こんばんは~!

歴史上、名が残った人物って、それなりの逸話がありますから、小説家としては想像力が掻き立てられるのでしょうね。

私はあんまり読んでいないんですが、有吉佐和子の『和宮様御留』と井上靖の『蒼き狼』は、ものすご~~~く面白かったです。

そうか~、まだまだ面白く読めるものは、ふんだんに残っているということですね、私のバアイ。 (2005.05.27 00:31:43)

漫望のなんでもかんでも

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まろ0301

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2005.05.27
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 こんにちわ。今日はどうしたんだい?

 え、質問がある・・ききたい事ができたのかい?
 何なんだ。言ってごらん。

 ん、「大河ドラマなんかみんなウソじゃないか」って・・・。そりゃ、おまえ、自分の知恵じゃないだろう。誰に聞いたんだ?
 ふんふん、近くに住んでる「せしるん」ってお姉さんがそう言ってたって。

 もうちょっと詳しく聞いて見たいね、他にどんな事言ってたんだい。
 ほーほー、そんな昔のことなんか分かるわけないじゃないの、学者が調べてもわかりっこないんだからって・・えっ、そんな事言ってたのかい・・。

 身も蓋もないねぇ、最近の若いモンは。

 あのね、昔のことで、よーく分かってる事もあるんだよ。たとえばね、滝沢馬琴という変わりモンの偏屈ジジイがいて、・・・何、おじいちゃんと同じなのかって・・・まぜっかえすんじゃないよ。ちゃんとそこに座って。ほらほら、パンツが見えるだろうが、ちゃんと座んなよ。


 どこまで話したっけ・・あっ、馬琴爺さんだよ。この人がマメでね。日記つけてて、毎日の天気をきちんと書いてるんだよ。

 だから、この人の日記を見ると、何年何月の何日の江戸は晴れてたのか、曇ってたのか、雨だったのかってのは分かるんだよ。

 天気がわかってどうすんだって?お前も馬鹿だねー。いいかい、お話ってのは、「つくりもの」なんだよ。初手からそういうこと言っちゃあホントに身も蓋もないんだけどね、「つくりもの」なんだよ。

 だってそうだろう。
 こうこうでしたって、資料が残ってない事も、小説書いている人は書かなきゃご飯が食べられないんだから。

 だけどね、分かってる事は、調べて書かなきゃ、いいウソがつけないんだよ。
 おまえはまだ小さいからわかんないかもしれないけど、小説家ってのは、詐欺師と五十歩百歩なんだよ。

 え、「五十歩百歩」がわかんない。いいんだよそんなもん。あんまり変わりがないって憶えときな。
 え、「五十歩」と「百歩」じゃ違うって・・・それならな、「目くそ 鼻くそ」ってわかるか?分かるけれど、喩えが汚いって・・。

 もういいよ、黙って聞きなよ、話が前にすすまねえや。

 人をだまくらかそうと思ったら、いかにも「本当らしい」話をしなくちゃ駄目なんだよ。



 どこの会社に勤めているか、どんな仕事をしているか、電車で通勤しているかバスなのかなんかも調べなきゃならない。そういうことがきちんと調べてあると相手がだまし良いわけだよ。

 だけどさ、肝腎の、「交通事故で相手に怪我をさせてすぐに金がいるんだよ」ってのはウソのわけだよ。ホントの事とウソとが上手い具合に混ざってるからだまされんだよ。


 だからね、馬琴の日記を読んで、「文化五年の元日。その日は朝から雨だった。たえまなく降り続く氷雨の中を女が小走りに駆けて行く」ってったらさ、ほうほう・・となるじゃねえか。

 歴史のことを調べたりしてる学者先生は、調べたことしか書けないんだよ。
 ところが、小説家は、調べた事を使ってウソをかくんだな、これが。



 「『あなた、明日はお早いんですか』と常盤は言った。
  『それがどうした』と清盛は、熱い吐息を常盤の・・」

 あ、これじゃないよ、違う違う、こんな本じゃ駄目だな。
 えっ、もっと読めって・・・困ったな。

 まっ、いいや。こんなふうな、二人の会話なんか資料がないんだよ。お布団の中でどんな話をしていたかなんてね。でも、この時に二人の間で、こんな風なことを話したんじゃないかなって想像しながら書けるのが小説家なんだよ。

 だから、いいかい、分かってる事は良く調べて書くんだよ。でもな、調べがつかないことは、想像して書くんだなぁ。

 時代小説を書いてる人はよく勉強してるぞ。特に江戸時代なんざ、絵図も一杯あるから、どんな町並みだったか、ここの町の米屋の向かいにはどんな家があったかまでわかってんだよ。

 上手なウソをつくためには、ちゃんと勉強しないといけませんからって言ってる人もいるんだからな。

 新しい資料が見つかったといっちゃあ、そこへ行って見せてもらったり、熱心に研究してる人に話を聞いたりするんだよ。


 でもな、ここが難しいんだけどな、ある人と仲が悪かった人がいて、その人のことをクソミソに書いたとするじゃないか。でな、その人の書いたモンだけが残っちゃったらどうなると思う。

 そうだよな。悪い話だけが残っちゃうんだよ。おまえね、じいちゃんの事を、婆ちゃんからはどんな風に聞いてんだ?
 ・・んっ、ケチで、意地が悪くて、いばりんぼだって・・・ロクな事言わねえな、あのババアは。でさ、お前はどう思ってんだよ、じいちゃんの事は?

 え、手え出して何してんだよ。何、褒めてほしかったら誠意を示せって・・・最近のガキはこれだからなぁ。ほらよっ・・。なになに、男前だって。ほうほう、金離れがいい、物識り、中々いいね。もう一声ないのかい。

 えっ、また手え出してるよ。困ったガキだね。

 あ、そうそう、じいちゃんについて、婆ちゃんの話だけが残っちまったら、じいちゃんは、ケチでいばりんぼで・・って事になっちまうだろうが。百年も二百年も経ってしまったらさ。

 えっ、そこまでじいちゃんの事を憶えてる奴はいないって・・・モノの喩えだよ,喩え。

 だからさ、悪い噂がある人でも、ひょっとしたらいい人かもしんないんだよ。その人のことを良く書いてる資料が無くなったか、まだ見つかってないかでさ。

 まあ、お前は知らねえだろうけど、井伊直弼ってお方がいてね、この人なんか、大悪人だって言われてたんだよ。だけど、この人はこの人なりに日本のことを考えてたんじゃネーかって思った小説家の人がいてさ、『花の生涯』って本を書いて、これがNHKの大河ドラマの第一号よ。

 評判だったねー。尾上松禄、良かったねー。
 『樅の木は残った』の原田甲斐なんて人もそうなんだよ。

 えっ、そんな昔の話をするなって。
 ま、そうだわなー。まだおまえなんか影も形もなかったんだからなー。

 わかったか?・・だいたいわかったって。

 え、もう帰るのかい。どっか行くところがあるのかい?・・「せしるん」さんとこ。

 おいおい、「せしるん」さんって、どんな人なんだよ?年のころは?なに、そんなプライバシーにかかわる事は言えねえって。難しい時代になりやがったねー。

 おい、手え出して何してんだよ。事と次第によっては調べないものでもないってか。

 じゃ、手え出しな。ホントに、年金暮らしの年寄りから金をふんだくるなよ。わかったら、ちゃんと報せに来るんだぞ。・・おいおい、表通りは車の往来が激しいんだから、駆け出すんじゃないよ、気いつけて行っといで。

☆一部、問題を単純に設定したり、ハンドル・ネームの「実名」を使用しておりますが、鯛はもちろん、鱸も、鰆もございません。家主敬白





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Last updated  2005.05.27 00:22:42
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Re:ドラマの虚実問答(05/27)  

いい本を読んでらっしゃいますねー  
まろ0301  さん
スピッツのチャーさん

>私はあんまり読んでいないんですが、有吉佐和子の『和宮様御留』と井上靖の『蒼き狼』は、ものすご~~~く面白かったです。

☆井上靖さんの作品は、『天平の甍』『おろしや国酔夢譚』もいいです。
 『蒼き狼』は、チンギスハンの一代記として傑作ですが、モンゴル史の研究の先端部分にいる人からは批判もあるようです。
 それはまた書こうと思います。
 歴史研究の進展と、小説との関係は難しいと思います。それぞれ別の分野と考えた方がいいとは思いますが。 (2005.05.27 00:53:06)

Re:ドラマの虚実問答(05/27)  
私は集英社のコバルト文庫(ライトノベルです)から出ていた、「炎の蜃気楼」シリーズ(40巻あります。昨年完結しました)にここ数年はまってます。主人公は上杉謙信の養子で北条氏康の息子であった上杉景虎。私は謙信(「天と地と」の石坂浩二は好きでした)の養子といえば景勝しかしらなくて、二人の跡目争いがあったということも、この小説で初めて知りました。とにかく歴史の表舞台には現れてこない、超マイナーな人物です。ちなみに時代小説や歴史小説の類ではありません。
詳しいことは長くなるので省きますが、初めはサイキックノベルの様相で始まりましたが、途中からとても意味の深い、アブナイ恋愛問題も含めた小説に変わりました。
作者の桑原水菜さんは中央大学の日本史専攻だったようで、歴史は得意だったんだと思うのですが。
私はこの作品によって、力のある小説というのはどんなものかということがとてもよくわかりました。それはフィクションの世界なんですが、読む人の心の中には確かに実在しているんです。
作者が身を削るようにして言葉を生み出し、人の心をえぐるような鋭さで突っ込んでくる。
作品とともに(完結まで十数年の月日がかかっています)作者の精神的な成長も見て取れる、最後まで目が離せない作品でした。
私は、小説やドラマ、映画を見ると、すごくシンクロしてしまうので、忙しいときは心をとらわれないようになるべく近づかないようにしてます(笑)。
最近のお気に入りは、梨木香歩さんの「家守綺譚」。上田秋成の小説を彷彿とさせるような、ミステリアスで作品。樹木の好きな人には特におすすめです。 (2005.05.27 10:39:32)

まろさんてば・・・・・・  
せしるん  さん
鯛も鯖も無くても、遊んでますね?
物語を作ってますね?(でも若い人になってるからイイヤ。(笑))
・・・つまり、これが歴史の成り立ちとも。
伝言ゲームだって、すぐ内容変わっちゃいますもんねぇ。(それは違いますって?) (2005.05.27 11:02:02)

Re:ドラマの虚実問答(05/27)  
サリィ斉藤  さん
あ~面白かった!!
実際の落語家さんの噺を耳にした経験があまりないものですから、ドラマ「タイガー&ドラゴン」で落語家役をやっている、西田敏行さんの高座の口調で読んでみました(笑)

以前、自分の日記でも書いたのですが、司馬遼太郎さんの本なんて、心酔してる殿方多いですよね。で、実際に登場人物の命日にお墓参りに行っちゃったり。ご本人はお墓の中から、イメージ戦略を成功させてくれた作家に感謝しているでしょうか(笑)

推理はムリでも、想像の翼を広げるくらいなら、誰でも「時の娘」の安楽椅子探偵になれるということなんですよね。
でも、実際は生活の終われて時間が足りないです、本当に… (2005.05.27 11:28:06)

これは読まないと  
まろ0301  さん
なずなっち8643さん
>私は集英社のコバルト文庫(ライトノベルです)から出ていた、「炎の蜃気楼」シリーズ(40巻あります。
>作者が身を削るようにして言葉を生み出し、人の心をえぐるような鋭さで突っ込んでくる。

 そういう本があるのですね。ご教示有難うございます。探してみようと思います。
 小説=フィクションは、読み手をどれほど引き込むかが勝負だと思います。
 違和感を持たれてしまうとそこで終わってしまう。そうならないために持てる力を傾けるわけですが。

 梨木香歩さんの「家守綺譚」。上田秋成の小説を彷彿とさせるような、ミステリアスで作品。樹木の好きな人には特におすすめです。
-----
☆上田秋成とは聞き捨てなりませんね。
 これも探してみます。日曜日に図書館に行ってきます。採点も何とか終わりそうだし。 (2005.05.27 23:11:05)

大変に失礼を致しました  
まろ0301  さん
せしるんさん
遊んでますね?物語を作ってますね?(でも若い人になってるからイイヤ。(笑))
>・・・つまり、これが歴史の成り立ちとも。
>伝言ゲームだって、すぐ内容変わっちゃいますもんねぇ。(それは違いますって?)

☆「伝言ゲーム」というのはいい喩えだと思います。
 「せしるん」さんの話を、小さな女の子が聞いた。彼女の理解能力では、単純化して、自分が覚えられるかたちで変形して記憶して、爺さんに伝えた訳です。
 で、この爺さんも爺さんで、自分がしゃべりたい事だけしゃべってしまう・・。
 「原資料」と「伝聞」との関係はこんなものなのかなと想像していただければと思っています。
 つい、おちゃらけてしまい、失礼致しました。
 でも、面白かったです。
(2005.05.27 23:15:55)

お付き合い有難うございました  
まろ0301  さん
サリィ斉藤さん
 西田敏行さんの高座の口調で読んでみました(笑)

☆いやいや、もったいないことです。でも、楽しんでいただけたようで嬉しい限りです。

>以前、自分の日記でも書いたのですが、司馬遼太郎さんの本なんて、心酔してる殿方多いですよね。

☆司馬さんも苦笑しておられると思います。
 「ひいきの引き倒し」ということが見られますから。

>推理はムリでも、想像の翼を広げるくらいなら、誰でも「時の娘」の安楽椅子探偵になれるということなんですよね。
>でも、実際は生活の終われて時間が足りないです、本当に…
-----
☆そうですね。ちょっとだけ、ちょっとだけなんですがね。
 それが過ぎると「妄想」になりますが。 (2005.05.27 23:20:31)

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