Pay It Forward  < alfa146ti >

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2007.10.07
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< 引 用 >

エリック 様


その偉業について聞かせました。 始めはそれを信じようとしなかった子供たちも
いましたが、やがて、皆が共通の考えに至りました。
「あなたがエベレストに登頂できるならば、我々も境界線を飛び越え、盲目でも
社会に参加し、目標を達成できるのだと世界に示す事ができるはずだ。」

私は恋人のポールと一緒にあなたの本を楽しく拝読させていただきました。
そこで子供たちにも、あなたの物語を話したのでした。 つい1週間前、学校の子供
たちにあなたが子供の時に視力を失ったこと、杖を橋から落としたり、他の盲人の
方たちと交流を持つようになるまで、そしてレスリングを通して自分に自信がつい
たことなど、色々とあなたのエピソードを話したところでした。 子供たちは、
全てのエピソードに関心を持ち、自分たちの経験と照らし合わせていました。
そして、たとえそれがドイツであろうと、アメリカであろうと、チベットで
あろうと、視力を失って感じる気持ちは同じなのだと痛感していたのでした。
最初はその事実を恥だと思い、少しずつ時間を重ねて自信を得ていき、盲目
であっても、健常者と同じように物事を感じられると知るのだと。 
あなたの物語を子供たちに聞かせたあと、男の子の数人が学校の健常者の職員
たちとラサの中心部を歩いていました。 ラサは盲人に対してフレンドリーというには
程遠い環境にあります。 街中の道路は穴だらけで、時には数メートルの深さ
だったりします。 建設現場には立ち入り禁止の囲いなど存在しません。
汚水の水たまりに踏み込んでしまうことも多々あります。 子供たちの多くは、
この街中で危険を回避しながら生活するのに慣れています。 杖を使いこなす
こともできます。 私が街中を歩き回ることができるのなら、彼らだってできるのだ
と思っています。 しかし、街にいる遊牧民などは杖を見たことがなく、からかわれ
たりするので、時々恥ずかしい思いをしてしまうこともあります。 「盲目の愚か者」
と冷やかし、彼らのマネをするのです。 しかし、ある時、ひとりの青年が「そんな
こと言われる筋合いはない。 僕は盲目かもしれないが、愚か者ではないから!
君は学校に通ったことがある? 読み書きはできるの? 夜中に灯りがないまま
トイレに行くことはできるの?」と言い返したことがあります。  全ての子供たちが
このように誇りと自信を持ち、強く反論できるわけではありません。 私は、そういう
人々たちこそが愚かなのだと言い聞かせています。 そして言い返せるなら、強く
言い返すべきだと。 今は、多くの子供が、言動によって自らを守るという考え方に
賛同しています。 最初はフレンドリーに答えてみて、これで効果がなければ、
強く言い返し、同じように相手をからかうようにしています。

それでも、健常者の友達がいる場合は、杖を隠し健常者の腕を借りてしまうのです。

しかし、あなたの物語の最後で、私は子供たちに訴えかけました。 「この人は、
あなたたちと同じように盲目でありながら、世界の頂点に登ったのよ。 しかも
健常者の腕を支えにしたわけではなくて、何本かの紐と2本の杖の力を借りただけ。」
これを聞いた子供たちは、健常者の腕を借りずに、胸をはってひとりで歩くことに
したのでした。

あなたの物語は、彼らの人生に変化を与えました。 今は、恥じることは何もない
のだということ知りました。 誇りをもって生きてよいのだと。 そしてよくこのように
言います。  「我々は盲目だ。 だから何なんだ?我々は英語も中国語も話せるし、
ラサの迷路のような街中を自由に歩くことができる。 そして灯りがなくても、
3カ国語の点字を読み分けることもできる。」

先週、あなたにチベットに来てもらえないかという依頼の手紙を書くと、
子供たちに伝えました。 もし可能ならば、ちょっとした登山のワークショップを
子供たちに実施してもらえたら素敵なことですよね。

2年前に、生徒の数名がロッククライミングを始めました。 指導は、チベットの
登山協会のエベレストガイドさん。 あなたがエベレスト登頂に成功したこと話し、
そのガイドさんに、あなたをラサに招くことについて提案してみたのです。 
ガイドさんも非常に興味をもってくれて、それからあなたのメールアドレスを
探しはじめたのです。


盲人に、立ち上がり、自分の中にある障害を乗り越えるように勇気づける
という点で、ある意味、私達は同僚のようなものだと思っています。

あなたの本を読んで、私達は似たような哲学、歴史、考え方を持っているように
感じました。 私達の学校を訪問してもらえたら、すごく嬉しく思います。
私とポールは来年の始めにアメリカに行きたいと思っているので、まずそこで
会う機会があればいいですね。

今は、コンピューター室にいます。 私のとなりには、9歳で視力を失った、
ゲンセンという非常に賢い生徒が座っています。 彼は女の子2人と共にコン
ピューターレッスンを受けているので、彼もあなたに手紙を書くと言っています。

ゲンセンは僻地の貧困な農業地帯出身。 盲目になってしまったことで、家族は
3年間、彼を暗い部屋に監禁していたのです。 盲目の子供がいることを恥に
思ったからです。 チベットでは、前世に罪を犯した人が盲目になるという言い
伝えがあります。 そして盲人は悪魔にとりつかれているとも言われています。

彼が施設に来たばかりの頃は、とてもシャイでした。今は優等生のひとりとなり、
コンピューターの使い方にも自信をもっています。 村の中で、地球は丸くて、
電線だけで人がコミュニケーションをとれることを知っているのは、唯一彼だけ。
他の村の子供たちに、「鉄のヤク(野牛)」は実はトヨタのランドクルーザーで、
水ではなくガソリンを飲んで動くことを、教えてあげることができるのです。

チベットで育った盲目の子供たちは、ドイツやアメリカで育つのとはまったく違う
環境に置かれています。しかし他の国の盲人たちとの連帯感を抱くようになりました。

この連帯感とつながりを感じることで、自分たちの人生を生きていく力とパワーを
得ています。

今日は「白い杖の日(the international day of the white cane)」です。
あなたはこの日を誇りに満ちたものにしてくれました。

晴れやかで、寒いラサより、子供たち、スタッフ、そして特にポールがよろしくと
言っています。

ご家族にもよろしくお伝えください。

心をこめて、
サブリエ・テンバーケン


<引用おわり>

こんな強烈なメールから成し遂げられた行為が映画になっている。

image-46.jpg

発信者も受信者も盲目という。
しかし、この2人の偉業からすれば、我々の肉体の目を越えたこころの目をお持ちのようだ。
彼らにヒマラヤの空はどのように見えているのだろう。

さて、岐阜までいくか、豊橋か、今日帰ってきたとこだけど、金沢に観に戻るか・・・
(笑)






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Last updated  2007.10.08 16:00:28
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