ひ入れ 君が深きの かまきり見たり (藤原鎌切)
(本歌)われはもや安見児得たり皆人の得かてにすとふ安見児得たり (藤原鎌足 万葉集巻2-95)
(2018.10.08 20:17:36)

Re:カマキリ(10/07)  
こんばんは(^^♪

我が庭での巣から カマキリの誕生、成長して行く様子を見ていたら 可愛くなります。
アリの子みたいに 数数えられない位に居たのに 今では 時たま 見る位。自然界は厳しいですね。
カマキリにも たくさん種類があるのですね。 (2018.10.08 20:55:29)

ひろみちゃん8021さんへ  
けん家持  さん
  >我が庭での巣からカマキリの誕生、成長して
   行く様子を見ていたら可愛くなります。
 虫もよく観察すると可愛いと思えて来る。僕らにはカマキリを餌と見るようにはプログラムされていないのが幸いです(笑)。カマキリは巣から孵化した時には、既に成虫の形をしているので、蝶や蛾のように青虫、毛虫、芋虫と嫌われる時代がないのも幸いです。
  >数えられない位に居たのに今では時たま見る
   位。自然界は厳しいですね。
 多くは、他の肉食の生き物に捕食されてしまうのでしょう。身体が大きくなるにつれて、かつての天敵・捕食者が今度は自身の餌にもなるということで、生存の確率が高くなる。まこと、自然界の掟は厳しいものです。

これやこの 生くも死ぬるも 生まれては 食ふも食はるも 蟷螂の道 (虫丸)
(2018.10.08 21:56:06)

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